ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第14話 地のデッキ

その日の教室は閑散としていた。生徒たちが無断欠席していたのだ。十代たちは新たなセブンスターズの襲来と色めき立っている。

授業が始まっても生徒たちが来ることはなく、代わりにきたのは女性の事務員さん。どうも川田くんのバッグが森の中で見つかったらしい。

これあれだ。アマゾネスの流れだ。

そんなわけで俺たちは、森の中に建設されたコロシアムにやってきたのだった。

「おい、あれクロノス先生じゃないか?」

「そういえばクロノス教諭の姿も見えなかったニャ」

確かトラの用心棒がいるんだよな。ああ、いたいた。十代たちからは距離をとっておこう。うん、やっぱり追いかけられてる。

みんながバイト代を貰ってる中で、クロノス先生だけが貰い損ねていた。つか気持ち悪いからやらないってのも酷いよなぁ。

「こらぁー、何者だ、おまえ!」

「フッ、わたしはタニヤ。偉大なるアマゾネス一族の末裔にして長。そしてセブンスターズのひとり」

「やっぱりか。よし、勝負だ」

「いいだろう。だ・け・ど、わたしと勝負できるのは男の中の男だけぇ~」

さっきまで凛々しく振舞っていた女性が、突如としてなよっとした感じになって身体をくねらせ始めた。やっぱりこの人のキャラはよく分からん。

「我こそは男という者、出てこい!」

「俺だ!」

「いや、俺だろう!」

「いいや、俺だ!」

「……あなたはいいの?」

「今回はあいつらに譲るよ」

意気揚々と踏み出した、十代、万丈目、三沢。

選ばれたのは、三沢でした。

今回は闇のデュエルではなく、タニヤが勝てば三沢を婿にし、タニヤが負ければ三沢の嫁になるという平和な条件だった。

婿取りデュエルが今、始まる。

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「先攻はわたしだ、ドロー。《アマゾネスの剣士》を召喚。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

タニヤ LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《怒気土器》を守備表示で召喚し、効果発動だ。手札の《電磁石の(エレクトロマグネット・)戦士β(ウォリアー・ベータ)》を捨て、デッキから《電磁石の(エレクトロマグネット・)戦士α(ウォリアー・アルファ)》を特殊召喚。そして効果発動。デッキから《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン》を手札に加える。バトルだ。電磁石の戦士αでアマゾネスの剣士を攻撃、エレクトロマグネットソード!」

 

「この瞬間、2枚の伏せカードを発動する。《アマゾネスの急襲》、そして《メタバース》。まずはメタバースの効果でデッキからフィールド魔法《アマゾネスの里》を発動。これにより《アマゾネスの剣士》の攻撃力は200アップする」

 

「むっ、ならば相打ちか。アマゾネスの剣士とは相性がいいカードとは思えないが?」

 

「それはどうかな? 《アマゾネスの急襲》の効果発動。私の「アマゾネス」モンスターが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に、相手モンスターを除外する」

 

アマゾネスの剣士は電磁石の戦士αは相打ちにはなったが、片方は墓地に、片方はゲームから除外された。

 

「アマゾネスの里の更なる効果発動。1ターンに1度、「アマゾネス」モンスターが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に、その「アマゾネス」モンスターの元々のレベル以下の「アマゾネス」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。私は《アマゾネスペット(タイガー)》を特殊召喚。そしてバトルは終了したが、バトルフェイズはまだ終わってはいない。アマゾネスの急襲の効果で、手札から《アマゾネス女王(クイーン)》を特殊召喚」

 

「おいおい、状況が一気に悪くなったぞ!」

 

「伏せカードをまるで警戒しないなんて、三沢くんらしくないわね」

 

「嫁うんぬんで調子を崩したかな。まあ、別に負けても魂取られるわけでもなし、いいんじゃないか?」

 

「気の抜けるようなこと言うなよ、遊蓮。行けー、三沢! ラストサムライ魂見せてやれ!」

 

「まかせろ! この程度、すぐに挽回してみせる。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

「きゃ~、三沢っちカッコイイ~、痺れるぅ~、素敵ぃ~」

 

「ふっ、分かっているぞタニヤ。お色気で俺のペースを崩そうという陳腐な作戦。だが俺の心はその程度戦術は鉄壁。おまえのお色気光線など通用しない!」

 

「言葉が乱れてるッス」

 

「つまり心が乱れてるってことだな」

 

三沢大地 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

タニヤ  LP4000 手札2 モンスター2 伏せ0

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー。《アマゾネスの聖戦士》を召喚。このカードは自分フィールド上の「アマゾネス」という名のついたモンスターカード1枚につき、攻撃力が100ポイントアップする。アマゾネスの里の効果も受け、さらにパワーアップ」

 

《アマゾネスの聖戦士》攻撃力2200

《アマゾネス女王》  攻撃力2600

《アマゾネスペット虎》攻撃力2500

 

「バトルだ。アマゾネスの聖戦士で怒気土器を攻撃、続けてアマゾネスペット虎でダイレクトアタック!」

 

「そうはさせん! 除外された時の対処法も用意してある。《化石岩の解放》を発動。除外されている《電磁石の戦士α》を特殊召喚。その効果でデッキから《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》を手札に加える。そして電磁石の戦士αのもう1つの効果も発動する。相手ターンにこのカードをリリースすることで、デッキからレベル4の「マグネット・ウォリアー」モンスター1体を特殊召喚する。俺は《磁石の戦士δ(マグネット・ウォリアー・デルタ)》を守備表示で特殊召喚し、その効果でデッキから《磁石の戦士γ(マグネット・ウォリアー・ガンマ)》を墓地に送る」

 

「う~、マグネット・ウォリアーがゲシュタルト崩壊しそうッス。てか戦士(ウォリアー)なのに戦士族じゃないんスね」

 

「いまさらだな。俺のサンダー・ドラゴンだってドラゴン族じゃない」

 

ドラゴン族じゃないドラゴンはいっぱいいる。これ豆な。

 

「ならばアマゾネスペット虎で磁石の戦士δを攻撃、続けてアマゾネス女王でダイレクトアタック!」

 

三沢大地 LP4000 → 1400

 

「ぬぅぅ、だが俺は負けん。世界の破滅を防ぐため、俺は負けるわけにはいかないんだ!」

 

「ふっ、世界の破滅がなによ。そんなものより不滅の恋を探す方が重要よ。七精門の鍵でも開かない貴方のハートを、わたしの鍵で開けてみせるわ」

 

「くっ、わけがわからん。大体、会ったばかりの俺のどこに惚れたというんだ!」

 

「その凛々しい顔よ!」

 

三沢の問いに、タニヤはきっぱりと言い放った。

 

「か、顔だと!? そんなことで……それではあいつらのアイドルカードと同じ……くっ、何故ピケルが……うぉぉー、俺のターン!」

 

おい、相手はまだエンド宣言してないぞ。

 

「せっかちだな。まだバトルフェイズだ。アマゾネスの急襲の効果で、手札から《アマゾネスの格闘戦士》を特殊召喚し、ダイレクトアタック! さあ、意地があるなら見せてみろ!」

 

「くっ、仕方ない。《戦線復帰》を発動。墓地の《電磁石の戦士β》を特殊召喚する。その効果でデッキから《磁石の戦士β》を手札に加える。そしてこのカードをリリースしてデッキから《磁石の戦士α》を守備表示で特殊召喚する」

 

「アマゾネスの格闘戦士で攻撃、当然そいつも除外する。わたしはこれでターンエンド」

 

タニヤ  LP4000 手札1 モンスター4 伏せ0

三沢大地 LP1400 手札5 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。手札から《トレード・イン》を発動。《磁石の戦士マグネット・バルキリオン》を捨てて、カードを2枚ドロー。《悪魔への貢物》を発動。おまえの《アマゾネス女王》を墓地に送り、手札から《磁石の戦士β》を特殊召喚する。そしてフィールド魔法《マグネット・フィールド》を発動」

 

アマゾネスの里がかき消され、新たなフィールドが世界を塗り替える。そうか、まだフィールド魔法は共存できないんだったな。

 

「マグネットフィールドの効果発動。墓地の《磁石の戦士γ》を特殊召喚。続けて装備魔法《戦線復活の代償》を発動。通常モンスターの磁石の戦士γを墓地に送り、おまえの墓地の《アマゾネス女王》を俺のフィールドに特殊召喚して、このカードを装備する」

 

「わたしのモンスターを寝取るとは、やるじゃないか」

 

「寝取るとか言うなッ! くっ、惑わされるな、冷静(クール)になれ。Be Cool。よし、俺の切り札の1枚を見せてやる。手札の《電磁石の戦士γ》と墓地の《電磁石の戦士α》、《電磁石の戦士β》を除外して、手札から《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン》を特殊召喚!」

 

《電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン》

星8/地属性/岩石族/攻3000/守2800

 

「マグネット・ベルセリオンの効果発動。墓地の《磁石の戦士γ》を除外して《アマゾネスの聖戦士》を破壊する」

 

フィールドの「アマゾネス」が減ったことで、アマゾネスペット虎の攻撃力がさらに下がった。

 

「バトルだ。アマゾネス女王でアマゾネスペット虎を攻撃!」

 

タニヤ LP4000 → 3500

 

「アマゾネスの急襲の効果でアマゾネス女王を除外する」

 

無問題(モーマンタイ)! 続けて磁石の戦士βでアマゾネスの格闘戦士を攻撃!」

 

「アマゾネスの格闘戦士が戦闘を行う事によって受ける戦闘ダメージは0になる。アマゾネスの急襲の効果で磁石の戦士βを除外」

 

「これでおまえのモンスターはいなくなった。マグネット・ベルセリオンでダイレクトアタック! 超電磁カッター!」

 

タニヤ LP3500 → 500

 

「アマゾネスの急襲の効果を使わなかったということは、おまえの手札には「アマゾネス」モンスターはいないようだな。俺はこれでターンエンドだ」

 

三沢大地 LP1400 手札0 モンスター1 伏せ0

タニヤ  LP 500 手札1 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー。まずは褒めてやろう。わたしをここまで追い詰めたことを」

 

「まるで勝ちを確信したような言い草だな」

 

「おまえの手札は0。リバースカードもない。わたしの攻勢を防ぐ手段はないということだ」

 

「マグネット・ベルセリオンを超える攻撃力を持つモンスターがいるというのか……」

 

「ふっ、大きすぎる力は身を滅ぼすということを教えてやろう。《アマゾネスの斥候》を召喚」

 

《アマゾネスの斥候》

星3/地属性/戦士族/攻 800/守1200

 

「攻撃力800のモンスターで何を……」

 

「こうするのさ。魔法カード《アマゾネスの呪詛師》を発動。アマゾネスの斥候とマグネット・ベルセリオンの元々の攻撃力を入れ替える」

 

「攻撃力を……入れ替えるだと!?」

 

「バトルだ。アマゾネスの斥候でマグネット・ベルセリオンを攻撃、ダガー・ショット!」

 

投擲されたダガーは一瞬のうちに巨大化し、ベルセリオンの胸板を貫いた。

 

「――ぐあぁぁぁッ!!」

 

 

 

三沢大地 LP1400 → 0

 

 

 

「これで三沢っちはわたしのもの。関係のない者は去れ、バース!」

彼女の虎に追い立てられ、俺たちはコロシアムを後にした。七精門の鍵が1つ失われ、囚われ人となった三沢をどうするか途方に暮れていたが、当の本人は翌日の昼に帰ってきた。

タニヤに骨抜きにされて。

 

 

 




アニメを見ていない人には分かり辛かったかもしれませんが、タニヤはかなり二面性の強いキャラです。
詳しく知りたい方はアニメを見よう!
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