Archive.ニ〇〇一年。七月十七日。
麻帆良教会の地下一階。修道女達の宿直室として使用されていた過去は、もう遠い昔の話である。だからこそ、その地下に足を踏み入れる修道女はいなかったし、整備が行き届いていない等の理由でそもそもの立ち入りを禁止されていた。
しかし、そういう、人の出入りのない場所ほど、妙な噂が流れる。
例えば、そこには血塗れのボロ布のような修道服を着たシスターの幽霊が現れる、とか。
例えば、そこは秘密の地下施設の入り口が隠されており、日夜人体実験が行われている、とか。
例えば、そこは金銀財宝が隠されており、それを守るためのトラップとゴーレムが目を光らせている、とか。
「――ひゃー……。いや、これは予想以上だね、ココネ」
十三歳にして修道女の衣装に身を包んだ少女――春日美空は、冷や汗をかきながら、闇を飲み込む石畳の階段を睨みつける。シスターとして教会に従事する美空だが、地下があると噂を聞いて早速探してみれば、それは呆気なく見つかった。
立入禁止と記された看板を退かしてみたはいいものの、じんわりと肌に滲むような温風はあまりにも気持ち悪く、不気味だ。
地下と言えば季節に問わず冷え込んでいるというイメージがあるだけに、なおさら。
「ミソラ、本当に行くの?」
その声は美空の頭上から。
ダウナーな声の主は、褐色肌の童女。美空に肩車されながら、その地下へ続く階段を覗いている。
「そりゃ、行くしかないっしょ! 金銀財宝が眠ってるなんて言われたら、ねー?」
シスターに有るまじき俗物だった。
「でも、オバケも出るって」
「アハハ! オバケなんているわけないじゃん、ココネは怖がりだなぁ。それに、シスターシャークティから隠れるには良い場所だし、下見しとかなきゃだしね」
もともといたずら好きがたたって罰則を課されることの多い美空からすれば、その“立入禁止”と記された地下はいい隠れ蓑になると憶測していた。そもそもいたずらなどしなければ済む話なのだが、そんな選択肢は美空の頭の中には無かった。
「よーし、行ってみるか!」
「…………」
最早忠告する気も起きないのか、ココネは自分のパートナーの自由奔放なその行動に身を任せることにした。
◆ ◆ ◆
当たり前だが、地下は暗い。
初級魔法の《火よ灯れ》で視界を確保してみるものの、それはあまり十全とは言えなかった。
ライトくらい持ってくれば良かったなどと考えるものの、今から引き返すのも面倒だったのでそのまま突き進む。
石畳の階段は足場としてはあまりに不安定で、転倒しないように注意するだけで精一杯だった。ネズミの一匹でも現れようものなら、驚いた反動でそのまま転がり落ちてしまうだろう。壁の側面には蝋燭が一定の間隔で並んでいるが、これらに火を灯してしまうと形跡が残ってしまう。バレたらお仕置きどころではないだろう。
石と石の狭間なのか、はたまた罅が入っているのか。隙間から僅かに冷たい風が吹いていた。ちょっとした地震で崩れ落ちてしまいそうだ。地下らしくなってきたな、と考えながら、慎重に歩を進める。
やがて、階段を抜けて、通路へ出る。
《火よ灯れ》が照らし出した壁には見慣れたスイッチがあり、それを押すと、通路の天井にぶら下げられた電灯が次々と暖色の光を点していく。
「……ひえー、なんだこりゃ」
石畳の階段とは違って、近代的な施設がその姿を現した。
杖に灯していた《火よ灯れ》を息で吹き消して、それを見渡す。広い通路はコンクリートが打ちっぱなしになっているブルータリズム建築。構造から敵意を感じるという経験は、美空にとって未知の領域だった。これ以上足を進めることは許されないとでも言いたげな雰囲気が漂う。外の音は一切が遮断されている。二人分の呼吸と鼓動だけが鼓膜を揺らす。
しかし、そんな美空は雰囲気に負けるような性格の持ち主ではない。好奇心とは猫もを殺す凶器なのだ。
一歩。
足音が静かに響く。
もう一歩。
足音が静かに響く。
なんの義務もなく、義理もない。もしもこの通路を歩くことを命令されたのであれば、きっと、美空はその命令に逆らうだろう。しかし、命令をくだしているのはなによりも自分自身。
状態の良い地下空間に、興味がそそられる。
如何せん、立ち入りを禁止されている理由は、“整備が行き届いていなくて危険だから”。しかし、その実、蓋を開けてみればそこは今でもメンテナンスが施されている様子が見て取れる設備である。つまり、立ち入りを禁止したい理由が、他に存在する。
美空の脳裏に、金銀財宝の四文字が過る。
――しかし、やはりこの空間は不気味の一言に尽きた。
暫く進むと、二つの部屋が見えてくる。
手前側の部屋の扉を開けて中を覗き見れば、タイル張りのシャワールーム。シャンプーかボディーソープか。とにかく、そんなフルーティな香りが漂ってきていた。なにより、一番奥のシャワーはつい最近使用されたような痕跡が残っている。
部屋の中を漂う湿気と、排水しきっていない水溜り。
また、そこから部屋の出口に向かっていると思われる、小さな足跡。
立ち入りを禁止されているはずのエリアで、一体何処の誰が呑気にシャワーを浴びるというのか。
「これは……なんかヤバイ……?」
美空の脳裏にあった金銀財宝の四文字が、シスターの幽霊と人体実験という二つのワードで上書きされる。
眉唾ものと一笑に付していた二つの可能性が色濃く滲み出していた。
美空は決して度胸のある少女ではない。その奔放な性格のせいで、厄介事に首を突っ込みそうになることも多いものの、基本的に面倒事は嫌いだし、なにより――怖いものは怖い。
立ち去るべきか、と判断して、踵を返す。
「アハ、アハハ! ココネ! 震えてる!? もー、ほんとうに怖がりだなー、ハハ!」
「……震えてるのは、ミソラの膝」
やばいニオイが漂い始めていた状況に、美空の膝が笑う。
こうなってしまえば戻るのも地獄だった。いるはずもないと高をくくっていた幽霊の存在。それが好む環境。妙に湿気が多くて、暗くて、不気味な、石畳の階段。
と――。
そんなお化け屋敷のような階段へ向かおうとしたときに――。
その音は聞こえた。
「ミ、ミソラ……!」
ココネが美空の頭を叩く。その視線は、背後。
がちゃり、と。
扉の取っ手が回される音。
見たくもないはずなのに――美空は振り返ってしまった。
それは、シャワールームとは別の、未確認の部屋の扉。
引っ掻くような軋む音が、その扉の蝶番の年齢を物語っていた。
真っ青になるほどの冷気が風に乗って、二人の身体を打ち据える。
まず見えたのは、外開きの扉のドアノブを握る真っ白な手と、それに付随する腕。
そこから、ぬるり、と。
それは不自然な程に湿っている、黒髪。
やがて、それは全身を見せた。
ココネにも引けを取らない、矮躯。真っ暗なワンピース。雪よりも白い肌。小さな頭からぶら下がる黒髪は腰まで届く程に長い。白すぎて輪郭も曖昧な小さな顔には、大きくて虚な黒い瞳。
そして、片手にぶら下げた洗濯かご。
三人の視線が交差する。
「…………だ、れ?」
その囁くような声は、打放しコンクリートの壁に反響して――。
「オ、オバケさんダ……!」
「い――――いやぁぁぁぁぁあああああ! 出たあぁぁぉぁぁあぁぁあ!」
その様子は、脱兎が如く。
ただの人間にはとても再現できない速度で、美空はその場からの離脱を図った。
残されたオバケ――もとい、鈴葉は、訳も分からず、立ち尽くす。
なんとなく、部屋を出てすぐそばにある通路の電灯を操作するスイッチをオフにした。
遠くで、悲鳴が聞こえる。
もう一度オンにしてみた。
また、悲鳴が通路に響き渡る。
「……? ……?」
鈴葉の困惑だけを残して、美空の足音はやがて聞こえなくなった。
◆ ◆ ◆
「はぁ、はぁ、はぁっ――はぁぁ……」
階段を上り切り、封印するように“立入禁止”と書かれた看板を元の位置に戻す。アーティファクトを使用した、全力の逃走劇だった。
通路の電気が消えたり点いたりする度に悲鳴を上げて、階段の隙間風に怯え、終いには肩車しているココネの脚が視界に入って驚いて――七転八倒の全速力。
最早立つ気力もなくて、その場に座り込んだ。肩の上で振り回されていたココネも、同じくグロッキー。ふらふらと危うい足取りで地面に降りると、しゃがみ込んで美空へともたれ掛かる。
噂など、噂でしかない。
自身の金銀財宝の夢を棚に上げて、そんなことを思っていた美空にとって、それはイレギュラーな事態だった。まさか、本当に幽霊が現れるなど、どうして予測できるだろうか。
絵に描いたような幽霊だった。
思い出すだけで身震いする。
「あなたたち、何をしているんですか?」
しかし――安心するには、まだ早かった。
「し、しし、シスターシャークティ! た、助けて! お、オバ、おばおば!」
「誰がおばさんですか!」
「違う違う、そうじゃなくて! ち、地下! 地下でオバケがぁ!」
「ミ、ミソラ……!」
言うべきではなかった。
助けを乞うべきではなかった。
美空達に声をかけた存在は――その人は、シスターシャークティ。教会の最高管理者にして、春日美空を担当する“魔法先生”。
「ほう……。おかしいですね。地下は立入禁止と、そう教えてきたはずですが――入ったのですか?」
それは比喩表現など必要のない、純粋な怒気。
幽霊から助けを乞うために、幽霊よりも恐ろしい存在を出現させてしまった。しかし、美空とてそれで萎縮してしまうほど繊細ではない。でなければ、立入禁止の地下に潜り込もうとは思わない。
「あ、いや、違うんです! いや、違くはないんスけど、違うんスよ! オ、オバケ! オバケが!」
「はい? オバケ?」
周囲に浮かび始めていた十字架を象った魔力が収まっていく。怒るよりも先に事情を聞かねばならない、と、そう判断した。
「はい! 黒髪の、長髪の、ちっちゃい女の子!」
「…………はぁ」
シスターシャークティは頭を抱えた。
麻帆良教会の最高管理者である彼女は、当然蒼井鈴葉について知っている。鈴葉と直接会えるだけの権限は無かった――その権限はタカミチを始めとした上級職員のみが持っている――が、地下の宿直室を明け渡したのは他の誰でもないシスターシャークティであった。それだけではなく、密かに鈴葉の洗濯物を預かって洗濯して干して返却するという、ちょっとしたお世話係まで務めていたのだから、知らない訳がないのである。
だからこそ地下は立入禁止にした。理由もちゃんと考えた。普通の人間ならば、整備の行き届いてない地下施設になど、足を踏み入れない。崩落すれば助かりようがないのだから。
侮っていた。
イタズラが好きで好きで堪らなく、好奇心で生きている、この春日美空という少女が、その程度で止まるはずがなかったのだ。
「……あなたの場合、隠した方が厄介なことになりそうですね。ええ、はっきりと分かりました」
「はい?」
「誰かに聞かれたら困りものですね」
シスターシャークティはそう言うと、人払いの結界を周囲に展開させる。それから、しゃがみ込んでいる二人に正座するように命令し、一方でシスターシャークティは壁に寄りかかった。
「とは言え、どこからどこまで話せばいいのでしょうか。私も全てを知っているわけではありませんし……。――まず、あなた達が遭遇したというオバケですが、彼女はオバケなんかではありません。歴とした、生きた人間です」
「えー……」
「……なにか不満でも?」
「生きてる感じしませんでしたよ……? なんていうか、生気が感じられませんでした」
虚ろな目。あれを生きている人間の目と呼ぶのは、抵抗があった。
シスターとして教会に従事していると、いろんな人間と会うことになる。精神を病んでいる人や、病気の人、疲れきった人など、そのレパートリーは決して少なくない。彼等は神に助けを乞い、祈りを捧げる者達だ。人生に絶望している者達を、幾度と無く見てきた。孤児院にいた頃も含めると、それは数えるのも馬鹿馬鹿しい程の数になる。
だが、それでも、あの少女の目は、見たことがなかった。生きている人間の中で、あんな目をしている者は、いなかった。
「……そうですか、私は見たことがないのでなんとも言えません。ですが、間違いなく生きています。それでいて――とても危険な存在です。敢えて隠さず伝えますが、彼女は人を何人も殺しています」
「は……? いやいや、シスターシャークティ。それは流石に……え、嘘ですよね? 誇張表現ってやつですよね?」
「いいえ。事実です」
「な、なんでこんなところにそんなのがいるんですか!? 刑務所は!? 警察は!? 警察なんかじゃ手に余るからここにいるのか! そりゃそうだ!」
「自己完結してくれるのは有り難いですけど、もう少し冷静になってくれませんか?」
「……はい」
「彼女が人を殺したのは、数年前の話です。もっと具体的に言いましょう。三年前の《ロンドン連続殺人事件》――通称《夜霧のゾンビ》の実行犯、それが彼女です」
「へー。未だに犯人が見つかってないあの事件ですか。ちゃんと犯人いたんスねぇ。それはそれは……って、はぃぃい!?」
「静かに。防音まではしてないんですから」
「はいぃぃ……」
「よろしい。では、なぜ彼女が今、この教会の真下に位置する地下で暮らしているのかですが――当時、彼女は理性を失っていました。私が聞いた報告では、謎の呪いにかけられている、とされています。とても強力な呪いです。それをなんとかして無力化させて麻帆良の地下牢獄へと閉じ込めたのです。それから一年以上、彼女は理性を失ったままだったとされています」
「一年以上、理性を失ったまま……」
反芻して、イメージして、戦慄した。
そして、容易く同情した。たとえ、かの有名な連続殺人事件の犯人だと言われても、それは、あまりにも悲惨な結末だった。
しかも、呪い。それがどのようなものなのかは分からないが、決して気持ちの良い言葉ではなかった。
地下で見かけた少女を思い返す。
あんな矮躯で、あんな華奢な身体で、一体、どんな呪いを身に宿してしまったのか。
「しかし、彼女は理性を取り戻しました。なので、今では人道に則り、地下ではあるものの、彼女の衣食住を確保しながら経過を観察している状況です」
しかし――それは、あまりにも可哀想ではないか、と。
そう思わずにはいられなかった。
監獄から出してもらって、その結果が、陽の当たらない地下での暮らしなど――それでは、監獄となにも変わらない。
それに――。
「シスターシャークティ、あなたは彼女を危険と言いましたよね? 今の話を聞いてると、もう危険なんて無いように思えるんスけど……」
理性を失い、人を殺し、しかしもう一度理性を取り戻した少女。
それだけの話ではないか。
「――呪いは、終わっていません」
「呪い……」
やはり、気分が悪い。
「私も、全てを知っている訳ではありません。しかし、それでも、“絶対に伝えなくてはいけない情報”として伝えられた事が、一つだけあります」
シスターシャークティは、顔を顰める。口にするのも憚られる、と言いたげに。
「――彼女の呪いは、その性質上《人肉を食らうこと》が避けられない」
「――……へ?」
「人肉を食らわなければ、生きていけない身体なのだそうです」
それは、理解の度を超えていた。
範疇を超えていた。
――生き血を啜る吸血鬼すら生易しいと思えてしまう、そんな日が来るとは、思いもしなかった。
「彼女は、今でも人肉を食べています。そんな生活が、理性を失ってた頃も含めて、既に三年も続いているのです」
そんなこと――どんな精神力なら、それを続けることができるのだろうか。あまりにも、あまりにも、可哀想だと、そう美空は思ってしまった。
それこそ――ひと思いに殺してあげた方が、彼女は幸せなのではないかと、そう思ってしまう程に。
「――美空。私達は、神に従事する信徒です。どんな形であれ、人の死を願うことは絶対にあってはいけませんよ」
肩が震えた。
思考をまるまると読み取られてしまったことに驚くのと同時に、今、自分がどんな表情をしているのかが、自分でも分かってしまう。
「そもそも、彼女は元々麻帆良学園の生徒でした。本来ならばあなたの同級生として日常を過ごすはずだった、極めて一般的な魔法生徒だったんですよ」
――もっとも、当時のクラスメイト達は、既に蒼井鈴葉という存在を忘れているはずですが。
そこまで言われて、あまりに悲惨な彼女の人生に、嫌気が差した。
今から三年前で、自分たちと同級生で――つまりそれは、当時小学四年生だったという事である。そんな、まだ遊び盛りの子供が、唐突に日常から引き剥がされる苦しみとは、どのようなものなのか。
想像すらできない。
「――あれ? でも、あの子、凄くちっちゃかったですけど……」
鈴葉と同じレベルで小柄な同級生は何人かいる。それはやんちゃな姉妹であったり、吸血鬼であったり。
だが、そんな彼女達と比べても、更に一回り小さな女の子でしかなかった。勿論、現実的に比較したわけではない。あの空間での物差しは自分の視点しか無く、気も動転していた。しかし、美空自身が抱いた、“ココネにも引けを取らない矮躯”という見え方は、どうしたって事実だ。
美空とココネは長い時間を共にしている。
その物差しは、狂いようがない。
「……あくまでも、彼女の情報は規制されています。先述したとおり、私も知らないことの方が多い。しかし、あくまで仮説を立てるならば、それもまた呪いの影響なのかもしれません」
成長の停止。
それを聞いて思い浮かぶのは、何故かクラスメイトとして同じ教室に身を置くことになってしまった吸血鬼。数百年という膨大な時を生きながら、自分よりも小柄で華奢な闇の福音。
それが、自分たちの生きる現代で、同じ時間軸で、再現されてしまったのか、という、理不尽な現実への違和感。
――神よ。何故、人は平等ではいられないのですか。
その呼び掛けに答えてくれるものは、どこにもいない。
「とにかく!」
シスターシャークティは、声の調子を一段階だけ上げて、手を叩き、人払いを解除した。それが、“この話はもう終わりだ”という意思表示だった。
「あなた達が立入禁止の区域に侵入したという事実は、どうあっても覆りようのない規律違反行為であることに変わりはありません。全く、卒業まではおしとやかに、という取引を忘れたのですか?」
「…………」
「ミソラ……?」
今は、逆らうだけの元気は無かった。
世の中に蔓延る理不尽な不幸。それを、久しぶりに目の当たりにした気分である。
いつもと打って変わって静かな美空に、主であるココネですらも違和感を覚えた。
「……とはいえ、既に反省もしているようですから、罰は軽いものにします」
シスターシャークティはそう告げる。
それは、世界の理不尽を目の当たりにした彼女に対する遠慮だった。なにより、呪われた少女――蒼井鈴葉の話こそが、既に罰である。
「今から私は彼女――蒼井鈴葉さんの洗濯物を回収してきます。なので、あなた達は洗濯を手伝ってください。これは今回限りではありません。これからも、定期的に手伝ってもらいます。……それから、この話は他言無用でお願いします。あなた達に情報を開示したという報告は私がしておきますから、もしも地下の話が噂となって漏れ出るようなら真っ先に疑われるのはあなた達であることを胸に刻みつけなさい。――もっとも、口が羽毛よりも軽い美空でも、こんな話を吹聴するほど愚かだとは思っていませんが……。いいですね?」
「はい……」
それからの行動は早かった。
慣れた様子で石畳の階段を下りて、さほど時間もかからずに戻ってきたシスターシャークティの手には、先程鈴葉が片手にぶら下げていた洗濯かごがあった。その衣服の小ささに、改めて驚く。今ここでココネに着せても違和感はないだろう。
「お、おー……?」
干してる最中に、なんだか凄く際どい下着があって、素っ頓狂な声が出た。
黒の紐パン。
「いやいやいやいや、なんですか、これ」
「……刀子さんのプレゼントらしいですよ。神多羅木先生が刀子さんに渡されて、そのまま鈴葉さんにあげたとか」
「なにやってんスか、あの人達」
ないわー、と思いながら、プレゼントされたものはちゃんと履いてあげてるんだなぁ、と。
それは優しさなどではなく、「まぁ履けてその機能を果たしてくれるのならなんでもいいや」という投げやりな妥協なのだが。
後書きの内容がどこかズレているのは、読み直しては修正をしたりしている部分があるので、その影響です。
というか、もうArchiveとか気取るのやめて素直に「書けないから三人称にしました」とかでいいのかもしれません。今度から「書けないから三人称にしました」って書きます、多分。文才とか構成力とか無いので陳腐にするしか方法がない。まぁ、行きあたりばったりなら仕方ないですよね。プロット無しの一発構成で神作品作れるなら誰だって苦労はしません。苦労を省いてる分のしわ寄せが、この読みづらさに繋がっているのでしょう。ご苦労をおかけします。
とは言えども着地点等は相変わらず曖昧なままです。駄作です。読みづれぇなって思っても、逆に、読みやすかったからと言ってこの作品と読んでいいのかも怪しい文字の集合体を読むことに意義はない、と考えてもらえたらそれはそれで有りよりの有りでしょう。その思考の元、こんなの読んでるくらいならもっと有意義な時間の過ごし方あるやろ、と思われるなら、それもまた一興。
なんなら、このEp.5は本当に脳死して書いてました。
改めて、主人公の外見に触れてなかったなって。
どっかでオリジナル小説のキャラとして出そうと思っている可愛い娘(その割にはなんの特徴もない一般的で有りがちなキャラ)なので、少しでも同じ性癖の持ち主の方に刺さってほしいな程度の気持ちで書いたのがコレです。
美空については影薄すぎてキャラが行方不明です。ココネかわいい。
はい。