尾ノ神 龍は邪魔したくない   作:ヤマアラシん

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ヤマアラシんです。

更新が随分遅くなりまして申し訳ございません。
頻度は下がりますが、これからも更新して行きますので、宜しくお願いします!

それではどうぞー。



第十九話 日本代表候補生と日本代表生

襲撃者2人が去った後、千冬さんが駆け付けてきた。

 

「…。遅かったか…。」

 

「織斑先生…。」

 

「更識か。襲撃者の正体は?」

 

「はい、尾ノ神 龍奈。それと、オータム…。と名乗るもの、2名です。」

 

「そうか…。」

 

「千冬姉…。ひとつ聞きたい事があるんだ。」

 

「織斑先生と呼べ。どうした?」

 

「尾ノ神と織斑には…、何かあるのか?」

 

「…随分抽象的だな。何が言いたい?」

 

「アイツは…、尾ノ神 龍奈は言ってた。「織斑が尾ノ神を語るな!」って…。昔からの因縁か?なぁ、千冬姉なら、分からないか?」

 

「…。私にも分からないな。ただ、そう言っていたということは…、過去何かあったのは間違いないだろう。」

 

この時

 

織斑千冬は、どこか哀しい眼をしていた。

 

「…。」

 

それを見ていたのは、尾ノ神 龍だけだった。

 

「さて、事後処理もある。お前たち全員ついてこい。」

 

「「「「「「「はい。」」」」」」」

 

 

「(まさかな…。)」

 

賽はもう、振られている。

 

後は、誰がその賽を手に取るか。

 

それはまだ、誰にも分からない。

 

ただ1つ言えるのは、

 

尾ノ神、織斑。

 

この二つには、何かある。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

事件は過ぎ、文化祭は終わった。

 

3日間の開催で、初日に起きた事件で文化祭は中止かと思ったが、しっかり3日、開催されていた。

楯無さん曰く、「こんな時こそ活気が必要よ!」ということだ。

まあ、沈んだ気持ちを浮かび上がらせるという点においては賛成だったので、楽しんだ。

 

さて、現在俺は、文化祭後の振替休日というやつで、実家に帰っていた。

龍奈はウサギさんの所だと思っていたので、少々迂闊だが、思いきって訪れた。

…聞かなければならない。

ある人物…、俺に尾ノ神流を継がせた、俺の祖父。尾ノ神秀蔵(しゅうぞう)に。

 

「おお…龍か。よく帰った。」

 

「ただいま。じいちゃん。」

 

「まぁゆっくりしていけ。今茶を淹れてこよう。」

 

「良いよ。俺がやる。じいちゃんは休んでな。」

 

「…すまんのう。ワシもそろそろ…年じゃのう。」

 

「はい。どーぞ。」

 

「ありがとうな、龍。して…どうした急に?この老いぼれに聞きたいこととは…。」

 

「ああ。…じいちゃん、はさ、…なんで、俺に尾ノ神流を継がせたんだ?」

 

「…。」

 

「龍奈は言っていた。伝承には、尾ノ神流っていうのは、尾ノ神の血を、色濃く受け継げなかった者が継承する、補強だって。でも、龍奈は違うと言っていた。じいちゃんは、俺に尾ノ神流を継がせただろ?」

 

「…その話をするには、少し歴史を語らねばならん。…長くなるぞ?」

 

「…頼む。」

 

「昔、日本のある地域で、二つの部族がおった。もう200年くらい前の事じゃ。その二つの部族は、部族間での争いが絶えず、毎日殺しあいをしておった。

一つは、尾ノ神。そしてもう一つは、」

 

「…織斑か。」

 

「…知っておったのじゃな。そう、織斑じゃ。その二つの部族の力に、さほど差は無かった。じゃが、織斑の中で、ある1人の少年がいた。その者の名は織斑 神羅(しんら)。」

 

「織斑…神羅。」

 

「その者は、争いなど無意味だと、殺しあいを辞めるように織斑、尾ノ神、双方に説得を始めた。」

「その時、共に声を上げた者もいた。その者が、尾ノ神 凛という少女。」

「この2人は共に両部族を説得し、共に生きた。その中で、愛が芽生えた2人に、神は2人の子を宿した。」

「名前を、兄は修羅(しゅら)。弟は(しん)という。」

 

「修羅と心…。」

 

「兄の修羅は、織斑、尾ノ神、双方の血を色濃く受け継ぎ、生まれながらにして最強。信じるものは己の力のみ。そんな人間じゃった。」

「弟の心は、兄とは違い、織斑、尾ノ神の血を、色濃く受け継ぐことは出来なかった。しかし、弱者と共に立ち上がり、強者に立ち向かう。その姿勢からか、人望があった。」

「父親は修羅を高く評価すると同時に、心を、出来損ないという烙印を押し、部族を追放しようとまでした。…その時は妻の凛が止めたが。」

「反対に母親は心の人の痛みを、辛さを、苦しさを受け止めるその美しい心を高く評価した。」

「その後、両部族繁栄のため、1人の長を決めようとなった。その時、候補に上がったのは、その2人じゃ。」

「修羅と心。どちらが長になるか…。その結果は人望が厚かった、心に決まった。」

「それを受け、修羅は自分を支えてくれていた、父の神羅と共に、復讐という形で…、最愛の母、自らの妻を殺害した。」

 

「っ!!」

 

「それに激昂した心は、ある1つの流術を編み出した。それが尾ノ神流殲滅術じゃ。」

 

「それを使って、兄を倒した…と。」

 

「いいや、少し違う。」

 

「…?」

 

「心は、その流術で、兄に立ち向かった。しかし、兄の力も絶大じゃった。結果、2人は相討ち。心が、その流術を編み出した時、書き留めた物から、流術は伝承されていった。」

 

出されたのは1つのボロボロの書物。

尾ノ神流を継いだ時に、眼を通した物だ。

 

「これはお前も眼を通した物じゃろう。…だが、この書物には、まだ続きがある。」

 

「っ!!それは…、どこに?」

 

「…これがそうじゃ。」

 

出てきたのは、もう1つの先程の書物よりも、ボロボロで焼け爛れた一枚の…手紙。

 

「…何て書いてあるかわかんねぇ。」

 

「…ここにはこう書いてある。「これ以上、争いがない世界へ。兄を止める為に編み出した、尾ノ神流殲滅術。だが、その本懐は、別のところにある。()()()()()()()()()()()。そのためには()()()()()駄目だ。この流術は()()()()()()()()()()()()()()()()。」と…。」

 

 

 

 

 

衝撃が走った

 

 

思えば…、運命だったのかもしれない。

 

違和感はあったんだ

 

 

一夏が鈴と戦った時

 

俺の奥義の真似みたいな感じで放とうとした技

 

それに応じて光り輝いた白式

 

間違いない

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏は

 

 

 

 

 

 

 

一夏こそが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾ノ神と、織斑の、正統な継承者

 

 

 

 

 

 

「どうした?龍。」

 

「っ!な、何でもない!」

 

「つまり…、この事から、ワシは、龍奈にではなく、龍。お前に尾ノ神流を継承させた。龍奈は今や、かつての修羅のようだ。」

「だが、龍。お前なら、龍奈を止める事が出来る。…龍奈の目的は未だ分からずじゃが…。」

 

 

違う

 

 

 

「お前の中には僅かな織斑の血が眠っている。ワシはそう信じて、お前に尾ノ神流を託したんじゃ。」

 

 

 

 

 

違うんだよ

 

 

 

 

 

 

尾ノ神流は…

 

 

 

 

一夏が継ぐべきだ…。

 

 

 

一夏こそが…

 

 

 

織斑であり、

 

 

 

 

 

 

尾ノ神なんだ

 

 

 

 

冷めきったお茶を飲んだのに…

 

 

なぜか、喉元は燃えたぎる様な熱さだった

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「あ、龍く~ん。」

 

「…楯無さん。どうしたんですか?」

 

「1つ…、お願いがあるんだ。」

「私の妹の、機体作るの手伝ってあげて!」

 

「妹さんの…?」

 

あ、あの子か。昨日のじいちゃんの話を考えすぎててすっかり忘れてたわ。

 

 

更識 簪

 

日本代表候補生

四組所属。専用機がない理由としては、一夏がISを乗れるって知れ渡った時、簪のISを制作していた企業が、一夏のISを優先しちゃったもんで、簪の専用機制作が宙ぶらりんになってしまった。

更に、姉の楯無が、1人でISを組み上げた(簪はそう思ってる)ので、姉に負けたくない、更識の名に恥じないように、という想いから、簪も1人でISを制作している。

 

 

 

「ああ、更識…簪さんですね?日本代表候補生の。」

 

「そうなの。お願いできる?」

 

「…自分で手伝わない理由を聞いても?」

 

「…あの子は…、私の事を避けてるから…。」

 

「…。」

 

「私が更識の当主を継ぐ時に言ったことでね?(貴女は何もしなくていい)って言っちゃって…。」

 

「完全に楯無さんが悪いのは知ってるんで。まぁ分かりましたよ。」

 

「うぐっ…。お願い。…簪ちゃんを…助けてあげて。」

 

「…俺は助けませんよ。…彼女が1人で助かるだけです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

一年四組

 

 

 

 

さて…、簪はいるかな?

 

…お、いた。

 

 

「…。」

 

「よう。今、大丈夫か?」

 

「…何?」

 

「ちょっと聞きたい事があってさ。」

 

「…日本代表が、代表候補生に聞くことなんてあるの?」

 

「そりゃ、もちろん。…何で1人で専用機を作ってんだ?」

 

「…貴方には関係ない。」

 

「関係あるさ。犬が猫になることは不可能。そういうことだよ。」

 

「…何が言いたいの。」

 

「…1人でISを作る事ができるなんて、産みの親くらいだと思うぜ。」

 

「…私の姉は、1人で作った。」

 

「それは、本人に聞いたのか?」

 

「っ…。聞いてない。」

 

「何で聞いてない?」

 

「…聞きたく、無かったから。」

 

「そんな理由でか?…楯無さんから聞いたんだけどよ…。君に、「貴女は何もしなくていい」って言ったらしいな。」

 

「…っ!なら…、分かるはず。私には、何も出来ない。そういう烙印を押されてしまった…。だから私は…、お姉ちゃんに…、認められたい!だから私は…、1人でISを完成させる!」

 

「…。その心意気は素晴らしいぜ。でも、早すぎる。」

 

「っ!何が!貴方に…、何が分かるの!?」

 

「分かる!!」

 

「っ…!」

 

「…俺にも妹がいる…。でも、妹は、敵になった。何で?何が目的で?…わからない。わかるはずがない。そりゃそうだ。だってまだ、何も話して無いからだ。」

 

「あ…。」

 

「簪…。君はまだ間に合う筈だ。少しの勇気があれば、きっと分かり合える。楯無さんが、どうしてそう言ったのか、絶対に分かるはずだ。だから、落ち着け。無理をするな。」

 

「…うん。…うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

…まだ間に合う…。

 

こんな言葉…、

 

 

 

きっと、俺は俺自身に向けても言ったのだろう。

 

 

でも、もう間に合わない。

 

 

 

 

ピッ…

 

 

 

「ニュースです。アメリカのIS保管庫でIS二機を奪われる事件が起きました。犯人は黒のコートを羽織った少女と、白の第一世代のISを身に纏った少女です。2人は施設内の職員32名、更に警備のIS部隊員22 名を殺害。現在も、逃走中です。」

 

 

 

 

 

 

殺人鬼となった妹と話すことなど何もない。

 

 

…いいや。違うか…。

 

 

単純に怖いんだ。

 

 

龍奈に会うのが

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

以上で十九話になります。

 

 

簪のくだりがサクッと終わってます。

 

これに関しては言い訳させてください()

 

前半の尾ノ神流についての部分を主人公自身は考えすぎてる状態で、自分と妹の姿を楯無と簪に当て嵌めて考えてます。よってこの状態ならまだ間に合う!よし!(^^)d

 

みたいなノリです。

 

あと単純に原作若干忘れてます(これが7割)

 

 

それではまた次回~。

 

 

 

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