BLEACH 二番隊の事務部長   作:人生の迷子

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その一 事務部長の話

――テメェの剣はつまらねェ

 

 

最初の隊長に、そう吐き捨てられた。

 

 

――そんなに急いだっていいことはないよ?

 

 

二人目の隊長には、そう諭された。

 

 

――我々が戦う意味とは何だ? それは――

 

 

そして、今の隊長には……。

 

 

 

 

 

◇―――――◇

 

 

 

 

護廷十三隊の部隊の中で、二番隊の業務は多岐にわたる。

本来違う組織の隠密機動を傘下に置き、その職務も遂行しているからだ。

暗殺や斥候を担う刑軍、情報収集を請け負う警邏隊、護廷各隊への情報伝達を担う裏廷隊などを席官が指揮し、日夜あちこちを走り回っている。

 

 

さて、組織である以上避けられないものはなんだろうか。

それは、文書類である。

虚討伐で部隊が動けば、出動した場所、出動した死神たち(人員)の数、そして事態の顛末を記録し報告する義務が生まれる。予定されている任務ならば行動計画書も必要とされる。

 

 

特に二番隊は偵察任務や各隊への連絡などで情報が集まりやすく、記録文書も他の隊に比べ段違いで多かった。

報告書だけで他隊の倍こなさなければならず、席官も隊士たちも頭を抱えていた。

 

 

それゆえ二番隊では、この問題を解決するために、他の隊とは違い文書を専門に処理する部門が設置されたのだった。

 

 

 

 

◇―――――◇

 

 

 

 

『二番隊及び隠密機動総括事務室』と仰々しい名前の看板が掛けられた、隊舎内の大部屋の一つ。

中では黙々と二番隊と隠密機動に関わる文書類を処理する隊士たちが十数名詰めていた。塔のようにそびえ立つ書類たちと共に。

 

 

「今日も今日とて大量だな…」

 

 

口癖になった小言を漏らす覇気のない顔をした男、篠木清一郎(しのぎせいいちろう)

彼が、この二番隊と隠密機動の事務全てを司る事務室の長だ。

 

 

「部長、これ施設課からです」

「はいはいどうも……やけに多くない?」

「先日の演習林の大規模補修の報告書なので」

 

 

ああそういうことね……。

部下から渡ってきた分厚い束の訳を知って辟易する。

 

 

近ごろ現世では書類のペーパーレス化を進めていると聞くが、ここ瀞霊廷はその時代の波に乗り遅れている。

十二番隊や技術開発局などは電子機器を用いているものの、いまだに墨を使って書類に記入しているくらいだ。

はっきり言って作業効率はよくない。

あまりの量に誰かが「まるで書類の懺罪宮だ」と皮肉を言って全員が納得してしまうほどだった。

 

 

「篠木、いるか」

 

 

事務室、入口。

小柄で切れ長の目をした女性の二番隊隊長、そして隠密機動総司令である砕蜂だった。

 

 

「どうされたんですか、隊長」

 

 

ひとまず手元の書類を後回しにして、デスクから入口前の砕蜂の元に出向く。

 

 

「決済したものを持ってきた」

「そんなわざわざ…呼んでいただければすぐ部屋に伺ったのに」

 

 

恐縮しながら報告書を受け取る。

しかし、砕蜂の用件はそれだけではなかった。

 

 

「これはついでだ。週末の会議の件で確認しておきたいことがあったから直接来た」

「ああそういうことですか…。

資料は用意できたので、あとは会議に参加する人数分の冊子を作れば準備はすぐ終わります」

 

 

週末の会議の件とは、有事の際の他隊との連携の強化を目的とした、定期的な合同演習のことだ。

流魂街の外れの森で行われるそれは、毎回違う部隊と組んで行われており、今回二番隊は十三番隊とペアであった。

立ち話も何なので、と奥の打ち合わせスペースに促して椅子に掛けた。

 

 

「十二番隊に訓練用機械(ホロウ)の話は通しておいたが、その後どうなってる?」

「借りられました。明後日には予定の台数うちに届きます」

「補給物資の手配は?」

「支度できてます。それと野営装備は簡易型で良かったですよね?」

「ああ」

 

二ヶ月以上前から準備してきて、滞りなく用意は済ませている。

事務を担う清一郎にとって、直前の打ち合わせである週末の会議が最大の山場であった。

 

 

「そういえば、現世の担当肩代わりはどこがしてくれることに?」

 

 

そもそも死神は現世で彷徨う霊の(プラス)と呼ばれる魂魄を尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ導くこと以外に、

現世を荒らす虚を討伐するのも大切な仕事だ。

現世に赴任している死神だけでは対処できない量の虚や大虚(メノス・グランデ)などが出現した際には、尸魂界から直接応援部隊を送る。

今回、全員を演習に引き連れていくわけではないが、もしものときは人員が不足してしまう恐れがある。

 

 

「八番隊だ。京楽隊長に声を掛けたら二つ返事で了承してくれた」

「八番隊ですか…あとで七緒さんにお礼言っとかなきゃなあ」

 

 

今回、たった二日とはいえ自分以外の地域も受け持ってくれた古巣(・・)とその上司たちに清一郎は申し訳ない気持ちになった。

差し入れを考えなければならない、と頭の片隅に置く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、いくつか尋ねられた事項に答え、あらかた説明し終えた清一郎が仕事に戻ろうとしたときだった。

 

 

「それより篠木、会議の時間は予定を空けておけ」

「はい?」

 

 

お前も会議に参加しろ、と。

この案件は“会議前までの準備”が主な仕事で、事務部長である自分が何故参加しなければならないのか。

 

 

「ああ、会議の司会進行ですか? それは十三番隊の虎徹三席が――」

「違う」

 

 

そうではない、と砕蜂に遮られた。

 

 

「今回の演習はお前も連れていくぞ」

「……はい?」

 

 

当事者としての参加を申し渡される。

予想できなかった清一郎は、間抜けな声を上げていた。




ちゃんとBLEACH読んだことありませんが創作熱が湧き上がり書きたくなったので頑張っていきます
これからよろしくお願いします

導入って難しい…
すごく難産でした
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