中学二年で死ぬから美少女とフラグ立てたらTSした原作主人公だった件について   作:re:753

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前回のあらすじ、やったねトウジ! 君は生きれるよ! なお主人公

申し訳ない、ホント自分でも驚くくらい精神ガタガタなもんで思ったように書けない。
はい弱音終わり!! 書くんだよ!! おら書けぇ!! 逝けぇ?(精神) 逝けぇ!!(スランプ)


四号機がデデドン!して食事会に誘われた件

「……どうですか、碇司令」

「……うまいな」

 

 司令室に用意された長いテーブルには、シェフが作るフルコースではなく、綾波が作ったご飯が並べられていた。

 野菜ばかりだが、僅かに肉もある。

 それを食べるのはゲンドウであったが、気持ち笑っているように見えた。

 綾波はゲンドウの言葉にホッと一息つく。

 

「三上くんにも出せますか?」

「あぁ、ヤツならよく食うだろう」

 

 ゲンドウはピーマンの肉詰めを口に運びながら言う。

 なおシンジはあまり野菜が得意ではないと言っておこう。

 ゲンドウは久方ぶりに食べる普通の料理が心にしみていた。

 ユイが死んでからここまで、こういう食事は摂っていなかったことを考え……ほんの少し笑った。

 

「……碇司令」

「なんだ?」

「い、いえ、お口にあったなら良かった、なって」

 

 だがそれを見たのは綾波ただ一人だった。

 口下手な彼女は指摘することも出来ず、恥ずかしそうに口元を押さえた。

 その様子にゲンドウは複雑な心情を思う。

 元々、綾波レイは計画に必要なものであり、不要な感情はノイズになりかねなかった。だがその不要な感情にゲンドウは喜びにも似たものを感じていた。

 綾波の体は亡き妻、碇ユイの遺伝子を使っている。

 倫理的にどうなん? そんなもん知るかと言わんばかりだ。

 だからこそ、ゲンドウはダブるのだ、綾波が亡き妻に。

 そして娘も、この頃ますます妻に似てきていた。

 三上シンジが精神的に(見た感じでは)安定しているせいだろうが、レイとアスカの関係も以前のような微笑ましいものにまで戻った。

 だからこそ笑う姿が妻にダブって……イカンと、ゲンドウはサングラスを直しながら気持ちを整える。

 だが、綾波の言葉にゲンドウはまた揺れることになる。

 

「碇司令、その……食事って楽しいですか?」

「あ、あぁ」

「誰かと一緒に食べるのは嬉しいですか」

 

 ニコリと笑いながら言う綾波の表情に、ゲンドウはたしかにユイを見た。

 思わず立ち上がりかけて、ゲンドウは自分を制する。

 

「あぁ」

「だったら、その、今度皆で食事会、どうですか?」

「……」

 

 不安そうな表情を見せるユイ(綾波)にゲンドウは断ろうとする、が皆で? という言葉にゲンドウは引っかかりを覚えた。

 

「皆、というのは?」

「三上くん、弐号機の人、葛城さんに、赤木博士、加持さん、鈴原くんに、メガネくん、委員長さん……あと、碇レイさんも……」

「……」

 

 ゲンドウは断ろうとして、口ごもる。

 久方ぶりに人の食事を摂ったせいか、それとも娘が参加すると言ったせいか断る言葉が出てこない。

 ゲンドウはふと前を見ると、そこにはユイが笑っていた。

 優しそうな笑みを浮かべ、ゲンドウに微笑む彼女は言う。

 

 ――――あなた、レイを

 

「……」

「ダメ、ですか?」

 

 ゲンドウは俯く。

 資格はない、今更親というものになる気はない。

 それに自分は、あの墓場で決別した、もうあの娘の手は握れないと。

 当たり前だ、この手でいくつの幸せを奪ってきたのか皆目見当がつかない……だが、それでも赦されるのならば――――。

 

「いや、なんとかスケジュールを組もう」

「っ……はい」

 

 嬉しそうに微笑む綾波に、ゲンドウも満足そうにピーマン――――と見間違えた青唐辛子を口に含み、盛大に咽せこんだ。

 

 

 

○○○

 

 

 

「変わったわね、レイ」

「えぇ、私なんて弁当作ってもらっちゃったのよ」

 

 まるで娘の物を見せるように、満面の笑みを見せるリツコに、ミサトはあんたも相当変わったわよと思う。

 ミサトも、レイが作ってくれた弁当箱を開けて食べ始める。

 

「にしてもまさか私達が弁当を食べるようになるなんてねえ」

「まぁ、私としてはもう少し肉がほしいけれど」

 

 そう言いつつも箸を動かすスピードを早めるリツコに、ミサトは企むような笑みを見せる。

 

「そう言いつつも口の端、上がってるわよ」

「あなたこそ、シンジくんたちはどうなのよ」

「まー、問題ないわけじゃないけど以前の状態まで戻してるわ……ただシンジくんが猛獣使いみたいになってるけど」

 

 お茶を飲みながら、ミサトは家の様子を思い浮かべる。

 二人が喧嘩するとおすわり、頑張ったら頭を撫でる、一緒に寝る時は川の字で……ありゃ天性のタラシだわ。最近は綾波も時々であるが泊まりに来るし。

 

「実際猛獣でしょ、あの子達」

「違いないわね」

「恋する乙女ってくらい言えないのか?」

 

 今日の定食を持ち寄ってきた加持が、声をかける。

 ミサトは頬杖をつくが、地味に自分の近くに加持を座らせた。

 リツコは恋に堕ちたな……と相変わらずの言語野ガバを見せていた。こんなんじゃ科学者にならないよ、(科学は)ダメみたいですね。

 

「あの子達が本気出したらシンジくん食べられちゃうわよ」

「そうならないように、葛城から言い含めてやったんだろ?」

 

 加持がそう言う。

 ミサトも、流石にシンジの精神状態を心配して、一度レイとアスカに説教したのだった。

 

『二人共シンジくんにアピールするのはいいわよ! ただしキスとかそういうのはダメ!』

『『ミサト(さん)はずっこんばっこんしてるのに』』

『そ、それとこれとは話が――――』

『説得力なし』

『足手まとい、今日はわかってるじゃない』

『その足手まといってのを止めろって』

『やならエヴァに乗ればぁ?』

『乗ってますぅ! シンジの代わりにやってシンクロ率60%行ったし!!』

『ざーこ、ざーこ!! ププー!! 60程度で満足するから足手まといなのよ』

『80くらいで満足しちゃうとか、シンジは99%なのにね』

『あっ?』

『やるのかよ』

『二人共、喧嘩するなら今日は寝るのなしな』

 

 その後、土下座する二人の様子を思い出して、ミサトはピクピクと口の端を歪める。

 加持はため息をつく。

 

「まぁ、期待してなかったというか、色恋沙汰は俺たちはなーんも言えん」

「だからって万が一、シンジくんを襲うなんてことしたら」

「……もうこれわかんねえな?」

 

 チルドレン逆レ○プ! 野獣とかしたセカンド、サードチルドレン! 時々ファースト! と言う感じで、大乱闘が起きかねないことを加持とミサトは幻視する。

 ミサトは懐から手紙を出す。

 

「にしても食事会かぁ、シンジくんを元気づけるのとあと、碇司令とレイちゃんの距離を近づけさせるためってねえ」

「いいんじゃないか? 俺も呼ばれたのは意外だったが」

「アタシもよ……全く、スケジュール管理するの大変だったのよね」

 

 そう言うリツコに加持は苦笑する。

 だが真剣な表情になると、加持はリツコに耳打ちをする。

 

「米の四号機、アレに関して情報があったら知りたい」

「……ごめんなさい、アレについてはE計画の責任者である私ですら情報が来ないのよ」

 

 リツコは素直に謝る。

 リツコはE計画の責任者であるが、このNERV本部から基本出ることはない。

 なので表向きは多忙な赤木博士にご足労させないように、独自に動くという建前。

 本音は米国という強大な国にエヴァンゲリオンという、これまた強大な軍事力を加えたいがための布石であったため、計画責任者であるリツコですら、三号機、四号機の正確な性能、構造は開示されていない。

 

「そういえばアレ、近々実験するらしいじゃない」

「新型内蔵式のテストベッド……ミサト、あなたのお父さんが提唱したスーパーソレノイド、通称S2機関を搭載させたエヴァ。成功すればエヴァは稼働時間という楔から外れるわ」

「……お父さんの、か。でも加持、あんたそれに興味なんてどうしたの?」

「いや、もしかしたらどちらかが日本に来るかもと思ってな」

 

 加持は話題そらしも兼ねて、そういう建前を言う。

 ミサトはため息を吐きながら言う。

 

「それだけじゃないでしょ、あんた……まぁ、シンジくんの案件なんでしょうから心配してないけど」

「ハハッ、恋人が辛いな、リッちゃん、癒やしてくれ」

「ごめんなさい、子持ちになったの、私」

 

 コーヒーで弁当を流し込んだリツコは悪戯げに微笑むが、真剣な表情をする。

 

「まぁ、日本に来る可能性は低いわよ。米国が手放すとは思えないわ」

「まっ、それもそうか」

 

 加持は頭をかきむしると定食に口をつける。

 

「そういえばシンジくんの処分、決まったんだっけ?」

「えぇ、とりあえずはメインパイロットからはしばらく外れるけど、子パイロットとしては搭乗可能ね、今エントリープラグを正式なタンデムタイプに改造中よ」

「委員会も、流石にシンジくんの功績は無視できなかったみたいね」

 

 どうだかと加持は思う。

 あのゼーレたちにとっても、ゲンドウにとっても三上シンジというのはイレギュラーな邪魔者だ、これを機にエヴァから引き離すつもりだと加持は考えていたが、予想が外れてホッとする。

 今のシンジの精神状態は、少しのことで大きく崩れる。

 エヴァに乗れない状態では本気で身投げをすることもあり得ると加持は思っていた。

 だが碇レイがいるなら、シンジも彼女を生かすために戦うだろう。

 加持はそう思いながら、定食をかき込む。

 その時、警報が鳴り響いた。

 ミサトたちが立ち上がる。

 

「使徒!?」

「いえ、違うわ……」

『葛城三佐、赤木博士、至急第一発令所にお戻りください。繰り返します』

 

 放送で呼ばれたミサトとリツコは弁当を包むと、加持に「じゃっ」と挨拶して走っていく。

 加持は定食を平らげて、お茶を飲み干すと呟いた。

 

「予言的中ってわけだ……シンジくん」

 

 そして懐に仕舞っていたシンジが録音したテープレコーダーを握りしめた。

 

 

 同時刻、シンジも学校で重箱を開いてご飯を食べていた。

 

「大丈夫そうやな、シンジ」

「モグモグモグモグ」

「見てるだけで腹一杯になるよ、俺」

 

 珍しく男子三人でご飯を食べていた。

 それもそのはず、今日は朝からのシンクロテスト&戦自研から送られてきた武装のチェックのため、レイたちはNERV本部へ籠もりきりだった。

 シンジはシンクロテストを禁止されているため、学校に来ていた……が、二週間近く休んだせいで、勉強についていけず机に突っ伏していた。

 

「ゴクン、要らないなら俺が食うぞ」

「やるかよぉ!! というか心配して損したよ、あーあー、今日は朝から新横須賀に入るみょうこうを見に行こうと思ったのにさ」

「めっちゃ心配してたやないか、ミサトさんチ行くって悩んでたのをよー覚えとるで」

「トウジ!!」

「モグモグモグモグ」

 

 顔を真赤にして叫ぶケンスケに、シンジは特に言うこともなく弁当を平らげていく。

 だがケンスケの言葉に何かが引っかかったシンジは、お茶を飲み干して考え込む。

 なんだっけ? 何か、起きるような……。

 そう考えていると、ケンスケがシンジに詰め寄る。

 

「そういえばシンジ! 新型のエヴァ、今米国で開発中なんだろ!? 乗せてくんないかなぁ?」

「は? ケンスケお前アホか、シンジみたいなとんでもできるわけあらへんやろ」

「でもロマンじゃん! 重火器ぶっ放したいんだよ! 俺さ!」

「……重火器あんま効かねえけどさ」

 

 シンジは今までの使徒戦を思い出すが、どれもこれもプログナイフか近接戦闘で片付けていた。

 ケンスケはそれでも!! と鼻息を荒くする。

 

「エヴァ専用に作り上げられた大型火器! 弾ける銃弾、飛び散る薬莢、あぁたまらないよ!」

「ガトリングガンとか一回使ったきり死蔵されてるゾ」

「ウッソぉ!?」

 

 シンジの言うとおりである。

 この世界ではあまりにもシンジが格闘戦ばかりするので、「もうパレットライフルだけでいい、良くない?」とリツコが言い始めているくらいだった。

 なおゲンドウと他技術部から強制的に休みを取らされた。

 

「にしても聞いとらんかったけど、エヴァに乗るっちゅうんは、どんな気分なんや?」

「……自分の体がもう一個増えたような感じ?」

 

 漠然的であるが、シンジはトウジの疑問に応える。

 エヴァとのシンクロ率が高ければ高いほど、反応速度も、動きも違ってくる。つまるところエヴァの体と同一化するのだ。

 ただエヴァのダメージがそのまんま返ってくるわ、エヴァの保護機能を貫通してくる攻撃を受けるとエヴァのダメージ+で受ける羽目になる。その結果、シンジは痛覚を失うことになったわけだが。

 

「よーわからんのぉ」

「知らないほうがいいさ」

 

 シンジはTV版のトウジの末路を思い出して窓から見える空を見上げる。

 トウジとケンスケは心配そうに、シンジを見つめる。

 だが、シンジは重箱を片付けながら、ニコリと笑う。

 

「安心しろって、お前らが乗ることはないから。俺が全部守ってやるよ」

「シンジ、お前さん……いや、なんでもあらへん」

 

 いつもの笑み、だが以前とは違う雰囲気のソレをトウジは感じ取って、指摘しようとして止めた。

 自分の言葉ではシンジは止まらない、止まることはない。

 それがわかっていて諦めてしまう自分が腹立たしかったし、シンジ一人に負担をかけるあの二人やNERVに怒りを覚えた。

 だからこそ、日常ではシンジの友達として馬鹿をやろうとトウジは決意を新たにする。

 そういえばさ、とケンスケが話しだしたのはその時だった。

 

「シンジ、米国で近々エヴァの実験やるらしいじゃん」

「……あぁ、うん」

 

 シンジは気まずそうにケンスケの言葉を返す。

 

「成功したらこっち(日本)に来るのかな? 一つは実験機体らしいけどそういうのが活躍するよな!」

「……アニメと現実は違うぞ? それに――――」

 

 結末を知っているシンジは、表情を暗くしてケンスケに諭そうとするが、そのときにシンジの携帯が鳴った。

 シンジはすまんと片手でジェスチャーをして、席を立つ。

 教室から離れた場所に行くと、秘匿回線からの通信だった。

 シンジはポチッと応答ボタンを押す。

 

「もすもすひねもす~」

『申し訳ないけどシンジくん、NERV本部に来て頂戴』

 

 ミサトの硬い声に、シンジは何が起こったのか即座に把握する。

 だがここから行くとなると時間がかかると思ったが、パーッと車のクラクションが鳴り響く。

 シンジは窓から校庭を見ると一台の車が止まっており、座席から加持が手を振っていた。

 

『あんのバカ……ごめんなさいね、けど至急来てほしいのよ』

「……了解、すぐ行きます」

 

 シンジは通話を切るとそのまま窓から飛び降りる。

 そして地面にスーパーヒーロー着地を行うと、衝撃でその場に蹲る。

 

「痛くないけどすっげー痺れる」

「シンジくん、心臓止まりそうになるから止めてくれ……」

「急ぐんでしょ、行きましょう」

 

 冷や汗を垂らしながらシンジに駆け寄ってきた加持に、シンジは冷たく言う。

 苛立ちと変えられなかったことへの後悔だ。

 加持は肩を叩く。

 

「シンジくんのせいじゃない。向こうも危険は織り込み済みだっただろうさ」

「……それでも数千人を見捨てたんだ、俺は」

 

 シンジの言葉に、加持は何も言えず車の助手席にシンジを乗せると猛スピードで走り出した。

 

 

 

○○○

 

 

 

「これが消滅前の米第二支部、そして消滅後の第二支部よ」

「ひっどいわね」

 

 アスカがそう言うが、無理もない静止画画像だった。

 ポッカリと空いた穴、エヴァンゲリオン四号機が全てを飲み込んだ後だ。

 オペレーター含めて俺以外の全員が言葉を失う。

 

「被害は?」

「半径89キロの消滅と数千人の人間が消え去ったわ」

 

 俺の心臓が跳ね上がるが、唇と拳を握りしめてなんとか耐える。

 目を逸らすな、これは俺の罪だ。

 

「……シンジくん、あなたが気に病むことじゃないわ。マヤ、分析は?」

「情報不足の上、タイムスケジュールのみのため憶測しか……」

「32768通りの原因が上がっていますが、今回の実験、米国政府すら把握しきれていないんですよ」

「そらそうよ、訳のわからない物を扱って、関わった人間は全員あの中だもの」

 

 ミサトさんが吐き捨てるが、今トラウマと必死に戦ってるんだろうなぁ。

 プチセカンドインパクトみたいなもんだしな、今回の事件は。

 

「僕たちのエヴァは大丈夫なんですか?」

「今、整備点検を全てやり直してるわ」

 

 レイの声にリツコさんが応えるが、おそらくは大丈夫だろうと思う。

 ただあの最強の拒絶タイプを捕食した場合、大丈夫なのかな? と思うが。

 

「残った三号機は?」

「日本で起動実験することになったわ」

「完全に押し付けです本当にありがとうございました」

 

 俺の言葉に、オペレーター陣が苦笑するが……問題は誰が乗るかだ。

 トウジ? アスカ? それとも――――。

 

「あの、赤木博士、パイロットは?」

「今選定中よ。ただ起動はまだ行わないわ、先の資材に紛れた使徒の件もあるのよ、整備点検をきっちりしてから実験をします」

「なら俺が乗りますよ。今はニートみたいなもんだし」

『絶対にダメ!!!!』

 

 その場にいた全員から否定される。

 リツコさんに至っては顔を真っ赤にして詰め寄ってきた。

 

「今の貴方に必要なのは休息よ! 暫くはレイちゃんに任せなさい! ……万が一のときは頼むけど、お願いだから無茶だけはしないで頂戴、お願いよ」

「リツコの言う通りよ、シンジくん。安心して、今日のテストでレイちゃんね、シンクロ率が60%超えたのよ。それに訓練だって積んでる、あなたが頑張らなくていいのよ」

 

 皆からの温かい視線と優しい言葉が胸にしみる。

 だけど、俺は俯いて居心地の悪さを感じる。

 使徒の中で責め立てられたときのほうがまだ気分がいいってそうとう追い込まれてるな、俺。

 その時、俺の手をレイが握った。

 

「レイ?」

「大丈夫だよ、シンジ。僕もエヴァのパイロットなんだよ? どんな使徒がやってきてもやっつけてあげる!」

「ハァン! まともに戦ったことがない奴が何言ってんのよ、シンジ、私に任せなさい。エリートパイロットであるアスカ様が全部やってあげるわ!」

「……期待してるよ」

 

 俺の前でいがみ合う二人に、苦笑しながら言葉を投げた。

 

 もしもこのとき、レイを初号機に乗せなかったらもっと違う未来があったんじゃないかと思う。

 だけど俺はそう考えずに、楽な道を選んでしまった。

 その結果、俺はレイを傷つけてしまうことになる。だけどこのときの俺はそうなるとは考えていなかった。

 

 

 ブリーフィングが終わり、ミサトさんと赤木さんは事後処理があるからと本部に残り、俺達パイロット組は帰ることになった。

 

「にしても消滅って何したのかしらね」

「……無茶したんだろ、多分」

「三上くんにだけは言われたくないと思うわ」

 

 綾波の冗談に全員揃って笑うが、詳しい原因はわかっていないんだよなぁ。

 破壊工作とか色々説はあったが、俺は単純に人が作ったS2機関の暴走だと思ってる。TV版ではシャムシエル、二体目のコアを修復して使ったからという分かりやすいフラグはあった。

 だが新劇も混ざっているこの世界では、使徒の体は残らずLCLに還元される。

 葛城博士、つまりミサトの親父さんの論文から使徒のデータを元に組み上げたんだろう。

 その結果不具合を引き起こしてボン、だと思う。

 

「にしても三号機がこっち来るなんてね。ジャパニーズドラマにある戦隊? だったかしら、アレみたいになるのかしらね」

「紫、赤、青と初期色から離れてるんですがソレは」

「最近は金とか銀も初っ端から出るんだよ? シンジ」

 

 ファッ!? とレイの言葉に驚く。

 最近見てなかったが、追加戦士が最初からとかチートやチート!!

 

「何よ役立たず、今どき子供が見るようなもん見てんの?」

「シンジに付き添ってるだけだよ」

「といいつつも、その前のライダーとかに思いの外どハマってましたよね?」

 

 シンジ!! とレイが顔を赤くするが今どき大人でも見てる人も多いんだから恥ずかしがらなくていいのに、俺も(視聴)仲間に入れてくれよ~。

 アスカが腕に絡んでくる。

 

「シンジはもう少し大人なドラマ見るべきよ」

「恋愛ものとかはノンケものはNG。眠くなるんだよ」

「もう!!」

「離れろって!! 何腕にナチュラルに抱きついてるんだよ!!」

 

 レイが逆側の腕にしがみついて、威嚇する。

 いや、あのね……胸が当たってる、当たってますがな、許して、お嬢さんたち許して、僕の息子(意味浅)がウェイクアップしちゃう、チェンジビートルになっちゃう。

 

「あ、あの! 三上、くん」

「ほぇ?」

 

 ガルルルルと唸り声を上げる二人を無視して、俺は声をかけてきた綾波の方を向く。

 綾波はもじもじとしながら、何かを言いあぐねていた……まさか。

 

「トイレ?」

「「あんたバカァ!?」」

 

 ほぐぁ!!! とレイとアスカの言葉がシンクロして、正拳突きが俺の腹部に突き刺さる。

 あいたぁ!!! なんなん!??? というかもじもじしてるやん!! トイレだと思うやん!!

 

「シンジはデリカシーって言葉が必要だよ!!」

「今回ばっかは同意ね、ファーストがどんだけ頑張ったと思ってんの!!」

「な、何でございましょうか、綾波お嬢様……」

 

 俺は腹部を押さえながら綾波を見上げる……あっ、白パンツ。

 げしっ!!! と視線に気づかれたのかレイが足を蹴る、無罪です!! ノーカン! ノーカン!!

 

「シンジ、そ、そんなに見たいなら、僕……」

「お子様パンツなんか見ても楽しくないでしょ?」

「二人共少し黙ってくれる?」

 

 アッハイと綾波から怒りのオーラが噴き出すのが見えた。

 アスカとレイは、あっさりと引き下がるが……実は仲いいんじゃねえのこの二人と最近思う。

 ただ素直に成りきれないだけ……あらぁ~百合の花が咲き誇りますことよ(お嬢様部)

 

「三上くん、皆心配してたの」

「……知ってる、最近すごい優しいよな」

 

 ミサトさんだけじゃない、職員たちも俺を見てなるべく笑顔でいてくれる。

 愚痴だって聞くことはなくなったが、それが気持ち悪い(・・・・・)

 

「だからね、今度……その、三上くんを労るために食事会をしようと思って」

「……ご飯?」

「うん、皆で御飯作って、食べようと……ダメ?」

「ヨロコンデー!!!!」

 

 俺は跳ね起きて、綾波の手を握りしめる。

 ご飯がいっぱい食える、これだけでも喜ばしい、最近綾波も弁当を作り始めたと赤木さんも言っていたし、楽しみだなぁ!!

 

「良かった。四号機の件もあるけど、赤木博士も葛城さんも時間作ってくれるって」

「……大丈夫なのか?」

「うん、さっき確認したけど三号機が来るのが三日後だから」

 

 ……三日後か、と俺はため息をつく。

 気が重いが、赤木さんを信じよう。整備点検をするってことならもしかしたら前の使徒みたいに出落ちする可能性もある。

 ちょっと考えすぎたのかもな、開き直ってもすぐに考え込むのは俺の悪い癖だ。

 

「だから、三上くんに笑ってほしいの、私」

「……」

 

 自然に笑みを見せる綾波が羨ましく思う。

 きっかけは俺だろうが、それでもここまで情緒を発達できたのは綾波本人の力だろう。

 羨ましいな、ホント。

 

「三上くんが苦しんでる気持ちはわからない、けど私は……笑ってる三上くんがポカポカするの」

「……ポカポカ、か」

 

 ――――それって○○ってことじゃない。

 

 もう薄れきって忘れてしまいそうな、アニメで見たアスカの言葉が何故か思い出した。

 だけど肝心な部分が思い出せない、いや思い出したくない。

 

「私はいっぱいポカポカしたから、今度は三上くんにポカポカしてほしい」

「あんがと、今日泊まってくか?」

「うぅん、ご飯作らなきゃ、赤木博士のお弁当作るの」

 

 綾波はパタパタと走っていく。

 そして後ろを振り向いて、ニコリと笑った。

 

「三上くん、きっと楽しいから」

 

 

 




実は描写してないけどかなり情緒増えてきた綾波、ゲンドウくん手料理にやられてしまいましたね、まさかこんなにも(妻を)感じるとは思わなかったとのこと。
次回食事会でめっちゃほのぼのして、その次回で地獄に叩き落すからね(ニチャァ)

ほんへ完結後、ifストーリーやその後の話とか見たい?

  • いいゾ~これ(両方ともIKEA)
  • (ifストーリーだけ)INしてください?
  • (その後の話だけ)はい、よういスタート
  • どうしてやる必要あるんですか?(現場猫)
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