ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第22話 ヒーロー対決

クロノス臨時校長とナポレオン教頭のスター発掘計画。万丈目の次にターゲットとなったのは翔だった。

デュエルの相手はインゼクター羽蛾の再来と言われる、ブルーでも指折りの実力者。インセクトデッキの使い手、胡蝶蘭。

どうでもいいけど、インゼクター羽蛾の再来と言われても、いまいち実力者っぽいイメージがない。一応、元全日本チャンプなんだけどな。

それとインゼクターだよな。インセクターだったっけ?

どうでもいいことだから刹那で忘れちゃったぜ。

まあ見どころのある試合ではあった。彼女のエースであろう、究極変異態・インセクト女王はソリッドビジョンで見れば、それなりに迫力があり、それなりにアレなビジュアルだった。

危なっかしい場面もあったが、翔は無事勝利を収め、ラーイエローへと昇格した。

それからしばらく経ち、しばしば生徒たちの口の端に上るようになったのが、ひとりのプロデュエリストの名前だった。

プロデュエリスト、エド・フェニックスの入学は主に教師陣の間で話題にはなっていたが、緘口令が敷かれていたのか、生徒たちの耳には入っていなかった。

初日にこっそりと来島し、十代に1キルされてすごすごと帰ったと思いきや、どうも十代の端末に宣戦布告のメールを送っていたらしい。

ちなみにカイザーとのデュエルは行われていない。卒業デュエルの相手が十代ではなかったからだろうか。

「俺がプロ相手にどこまでやれるか。くぅー、楽しみだぜ!」

十代は興奮を隠しきれない様子で、エドの到着をまだかまだかと待ちわびていた。

時刻は早朝。デュエルアリーナの使用許可を出すための一部の教師陣と、十代の関係者しか観戦は許さないというのがエドの条件だった。

おそらく「D」(デステニー)のカードをあまり見せたくないのだろう。

時刻きっちりに、エドがアリーナに姿を見せる。

「どちらが本当のヒーロー使いか。決着を付けよう、十代」

「いいぜ。このデュエル、同じヒーローデッキを使うデュエリストとして、俺も負けるわけにはいかない。ヒーローデッキは俺の全てなんだ!」

「おまえの全て? ふっ、はっはっはっ。ならばおまえの全てを打ち砕いてやろう!」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「頑張れアニキーッ! そんなやつケチョンケチョンにしてやるザウルス!」

 

いつの間にか十代に弟子入りしていた剣山が発破をかける。

 

「任せろ! 俺のターン、ドロー。《E・HERO ソリッドマン》を召喚し、効果で手札の《E・HERO オーシャン》を特殊召喚。《置換融合》を発動し、フィールドのソリッドマンとオーシャンを融合。来いッ! 《E・HERO アブソルートZero》!」

 

呼び出されたのは防御に優れた水のヒーロー。十代が頼りにしている守りの要。そして攻めに転じることもできる優秀なカード。

 

「ソリッドマンの効果で、墓地のオーシャンを守備表示で特殊召喚。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

遊城十代 LP4000 手札1 モンスター2 伏せ2

 

――――――――――――

 

「僕のターン、ドロー。手札の《D-HERO ディアボリックガイ》を捨てて、《V・HERO ファリス》を特殊召喚。そしてファリスの効果(エフェクト)発動。デッキから《V・HERO インクリース》を永続罠扱いで魔法・罠ゾーンに置く」

 

「永続罠扱い? ヴィジョン? デステニー? スゲェ! 見たこともないヒーローだぜ!」

 

VとDの混合型か。これは面白くなりそうだ。

 

「これがE・HEROの先を行く、Dシリーズ、そしてVシリーズだ」

 

「エレメンタルヒーローの先を行くヒーロー。やっぱりあるんだ。俺のE・HEROにも、進むべき道が!」

 

「能天気なヤツだ。インクリースの効果(エフェクト)発動。ファリスをリリースし、このカードをモンスターゾーンに特殊召喚する。そして更なる効果(エフェクト)を発動。デッキから《V・HERO ヴァイオン》を特殊召喚。ヴァイオンの効果(エフェクト)でデッキから《D-HERO ドローガイ》を墓地(セメタリー)に送る。そしてファリスを除外することで、デッキから《融合》を手札に加える」

 

「ここだッ! リバースカード《亜空間物質転送装置》を発動。ゼロをエンドフェイズまで除外する。そしてフィールドを離れたことでゼロの効果が発動する。おまえのモンスターを全て破壊するぜ!」

 

亜空間からの氷撃を受け、インクリースとヴァイオンが消え去った。十代は融合素材を潰しにかかったか。まあ、十代にとっては未知のヒーローだ。何が出てくるか分からないからな。

 

「その程度で僕の手が止まるとでも思ったか! 《融合》発動。手札の《D-HERO ディバインガイ》と《D-HERO ディスクガイ》を融合。運命の戦士たちよ、今一つとなりて暗黒の未来に君臨せよ! カモンッ! 《D-HERO ディストピアガイ》!」

 

《D-HERO ディストピアガイ》

星8/闇属性/戦士族/攻2800/守2400

 

墓地(セメタリー)のドローガイを対象に、ディストピアガイの効果(エフェクト)発動。ドローガイの攻撃力分のダメージをおまえに与える」

 

遊城十代 LP4000 → 2400

 

「僕はまだ通常召喚を行っていない。《D-HERO ドリルガイ》を召喚し、バトルだ。まずはドリルガイでオーシャンを攻撃!」

 

「《和睦の使者》を発動。このターン、俺のモンスターは戦闘では破壊されず、受ける戦闘ダメージは0になる」

 

「ふっ、少しは粘るようだ。カードを1枚セットしてターンエンド」

 

「エンドフェイズにゼロが戻ってくるぜ」

 

エド   LP4000 手札0 モンスター2 伏せ1

遊城十代 LP2400 手札1 モンスター2 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー」

 

「スタンバイフェイズに墓地(セメタリー)のドローガイの効果が発動する。このカードを特殊召喚し、お互いにカードを1枚ドローする。続けて《D-タクティクス》を発動。僕のフィールドにいる全ての「HERO」の攻撃力が400アップする」

 

《D-HERO ドローガイ》   攻撃力1600 → 2000

《D-HERO ドリルガイ》   攻撃力1600 → 2000

《D-HERO ディストピアガイ》攻撃力2800 → 3200

 

「こっちもオーシャンの効果を発動するぜ。墓地のソリッドマンを手札に戻す」

 

十代はディストピアガイの効果に気付いているか? 意外と見落とすからなぁ、あいつは。

 

「ソリッドマンを召喚。効果で手札のエアーマンを特殊召喚。エアーマンの効果でデッキから《E・HERO シャドー・ミスト》を手札に加えるぜ」

 

十代のフィールドに並ぶ4体のヒーロー。それが一斉にエドのヒーローへと襲い掛かる。

 

「オーシャンを攻撃表示に変更し、バトルだ! ゼロでディストピアガイに攻撃、瞬間氷結(Freezing at moment)!」

 

「ならばディストピアガイの効果(エフェクト)発動。このカードの攻撃力を元に戻し、オーシャンを破壊する」

 

やはりそこだろうな。水属性のオーシャンがいなくなったことで、ゼロの攻撃力が元に戻る。

 

遊城十代 LP2400 → 2100

 

「ゼロがフィールドを離れたことで効果発動。おまえのモンスターを全て破壊する」

 

「ドローガイは墓地(セメタリー)へは行かず、ゲームから除外される」

 

「ソリッドマンとエアーマンでダイレクトアタック!」

 

エド LP4000 → 2700 → 900

 

墓地(セメタリー)のインクリースの効果(エフェクト)発動。自分が戦闘・効果でダメージを受けた場合に、墓地(セメタリー)のこのカードを永続罠カード扱いで自分の魔法・罠ゾーンに表側表示で置く」

 

「いいぜ。俺はバトルフェイズを終了し、墓地の《置換融合》の効果発動。このカードを除外して、ゼロをEXデッキに戻す。その後、カードを1枚ドロー。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

遊城十代 LP2100 手札3 モンスター2 伏せ1

エド   LP 900 手札1 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「僕のターン、ドロー。墓地(セメタリー)のディアボリックガイの効果(エフェクト)発動。このカードを除外して、デッキから同名カードを特殊召喚。続けて魔法カード《デステニー・ドロー》を発動。《D-HERO ディシジョンガイ》を捨てて2枚ドロー。もう1枚だ。《デステニー・ドロー》発動。《D-HERO ダイヤモンドガイ》を捨てて2枚ドロー」

 

墓地肥やしと手札交換、この高回転がD-HEROの魅力だよな。

 

「《死者蘇生》を発動。墓地(セメタリー)のディストピアガイを特殊召喚する」

 

「させねぇ! 《墓穴の指名者》を発動だ。ディスピアガイを除外する」

 

「この程度は防いでくるか。ならば《V・HERO グラビート》を召喚して効果(エフェクト)発動。除外されているドローガイを手札に加える。そしてインクリースの効果(エフェクト)発動。フィールドのディアボリックガイをリリースしてモンスターゾーンに特殊召喚。効果でデッキから《V・HERO ヴァイオン》を特殊召喚。ヴァイオンの効果(エフェクト)で墓地のダイヤモンドガイを除外して、デッキから《融合》を手札に加える。《融合》発動。フィールドのグラビート、インクリース、ヴァイオンの3体の「HERO」を融合。カモンッ! 《V・HERO トリニティー》!」

 

《V・HERO トリニティー》

星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000

 

「このカードが融合召喚に成功したターン、このカードの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる」

 

「なにッ!? ってことは、攻撃力5000!?」

 

攻撃力の倍化に3回攻撃、まさしく一人で多数に立ち向かうヒーローって感じの効果だよな。直接攻撃できないというデメリットもあるけど。

 

「ふっ、認めよう十代。おまえは大したデュエリストだよ。だが、おまえは絶対に僕には勝てない」

 

「なんでそんなことが言い切れるんだよ!」

 

「デュエルが楽しいものだとほざいているおまえには、決して届かぬ境地がある。ヒーローに憧れるだけのおまえは、決して本物のヒーローにはなれはしない。感じないんだよ、おまえからは! 鉄の意志も、鋼の強さも! 僕は違う、この力で父さんの仇を討つッ!」

 

「……父さんの、仇だって?」

 

「――チッ、少しお喋りが過ぎたようだ。バトル! トリニティーでソリッドマンを攻撃、トリニティー・レゾナンス!!」

 

トリニティーの赤き巨体が十代へと迫る。その拳はソリッドマンを粉砕し、その余波が十代のライフを削り切った。

 

 

 

遊城十代 LP2100 → 0

 

 

 

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