「ようこそ、赤き闇への道へ」
湖に浮かんだ真紅の絨毯を踏みしめ、妙齢の美女が歩いてくる。
「あら、お相手はアナタなの?」
「ご不満ですか?」
チェンジなら受け付けますよ。
「ちょっと若すぎる気もしないでもないけど、いいわ。受けてあげる。では始めましょう。闇のデュエルを。今回のお相手はわたくし、セブンスターズの貴婦人、
「デュエルアカデミア1年、音羽遊蓮。お相手します」
「勝者は次なる道へ、敗者はその魂を人形に封印される」
やっぱそうなるかー。
「了承する。では――」
『デュエルッ!』
「私の先攻、ドロー。フィールド魔法《ヴァンパイア
カミューラ LP4000 手札2 モンスター1 伏せ2
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。手札を1枚捨て《ツインツイスター》を発動。2枚の伏せカードを破壊します」
「させないわよ。カウンター罠《ヴァンパイアの支配》を発動。そのカードの発動を無効にして破壊する」
「永続魔法《次元の裂け目》を発動。お互いの墓地へ送られるモンスターは全て除外される」
「バ、バカなッ!? そんなカード、アナタのデッキには入っていなかったはずッ!」
「見られているのは分かってましたよ。貴女が見たのはフェイクデッキです。デッキの上から裏側表示で10枚のカードを除外して《強欲で貪欲な壺》を発動。カードを2枚ドロー。続けて《闇の誘惑》を発動。カードを2枚ドローし、手札の闇属性モンスター《ネクロフェイス》を除外する。そして除外されたネクロフェイスの効果発動。お互いにデッキの上からカードを5枚除外する。さらにデッキの上から裏側表示で8枚のカードを除外して《
「おいおい、大丈夫か? あっという間にデッキが半分以下になっちまったぞ」
万丈目の口から動揺の声が漏れるが、これはこういうデッキなんだ。一応保険は持っているが、もたもたしてハチャメチャ効果の《幻魔の扉》なんかが出てきたらたまったもんじゃない。
「《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》を通常召喚。こいつの攻撃力・守備力は、除外されている自分のカードの数×400になる」
「除外されているカードは23枚。攻撃力・守備力は9200ッス!」
翔の能天気な声が聞こえてくる。やっと到着したか。
「バトルフェイズに入ります。《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》で《ヴァンパイア・ソーサラー》を攻撃!」
「させるかよッ! 《ブレイクスルー・スキル》を発動。そいつの効果は無効だッ!」
「チェーンして《禁じられた聖槍》を発動。ダ・イーザの攻撃力は800ダウンし、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない」
効果を打ち消すべく迫り来る拳を、聖なる槍が撃ち落とす。ヴァンパイア帝国の効果でヴァンパイア・ソーサラーの攻撃力が500アップしたが、所詮は焼け石に水にしかならなかった。
「こ、この私が、1ターンキル!? バ、バカなぁぁッ!」
カミューラ LP4000 → 0
斯くしてカミューラの魂は人形に封じ込まれた。
勝利とて虚しいものだ。
そりゃ対策くらいするよねってお話。