中学二年で死ぬから美少女とフラグ立てたらTSした原作主人公だった件について 作:re:753
マジすいませんでした(土下座)
スランプというか筆へし折る寸前まで行きました。何か違う、こうじゃないって勝手に落ち込んでました。仕事忙しかったのもあるけど、ふと見た感想で、何かがべっきりへし折れました。(あっ、その感想が悪いわけじゃなくて蓄積したもんがドバーッと出た結果です)
ただ鬼滅の映画見て、心の炎が蘇ったので(新生の)初投稿です。
うるせえ!! 開き直りなめんな!! 面白いかわからないけど書きたいもん書けたので満足です。
オススメBGM「紅蓮華」
「……動かないのよね?」
「赤木博士によるとおそらくは、ということになりますが」
ミサトと日向は三号機が入るはずだったケイジに立っていた。
アレから一日経っていた。
ズタボロであったエヴァ三機の回収は後回しに、神になりかけたシンジの拘束に費やしていた。
シンジはアレから動くことはない。
まるで眠っているように目を閉じたままである。
「S2機関両基の停止は確認済みです」
「それでもいざとなればシンジくんなら動くわよ」
ミサトの言葉に、日向はですよねとごく当たり前に答えていた。
殺しても起き上がって戦おうとしたのだ、S2機関が停止した程度では動かないなどという保証はないだろう。
シンジによる被害は、ジオフロントの地面がめくれ上がった程度である。
『奇跡ってはっきりわかんだね』
『おっ、そうだな』
リツコとミサトの会話である、言語野はもうダメみたいですね。
サードインパクトが起きかけたのにも関わらずこの程度で済んだのは奇跡、というのは過分ではないだろう。
セカンドインパクトを間近で体験したミサトだからわかる。
「シンジくんはこのままなのでしょうか?」
「……」
日向の言葉にミサトは答えられない。
リツコが言うには、戦うために体を新生させたということだが元に戻ることは難しいとのことだ。
そもそもにして、二基のS2機関を内蔵してヒトの形を保っているのも奇跡なのだ。
無限大のエネルギー機関が二つ、一度動けばまた神の如き力を発揮するだろうというのは想像つきやすい。
もうシンジは動けない、動いてはいけない。
「日本政府からの要請、本当なんですか……シンジくんを……ッ」
「……サードインパクトを引き起こししかねない三上シンジ、改めて番外使徒を即刻撃滅しろというのなら事実よ」
「彼が何したってんですか!! 僕らを守っただけですよ!!」
日向の叫び声が響く。
シンジのことは流石に隠し通せるものではなかった。
膨大なエネルギーの集中は日本政府及び、各国が観測してしまった。
そして日本政府の選択は、排除だった、それだけの話だった。
「そうだとしても、彼がサードインパクトの引き金なのは事実よ」
「葛城さん!! ッ……」
ミサトの拳が震えていた。
怒り心頭なのはミサトも同じであった。
だがサードインパクトを起こすわけには行かない。
シンジ一人の命、全世界の人々の命、選択するならば迷うことは出来ない。
例えそれが、誰かのために戦い続けた英雄を殺すことになってもだ。
――――ふっざけんじゃないわよ!!!!!!
ミサトの心境はただ一言に尽きる。
子供が頑張った結果、滅びる世界なら滅びてしまえ! ミサトはそう叫びたかった。
だが出来ない。
NERV職員たちの大半はそう思っているし、指揮官である自分が暴発してしまえば本当に抑えられなくなる。
ただでさえ戦自が強制介入するとの話も上がっているのだ。
使徒と戦う前に人間同士の争いなど、それこそシンジに申し訳立たない。
ミサトは目を閉じているシンジを見る。
安らかに眠っている姿、このまま寝かせてあげたいという気持ちすら起こってくる。
だが、状況はシンジをそっとしておいてはくれない。
死を経験し、生き返ったという事実は、宗教観の薄い日本よりも海外の方が苛烈な反応を示していた。
おおよそ二千年前の奇跡と酷似している行為に、シンジのことを神の子の再来と呼ぶ声すらあった。
シンジを崇める教団は、さらに力を伸ばしているとの情報もあった。
「……死すら彼にとっては安らぎじゃ無いんですかね」
「安らぎよ。でもそれを捨ててまで彼は守るのよ……」
実際は寝ていたシンジを使徒が叩き起こしたのが真相であるのだが、ミサトたちは知る由もない。
ケイジに拘束されたシンジを見ながら、二人は無言で見つめた。
穏やかな表情で眠るシンジに、ごめんなさいとミサトは呟いた。
○○○
ふわふわと輪郭がぼやける。
まるでうたた寝をしているような感覚、だけど俺の視界は何かを捉えた。
「ケンスケ、シンジの情報どうや」
「ダメだよ、プロテクトが硬すぎる。僕じゃ無理だ」
「くそっ!! あれから一週間やぞ!!」
トウジ? ケンスケ? と声をかけるが二人は気づかずに話し合っていた。
ここが学校だと気づくまで随分かかった。
クラスメートはだいぶ減っていた。
……俺、のせい、だよな。
段々と思い出してきた。
あの最強の拒絶タイプとの戦闘で俺は、体を作り直した。
使徒に勝てる体をイメージして、そしてS2機関を使い無理やり体を新生させた。
そして自分の欲望のまま使徒を喰らって、もう一つのS2機関を手に入れた。
その結果、力を制御しきれずにサードインパクトを起こしかけた……んだと思う。
確証はない、というかこの状態はなんだ?
まるで海の中にいるようにぼやけている。
「トウジ、心配なのはわかるけどさ」
「聞かんぞ!! ワシはシンジの安否がわかるまで諦めはせん!! それにアイツにはまた借りが出来たんや」
「……そうだよな、よし! なんとかしてみるさ、友達のためだもんね!」
フッと眼の前からトウジたちが消える。
……借り、とトウジが言っていたがなんだろうか? 心当たりがない。
そう考えていると格納庫が見えてきた……が異様な場面に遭遇し、俺は驚く。
「ミカミに祈りを」
大勢の整備員の服装をしている奴らが、何かに祈りを捧げていた。
その先にいたのは俺だ、正確に言うとゼルエルと殴り合えるように、新調した体だ。
アンビリカルブリッジに、すし詰めになっている作業員たちに俺はドン引きする。
何がどうなっているのかと思っていると、日向さんと青葉さんが近くにいて話していた。
「……またやってるよ」
「整備班の補充かと思ったらアレじゃ宗教団体かなにかだよ。オマケに崇めているのは中学生ってさ」
「たちの悪い冗談、じゃないから困るな」
整備班の、補充……?
聞き慣れない言葉に俺は困惑する。
どういうことだ?
「あの十四使徒戦でほぼ殉職したから助かってるけどさ」
「到着してから毎日あれじゃな。葛城さんも止めさせようとしたが、ストライキ起こされそうになって取り止めたらしいぞ」
「今はエヴァの修復になんでも借りたい状況だからな……アイツらも浮かばれないよ」
……殉職したのかと思うと景色がビデオテープの巻き戻しのように戻っていく。
見えたのは倒れ伏す初号機、それに向かっているアンビリカルケーブル運搬車とジープやVTOLなどで使徒に突っ込んでいき、消し飛ばされる。
……俺がもっと早く行けば生きてたのかな。
景色がまた変わっていく。
次見えたのは赤木さんとアスカだった。
「……精密検査は終わり。精神汚染は確認されてないわ、ただ二度とあの獣化形態は使わないで」
「でも使わなきゃ勝てない使徒が来たらどうするのよ、またシンジに頼るの?」
アスカがそう言うと、赤木さんが診断書を叩きつける。
獣化形態……? ザ・ビーストか、やっぱこの世界の弐号機も使えたんだなと思っているとリツコさんが叫んだ。
「あの子はもう頼れないッ!! 次動いたらあの子は殺されてしまうのよ!!」
「だったら使うもん使わなきゃ勝てないでしょ!! ……使っても、勝てなかった」
アスカが悔しそうに言う。
使っても勝てないと言うが、あくまでヒトを捨て獣の本能で動くのがザ・ビーストだから、ヒトの作り出したエヴァ本来の力を引き出してないからそりゃ勝てんわなと思う。
アスカは歯を食い縛りながら、自分の足を叩く。
「それどころか私は怖がったのよ!! シンジを……アイツはそんなことしなかったのに」
「怖がって当然よ、アレはシンジくんじゃないもの」
「違うっ!! シンジはシンジよ!! いつだってバカみたいに戦いを乗り越えて、皆をひっぱるバカよ!! どんな姿になっても私は信じなきゃいけなかったのに……ママも信じられなかった」
「……アスカ、あなたコアについて気づいたのね」
アスカの言葉に、赤木はため息をつく。
ママ……アスカのオカアサンのことか。
「今は聞かない、けどママは私をずっと守ってくれてた……やっとわかったの、私、気づいてなかった」
「……ごめんなさい、謝って済む問題じゃないけどね」
「いいのよ。ママも覚悟してやったんでしょ、役立たずのお母さんもそうだと思うけど。でも一言、言ってほしかったなぁ」
ポロポロと涙を流すアスカを赤木さんが抱きしめる。
また光景が変わっていく、気づいたときにはLCLが充満した中に横たわった弐号機が見えた。
全身ズタボロだったが、ダイバースーツの整備員が直していた。
……横たわった弐号機に近づき、触る。
『な、なんだ!?』
『お、オイ!? 弐号機が勝手に!?』
充満しているのがLCLで良かった。
どういう原理かわからない。だけどLCLを操作して弐号機の損傷箇所を治していく。
……無茶させてごめんなさい、でもせめてこれだけはさせてください、オカアサン。
ちぎれた右腕を新たに生やしていく。
エヴァも人間も同じだ。LCLで構成されている。なら、あとは補助してあげればエヴァのATフィールドで補強できる。
どうして
――――いや待て、何を考えた俺は。
『奇跡だ、奇跡が目の前で起きた、ミカミがやったんだよ!!』
ダイバースーツの
違うヒトじゃない、人間だろう!!
頭を抱えながら目の前を見ると、悲しそうな顔をした女の人が立っていた。
「――――」
「えっ?」
口を動かすが俺の耳には届かない。
景色が変わっていく、そこにいたのは綾波だった。
鍋で何かを作っていた。
「……んっ、美味しい」
にこやかに笑う綾波はリリンにしか見えなかった。
……なんだ、この思考は、違う、思考じゃない、自分の立場が変わったんだ。
両手の甲に見える球体を見る。
S2機関で作り変えたのは肉体だけじゃない、自分のあり方も変えてしまったんだ。リリスの子供ではなく、アダムの子供、使徒へとその身を変貌させてしまった。
だから、俺はもうヒトじゃない、ヒトじゃないんだ……。
「……違うわ、三上くん」
振り向かずに綾波が話す。
鍋をかき混ぜながら、優しく語りかける。
「それを言うなら私だってヒトじゃない。代わりがあるヒトもどきよ」
違う!! 綾波は綾波でしか無い。
今いる綾波レイは今、この場にしか居ない! 体が変わって、魂が同じでも今いる綾波レイは死んでしまうんだ、それじゃ嫌なんだよ!!
新劇のシンジくんの気持ちがようやくわかった。
変わりなんていない、今いる綾波レイが大切だから、あのときの彼は全てを投げ捨てて助けようとしたんだろう。
綾波は振り向き、自然な笑みを見せる。
「……なら三上くんもそう、あなたはヒトよ。例え肉体が変わっても、精神が変わっても、魂はヒトでしかない。大丈夫、例え皆がわからなくても、私はずっと、あなたを見てる」
綾波の赤い瞳が俺を射抜く。
景色がまた変わっていく、どこかの路地裏だった。
そこに加持さんと……なんで親父がいるんだよ、というか血流してるし!?
「先輩!! 動けますか!!」
「なん、とか……歳は取りたくないね」
「弱気にならないでくださいよ!! RPG!? ここ日本だぞ!!」
加持さんの声に前を向くと、ゲームでよく見るRPGを構えた黒服がいた。
加持さんが射撃するがハンドガンでは分が悪い。
親父は肩を押さえながら、空を見上げていた。
「……シンジ君ごめん。お父さん、ここまでだ」
RPGが発射された。
着弾すれば二人は死ぬだろう。
リリンでは死ぬ……別に気にしなくていいじゃないか。
死んでもLCLから――――ふっざけんな!!!!!!!!!!!!!!
自分の思考を断ち切って、加持さんの前に立つとATフィールドを張る。
ATフィールドに当たった弾頭は爆発を引き起こすが、二人には破片すら通さない。
加持さんの震える声が聞こえた。
「A、Tフィールド……? 何が」
「……ダメな父親だなぁ、また息子に助けられた」
親父の声が聞こえると、姿が立ち消える。
いいや違う、地面を削るような勢いで走り黒服たちを殴り飛ばしていく。
そしてダブルタップで脳天と心臓を正確に撃ち抜いていく。
ものの数十秒で十人ほどいた黒服が殺されていた。
「ふぅー、やっぱ運動はしなきゃダメだな」
「……あんたらやっぱ親子だよ」
加持さんが呆れた声で言う。
親父は撃ちきったハンドガンを床に落とすと話す。
「シンジ君、前にも言ったよね、君がどう思っていようと、どうなろうと、僕は君の父親だ……だから、君は君が信じていることをやり遂げなさい。余計なことは考えるな、どうなってもいい、世界を滅ぼそうが、救おうが知ったこっちゃない」
親父が笑顔をみせてくる。
見えてないはずだろう、けどちゃんと前を向いて見てくれた。
「前を向いて、歯を食いしばりなさい、男の子だろう。好きな女の子は自分の手で守れ、シンジ」
親父ィッ!!!
手を伸ばそうとして、また景色が変わる。
そこは俺が十四年間暮らしてきた家だった。
何も、変わってない。
俺のコップも、親父と一緒に作った特注の丼も、レイと撮った写真もそこにあった。
母さんが庭で洗濯物を干していた。
……見えないだろうなと、俺は悲しく思ってしまう。
というか俺どういう状態なんだと思ってしまう。肉体もない、精神だけ? いや違う、もっと根本的な存在じゃないかと思う、魂、つまり幽霊のような状態じゃないのか? よくわからんけどさ。
ただ元気そうな母さんの姿が見れて――――。
「やっとバカ息子が帰ってきたかい」
…………は?
「姿見えない、声聞こえない程度で気づかないと思ったんかい、母親舐めんじゃない」
い、いやいやいやいや!? 今の俺幽霊みたいなんですけど!?
ふっつーに会話してる時点でおかしいというか、親父ふっつーに見てたけど人あっさり殺してたぞ!? ウチの親は普通じゃないのか!?
「あたふたすんじゃないよ!! 全く、男ってのは勝手やるのに、通り過ぎたら狼狽えんのが面倒くさいんだよ」
狼狽えるわバアアアアアアアアアアアカ!!! 一般人の俺にはもういっぱいいっぱいなんだよ!!
いや、もう一般人つうか使徒だけど、気合あれば誰でもできるだろうし、俺みたいなのが出来るんだからさ。
「ったく、あんたが何があったのか知らないよ。ただ第3新東京市の爆発事故、というか連日の騒ぎ、あんた全部関わってるんだろ」
もうやだこの母親怖い、元スパイとかじゃないだろうな、親父もなんかそんな感じしたし、というかあれゼロが二つついたあとに7がくるスパイみたいだったしさ!!
「お父さんの血かねえ、あの人カタギじゃなかったし」
言い方ァ!!!
「まぁ、それわかったから既成事実作って強引に結婚したさね!」
聞きとうないわ!! そんな馴れ初め!! というか既成事実ってそれできちゃった婚じゃねえか糞がぁ!!! 両親から言われたくなかったわ!! やっとの思いで授かった云々の話どこ言ったァ!!
「そこはほんとだよ。あんた産んだ後、アタシはね子宮を喪ったんだよ」
下腹部を母さんが擦る。
……聞いてないよ、そんなの……今の俺なら治せるはずと手を伸ばそうとして、母親が叫んだ。
「神様にでもなったつもりかい!!! アタシはアンタをそう育てた覚えはないよ!!」
LCLを操作しようとした手が止まる。
なん、で、今の俺ならなんでも出来る、神様になったじゃない、神様みたいなもんなんだ。
生命の実と知恵の実の二つを持ってる、だから――――。
「アンタは三上シンジだ! 誰がなんと言おうがアタシが必死に産んで、お父さんと育てた大切な一人息子だよ!!」
……か、あさん。
涙が溢れる、止めようとしても止まらない。
でも、でも俺はもう、もう……ふんわりと鼻腔を安心する匂いが覆った。
抱きしめられてると気づいたときには、母さんが耳元で話した。
「体に気ぃつけなと言ったじゃないか。なんだいその白い肌に、白い髪に、赤い目は……レイちゃんだって驚いちまうよ」
「……も、もう、俺は人間じゃない、人間じゃないんだ、だから――――あいたぁ!?」
頭にげんこつを喰らう。
痛覚が復活したことをこれほど呪ったことはない
く、っそいてえ……。
「何が人間じゃないだ! あんたは痛がってるじゃないか!!」
「ヒト超えても痛いもんは痛いんだよ!!」
「人間だから痛いし、涙流すんだよこんのバカタレ!!!」
あいたぁ!!!! ともう一度頭をぶん殴られる。
に、二度もぶちやがった、親父にもぶたれたことないのに!!
「こんのバカ! アホ!! 人間じゃないって言うならそのナリ捨ててからいいな!」
「で、でも手の甲に球体が――――」
「ピアスみたいなもんだろ! この程度で言うんじゃない!」
え、えぇ……????
怒り心頭という具合に母親は俺の両肩を掴んで言う。
「耳かっぽじってようく聞きな!! あんたはアタシとお父さんの息子だよ! 髪が白くなろうが、突然現れようが、あんたは泣き虫で、寂しがり屋で、誰かがいないと立てない弱い人間だよ!!」
「母さん……」
「レイちゃんを守るってのは嘘だったのかい!?」
その一言に、ドクンと何かが脈動する。
――――じゃない。
「なんだって!?」
嘘じゃない。
「聞こえないよ!! 男だろ、腹から声だしな!!」
「嘘なんかじゃないッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」
ドクンと胸が晴れる。
嘘じゃない、そうだ嘘なんかじゃない。
第3新東京市や他の人達を守るってのは、自分の心を守るためについた嘘だったかもしれないけど、あの日、あのとき思ったレイを守るって気持ちは嘘なんかじゃない!!!
嘘でたまるか!! 確かに世界に絶望したし、どうしようもないって諦めたけど、レイを守ることだけは原作なんか関係なく思った俺の考えだ!
あぁ畜生!! やってやるよ!! もう知ったこっちゃない!!
「世界なんか知るか!! 糞がぁ!! 中学生が背負いきれるかんなもん!! ただ好きな女の子守るので精一杯だよ!!!」
「その好きな女の子ほっぽって、あんたは何してんだい?」
「気づいたらここにいたんだよ!!」
「だったら早く帰りな、このバカ息子!!」
母親が強く俺を突き飛ばす。
景色が遠のいていく、だけど耳にこれだけは聞こえた。
「ずっと待ってるよ。だからお父さんと早く帰っておいで」
景色が変わり、真っ白の空間に出る。
そこには白い俺と黒い俺がいた。
二人共胸に赤い球体、コアが浮き出ていた。
「都合が良すぎるだろ」
「そうだよ、お前が今帰っても混乱させるだけだ」
「知るかバカ、お前らはそうやって腐ってろ」
振り向いて歩こうとしたら、
頬に右ストレートが直撃し、錐揉み回転しながら俺は地面に叩きつけられる。
「いい加減にしろよ!!
「あっちに帰ったってQみたいにどうしようもなくなるさ! 俺たちはヒトを超えたんだから」
「……」
「「なんか言えよ、こんの大馬鹿野郎ッ!!」」
「――――っさい」
「「はぁ?」」
「うっさいんだよ!!!」
体を飛び起こして、白と黒に殴りかかる。
白の頭を掴むと地面に叩きつけ、黒の顔面を蹴り上げる。
「まだ生きてるだろうが!! 俺たちは!!」
「死んだだろうが!!
「砕け散っただろうが!!
「死んだなら生き返りゃいい!! 砕けたなら繋ぎ合わせばいい! 問題なし!」
「「あるに決まってんだろこの大馬鹿野郎!!!」
同じく飛び起きた二人の拳が俺の両頬に直撃するが足を踏ん張って拳を受け止める。
自分とは言え、頑固野郎だなぁ!!!
「嫌なら
「お前めちゃくちゃだよ!?」
「いつものことだろうが!!」
二人の拳を跳ね返して、
「ラミエルに焼かれて痛覚失って! お前にはさんざん迷惑かけたよ!! あぁ、ほんと悪いと思ってる!」
「なら起きるなよ、行くなよ!! もう寝かせてくれよ!!」
「レイがいるだろうがこんのバカ!!!」
叫ぶ白いのを蹴り飛ばして、向かってくる黒い俺の拳を受け止める。
「お前にも迷惑かけたなぁ。主にレイとか、アスカとか、使徒との戦いでも無茶振りしたなぁ!!」
「ほんとだよ!! お前何回精神壊せば気が済むんだよ!」
「これが終わるまで!!!」
受け止めた手と逆側の手に力をこめてアッパーカットを繰り出す。
黒い俺が空高く上がって、床に激突すると粉々に砕け散る。
「止めようが俺は行くぞ!! レイが待ってる」
「……どう頑張ろうが、俺達に出来るのは抗うことだけだぞ。結末は変えられない、あの女、マリに見せられただろうが」
「そうだよ。俺たちみたいなのが頑張っても、変えられるのは局所的なもんだけ、大局は――――」
「レイを変えただろ、俺たち」
ハッと白いのと再生していく黒いのが顔を上げる。
俺はため息をつく。
「原作の碇シンジくんはこうだったか? アスカに食って掛かったか? アスカもそうだ、俺に好意を寄せて殺意まで持たれてる。綾波なんかおさんどん女子だよ、それに加持さんが生き残った、それでも変えてないって言うのか?」
「で、でもアイツに見せられた結末は」
「未来なんか知るか!! いつだって無鉄砲にやってきただろうが!!」
「「えぇ……(困惑)」」
難しく考えられるか、頭なんかよくない。
それにエヴァに乗ろうとしたのだって勢いだ。
体焼かれたのに飛び出したのだって勢いだ。
海の上でATフィールド張って八艘飛びしたのも勢いだ。
出来ないシンクロを無理やりやったのは勢いだ。
戦闘機つっこませてジャンプしたのも勢いだ。
宇宙から突っ込んでくるやつを殴り飛ばしたのも勢いだ!
色々悩んで、苦しんで、開き直ったらまた落ち込んでグチャグチャだけどやり遂げてきただろうが!!
「体が動きゃなんでも出来んだよ!! だから体作れ!! 新しく!」
「無茶苦茶すぎんだろ!?」
「なんだコイツ!?」
「うるせえ!! お前らの存在だってよくわからねえけど、S2機関あんだろ! 動かせ!! LCLで体つくりやがれ!!」
「「ファッ!?」」
そう、今の体が動かせないなら新しく作ればいい。
それでなんとかしよう!
「ごちゃごちゃ言ってないでやるんだよ、おうあくしろよ!」
「「やれるか!! やり方わからねえ!!」」
「やれるかじゃねえ、やるんだよ!!」
二人の頭を握りしめるとゴンと頭をぶつけ合う。
「
「……なんで、そこまでやんだよ」
「そうだよ、俺達はモブキャラだろ」
「は? お前らは俺だろ? 分かりきってること聞くんじゃねえよ」
二人の体が消えて、俺の手の甲に赤い球体が出現する。
やっと覚悟決めたかよ、こっちの体はお前らに頼んだぞ。
「……ろくな結末にならねえぞ」
「……魂すら消耗したらお前消滅するぞ」
両腕から声が聞こえる。
だが俺はそれを無視して、両手を握りしめると胸の前で打ち合わせる。
――――消滅上等!! その前にどうにかすりゃいいんだよ!!
白い空間が砕け散り、真っ暗な空間へと飛び出る。
恐怖心もある、生きたくないっていう絶望もある、どうしようもないって不安もある。
でもソレが俺だ。
矛盾しまくって、迷いまくって、落ち込んで、それでもと言い続けるただの人だ。
だから――――。
「俺はレイを守るんだよ!!!」
真っ暗な空間から飛び出して、光へと手を伸ばした。
○○○
「シンジ、今日はオムライス作ったよ」
レイは無理やり笑いながら眠り続けるシンジの前に料理を持ってきていた。
だがシンジは目覚めること無く、一ヶ月が経過した。
弐号機の再生、いいやミカミの奇跡と呼ばれたそれを見た整備員のおかげで、エヴァ三機は完全に修復された。
原因不明の修復、だがシンジがやったとNERVもゼーレもゲンドウも確信していた。
だけどそんなことはどうでも良かった、レイにとってはシンジが起きてくれないことが何より悲しかった。
こんなにも近くにいるのに遠い。
辛くないわけなかった。
辛くても泣かない、シンジの前では泣かないと決めていたレイだったが、一ヶ月もの時間はレイの心を折り砕くには十分だった。
手からオムライスが落ちて、音を立てて床にぶち撒けられる。
「やだ、やだよ、シンジ、帰ってきてよ。誰も言ってくれないんだ、母さんのことも、シンジのことも、やだよ、シンジ、帰ってきてよ」
嗚咽をあげながら、レイは目元を手で拭う。
ボロボロと大粒の涙が床に溢れていく。
「シンジ、僕、僕ね、嬉しかった、シンジに好きだって書かれて嬉しかった、けどシンジの声で聞きたい、シンジの体で感じたい。僕はシンジじゃなきゃ嫌だ!!」
レイは叫ぶ、聞こえていなくたっていい、でもこうすればいつだってシンジは立ち上がってくれた。
だからレイは叫ぶ。
「キス、したいよ、そのさきも、シンジの赤ちゃんだって欲しい! こんな大きな体じゃ受け止められないよ!! だから、戻ってきてよ、シンジ……僕、もうどうしたらいいのかわからないよ」
手をのばす、無駄だってわかっている。
だけどレイは力いっぱい伸ばす――――だからアンビリカルブリッジから、足が滑ってしまった。
「あっ――――」
浮遊感の後に、周囲から叫び声が聞こえる。
こんなので、僕は――――とレイが諦めた瞬間、眠っていたシンジの胸から何かが飛び出してきた。
落下するレイを抱きしめるとアンビリカルブリッジまで跳躍する。
レイはその横顔が誰かわかった瞬間、また涙腺を緩めてその胸に飛び込んだ。
周囲から驚きの声と膝をつく音が聞こえる。
だがその人物は、胸の中のレイを抱きしめると耳元でささやく。
「……おまたせ、ヒトでしかないけどいいかな?」
「……遅いよバカァ!!」
そう言って胸を叩きながら泣きじゃくるレイを、髪が黒いシンジは苦笑いしながらレイの頭を撫でた。
シンジ教団来ちゃった♡と各国のNERV支部からエヴァ関係の技術者が志願して来た模様。彼らは毎朝、神体(ガチ)のシンジを礼拝してます。目に見える偶像あるんだからそりゃね……。ただ入ること無理強いしなかったけど、弐号機が(傍から見たら)勝手に治ったのを見て、本部でも入団者増えた模様。GSOはふっざけんじゃねえぞ、もう許さねえからな? と喧嘩腰だが、土壇場ではシンジ第一なのは一緒なので内通者はなし、ヨシ! なおいたけど弐号機の奇跡で、確実性がないゼーレくんはポイーで鞍替えした模様。
シンジは魂だけが体から出て、漂ってたけど皆の様子見て、思考が使徒寄りになってたけど父親の言葉で人間よりにされて、母親の愛でヒトに戻りました。母親が干渉出来たのはシンジが母親に甘えたかったから。ただシンジが消えたのを見て、マジで幽霊じゃんと腰抜かしたのはご愛嬌、一般人やぞ。
肉体と精神のシンジは、バルディエルとゼルエルの存在を塗りつぶした結果出来た新生した存在。どちらももうシンジだし、もう無茶振り無理、寝てよと思ったら魂にぶん殴られた挙げ句、魂が外に出ていくとかいう異常事態。二人してどうしよっかと頭悩ませているけど、もうどうにかするしかねえと覚悟決めた模様。書いてて超気持ちよかった。
あーもうめちゃくちゃだよ、でも最初から勢いしかないSSなので好きにやる、極限の一なんか無理、猿真似しか出来ないけど書きたいもん書く。あと最後に、今やってる鬼滅の刃の映画ガチでいいので、初見の人も見に行ってどうぞ。
ほんへ完結後、ifストーリーやその後の話とか見たい?
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いいゾ~これ(両方ともIKEA)
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(ifストーリーだけ)INしてください?
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(その後の話だけ)はい、よういスタート
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どうしてやる必要あるんですか?(現場猫)