ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第15話 新生

三沢は何故かレッド寮の食堂にいた。イチゴジャムをかけたオムライスを食し、タバスコをガブガブと飲み干している。

ありゃそうとうイカれてるな。

数日経っても三沢は腑抜けたままだった。業を煮やした十代が三沢に詰め寄っていく。

「こういう時はデュエルだ! 三沢、デュエルやろうぜ!」

「……無理だ。俺にはできない」

「何でだよ。ビビっちまったのか」

「違う、わからなくなったんだ。デュエルが」

「どういうことだよ」

「あのタニヤという女は、闇のデュエリストでありながら、その潔い戦いに姑息さはなく、真っ直ぐに向かってくるあの姿には、尊敬の念さえ覚えている。彼女に会いたい。そして再びデッキを交えたい。この気持ち、まさしく愛だッ!」

「愛だぁ!?」

十代だけではなく、一緒にいた翔と隼人も信じられないとばかりにのけ反った。

「だが愛も超越すれば、それは苦しみとなる。俺のデッキでは彼女を満足させるようなデュエルはできない。それが悔しくて、情けなくて……」

「へへっ、よかったじゃないか三沢、そんなデュエリストに出会えて。俺ますます()ってみたくなったぜ、あのタニヤってやつと。羨ましいぜ、三沢っち」

「その望み、叶うと思うぞ」

「どういうことだよ、遊蓮」

「タニヤはアマゾネスだ。三沢が追い出されたってことは、もっと強いデュエリストを探しにくるってことさ」

俺の言葉に、十代はわくわくした様子でタニヤのいるコロシアムへと視線を向けた。そして、その時は案外早くやってきた。

その日の夜、三沢が俺の部屋のドアを叩いたのだ。タニヤの闘気を感じると。

闘気ってなんだよ。

 

 

 

 

コロシアムの前に集った俺たちの前に、(バース)に乗ったタニヤが姿を現した。

「よく感じてくれたな。デュエルに飢えたわたしの渇きを」

タニヤは三沢を一瞥すると、懐かしさを感じるように言葉を漏らした。それに恐れることなく十代が一歩踏み出す。

「俺が相手になるぜ」

「ほう、面構えは良い。ちょっとおバカそうだが」

「あら~、っておバカは余計だろ!」

「ふっ、いいだろう、おまえが相手だ」

「俺は遊城十代。遊城っちって呼んでくれ」

緊迫さをまるで感じない言葉に、一行は毒気を抜かれたように溜め息を落とした。

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「先攻はわたしだ、ドロー。《アマゾネス王女(プリンセス)》を守備表示で召喚。効果でデッキから《アマゾネスの急襲》を手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

タニヤ LP4000 手札4 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。三沢を苦しめたカードか。なら見せてやるぜ、俺の新生ヒーローデッキを。《E・HERO ソリッドマン》を召喚して効果発動。手札の《E・HERO オーシャン》を特殊召喚。続けて速攻魔法《マスク・チェンジ》を発動。オーシャンを墓地に送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体をEXデッキから特殊召喚する。《M・HERO アシッド》を特殊召喚! そして効果発動だ。このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊し、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。喰らえッ! アシッド・レイン!」

 

「ふっ、だがアマゾネス王女は守備表示。あまり意味はないな。そしてチェーンして《メタバース》を発動だ。デッキからフィールド魔法《アマゾネスの里》を手札に加える」

 

「なにッ!? メタバースはフィールド魔法を発動する効果じゃないのかッ!?」

 

「発動とサーチ、どちらでも可能なのさ」

 

「ならバトルだ! ソリッドマンでアマゾネス王女を攻撃、続けてアシッドでダイレクトアタック! アシッド・バレット!」

 

タニヤ LP4000 → 1400

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

遊城十代 LP4000 手札3 モンスター2 伏せ0

タニヤ  LP1400 手札5 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー。魔法カード《融合派兵》を発動。EXデッキの《アマゾネス女帝(エンプレス)》を相手に見せ、そこに記されている融合素材《アマゾネス女王》をデッキから特殊召喚する、続けて《アマゾネスペット虎》を通常召喚」

 

アマゾネスの女王が大剣を携えて姿を現し、それを守護するように大型の四足獣が徘徊を始めた。

 

「フィールド魔法《アマゾネスの里》を発動し、バトルだ。アマゾネス女王でアシッドを攻撃、クイーンズブレイド!」

 

「攻撃力は同じ。迎え撃て、アシッド!」

 

確かに攻撃力は同じ。だが破壊されたのはアシッドのみ。

 

「アマゾネス女王がいる限り、わたしの「アマゾネス」モンスターは戦闘では破壊されない。続けてアマゾネスペット虎でソリッドマンを攻撃!」

 

遊城十代 LP4000 → 3200

 

「わたしはカードを1枚伏せてターンエンド」

 

タニヤ  LP1400 手札2 モンスター2 伏せ1

遊城十代 LP3200 手札3 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。よっしゃー、来たぜッ! 俺は《沼地の魔神王》の効果発動。このカードを墓地へ捨てて、デッキから《融合》を手札に加える。《E・HERO エアーマン》を召喚して効果発動。デッキから《E・HERO シャドー・ミスト》を手札に加える。そして《融合》を発動だ。フィールドのエアーマンと手札のシャドー・ミストを融合。来いッ! 《E・HERO Great TORNADO》!」

 

暴風の中から現れたのは漆黒のマントに身を包んだ風の英雄。そのあおりを受けてアマゾネスの女王と巨獣の攻守力が半減する。

 

「墓地に送られたシャドー・ミストの効果で、デッキから《E・HERO リキッドマン》を手札に加える。バトルだ。グレイトトルネードでペット虎に攻撃、スーパーセル!」

 

「トラップ発動。《アマゾネスの弩弓隊》。そいつの攻撃力は500ダウンする」

 

タニヤ LP1400 → 150

 

「くっそー、ちょっとばかし足りなかったか。俺はカードを1枚伏せてターンエンドだぜ」

 

遊城十代 LP3200 手札2 モンスター1 伏せ1

タニヤ  LP 150 手札2 モンスター2 伏せ0

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー。さすがに今のは肝を冷やしたぞ。おまえが融合を使うなら、わたしも応えなければな。《融合》発動。フィールドの《アマゾネス女王》と《アマゾネスペット虎》を融合。《アマゾネス女帝(エンプレス)》を融合召喚! まだまだいくぞ、《融合回収》を発動。墓地の《融合》と《アマゾネスペット虎》を手札に加え、再び《融合》発動。手札の《アマゾネスの斥候》と《アマゾネスペット虎》を融合。《アマゾネスペット虎獅子(ライガー)》を融合召喚!」

 

《アマゾネス女帝(エンプレス)

星8/地属性/戦士族/攻2800/守2400

 

《アマゾネスペット虎獅子(ライガー)

星7/地属性/獣族/攻2500/守2400

 

「アマゾネスの里の効果で攻撃力はさらに200アップ。さらにアマゾネスペット虎獅子が攻撃する時、ダメージ計算時のみ攻撃力が500アップする。いくぞ、遊城十代! アマゾネスペット虎獅子でグレイトトルネードを攻撃、ライガーファング!」

 

「へへ、燃えるぜ、こういうのはよ。でもまだ終わらせねぇ! 《エレメンタル・チャージ》を発動。自分フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO」1体につき、1000ライフポイント回復する」

 

遊城十代 LP3200 → 4200 → 3300

 

「ふっ、そうこなくてはな。続けてアマゾネス女帝でダイレクトアタック!」

 

遊城十代 LP3300 → 300

 

「ターンエンドだ」

 

タニヤ  LP 150 手札0 モンスター2 伏せ0

遊城十代 LP 300 手札2 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「こういう状況、わくわくするぜ。俺のターン、ドロォォー! 《貪欲な壺》を発動。墓地の《E・HERO ソリッドマン》、《E・HERO オーシャン》、《E・HERO エアーマン》、《M・HERO アシッド》、《E・HERO Great TORNADO》をデッキに戻してシャッフルし、2枚ドロー。《E・HERO リキッドマン》を召喚し、効果発動。墓地の《E・HERO シャドー・ミスト》を特殊召喚し、効果でデッキから《マスク・チェンジ》を手札に加えて、そのまま発動。リキッドマンを墓地に送り、《M・HERO アシッド》を再び特殊召喚だ!」

 

アシッドの効果が発動し、アマゾネスの里が破壊される。そして2体のアマゾネスの攻撃力が元に戻り、さらにアシッドの効果で300下がった。

 

「これがラストアタックだ! いけ、アシッド! アシッド・バレット!!」

 

「よかろう。迎え撃て、虎獅子(ライガー)!」

 

襲い掛かる巨獣にアシッドの水弾が直撃する。その攻撃がデュエル終了を告げる合図となった。

 

 

 

タニヤ LP 150 → 0

 

 

 

「今日までわたしは、一族に見合う強い男を探していた。最後の最後に出会えたようだ。最高のデュエリストに」

デュエルが終わり、タニヤの姿が人間から白虎へと変わる。

「良いデュエルをありがとう」

そう言い残してタニヤは去って行った。

その場にはグローブのような闇のアイテムが残されていた。

 

 

 

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