ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第17話 幻魔

あれから色々なことがあった。

接待デュエルされていた王様とか。

明日香さんが闇落ちしたタイタンとデュエルとか。あれ闇の中で行われたから、中の状況がまるで分らなかったんだよね。なんとか勝てたみたいだけど。

あと学園祭もあったな。こんな状況で学園祭を開催する校長の頭の中を疑ったけど、こんな状況だからこそ開催したのかもしれないな。ふさぎ込んでもいい事なんかないし。

「なんで貴様はそんなに落ち着いてるんだッ! 状況が分かってるのか!?」

隣にいる万丈目がいきり立って怒声を浴びせてくる。

いや、隣というには語弊があるな。俺たちは妙な球体に閉じ込められている。俺と万丈目の他にも明日香さんと吹雪さんとカイザーが球体の中で横たわっている。

周囲の景色は宇宙だが、これは偽物だろう。地球や土星が見えるが、どうも縮尺がおかしい。実際に宇宙に出たことがないので確実とは言えないが、ここは異次元とか異空間とか、そういうのだと思う。

「だからッ! 何故貴様はそんなに落ち着いていられるんだ! ここはどこだ? 俺たちはどうなっている!」

「たぶん十代が、最後のセブンスターズと戦っているんだろう。俺たちは人質といったところかな」

「人質だと――ッ!? そうだ、俺は最後のセブンスターズとデュエルをして……。どうなった? なぜ覚えていない! くそッ! おおぉい、天上院くん! 目を覚ませ! そんなところで寝ていては風邪をひくぞ!」

そんな問題か? どんな理屈で声が届いているのか分からないが、まあこんな不思議空間だ。真面目に考えるだけ無駄か。

それにしても、なんで俺と万丈目だけ意識があるのか、それが謎だ。万丈目は精霊が見えるから、なにがしかのパワーを持っているのかもしれないが、俺はそんなのないぞ。

「そうだ、鍵! ない、ないぞ、鍵がない!? 遊蓮、貴様の鍵はどうなっているッ!?」

俺は首元を探るが、そうするまでもなく鍵がないことは気づいていた。万丈目に向かって首を横に振る。

「負けたのか!? 最後のセブンスターズに!」

「負けた記憶はないな。そもそもデュエルをした覚えもない」

記憶を消されていた場合は別だが、万丈目と明日香さんが最後のセブンスターズ(アムナエル)に敗北してたとしても、俺とカイザー、十代はまだ負けていない。

そもそも重要なのは十代だけで、それ以外は数合わせ要因だったような気がする。言っちゃあなんだが、カイザーはデュエルは強いが特別な力は持ってない。俺だってそうだ。

「まあ落ち着けよ。ここでできることなんて何もない。十代が勝てば元に戻れるさ」

「負けたらどうする!」

「さあ」

「さあだと!?」

「そんときゃ、そんとき考えるさ。なるようになるし、なるようにしかならないって」

そう言って、ごろんと横になる。万丈目は無責任だとかのんきにすぎるだのわめいていたが、やがておとなしくなった。

 

 

 

 

 

俺は自室のベッドで目を覚ました。あれは夢だったのか、それとも寝てる間に連れ去られて、寝てる間に戻されたのか。

『少なくとも夜の5時間くらいはこの世界にいなかったわよ。厄介そうな相手だったから、一応加護はかけておいたけどね』

答えはカミューラから返ってきた。まあそうだろうとは思っていたが。

つうか加護って。意識があったのはおまえのおかげかよ、ありがとう。

翌日のアカデミアはお祭り騒ぎだった。セブンスターズを全て退けたのが周知されているようだ。

だがそのお祭り騒ぎもすぐに収まり、話題は進級試験へと移っていく。

「あーもー、何で筆記試験なんてあるんだよ。実技だけでいいのによー」

「文句ばっかいってないで、勉強するッスよ、アニキ」

「そうなんだな。俺が言っても説得力ないけど、留年なんてするもんじゃないぞ」

いつものレッド3人組がテキストを広げて頭を捻っている。

「おまえは余裕そうだな、遊蓮」

「ふっ、入学時は同じレッドだったが、俺は今ではオベリスクブルー、随分と差がつきましたぁ、悔しいでしょうねぇ」

「くっ、言ってくれるじゃねぇか」

「まあ冗談はさておき、常日頃から予習復習をしてれば、試験前に慌てて詰め込む必要なんてないってことだよ」

「耳が痛ぇな。ん? なあ、なんか揺れてないか?」

「なに言ってんスか、地震が起きたって試験は中止になったりしないッスよ」

「いや、やっぱ揺れてるって! お、おおおぉぉッ!?」

一気に揺れが激しくなった。そういえばここ、火山島だったな。噴火でもしたかな。

「あ、あれを見るんだな!」

窓の外に目を向けると、森の中に岩の柱が次々と地面から生えてくるのが見えた。

「あれは……七精門か?」

「七精門だってッ!? セブンスターズは全員倒したはずだぜ!」

「あ、アニキ、あそこ! 校長室の辺りから、なにか飛び出したッス!」

「どうしたハネクリボー? なんだってッ!? おい、みんな行くぞ!」

十代はこちらの返事も待たずに飛び出していった。

 

 

 

 

 

石柱の出現した場所には、すでに万丈目やカイザーといったいつもの面々が集まっていた。少し遅れて校長とクロノス先生も駆けつけて来る。

七つの石柱、その中心に、ついに幻魔のカードが現れる。十代と万丈目が飛び出していくが、制止の声は上空からやってきた。

『そのカードを貴様らにやるわけにはいかんな』

ヘリから落ちてきたの鉄の箱。そこから4本の爪のような脚が現れ、中心である胴体の部分には培養機の中に納まった白髪の老人がいた。

『ふふっ、久しいな、鮫島校長』

「――ッ!? その声は……影丸理事長!」

『時は満ちた、今ここに三幻魔復活の儀式を行うッ!』

影丸理事長の言によると、七精門の鍵は俺たちとセブンスターズを戦わせ、この島にデュエリストの闘志を蔓延させるエサでしかなかったのだ。

アムナエルが俺やカイザーにデュエルを仕掛けなかったのは、すでにエネルギーが一定量に達していたからか。

デュエルアカデミアを造ったのも、デュエリストの闘志に満ちた空間を作り出すため、三幻魔復活に見合うデュエリストを育てるためだった。

なるほど、そんな理由でアカデミアは造られたのか。案外覚えていないものだな。

「ならばッ! おまえの野望を打ち砕くため、俺が相手をしよう! オベリスクブルーのカイザー、この丸藤亮が!」

「いや、このデュエルだけは、この、一、十、百、千、万丈目サンダーが、受けて立つッ!」

「いいや、このデュエルはこの僕……あー、デュエルアカデミアの……ふっ、ブリザートプリンス天上院吹雪がお相手する!」

ようやくしっくりくる二つ名を思いついたらしく、ふたりに続いてアロハシャツ姿の吹雪さんがウクレレを弾きながら名乗りを上げる。続いて三沢も踏み出そうとしたが、影丸理事長の言葉に遮られて肩を落とした。

『ダメだ! 私の相手は遊城十代、おまえだ!』

「俺が……?」

『そうだ、精霊の力を最も強く持つおまえでなければ意味はない』

「いいぜ! 影丸、三幻魔との決着は、俺がつける!」

『ふふっ、では闇のデュエルを始めようか』

「ああ、かかってこいよ、金魚鉢!」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

『私のターン、ドロー! 《混沌の召喚神》を召喚して効果発動。このカードをリリースして、手札から《降雷皇ハモン》を特殊召喚する。雷鳴轟かせ、現世に復活せよ! 降雷皇ハモン!!』

 

雷雲を切り裂いて、雷色の翼を羽ばたかせ、三幻魔の1体が降臨する。

 

「こ、これが幻魔か……」

 

『ふふふっ、墓地の《混沌の召喚神》の効果発動。このカードを除外してデッキからフィールド魔法《失楽園》を手札に加える。そして発動。デッキからカードを2枚ドローする。私はカードを1枚伏せてターンエンドだ』

 

影丸 LP4000 手札5 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「この瞬間、リバースカード《覚醒の三幻魔》を発動。このカードはフィールドにいる幻魔の種類によって様々な効果が発動がする。まずは最初の効果が発動。相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功する度に、私はそのモンスターの攻撃力分だけライフを回復する」

 

「どんなに回復しても削り切ってやるだけさ。俺は《E・HERO ブレイズマン》を召喚して効果発動。デッキから《融合》を手札に加える」

 

影丸 LP4000 → 5200

 

「《融合》発動。手札のエアーマンとシャドー・ミストを融合。来いッ! 《E・HERO Great TORNADO》!」

 

影丸 LP5200 → 8000

 

「グレイトトルネードの効果発動。ハモンの攻守力を半分にする。そして墓地に送られたシャドー・ミストの効果発動。デッキから《E・HERO リキッドマン》を手札に加える。バトルだ! グレイトトルネードでハモンを攻撃、スーパーセル!」

 

影丸 LP8000 → 7200

 

『ふっ、この程度。そよ風よ』

 

「続けてブレイズマンでダイレクトアタック!」

 

影丸 LP7200 → 6000

 

「バトルを終了し、俺は永続魔法《強欲なカケラ》を発動。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

遊城十代 LP4000 手札2 モンスター2 伏せ1

影丸   LP6000 手札5 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

『私のターン、ドロー! 永続魔法《七精の解門》を発動。発動時の処理として、デッキから《暗黒の召喚神》を手札に加える。そして第2の効果で、手札を1枚捨てて、今手札に加えた《暗黒の召喚神》を特殊召喚。そして効果発動だ。このカードをリリースして、デッキから召喚条件を無視して《幻魔皇ラビエル》を特殊召喚する。現れよ、幻魔の皇ラビエル!』

 

ハモンに次いで現れたのは蒼き悪魔。その威風がダイレクトに伝わってくる。

 

『この効果を使用したターン、私のモンスターは攻撃できなくなる。さらに墓地の《暗黒の召喚神》を除外して、デッキから《神炎皇ウリア》を手札に加える。続けてフィールド魔法《失楽園》の効果を発動。デッキからカードを2枚ドローする。カードを2枚伏せてターンエンド』

 

「エンドフェイズに《戦線復帰》を発動。墓地の《E・HERO シャドー・ミスト》を特殊召喚する。その効果でデッキから《マスク・チェンジ》を手札に加えるぜ」

 

影丸 LP6000 → 7000

 

影丸   LP7000 手札5 モンスター1 伏せ2

遊城十代 LP4000 手札3 モンスター3 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。強欲なカケラにカウンターが1つ乗るぜ。《E・HERO リキッドマン》を召喚して効果発動。墓地の《E・HERO エアーマン》を守備表示で特殊召喚」

 

影丸 LP7000 → 8400 → 10200

 

「おいおい、ライフが1万を超えちまったぞ。十代のヤツ大丈……なんだおジャマ・イエロー、こんな時に……ってなんだとッ!?」

 

驚愕に慄く万丈目の手元を覗きこむと、おジャマ・イエローがやせ細った身体になっていた。

異変を感じ取ったみんながデッキを確認する。反応は同じようなものだった。

 

『今頃気付いたか。今、闇のデュエルを行っている十代以外、すでに幻魔はフィールドに現れた時から、おまえたちのモンスターの生気を吸い上げている』

 

「なんてモンスターだ。おい遊蓮、おまえのデッキはどうなっている?」

 

「ああ、俺の(この)デッキにモンスターは入っていないから」

 

訊いてきた万丈目が訝し気な視線を向ける。説明するのも面倒なので、デュエルディスクからデッキを外し、万丈目に手渡した。

 

「これは……バーンデッキか!」

 

三幻魔と戦うのは十代の役目だと思っていたが、自分にお鉢が回ってこないという保証はない。

負ければ世界の破滅である。それなら三幻魔を狙うより本体を狙う方が確実だと思い、このチェーンバーンデッキを組み上げた。

幸か不幸か使う機会は訪れなかったが。

話を聞いていると、影丸理事長は十代の精霊を操る力を狙っていたらしい。元より俺の出番はなかったわけだ。

 

『くくくっ、漲る。漲るぞ、力がッ!』

 

影丸理事長の白髪が見る見る艶やかな黒へと変わり、しわだらけの肌がハリを取り戻し、筋肉質なものへと変わっていく。その力の奔流はついに培養機を突き破った。

 

「ふはははっ、こんなものはもういらん! ぬりゃあぁぁッ! ふふっ、俺はついに取り戻した。この若さを! この肉体を! ふはははっ」

 

若返りを果たした影丸理事長は、自らが納まっていた培養機を力任せに投げ捨てると、鋭い目線で十代に向き直った。

 

「来い、十代! おまえの魂ごと、俺の肉体に吸い取ってやるッ!!」

 

「上等だぜッ! エアーマンの効果発動。デッキから《E・HERO スパークマン》を手札に加える。《融合》を発動。フィールドのリキッドマンと手札のスパークマンを融合。来いッ! 《E・HERO アブソルートZero》! 続けてゼロを対象に《マスク・チェンジ》を発動。ゼロを墓地に送り。EXデッキから《M・HERO アシッド》を特殊召喚。ゼロとアシッドのダブルアタックだ。おまえのフィールドのカードを全て破壊する」

 

「甘いな! リバースカード《デモンズ・チェーン》を発動! アシッドの効果を無効にする! そしてフィールド魔法《失楽園》がある時、幻魔は効果では破壊されない!」

 

十代のコンボは完璧に防がれた。影丸理事長のフィールドには依然として幻魔の皇が静かに佇んでいる。破壊されたのは、十代がリキッドマンを召喚した時に呼び出された「幻魔トークン」だけだ。

 

「覚醒の三幻魔の効果を忘れてないだろうな。さらにライフが回復する」

 

影丸 LP10200 → 12700 → 15300

 

「くっ、ブレイズマンとグレイトトルネードを守備表示に変更。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

遊城十代 LP 4000 手札0 モンスター5 伏せ1

影丸   LP15300 手札5 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。失楽園の効果でさらに2枚ドロー。永続罠《ハイパーブレイズ》を発動。手札を1枚捨て、墓地の《降雷皇ハモン》を手札に加える。そして俺のフィールドにある3枚の永続罠を墓地に送り、《神炎皇ウリア》を特殊召喚! 神の業火を喰らうがいいッ! 現れろ、ウリア!」

 

巨大な火柱が立ち昇り、その中から炎の化身が姿を現す。

 

「ウリアの効果発動。そのセットカードを破壊する。この効果の発動に対して魔法・罠カードは発動できない。トラップディストラクション!」

 

「くっ、チェーン発動できない効果か。だがおまえが破壊したのは《運命の発掘》だ。その効果により1枚ドローするぜ」

 

「小賢しいマネを。永続魔法《補給部隊》と《失楽の霹靂》を発動。フィールドの3枚の永続魔法を墓地に送り、ハモンを特殊召喚。これで3体の幻魔が揃った。いくぞ、十代! ハモンでアシッドを攻撃、失楽の霹靂ッ!」

 

遊城十代 LP4000 → 2600

 

「ハモンが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、相手に1000ダメージを与える。続けてラビエルでグレイトトルネードを攻撃、天界蹂躙拳ッ!」

 

遊城十代 LP2600 → 1600

 

「最後にウリアでブレイズマンを攻撃、ハイパーブレイズッ! くくっ、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

影丸   LP15300 手札2 モンスター3 伏せ2

遊城十代 LP 1600 手札1 モンスター2 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。強欲なカケラにカウンターが1つ乗る。そしてカウンターが2つ以上乗ったこのカードを墓地に送り、カードを2枚ドロー。カードを4枚伏せてターンエンド」

 

遊城十代 LP 1600 手札0 モンスター2 伏せ4

影丸   LP15300 手札2 モンスター3 伏せ2

 

――――――――――――

 

「ふっ、防戦一方だな。俺のターン、ドロー」

 

「この瞬間、全てのリバースカードを発動するぜ。《クリボーを呼ぶ笛》、《砂塵の大嵐》、《エレメンタル・チャージ》、《活路への希望》! チェーン発動がないなら効果処理に入るぜ。まずは活路への希望だ。お互いのライフの差2000につき1枚、デッキからカードをドローする」

 

発動コストのライフ1000を払い、十代のライフは600。対して相手のライフは15300。その差は14700。

 

「俺は7枚のカードをドロー! 続けてエレメンタル・チャージの効果でライフを2000回復する」

 

遊城十代 LP 600 → 2600

 

「続けて砂塵の大嵐の効果で《失楽園》とその隣の伏せカードを破壊する。このカードを発動するターン、俺はバトルフェイズを行えないが、俺のターンじゃないから関係ないな」

 

発生した2つの砂嵐に失楽園と、伏せられていたミラーフォースが破壊される。

 

「最後にクリボーを呼ぶ笛の効果で、デッキから《ハネクリボー》を守備表示で特殊召喚する」

 

「チッ、調子に乗るなよ、小僧ッ! ハモンでハネクリボーに攻撃、失楽の霹靂ッ!」

 

「すまない、ハネクリボー。ハネクリボーが破壊され墓地へ送られたターン、俺が受ける戦闘ダメージは0になる」

 

「だがハモンの効果は受けてもらう。喰らえ、地獄の贖罪ッ!」

 

遊城十代 LP2600 → 1600

 

「ラビエルでエアーマンを、ウリアでシャドー・ミストを攻撃、俺はこれでターンエンドだ」

 

「シャドー・ミストの効果でデッキから《E・HERO オーシャン》を手札に加えるぜ」

 

影丸   LP15300 手札3 モンスター3 伏せ1

遊城十代 LP 1600 手札8 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー!」

 

十代は9枚の手札を眺めて戦略を練っている。失楽園が失われ、三幻魔の耐性は剥がれたとはいえ、高い攻撃力は脅威だ。それに伏せカードも1枚残されている。

 

「魔法カード《融合回収》を発動。墓地の《E・HERO リキッドマン》と《融合》を手札に戻す。《E・HERO リキッドマン》を召喚して効果発動。墓地の《E・HERO エアーマン》を特殊召喚。エアーマンの効果でその伏せカードを破壊する」

 

「モンスターを召喚したことで「幻魔トークン」を特殊召喚。そしておまえが破壊したのは《リビングデッドの呼び声》だ。これでウリアの攻撃力はさらに上がり4000となる」

 

「《貪欲な壺》を発動。墓地の《E・HERO アブソルートZero》と《E・HERO Great TORNADO》、《M・HERO アシッド》、《E・HERO ブレイズマン》、《ハネクリボー》をデッキに戻してシャッフル。その後2枚ドロー。《融合》発動。フィールドのリキッドマンとエアーマンを融合。もう一度来いッ! 《E・HERO アブソルートZero》! 続けてゼロを対象に《マスク・チェンジ》を発動。ゼロを墓地に送り。EXデッキから《M・HERO アシッド》を特殊召喚。ゼロとアシッドのダブルアタック。今度こそ消え去れッ! 三幻魔ッ!」

 

失楽園の守護を失った三幻魔はゼロの凍気を浴びて氷漬けになり、そのまま砕け散った。

 

「バカな……幻魔が……俺の三幻魔がッ!?」

 

「まだだッ! 魔法カード《ミラクル・フュージョン》発動。墓地のスパークマンとリキッドマンを除外して、《E・HERO The シャイニング》を融合召喚! シャイニングの攻撃力は除外されている「E・HERO」の数×300ポイントアップする。バトルだ! アシッドとシャイニングでダイレクトアタック!」

 

影丸 LP15300 → 12700 → 9500

 

「俺はカードを3枚伏せてターンエンドだ」

 

遊城十代 LP1600 手札4 モンスター2 伏せ3

影丸   LP9500 手札3 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「ぬぅぅ、俺のタァァーン、ドロー! ふはっ、ふはははっ、やはり運命は俺を選んだのだッ! 運命は俺に勝てと言っているッ! 見せてやろう、究極の幻魔をッ! 《次元融合殺》を発動。墓地の《神炎皇ウリア》、《降雷皇ハモン》、《幻魔皇ラビエル》を除外し、《混沌幻魔アーミタイル》を特殊召喚!」

 

《混沌幻魔アーミタイル》

星12/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

 

呼び出された究極の幻魔。それは融合というよりは、3体の幻魔が入り混じった合成獣(キメラ)のような様相だった。まさしく名前の通りの、混沌。

 

「攻撃力……0だって!?」

 

「ふふふっ、アーミタイルの攻撃力は自分ターンの間10000アップする。今度こそとどめを刺してやる。アーミタイルでアシッドを攻撃、虚無幻影羅生悶!!」

 

「無警戒すぎるぜ、影丸! 《決戦融合-ファイナル・フュージョン》を発動。融合モンスター同士が戦闘を行う場合、その攻撃を無効にし、お互いのプレイヤーはその融合モンスター2体の攻撃力の合計分のダメージを受ける」

 

「なんだとぉッ!? 貴様、俺を巻き込んで自爆するつもりか!?」

 

「そんなわけねぇだろ! もう1枚も発動だ。《レインボー・ライフ》。手札を1枚捨て、このターンに発生する戦闘及びカードの効果によるダメージを回復効果に変換する」

 

「バカなッ!? それでは……」

 

「終わりだ影丸! 滅びろ、幻魔よ!」

 

 

 

遊城十代 LP1600 → 14200

 

影丸   LP9500 → 0

 

 

 

影丸理事長の断末魔(なお死んではいなかった模様)とともに、幻魔の脅威は去った。精霊は力を取り戻し、モンスターたちの姿も元通りとなった。

残る脅威は――。

「来週に控えた、進級試験なノーネ」

「ゲェーッ、折角忘れてたのにぃー」

「忘れたって試験はなくならないッスよ、アニキ」

クロノス先生の言葉に、十代は慄然として頭を抱えてうずくまった。

幻魔と相対したときは、怯みながらも堂々と立ち向かったというのに、今の十代の顔は血の気が引いて青白くさえあった。

周囲を笑い声が包み込む。

抜けるような蒼天の下で、平和な笑い声だけがこだましていた。

 

 

 

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