中学二年で死ぬから美少女とフラグ立てたらTSした原作主人公だった件について   作:re:753

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前回のあらすじ
美少女かと思ったら原作主人公TSでモブの新郎がヤベーイ!

サブタイトル長すぎて草
というか感想が来ててやっぱ、エヴァを……最高やな! と原作の力強さが見える見える。あと感想で三日後って言ったけど書き上がったから初投稿です


使徒来襲して逃げた先でくそオヤジと出会って啖呵切ったらエヴァ動かす事になった件

 最後にエヴァを見たのは単純計算で十数年前、おまけにTV版は前世でちらっと一回見た程度、細部を忘れていたのと、そういえばレイ……いいやTSシンジくんが来た日に、最初の使徒がやってくると気づいたのは第3新東京市について、非常事態宣言が発令されたときだった。

 アカンと思い、レイの手を引いて今となっては馴染みの公衆電話に駆け込むが――――。

 

『特別非常事態宣言発令のため――――』

「直通の電話くらい優先回線に回せやァッ!!!」

 

 受話器を叩きつけて肩で息をする。

 

「来るんじゃなかった……」

「ごめんね」

 

 原作でレイ……いいやシンジくんが言ったセリフを言うと申し訳無さそうに、謝るレイの頭を撫でる。

 別にレイのせいじゃないし、ここに付いてきたのは俺の意思だからいい。

 レイが原作で言う碇シンジであるとわかった日、関係を絶とうかと考えたこともあったが……そうするには情が湧きすぎたし、男が女になっているのだ、じゃあ原作と違う展開があるかもと楽観的な考えとそしてレイの涙目で付いてきてくれという泣き落としに俺は負けて付いてきてしまった。

 

「この、ミサトさん? って人が迎えに来るはずだけど……」

「非常事態だからなぁ、来るかどうか」

 

 レイが手に持った写真には、原作のようにはだけた服にキスマークがあるふざけた写真ではなく、きっちりとスーツを着こなしたできる女風のポーズを取っているミサトさんがいた。

 まぁ、『レイちゃん江 私が迎えに行くから待っててネ』とおちゃらけた文章はそのままだったが……ちなみに、これをじーっと見るとレイの機嫌が急激に悪くなるのでチラ見してすぐに目を離す。

 

「どうしよう、シェルターの場所も……えっ?」

 

 レイが目を見開き、道路を見た。

 俺も同じように見るが、そこには誰も居なかった。

 次の瞬間、耳をつんざくような轟音と衝撃波が俺とレイを襲った。

 

「きゃあっ!? な、何!?」

「……VTOL?」

 

 咄嗟にレイの体を支えて、空を見上げると数機のVTOLがゆっくりと後退していた。

 そしてこの場面を見て、忘れていた記憶が蘇り、俺は一目散にレイの手を取って走り出した。

 

「ど、どうしたの!? シンジ」

「なんかヤバイッ! 早く逃げるぞ!!」

 

 嘘だ、何が起きてるか俺は知っている。

 轟音とともに何かが歩いている音が聞こえた……姿は見てないが、おそらく使徒だろう。

 まぁ、それは別にいい、重要なことじゃない。

 

「な、何アレ、なんなの!?」

「振り向くなッ!! 今は逃げることだけに集ちゅ……うわぁっ!?」

 

 爆音とともに近くに何かが落ちた音がした。

 振り向くと一機のVTOLが大破して墜落していた……アニメ見てるときもそうだが、このとき誘爆してたら死んでたよなぁと。

 続いて、使徒がふわりと浮かび墜落したVTOLの上に着地して――――くそったれ!!

 

「レイっ!!!」

 

 思わず立ち止まって、自分の体を盾にするような形でレイを抱きしめて、目を閉じる。

 爆音が鳴り響き、破片が俺を……。

 

「ごめーん、おまたせっ! ……って、あなた誰?」

 

 ちょうど俺とレイを庇うように車が停車し、運転手が声をかける。

 その声の主は件のミサトさんであった。

 レイのことは認識してただろうが、なんの情報もないであろうモブである俺にはミサトさんも困惑気味だろう。

 が、今はそんなことを言ってる場合ではないため、レイと荷物を担いで、車の前席に放り込み、俺は後部座席に座る。

 

「出してくださいッ!!」

「あぁもう!! しょうがないかぁ!! 掴まって!!」

 

 急発進した車のGに息が詰まりそうになるが、非常事態&命の危機、多少の無茶をしてもらわないと困る。

 流石のミサトさんも、超至近距離に使徒がいるせいか、真剣な表情で戦闘区域から離脱していく。

 轟音が遠くなるに連れて、緊張していた体から力が抜けるのを感じる……アレが使徒かぁ、本物は迫力が違うわ。

 無言のまま十分ほどだろうか、高台まで逃げてきたミサトさんだったが、戦闘の様子が気になるのか一旦車を停車して、車内から双眼鏡みたいなもので戦闘を見ていた。

 レイは驚きから声も出ないのか、無言で体を震わせていた。

 ……そういえばなんか忘れてるような気がする。

 

「……君が何者かわからないけど、安全地帯で君だけは降ろすわね」

「いや、レイも一緒に……あっ」

 

 双眼鏡に目を当てながら、そういうミサトさんに俺はとりあえず何も知らないフリをして返答をしようと口を開いたときに思い出した。

 確かN2地雷とか言うもの使って、大爆発起こすんだった!!!

 

「ミサトさん!! レイの体を守ってッ!!」

「何っ!? ってまさかN2地雷使うワケぇ!? 伏せてッ!!」

 

 まずは光で視界が潰れ、凄まじい衝撃波が車に襲いかかり、紙風船のごとく車を何度も横転させる。

 シートベルトも何もしていない俺は、ふわっとした浮遊感の後に、横転する車内で何度も体をぶつけてしまう。咄嗟に頭は庇ったが、全身を打ったせいかしばらく痛みに悶える。

 痛みが収まったため、横転した車内から顔を出すと同じように顔を出していたミサトさんとレイがそこにいた。

 目の前にはまるで地獄の業火と言わんばかりの爆炎と煙が立ち上っていた。

 

「あらまー、地図書き直しだわこりゃ」

「……なんつーもん起爆してんだよ」

「もう、何がなんだかわからないよ」

 

 暫くして、三人で車内から出ると力を合わせて、横転した車を戻そうとした。

 幸い、坂のようになっている場所だったので力はいるがなんとか平の状態に戻すことができた。

 

「ふぃー、助かったわ。碇レイちゃんと少年くん」

「……三上、三上シンジです、葛城ミサトさん」

「ミサト、でいいわよ。シンジくん……あぁ、あなたがレイちゃんのボーイフレンドね!」

「ぼ、ぼぼぼボーイフレンド!?」

 

 レイの顔が真っ赤なタコのように赤くなる。

 その様子を見て朗らかに笑うミサトさんだったが、苦い顔をして車を見る。

 

「エンジンがかかってくれたらいいんだけ……どっ!」

 

 車内に戻り、エンジンをかけようとキーを回すミサトさんだったが車はうんともすんとも言わない。

 おそらくは車の内蔵電池がおしゃかになったのだろう。そら車が十回転くらいはしたのだ、内部のパーツの一つや二つは壊れるだろう。

 

「だーめだこりゃ、ごめん! 二人ともちょーっち手伝ってほしいことがあるの」

 

 パンと合掌したミサトさんは、そのまま俺とレイに向かって頭を下げる。

 

「え、えっと、何をすればいいんですか?」

「んーとね、パーツ拝借、かな?」

 

 

○○○

 

 

 

「へえ、じゃあレイちゃんに頼まれてわざわざ第3新東京市まで?」

「えぇ、着いた早々こうなるとは思いませんでしたが」

 

 あの後、近くの車からバッテリーその他諸々のパーツを強奪……ミサトさんが言うには徴収らしいが、まぁ、非常事態なのでヨシ!(現場猫)

 そしてニコイチして、車を走らせている。

 その間暇なので、ミサトさんに軽く何故俺がここにいるのかという説明をしていた。

 

「そうよねえ、にしてもガッツあるわねあなた。レイちゃんを咄嗟に庇ったときもそうだけど普通悲鳴上げるでしょうに」

「現実味がないだけですよ、あんな得体のしれないものが闊歩してる現実とか認めたくない」

 

 ココらへんは素直な感想だ。いや、怖いとかの前にマジで現実なのか? っていう感想しか思いつかない。余りにも想像力の斜め上に行くと人間、恐怖心よりも疑問しか沸かないらしい。

 

「シンジくん、あなたをどこかで降ろしたいけど、この非常事態だから特例として、NERV本部まで連れて行くわ。時間がないのよ、あいつもいつ活動を再開するか」

「……倒せないんですか?」

 

 口を開かなかったレイがそう言う。

 ミサトさんは今までのおちゃらけた笑顔を消して、まっすぐ前を見る。

 その倒す手段がレイが操縦するエヴァしかない、んなことは言えないだろう。

 そのまま俺たちはトンネルに入り、そのまま車両運搬機で運ばれる……リアルジオフロントはカッコよかったし、レイも驚嘆の声を上げていた。

 

 ただしそっからが問題だった。

 

「あの、ミサトさん、地図見せてください。さっきからおんなじ場所ぐるぐるしてます」

「だーめ、ここまで入れてるのも問題だけど、資料とか見せられません。レイちゃんも渡したパンフレット見せちゃ駄目よ?」

「んなこと言っとる場合かぁっ!!!」

 

 構造が複雑というか、ベルトコンベアで運ばれる部品のような移動の仕方なので、間違って入るとずーっと運搬されるだけという、不親切設計。まぁここまでデカイ建物だと、親切とかそういう問題度外視で作らないと間に合わないのだろう。

 ちなみに、本当に部外者の俺がここまで来れたのは、機密保持のためそこらへんに放っておけず、「私と一緒ならあとでどうとでもなる!」とかいう現場猫方式からだったりする、それでええのかNERV。

 結局、ミサトさんが施設内に設置してある電話でどこかに電話し、エレベーター内で待つこととなった。

 

「最初からこうすればよかったんじゃ?」

「結果オーライってやつよ」

「……シンジ、ミサトさんと仲いいね」

 

 ふとレイからジト目で見られるが、ないないとジェスチャーする。

 仲いいわけがないし、このおちゃらけた感じは葛城ミサトという人物の処世術だ。俺も話すから話しているが、こちらを見る目が笑ってないことはわかっている。

 

「仲いいわけ無いだろ、出会って数時間だぞ」

「あらー、嫉妬ォ? レイちゃん可愛いわね」

「……別に、そういうのじゃないです」

 

 ツーンと顔をそむけるレイが可愛いんじゃぁ~と和んでいると、エレベーターの扉が開き……白衣と水着とかいう斬新なファッションの赤木リツコ博士が入ってきた。

 確か、ギリギリまでエヴァの調整してたと思うからこのカッコーだろうが、スタイル丸見えで正直眼福です。

 

「……遅れた挙げ句、部外者の立ち入り。問題よ、葛城一尉」

「ごめん! この子、レイちゃんの付き添いでここに来て、シェルターに行く時間もなくてネ」

「拘束でも、なんでもしてどーぞ」

 

 破れかぶれでそういうと、こちらを値踏みするように見た赤木さんはため息をつくとレイを見る。

 

「コレが例の……」

「そっ、サードチルドレン」

 

 よろしくと赤木さんが言うが、レイは先程のミサトさんの言葉に憤慨してるのか頷いて、パンフレットで顔を隠してしまった。

 

「何かしてしまったかしら?」

「私がちょっとからかっちゃって、よっぽどこのボーイフレンドくんが大事みたいよ。父親と似ずにいてくれてよかったわ」

「ボーイ……へえ、今の子は進んでるのね」

 

 そんな雑談を聞きながら、俺はぼんやりと思う。

 この後の展開は知っている。エヴァのところまで行き、数年ぶりにレイは父親と会うのだ。

 そして動かしたこともないエヴァをいきなり実戦投入をされ、暴走してそれを打ち倒す……が、戦闘後気絶する。

 その時、俺はただ見てるだけでいいのか? と思う。

 確実に後悔するのは間違いない。

 というかエヴァとのシンクロ率が上がればどうなるか、旧劇場版を見てた視聴者からしたらいいものではないことはわかるだろう。未だにあのアスカの腕が裂けるシーンはトラウマもんだ。

 じゃあ俺がエヴァに乗ります! なーんて言えるはずがない。

 確実にシンクロができないし、部外者を乗せることなんてあの碇ゲンドウが許さないだろう。

 

「大丈夫? シンジ」

「んっ? あぁ大丈夫、大丈夫、へいきへっちゃらだよ」

 

 考え事が深刻だったから顔に出ていたのだろう。

 全くトリップ主人公とか知識持ちの奴らは、よく素知らぬ顔でやれるもんだ、こちとら吐きそうになりながら考えてるってのに。

 ふと横を見れば巨大な手が見える……エヴァの手だとわからなきゃパニック映画さながらの光景だなオイ。

 

「……驚かないのね、シンジくん」

「バカでかいアレ見た後じゃ、大抵のことには驚きませんよ」

 

 赤木さんに訝しげに見られる。レイもなんだろうと見て、ひぃ!? と声を上げていた。

 アレ、お母さんだよと言いたくなる俺は悪くないだろうね。ただし言ったらこの場で射殺されるだろうけど。

 ゴムボートに乗り込み、そのまま走らせてエヴァの体に着いている固定ロックの側面、そこにある階段に接岸しそして登る。

 暗い部屋の中に入るとパッと明かりがつき、紫色の頭部が見えた。

 

「顔、巨大な、ロボット!? さっき見えてたのがコレ!?」

「……でっけえ」

「人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオンその初号機……シンジくん、これを外部に漏らしたら死ぬわよ」

 

 警告も兼ねて言われたのだろうが、俺は目の前の光景に感動して震えていた。だってエヴァだぜ? あのエヴァンゲリオンが目の前にあるんだぜ? 歓喜の声を上げなかった俺を誰か褒めてほしい。

 赤木さんがペラペラ喋っているが耳に入らない。子供のとき憧れたソレが目の前にある、それだけで嬉しかった。

 

『久しぶりだな、レイ』

 

 マダオな声が聞こえ、俺は上を見上げる。逆光でよく見えないけどな。

 隣のレイが震えていたから、手を握ってやると泣きつきそうな表情をしたレイがこちらを見ていた。

 

「シンジ……っ」

『……何を、している』

 

 ん??????? と俺は記憶にある場面と逸脱したセリフに疑問符を浮かべて、レイではなく上にいるゲンドウを見上げる。

 逆光で見えないが、なんか怒ってるようなオーラを出しているように見える? ん? 待って、セリフちゃうやん、渋い声で出撃って言う場面でしょ????

 

『何をしていると聞いてる』

「友達が震えてたから手握っただけだよ、オトウサン」

 

 レイから手を離し、一歩前に出てゲンドウをにらめつける。

 事情があったのは知ってるし、そうしなければいけない理由もあったのはわかる。だがその前に親であることを放棄したこのクソ親父をぶん殴らなきゃ気がすまない。

 原作を見たからってのもあるが、レイがウチに遊びに来たとき、俺の両親を見るレイが寂しそうな顔をしてたのを覚えてる。

 何も聞けなかったが、子供が寂しいと素直に言えない状況に腹を立てた。

 

「あんたが、碇ゲンドウだよな? 会ったらぶん殴ろうと思ってたよ」

『……三上、シンジ』

 

 驚いた、まさか俺の名前を知ってるとはな。

 

『なぜお前がそこにいる』

「気に入らなきゃここに来いよ、そんな上から見てないでさ……どんだけレイをないがしろにすれば気が済むんだ?」

『……葛城一尉』

「彼は碇レイとともに行動しておりました。私の独断でここまで連れてきてしまい、誠に申し訳ありません」

 

 成り行きを見守っていたのか、口を開かなかったミサトさんが直立し、頭を下げる。

 ゲンドウは一瞬だけミサトさんを見たが、すぐに俺を見る。

 

『部外者は退出したまえ』

「ならレイもだろう? それとも何か、レイにやらせたいことでもあんのか?」

『説明している暇も、君には知る権利もない』

「そうだろうよ、ただの男子中学生がこの場には不釣り合いだろう……うわぁっ!?」

 

 轟音と振動が重なる。

 あぁそうだ、この説明受けてるときには使徒が再活動してて、ビームブッパしてるんだった。

 尻もちをついて、上を見上げると振動に耐えきれなかったのか、照明が俺をめがけて落ちてくる。

 

「危ないっ!!」

「逃げてっ!!」

 

 ミサトさんとレイの声が聞こえる。

 原作ではエヴァが庇ってくれたから、シンジくんは助かった……だが俺はシンジだが、碇シンジではない。

 初号機が守ってくれることはないだろう。

 死ぬとわかっているからか、スローモーションのように落ちてくる照明を見て、俺はレイの方を見る。

 半べそかきながらこっちに走ろうとして、ミサトさんと赤木さんに止められていた。

 あんがと、二人共、レイに何かあったら怖いしな。

 ……圧死かぁ、まぁLCLに分解されるよか上等な死に方だよなぁ。

 

「……レイ、楽しかったよ」

 

 そうつぶやいて、目を閉じる。

 せめて痛くなければとそう願い、最期の時を確信した瞬間――――轟音とともに照明が弾き飛ばされる。

 

『……馬鹿な』

「そんな、嘘でしょう!? エントリープラグ無しで、エヴァが自律行動を!?」

 

 ゲンドウの驚愕の声というレアボイスを聞きながら、赤木さんが叫んだ。

 守られた俺も驚いた。アニメのように右腕を上げているエヴァ。

 縁もゆかりもない俺を何故、助けてくれたのかわからない。

 

「シンジッ!!!!」

 

 駆け寄ってきたレイが、俺の胸に飛び込んでくる。

 柔らかい感触と優しい匂いが俺を包み込む……生きてるって素晴らしいネ!

 

「良かった、良かったぁ――」

「……なぁ、ゲンドウさんよ。何が起きてるのか全然わからないけど、多分今俺を守ってくれたこいつを使って、外の化け物をなんとかする気なんだろ? 俺にこいつを操縦させてくれ!!!」

「シンジ!?」

 

 レイを抱きしめながら、ゲンドウに向かって叫ぶ。

 可能性はゼロではないはずだろう。多分、だけど。

 何故エヴァが……碇ユイさんが俺を守ってくれたのかわからない。だけど守ってくれたのは事実だし、もしかしたら動かせる可能性があるかもしれない。

 モブとか言ってたが、もうなんでもいい。物語に食い込んでやるよ!! ヤケクソだけどさ!!!!

 

『バカを言うな、動かせるはずがない』

「じゃあなんで動いたッ!! なんで俺を守ってくれた!? わからねえだろ、誰にも、俺にも! だったらやらせろ! 俺は部外者だし、多分、本当はレイが操縦するはずなんだろうけどさ。こんなもんレイが動かせるわけないだろう!!」

「シンジっ……ねえ、父さん、私が動かすの?」

『……そうだ、お前が動かすんだ、レイ』

 

 レイが俯く。

 そらそうだろう、わけもわからずココに来て、変な化け物に襲われて、挙げ句にはこんな巨大ロボットを動かせと言われたら困惑するに決まっている。

 

「赤木さんって言いましたよね、こいつの操縦室に行かせてください。レイには無理だ」

「司令の言葉が聞こえなかったの? それにレイちゃんが動かせる確率も0.000000001%しかない。子供の義憤に付き合ってる暇は――――」

「だったら大人がやれっ!!!! 子供に、レイに押し付けんなっ!!」

 

 その言葉に、赤木さんやミサトさんが顔を背ける。

 羞恥心からだろうか、それとも別のものなのか、わからないが俺は二人を無視して、ゲンドウに向き直る。

 

「やらなきゃいけないのなら俺がやるっ! レイ一人に押し付けるくらいなら俺が肩代わりする!! どうせ0.000000001%しかないのなら、俺がやったって同じだろうがっ! 父親なら、娘のことくらいは本気で守れよッ!!!」

 

 肩で息しながら、ゲンドウを睨みつける。

 照明が落ち、ゲンドウの姿がはっきりと見える。

 サングラスごしだし、距離もあるからどういう表情をしてるのかわからない。

 だが無言のまま、俺達は向き合い続ける。

 その時だ、ミサトさんが前に進み手を上げる。

 

「碇司令、彼にやらせてみてはどうでしょうか」

「ミサト!? あなた正気!?」

「リツコは黙ってて! ……彼の言うことも一理ありますし、何よりエヴァが彼を守るために動いたという事実は認めるべきです。私は、彼に賭けます」

『…………人類存亡の危機だ』

「ならば選択肢は多いほうが良いと考えます。ご息女が動かす保証もありませんし、今は非常事態です。私は作戦指揮官として、可能性が高い方にかけます」

 

 ミサトさんの言葉に、目頭が熱くなる。

 ごめん、破からQのことは忘れるよ、あんた良い人だ(手のひらクルー)

 

『……勝手にしたまえ。ただし、彼が動かせなかった場合、君への処分は重いぞ』

「覚悟の上です、私の責任ですから」

 

 そういうとゲンドウの姿が消える。

 

「シンジ、わ、私……」

「いいんだよ、レイ。もしも駄目だったらお前にやってもらうしかないんだし……それにここまで啖呵切ったんだ、やるしかねえよ」

「えぇ、シンジくん。私はあなたに賭けるわ」

「はぁーっ。もうしょうがないわね、時間がないわ、シンジくん。無駄だと思うけどこっちに来て、レイちゃんもね、本命はあなたよ」

 

 赤木さんが俺の手を引く。

 ……すっごい啖呵切ったけど、徐々に冷静になって来た俺は思う。

 あれ? これ俺が動かさなかったらミサトさんも連座でヤバイんじゃね? えっ、原作どーなんの???

 




設定とかぶん投げてその場のノリで書いてるからごめーんよ。

ほんへ完結後、ifストーリーやその後の話とか見たい?

  • いいゾ~これ(両方ともIKEA)
  • (ifストーリーだけ)INしてください?
  • (その後の話だけ)はい、よういスタート
  • どうしてやる必要あるんですか?(現場猫)

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