あのネット一有名なフリーホラゲとネット一有名な退魔師が邂逅!

つぐのひ×寺生まれのTさん

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これ書いても、祟られませんよね……?


つぐのひ ~昭和と寺生まれの呼び声~

 これは私が田舎で体験した話です。

 

 

 

「……」

 この日私はバスに揺られながら俯むいていた、そんな事をしても何にも起きる訳もなくバスは私が行く場所へと向かって行く。

 バスが止まりドアが開くと、私は重い足取りでバスを出る。

 私以外に降りる人はいなかったらしくバスは扉を閉めて走り去って行った。

「……はぁ……やっと着いた……」

 夕日が指す中にあるのは錆びれたバス停、お年寄りの人の為に用意したであろう椅子、私は人がほとんどいない田舎に来る事になってしまった。

 ただ、遠くに見える建物が辛うじて今が令和だと証明してくれている。

 確か私の目的地はここから真っ直ぐ歩く、途中にお店や祠があるから迷う事は無いだろうけど

「今日からおばあちゃんの家に泊まりかぁ……」

 トボトボ歩きながらそんな事を呟いてしまう。

「お母さん……出張だから仕方ないけど……」

 道中のお店は閉店してしまったらしく、お知らせの張り紙と令和の村づくりと書かれた選挙ポスターが貼られているだけ。

「やだなぁ……おばあちゃんち古いんだよね……」

 平成生まれの私には、おばあちゃんの家は不便ばかりでとてもじゃないけど長居はしたくない。

 それにおばあちゃんとはあまり会った事ないし。

 そんな事を考えている内におばあちゃんの家が見えてくる。

 おばあちゃんは私が来るのを待っていたのか家の前で立っていて近づいてきた私に声を掛けた。

「いらっしゃい、遅かったなぁ」

「あ……お世話になります」

「さ、上がっておいでぇ」

 おばあちゃんは家へ入って行き私もその後を追う。

 引き戸の玄関を閉めて呟く。

「……おじゃましまーす……」

 帽子をとって、靴を脱いで廊下に足を踏み入れた。

 玄関には人形が飾ってあり、壁には4時45分を指した時計が掛かっている。

 おばあちゃんは待っていてくれたらしく、また私に声を掛ける。

「ほれ、こっちだぞぉ」

 そういえば、おばあちゃんの家は玄関から真っ直ぐに歩けば台所に着くんだけど……まあ、途中に何があるかは歩いていれば思い出すよね。

「しばらく見ねぇうちに大きくなったなぁ」

 おばあちゃんは一方的に言いながら歩き始める。

 私が通った所にあったのは二階への階段、小さな鏡と写真が壁に掛かって、掃除機と箒も立てかけてあった。

「じいさまの葬式ん時以来かぁ?」

 道中の一室からおじいちゃんの遺影が見える。

「ちっとも顔見せねえのに、困った時だけ頼ってくるんだなぁ」

 私にそんな事言われても……。

「実家は旅館じゃねぇで、たまに帰ってくるじゃダメだぁ」

 だから私にそんな事言われても……。後、遺影の部屋の隣の部屋に誰かいたような? 

 洗面台と洗濯機の前でもおばあちゃんは一方的に話し続ける。

「母子家庭じゃ大変だで、この家に帰って来たらいいのになぁ」

 洗濯機がゴウンゴウンうるさい……。

「なぁ、お母さんに言っといてくれや」

 だから本当に私にそんな事言われても……。それにしてもやかんの音が聞こえてきたって事はもうすぐ台所だね。

 台所には皆で食べれるように食卓もあり、その場所でおばあちゃんは足を止めた。

「さ、晩ごはんにするかねぇ」

 けれど、食卓には見知らぬセーラー服の女の子が何故か席についていた。

(……あれ……誰だろ……?)

 

 

 

 つぎのひ

 

 

 

「もしもし……お母さん?」

 夕方、私はお母さんに電話をする為外に出ていた。

「うん……何か家の中電波通じなくて外で話してるの」

 その場所はバス停の前、遠くにオンボロのアパートが見えている。

「そうなの……早く帰りたいよ」

 まるで昭和の世界の様なこの環境に思わず愚痴が出てしまう。

「だって、トイレが和式なんだよ……私あんなの使った事ないよ」

 けれど、お母さんは予想外な返しをしてきた。

「えっ……洋式って……違うよ、おばあちゃんち和式だよ」

 私が間違ってるの? 

「え……洋式に工事したの……? で、でも……」

「ご飯だぞぉ~~~!」

「あ……はーい!」

 言いかけた瞬間おばあちゃんの声が響き渡り、私はガラケー携帯の通話を切る準備に入る。

「うん……またねお母さん」

 電話を切ると私はおばあちゃんちへ歩き出す。

 道中のお店は駄菓子屋があるらしく、店にはおじいさんと女の人がいた。

 そんな事を見ている内におばあちゃんの家が見えてくる。

 おばあちゃんは私が来るのを待っていたのか家の前で立っていて近づいてきた私に声を掛けた。

「晩ごはんにカレー作ったぞぉ」

 カレーかぁ……嫌いじゃないけど好きじゃないんだよね。

「さ、上がっておいでぇ」

 おばあちゃんは家へ入って行き私もその後を追う。

 引き戸の玄関を閉めて一人思う。

(……この家の匂い……慣れないなぁ……)

 壁の時計は4時45分を指している。

 階段には昨日の女の子が立っていた。

「あ、ご飯だって……」

 思わず声を掛けちゃったけれど良かったかな? 

(……?)

 けれど一言も喋らず、私は俯いて考えてしまう。

(……変な子……)

 私が通った所にあったのは女の子が立っていた二階への階段、小さな鏡と写真が壁に掛かって、箒も立てかけてあった。

 確かここがおじいちゃんの部屋だっけと思っていたその時、襖が開いておじいちゃんが現れた。

「おぉ……おかえりぃ……」

「えっ……?」

(あれ? おじいちゃん、生きてるじゃん……)

 洗面台と洗濯機の前に着いても洗濯機の音が響く。

 ゴウンゴウンうるさい……。けれど、やかんの音が聞こえてきたって事はもうすぐ台所だね。

 台所に来ると項垂れたおばあちゃんが私の方を向いて言ってきた。

「さ、晩ごはんにするかねぇ」

(……?)

 

 

 

 つぎのひ

 

 

 

「お母さん……おじいちゃん生きてるじゃん」

 夕方、私はお母さんに電話をする為外に出ていた。

「え、だって……おじいちゃん、家にいるよ?」

 その場所はバス停の前、遠くにオンボロのアパートが見えている。

「死んだって……? お母さん……どうしてそんな嘘をつくの……?」

 私がおかしいのかお母さんがおかしいのか、どちらでも信じたくなかった。

「わ、私……お母さんを困らせてないよ……」

「ご飯だぞぉ~~~!」

「……おばあちゃんに呼ばれたからいくね」

 そう言い残し私は公衆電話を出た。

 道中のお店は雑貨屋があるらしく、カラーテレビが売られている店内には男性とランドセルを背負った女の子が立っていた。

 そんな事を見ている内におばあちゃんの家が見えてくる。

 おばあちゃんは私が来るのを待っていたのか家の前で項垂れていて、近づいてきた私に声を掛けた。

「晩ごはんにカレー作ったぞぉ」

(えっ……また?)

「さ、上がっておいでぇ」

 おばあちゃんは家へ入って行き私もその後を追う。

 壁の時計は4時45分を指している。

 突如、入ってすぐにいたセーラー服の女の子が囁いて来た。

「私の事、見えてるんでしょ?」

「えっ……?」

(……変な子……)

 階段前でも囁く。

「私の事、見えてるんでしょ?」

 鏡からも囁いてくる。

「私の事、見えてるんでしょ?」

 立てかけてあった箒が地面に落ちたりもしたけど、おじいちゃんの部屋の前にまで来る事が出来た。

「うおぉ~~~おぉぉぉ~~……」

 突然、おじいちゃんが部屋からうめき声をあげて障子を破った。

 洗面台と洗濯機の前に着いても洗濯機の音が響く。

 ゴウンゴウンうるさい……。

「私の事、見えてるんでしょ?」

 女の子が目を光らせながら囁いてくるが、台所はすぐそこ。

 私は何も言わず歩いて行く。

 しかし、今度は洗濯機近くの緑の桶から女の子が顔を出して囁く。

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

 やかんの音が耳に入ると共におばあちゃんの姿も見えてきた。

「さ、晩ごはんにするかねぇ」

 女の子がカレーが入ってる鍋から顔を覗かせて囁いた。

「私の事、見えてるんでしょ?」

 

 

 

 つぎのひ

 

 

 

 ばりのスバと書かれたバス停前の公衆電話で私はお母さんに本音を漏らしていた。

「お母さん……早く迎えに来てよ……」

 お母さんはおじいちゃんの事はまだ信じてくれていない。

「昨日のおじいちゃんの事、本当だよ……」

 ここで私はもう一つの気になっているあの子の話題を出してみる。

「何か変な子もいるし……早く帰りたいよ」

 けれど、お母さんはそれも知らないらしい。

「えっ……誰って……おばあちゃんの家にいる子だよ……」

「私と……同じぐらいの子……」

 

 

 

「誰って……? 何か変な子だし話してないよ」

 

 

 

「えっ……そんな子いるはずないって……お母さん、どういう事?」

 

 

 

「ねぇ、ご飯だって」「てっだ飯ご、ぇね」

「……!」

 

 

 

 ガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタン! 

「そ、それじゃ呼ばれたから行くね……」

 何かに取り囲まれた感覚に襲われた私はとっさに電話を切る。

 

 

 

 受話器を置いて、公衆電話から出るけどもう誰もいなかった。

「あれ……いない……?」

 道中のお店は雑貨屋があるらしく、モノクロテレビが売られている店内には坊主頭の男の子と例の女の子が立っている上、店先のクーラーボックスには例の女の子の頭が大量に冷やされていた。

 おばあちゃんちへの通り道には祠があるのだけど、その祠の上に鎮座する女の子の頭が口をパクパクさせている。

 そんな事を見ている内におばあちゃんの家が見えてくる。

 おばあちゃんは私が来るのを待っていたのか家の前で項垂れていて、近づいてきた私に声を掛けた。

「晩ごはん……おめぇの好きなカレーを作ったでよ……早よぅ……帰ってこい……」

(なんで……カレーばっかり作るんだろう……お母さんが好きだったのかな……?)

 おばあちゃんは家へ入って行き私もその後を追う。

 壁の時計は時間をひたすら遡っている。

 おばあちゃんは待っていてくれたらしく、また私に声を掛ける。

「ほれ……母ちゃんと一緒に行こうなぁ……」

(……? 母ちゃん……って……?)

 おばあちゃんは一方的に言いながら歩き始める。

「おめぇは子供の頃……変なものが見えるって言ってたなぁ……」

 写真から髪が這い出てその下には女の子の頭が転がっている。

「家ん中に知らない誰かがいるとか……なぁ……」

 おじいちゃんは昨日と同じように部屋からうめき声を上げている。

「母ちゃんには見えねぇで……信じてやれなかった……」

「うおぉ~~~おぉぉぉ~~……」

 部屋の前でもおばあちゃんは一方的に話し続ける。

「おめぇは就職して……それっきり、この家を出ていっちまった」

 周りのガラスの割れる音がうるさい……。

「母ちゃんを許してくれや……なぁ」

 おばあちゃんの一連の台詞に私は足を止めて考え込んでしまう。

(え……おばあちゃん……私をお母さんと間違えている? でも……家の中の知らない誰かって……?)

「私の事、見えてるんでしょ?」

 

 

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

「私の事、見えてるんでしょ?」

 台所には皆で食べれるように食卓もあり、その場所でおばあちゃんは待っていた。

 おばあちゃんはねっとりと近づいていきそして

「さぁ~~~、晩ごはんにしようなぁ~~~」

 至近距離でおじいちゃん、女の子と共に私に囁いて来た。

「う……うん」

 

 

 

 つぎのひ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぐのひ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ひの

 

 

 

 真っ赤な空の下で私は助けを求める様に公衆電話に縋っていた。

 「……お、お母さん早く迎えに来て……もう……帰りたいのに……バスがずっと来ないの……お願い……もう……ワガママ言わないから……え……? お母さん……昨日迎えに来たの……? ……え……家が無くなってるって……な、何を言ってるの……? わ、私ずっとおばあちゃんの家にいたよ……? は……早く迎えに……来て……」

 

 

 

 気が付くと、私は左手を耳に当ててバス停の形をした看板の近くで立っていた。

「……あれ? 私……何してたんだっけ? ……家に帰らなきゃ……」

 私はそのまま、憑りつかれたかのようにおばあちゃんの家へ向かって行く。

 道中には食糧配給所が立っていて、看板にも日本國民よぜいたくは敵だと書かれている。

 防火用水からは何本もの人の手が伸びており、祠にある首が私に囁いて来た。

「ょしでんるてえ見、事の私」

 そんな事を見ている内におばあちゃんの家が見えてくる。けれど、何故か防空壕まであった。

 おばあちゃんは私が来るのを待っていたのか家の前で項垂れていて、近づいてきた私に声を掛けた。

「……やうよべ食飯ご……よでたっあが給配……は日今……」

(えっ……? おばあちゃん……今、なんて言ったの?)

 その時、目の前からおばあちゃんが消え、ゆっくりと家に入ろうとした時、囁きがまたしても耳を撫でる。

「ょしでんるてえ見、事の私」

 家に来た私に聞こえてきたのはおばあちゃんの笑い声。

(……おばあちゃん……笑ってる……? でも……あの笑い声……何かおかしい気がする……)

 私は自分のみに降り注いでいる怪異に目もくれず進んで行く。

 奥まで行くとおばあちゃんがいたけど何かがおかしい。

「! ~~~ぁぁぁかだたてき生~ぁぁぁまさいじ」

 その時、大きなおじいちゃんの顔をした何かがおばあちゃんを飲み込んだ! 

 それでも、私は進むのを止める事は出来なかった。

 何かに操られるように台所にまでたどり着くとセーラー服の女の子が立っていた。

「……ね……ねぇ……おばあちゃんたち……どこに行ったの……?」

 女の子は私の傍に来て口を耳元に近付けると

「昭和に引きずり……」

「どうやら昭和に引きずり込まれたらしい」

 後ろから聞いた事の無い声が聞こえ後ろを振り返ると男の人が仁王立ちをしていた。

 

 

 

 私は後ろをチラリと確認すると、女の子は顔色も目の色も全く変わってないけれど、表情は完全に動揺していた。

「やれやれ、休暇は田舎でのんびりするつもりだったが、まさかこんな大物に出会うとはな」

「えっと……どちら様ですか?」

 私が恐る恐る聞くと男の人は

「通りすがりの者だ。この辺りには、深い念が渦巻いていた事からこの様な事をしていたのだろう」

「えっ……あ、あの……私の事、見えてますか?」

 この子、喋り方とか変えれたんだ……。

「ああ見えている。だが、それもこれで終わりだ」

「!」

 女の子は男の人に脅威を感じたのか、私を無視して飛び掛かった。

「破ぁー!」

 男の人が右手を突き出すと、青白い光弾が放たれ女の子を一瞬で消滅させた。

「え⁉」

 驚いている私を無視して男の人が手首を掴んでくる。

「な、何ですか⁉」

「時間がない、このままだと俺達も昭和に呑まれてしまう」

 男の人は私を無理矢理引っ張って、来た道を戻りだす。

 余りのスピードに男の人が足を止めると同時に息を切らす。

「これがキーか……」

 男の人は廊下に掛かっている時計を睨む。

 時計はひたすらに過去を刻み続けていて、高速で回り続ける針で時間が無い事を嫌でも分からされた。

「破ぁー!」

 またしても男の人が右手を突き出すと、青白い光弾が放たれ時計を一瞬で消滅させると、空に巨大な穴が生まれる。

「きゃあああああああ!」

「掴まれ!」

 男の人に言われるがまま私は腕を掴むと、二人揃って穴に吸い込まれていった。

 

 

 

「あれ……?」

 気が付くと私は取り壊されたおばあちゃんの家跡地に立っていた。

「どうやら、帰って来れたようだ」

「……あの子は一体誰だったんですか?」

「俺にも分からない、唯一分かるのは、俺達に牙を向けてきたそれだけだ」

 この後、私はスマホでお母さんに電話をして迎えに来てもらい、家に帰ることが出来た。

 ……ちゃっかり男の人も一緒に乗って来たけど。

 けれど、一緒に帰ったのでいろんな事を知れた。

 男の人は寺生まれの人で周りからはTと呼ばれていて、よく怪異に巻き込まれるらしい。

「やり方は非道そのものだが、何かを伝えたかったのだろう。君のおばあちゃんを利用してでもな……」

 Tさんは私にそう言っていた。

 配給所……空飛んでいた爆撃機……防空壕……私でも知ってる、第二次世界大戦の時の日本みたいだった。もしかして、あの子は自分達を忘れないで欲しくてしていたのかもしれない。そう思うと、変な子だと思っていた子がなんだか寂しく感じた。

 あの出来事は私の心に二つの記憶と想いを刻んだ。

 一つは昭和を忘れない。

 そして二つ目は寺生まれってスゴイ、私は初めてそう思うのだった。


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