中学二年で死ぬから美少女とフラグ立てたらTSした原作主人公だった件について   作:re:753

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前回のあらすじ、肉体と精神「や、休ませてクレメンス」魂「いいよ、じゃあ俺頑張るから体作って♡」肉体と精神「あぁあああああもうやだぁああああああ!!」


2日待たせてこれとかはーつっかえ!! と思うじゃろ? ワシ(作者)もじゃ。感想返信は申し訳ない、ちょっとこれは……んにゃぴ。でも全部目通してるから許して。
あと巨大化シンジ全裸でフル☆チンじゃないの? みたいな感想あったけど全裸だけど愚息は生成してないからつるんとしてるよ。でもそのせいで両性具有じゃん!! と教団員がキャッキャと喜んでる模様、(信仰が)太いわ。

ちなみに教団の方針
ミカミを崇めましょう、ただし強制的な勧誘はNG(復活したシンジに言われた)
ミカミのようにご飯をいっぱい食べましょう
最後まで諦めないようにしましょう、死ぬときまで頑張るのです、というか死んでも頑張れ
一日一回は神体に祈りを捧げましょう
どんなことがあっても第二の神の子を信じましょう

と割と真っ当な方針持ち、教団というがシンジの活躍に憧れたのが始まりなので基本シンジの嫌がることはしない、なお教団の存在自体が嫌だっていうシンジの意思は目逸らししてる模様、悪い奴らではないよ。


人に戻れたは良いけど隔離されて首輪が届かないと動けない件

「心肺機能、臓器、その他機能も問題なし……S2機関ももちろんなし」

「どーなってんのよ」

 

 ミサトはリツコの報告を聞いて、頭を掻きむしる。

 番外使徒、便宜上はミカミと呼称していた使徒を封印処置をする日、突然胸から飛び出してきた存在。

 レイを助けた後、倒れ(後に栄養失調と判明)、緊急搬送し検査を受けた。

 結果だけ言うのであればこの『シンジ』は人間であった、検査結果だけ見るのであれば、だが。

 対応にそりゃーゲンドウ含めた全員が頭悩ませた。

 人間、と言っても使徒から再誕した新たな新人類と言うべき分類なのだ。

 当事者がレイだけならいいが、整備班(もちろんシンジ教団信者)は見てるし、一瞬だが二基のS2機関も動いてしまったのだ、各国政府、日本政府も泡を食ったように動いていた。

 それに『シンジ』の扱いもだ。

 戻ってきたのは嬉しいが、特大の地雷だ、下手をすれば世界を滅ぼすほどの。

 

「新生、というべきかしらね」

「S2機関、いいえミカミの力なの?」

「どうかしらね、シンジくんという存在はいつだって私の予測を超えてくるわ……もう許せるぞオイ!!」

「落ち着いてリツコ!!」

 

 カルテをぶん投げるリツコを、ミサトは押さえつける。

 そりゃ使徒化したと思ったらサードインパクト起こしかけるわ、寝てると思ったら突然戻ってくるわMAGIですら「シンジだからしょうがないよねー(意訳)」みたいな感じで計算を諦めていた。そりゃ計算しても、いつだってその予測から外れることをするのだ、MAGIだって呆れ果てる。

 数分ほど興奮したリツコだったが、肩で息をしながら今後のことを話す。

 

「と、とりあえず様子見よ。ただ予防策は講じるわ」

 

 一枚の書類をミサトに渡す。

 ミサトはソレを見て、書類を握りしめる。

 

「なぁによこれ!!」

「あのシンジくんからの提案よ……首輪しとけばいいじゃんって、ホントどこまでも自分を顧みないわね、あの子」

 

 ミサトの書類にはこう書かれていた。

 Deification Shutdown Systemチョーカー、Qで原作シンジくんがつけていたチョーカー型の爆破装置の仕様書だった。

 もしもの時はこれで首を爆破しろと言っているのだ。

 

「せっかく、帰ってきたのにッ……」

「でも、これのおかげであのシンジくんはここにいることが許されてるわ。戦自が一個大隊派遣しかけたって話、本当なんでしょ?」

「……蔵前所長と国連軍の春本三佐が止めてくれなかったら武力介入やむ無しだったわ」

 

 彼らは人類の敵ではないと嘆願し、今までのシンジの功績も相まって様子見という形には落ち着いた。

 ただすぐさま鎮圧できるよう常時N2誘導弾は発射態勢のまま第3新東京市を狙っていた。

 だがS2機関二基持ちのシンジを残滅できるかと言われたら出来るわきゃねえだろぉ!! と現場組は叫ぶほかない。

 

「シンジくんには普通の生活をしてもらうわ」

「大丈夫なの?」

「拘束して止められると思うの? DSSチョーカーと諜報部の監視の強化、エヴァへの搭乗禁止で碇司令がなんとか委員会を認めさせたわ……まぁ、今度来る四人目の子供(フォースチルドレン)を牽制する意味合いもあるでしょうけど」

 

 リツコとミサトが目を細める。

 フォースチルドレン、渚カヲル。経歴は抹消済み、誕生日はあのセカンドインパクトの日といろいろと疑惑しか無い少年だ。オマケに委員会の直接推薦。

 怪しさ120%と言ったところか。

 リツコはコーヒーを飲む。

 

「まぁ、考えてもしょうがないわね……あとS計画、概要は聞いた?」

「万が一のミカミの暴走を抑えるために、シンジくんの使徒ボディをエヴァ化させる……聞いた時は狂ってんの? って思ったわよ」

 

 S計画、委員会主導で行うミカミの封印計画。

 ヒトから逸脱した体を、人の手でヒトへと押し留めようとする計画。

 作業はもう始まり、全裸であったシンジの体には拘束具が作られていた。

 神を人の手で汚すとはと一部作業員が騒いだが、シンジから直接「ええやん、かっこいいやん!」という鶴の一声を聞いて、昼夜問わず作業は行われていた。

 まぁ、ミサトたちもただではやらせない、こっそりと拘束具の中に既存のエヴァの強化装備案も仕込んでおいた。

 

「よーやく形になったんだっけ、そのATフィールド制御装置」

「ATフィールド制御補助装置ね、F型装備と銘を打たせてもらったわ」

「空挺装備と同じだけど……あぁ、バレたときの言い訳?」

「そっ……まぁ、向こうも折り込み済みでしょうけどね」

 

 リツコは委員会はこちらの動きに気づいていると断言する。

 NERVが独自に動いているのもわかっているが、問題はないとタカをくくっているのだろう。

 ……自分の手はもう血まみれだ、だけどあの子達だけは、守るとリツコは決意していた。

 ゲンドウも自分の計画を進めているが、積極的には邪魔をしてはこない、むしろバックアップをするような動きが見えていた。

 不器用な人とリツコは苦笑する。

 

「テストは大々的には出来ないわよね」

「ぶっつけ本番、かしらね。実は弐号機にはもう組み込んであるのよ」

 

 修復作業中に、弐号機のウェポンラックを改修して仕込んでいた。

 当然、本人にもそれとなく伝えているが、ぶっつけ本番という言葉にアスカは喜んでいた。明らかにシンジを意識した行為だからだろう。

 実際、エヴァの操縦という観点ではアスカが一番であるし、未だにトップのシンクロ率を保っているため、テストするなら一番信頼できるパイロットというのもある。

 それに煽てれば調子が上がるアスカ、というのは操縦しやすいとリツコの汚い部分はそう判断していた。

 

「次の使徒に関しては……シンジくんに聞きましょうか」

 

 ミサトは頭を再度抱えて、髪を掻きむしる。

 シンジは知っている、各人の過去、これから起きることも。

 聞かねばならない、と思うがミサトは決意する。

 リツコはそんなミサトの横顔を見ながら、コーヒーを飲み干した。

 

 

 

○○○

 

 

 

「……暇だー」

 

 四方を白い壁で覆われた部屋の中で呟く。

 ポスンと用意されたベッドに横たわる。

 そして横になりながら手の甲を見る。

 黒い丸のような物がそこには刻まれていた。

 聖痕と呼ぶやつもいたが、そんな良いもんじゃねえよと思う。

 

「にしても、どうしようか、この後」

 

 ベッドでゴロゴロしながら考える。

 肉体と精神をぶん殴って戻ってきたはいいが、ノープランだ。

 自分の元の体は使えない、というか今絶賛エヴァンゲリオン化の真っ最中だし、下手に動かしたらS2機関が動いてとんでもないことになる。

 考えなしにもほどがあるし、今更になって遺書のことを思い出した。

 ラスボスムーブどころか意味深な人です本当にありがとうございました、あとレイの手紙に好きだとか書いた記憶がある。

 アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! と心の中で叫び、枕を叩きつける。

 どうしよう、レイと会いたいけど会いたくない、ていうかアスカと喧嘩してないだろうかと不安になっていると、部屋の壁が透明のガラスへと変貌する。

 

「あいも変わらずプライバシーもへったくれもねえや」

 

 マジックミラー方式らしく、外からはこの状態で監視されているらしい。

 ただいつの間にか結成されていた、俺を主とする教団の人が祈ってたりするのでマジ勘弁してほしい。

 こちとら今はただの人間やぞ、祈るなら普通にあっちの俺を祈ってどうぞ。

 そう現実逃避していると、壁の向こうには副司令が立っていた。

 おやま、一人とは珍しい。

 

『……三上シンジ、お前は何故戻ってきた』

「レイがいるから。ユイさんとは違って、俺は人の未来なんぞどうでもいいんやで」

 

 副司令の顔つきが険しくなる。

 おーおー、いつもなーに考えてるかわからん顔してるよりもそっちのほうがわかりやすいよ。

 

『貴様、どこまで知っている』

「悩んどけって言ったろ、冬月先生」

 

 俺は笑いながらそう言うと、副司令は苦虫を噛み潰したかのように顔を歪め、咳を一つする。

 

『……知っていることを話さなければどうなっても知らんぞ』

「別に? 本気でやばくなったらあっちの体動かすから」

 

 脅しのような言葉に、脅しで返す。

 副司令の眉が動くが……聞いて驚け、動かせる保証はまったくない。

 ブラフ、ですかねえ。

 動くかどうかなんてわかんねえもん、というか自分を自分で殴るとかいうわけわからんことしたからもう知らね! と言われてもおかしくねえしなぁ。

 最悪あのまま寝たきりなのもあり得る。

 肉体と精神ボロボロだしな、休んどけと思う。

 

『貴様、どこまで邪魔をすれば気が済む』

「邪魔、ねえ。そもそも遺言を伝えてない人に言われたくねえわ」

 

 その一言に、副司令がガラスを叩く、おー図星というか漫画版の知識だから当たってて良かった。

 

『何故知っている!!』

「アニメで見た、漫画で読んだ!」

『ふざけるんじゃない!!』

 

 いやマジなんですとため息をつく。

 

『いいか! 貴様はもう何も出来ない!!』

「手と足と気合と死ぬ気さえありゃなんだって出来るよ」

 

 嘲笑う副司令にそう言ってやる。

 人間気合でどうにかなるんだ、それにこの体が死んだとしてもLCLからまた再誕すりゃいい……出来るかわからないけど。

 副司令は面白くなさそうに鼻を鳴らすが……この人こんな感じだったっけなと首を傾げる。

 まぁ、どうでもいいやとベッドに横になる。

 

『……何故、お前は諦めない。もうどうしようもないのだぞ』

「知ってる」

 

 どうしようもないなんて言われなくても知ってる。

 俺がいなくてもみんな抗ったのだ、こうじゃない、そうなるべきじゃないってでも世界は滅んだ。

 俺が頑張ったところで結末は変えられないかもしれない、もっと酷い末路になるかもしれない。

 だけど、もうどうでもいい。

 

「でもレイがいるんだよ」

 

 色々とごちゃごちゃ言ってた。

 死にたいとか絶望したとかもう起きたくないとか言ってた。

 でも、なんで俺が踏みとどまったのか考えてみれば簡単だった。

 ただ好きな女の子の前でカッコつけたかっただけなんだ、って。

 

「レイがいるなら、俺は諦めない」

『…………』

「死んでもまた戻って来てやる」

 

 副司令は無言で俺を見つめる。

 俺も言いたいことを言うと、副司令の顔を見る。

 数分、いや数十秒だったかわからないが副司令は、苦笑しながら背を向ける。

 

『狂人だな、君は』

「おっ? ブーメランかな??」

『茶化すな……付き合いきれんよ、全く』

 

 そのままテクテクと副司令は歩いていく。

 ……えっ、マジで何しにきたんあんたぁ!?

 

『じきに外に出られる。邪魔をするなら容赦はしない』

「……一つ言っとくよ。計画が成就してもあんたらの考えどおりにはならない。子供舐めんな」

 

 そう叫ぶと副司令はニヤリと笑い、ガラスの色が変わり白い壁になる。

 で、ほんとなんだあのオッサン!? 煽るだけ言って帰りやがった!!!!

 

「気に入らねえなら気に入らねえって言えよ!! 回りくどいんだよ!! 言語野ガン掘りするぞゴラァ!!!」

 

 枕をベッドに叩きつけながら言う。

 畜生、あのジジイ、使徒の体のときに言語野でも多少ガバガバにしとくべきだったと後悔する。

 やることもないので、俺はそのまま体を横にすると目を閉じようとして直後の非常警報に驚き、ベッドから転落した。

 

 

 

 

○○○

 

 

 

「父さん、いつになったらシンジと会えるんだよ」

「……」

 

 ゲンドウは困っていた。

 先日の第十四使徒戦での会話のおかげか、娘と会えば話す程度の関係性には戻って来ていた。

 だが人間性が戻ってきたゲンドウは、圧をかける娘に怒った妻を想起させて、冷や汗を垂らしていた。

 基本笑顔のユイであったが、怒る時はかなり怖いのだ。

 容赦なくグーで殴ってくる、パーではない、グーでだ。

 

「碇司令、ダメなんですか?」

「司令」

 

 おまけにアスカと最近、人間味が増してきたレイすら圧をかけてくる。

 昔のゲンドウなら無視しただろうが、ある意味親に戻ってしまったゲンドウは、いつものポーズをしながら答えあぐねていた。

 下手にシンジを刺激したくないと、今日まで最低限の医療スタッフ以外は接触させていなかったのだ。

 なお、教団員がいたのは完全に予想外だったが。

 それも冬月が接触してしまったため、止める手段がなくなってしまった。

 冬月先生、恨みますよとゲンドウは想う。

 

「父さん、黙ってないでなんか言えよ」

「……だがな」

「言い訳するな」

 

 ユイそっくりだなとゲンドウは、手で隠した口の端を吊り上げて苦笑する。

 まさかこうして娘と触れ合うとは思っていなかった、ゲンドウは面会の許可を出そうとして、直後の警報に表情を固くする。

 

「こんなときに!」

「使徒!?」

「……司令、行きます」

 

 三人がバタバタと走っていくのを見送ると、ゲンドウは引き出しのパスコードを入れてとあるものを取り出す。

 人の胎児、そのさらに前の形のような物体を出す。

 

「……人は使徒になれる。三上シンジ、貴様のおかげで決心がついたよ」

 

 物体を指でつまんだゲンドウは、それを口へと運び、飲み込んだ。

 一方発令所ではオペレーターたちが状況を報告していた。

 

「目標、衛星軌道上にて地球自転に同期しながらこちらと一定の距離を保っています」

「以前の使徒と同じように降下の機会を窺ってるんですかね」

「わからないわ……蔵前所長からの返事は?」

「現在、つくば技術研から試作ポジトロンスナイパーライフルを移送中、ヒトフタマルマルまでには準備が終わります」

 

 ミサトはモニターに映る使徒を睨む。

 全身を発光させ、翼を広げた天使のようなフォルムが気に食わなかった。

 だが個人のトラウマを踏み越えて、ミサトは戦自研から提供予定の武器の仕様書を見る。

 試作ポジトロンスナイパーライフル、別名試作陽電子携帯自走砲。

 以前、ヤシマ作戦のデータを元に長距離狙撃専用に開発されたものであるが、仕様書では対地対空の要項はあったが、対宇宙戦は想定されていなかった。

 

「リツコ、仕様書通りの威力ならここから使徒を狙撃できる?」

「狙撃は可能よ。ただ威力が足りるかどうか」

 

 決して威力が低いわけではない。

 理論上ではエヴァに直撃すれば特殊装甲ごと本体をぶち抜けるほど強力な武器ではあるのだが、衛星軌道上を狙撃した場合、ATフィールドを貫けるかは未知数だった。

 

「国連軍の軍事衛星は?」

「宇宙から降ってきた使徒の影響で援護不能とのことです」

「せめてN2爆雷さえ当てられたらATフィールドの強度が観測できるのに」

 

 ミサトは舌打ちをする。

 国連軍も再編に次ぐ再編で、補給すらままなっていない。

 第3新東京市も、その稼働率は10%を切っており復興もままなっていないという有様であった。

 最悪のタイミングねとミサトは考える。

 

「とりあえずポジトロンスナイパーライフルが届かないとどうにもならない、か」

「……それかシンジくんの力を借りる?」

 

 冗談めいたリツコの言葉に、ミサトは肩をすくめる。

 確かにシンジが動けばどうにかなるかも知れないが、DSSチョーカーも出来上がっていない状態では動かすことは出来ないし、下手に気合を入れられてミカミが動けば今の使徒以上の驚異だ。

 

「先輩、冗談でも止めてください」

「ごめんなさいね、でどうするの? 作戦指揮官殿」

「……狙撃担当は弐号機、バックアップに零号機と初号機、作戦開始はヒトフタサンマルよ」

 

 ミサトがそう言うと準備は進んでいく。

 まずヘリで運ばれてきたポジトロンスナイパーライフルを現地で調整する。

 不気味なほどに何もしてこない使徒に、言いようもない恐怖感を抱きながらも現場の職員は動く。

 作業開始が11:50(ヒトヒトゴーゼロ)、作業完了は予定よりも二十分早い12:10(ヒトフタヒトゼロ).

 ミサトは直前に、エヴァを模したバルーンなどを配置して様子を見ているが使徒は動かない。

 

「ここまで反応なしだと逆に怖いですね」

「不気味、というか誘ってるのか?」

「なら乗ってあげましょう」

 

 ミサトは不敵に笑うが、アスカ、レイ、綾波のことを想うと不安で胸がいっぱいになる。

 結局、危険なことをさせるのは子どもたちなのだ。

 カタパルトで待機している三機を一瞥したミサトは硬い声で言う。

 

「作戦開始、発進」

 

 三機が射出され、地上にてリフトオフ、その後指定の場所へと急ぐ、大量の雨が三機を濡らしていた。

 弐号機はビルの屋上に設置されたポジトロンスナイパーライフルへと急ぎ、エヴァ内の射撃用スコープとライフルの照準を同期させる。

 初号機と零号機は、ポジトロンライフルを受け取り照準を合わせる

 だが両機のポジトロンライフルも通常のものと違い、様々なコードとエヴァのアンビリカルケーブルが接続されていた。

 用意できたスナイパーライフルは一つだけ、万が一ラミエルのようなビームを放たれたときを想定して、リツコと技術班が死んだ目で土壇場の改造を施したのだった。

 無理やりアンビリカルケーブルを接続させて、出力を上げる改造を施しているので一発だけであるなら弐号機のスナイパーライフルと同程度の威力が出せる……はずである。

 文字通りの急造品なので、保証は出来ないが。

 

「くそっ、遠い」

「本命は私よ、役立たず……でも遠いのは確かね」

 

 焦るレイに言葉を返したアスカはそう言うが、有効射程範囲に来ない使徒に焦っているのはアスカも同じだ。

 おまけに敵のATフィールドを破れる保証はない。

 乾いていく唇をアスカは舐めた。

 長距離のにらみ合いが続いていくかに思われた。

 その時、使徒が光を発した。

 原作では一筋の光だったが、エヴァ三機を覆うように三つの光が雨に濡れた三機を照らした。

 

「敵の指向性兵器!?」

「いえ、熱エネルギーは感知されず」

「パイロットたちの心理グラフが乱れていきます!」

 

 ミサトはビームの類かと推測したが、青葉がそれを否定し、マヤはモニターされているパイロットの精神状態を表す物が乱れていることを報告する。

 発令所の無線からは苦悶の声が上がる。

 

「三人とも戻って!!」

『いやああああああああっ!!』

 

 発狂したように叫ぶアスカの声だけが響き、エヴァ三機が力なく項垂れていく。

 原作よりも強力な精神侵食が行われ、三人の心の中に使徒が入り込んでいく。

 

「LCLの精神防壁は!」

「ダメです、効果がありません」

「生命維持を最優先! 三人ともお願いだから動いて!!」

 

 リツコは叫ぶが、精神を侵食されている三人はもはや心の中で抗うほか対抗手段がなかった。

 ゲンドウはモニター内で苦しむ、初号機を見る。

 

「碇、よもやロスト・チルドレンを使おうとは思っていないな?」

「……思ってはいない」

 

 だが三上シンジという人間が黙っているとは思えなかった。

 通信も、状況説明もしていない、だがゲンドウにはそんな予感がしていた。

 シンジは非常警報が聞こえた瞬間には動いていた。ただし肉体を捨てて魂だけの存在となり、ある場所へと向かっていたのだが、ゲンドウたちには知る由もなかった。




DSSチョーカーについてはそれっぽい英単語並べただけ、調べてもなんの頭文字とかどういう意味があるかわからなかったもん。追記読んだら普通にあったよ記事が! 読者さん許して!! お知識壊れるわ。
そしてシンジの使徒ボディ、エヴァ化させるってよ。表向きは封印処置みたいな扱いだけど、裏はロンギヌスに続いて補完計画の鍵にすっべとゼーレ猫がやってる模様。なお現場猫案件。
F型装備も出来たけど、スパロボみたいに全身につける強化装備ではなく、本当に補助的な意味合いの装備なので、三機分のウェポンラックに偽装した物しかない。ただしテストもまだだが、リツコ含めて「気合ありゃいけるいける」とサムズアップ、これにはMAGIもニッコリ笑顔、な訳なく「いや無理だろ」と否決ばっかしてる模様。
副司令に関してはまぁ、うん、酷いことはしないよ、良くもしないけど、中途半端な人には中途半端な末路しか待ってない、はっきり分かんだね。
使徒は強化、精神侵食力がアップ、ちなみにシンジがいたら逆に侵食仕返して乗っ取る模様。魂だけの存在だから汚染する精神もクソもないし、S2機関二基持ちに勝てるわけ無いだろいいかげんにしろ!

ほんへ完結後、ifストーリーやその後の話とか見たい?

  • いいゾ~これ(両方ともIKEA)
  • (ifストーリーだけ)INしてください?
  • (その後の話だけ)はい、よういスタート
  • どうしてやる必要あるんですか?(現場猫)

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