ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第23話 白の侵略

もしかしたら勝つかなーと淡い期待も抱いていたが、原作通り十代はエドに敗北した。あれから三日ほど経つが、十代は未だに立ち直れず、魂が抜け落ちたように消沈していた。

エドに、憧れは理解から最も遠い感情だよ(意訳)と言われたのがよほど堪えたらしい。自分にとってヒーローとは何なのか、何故ヒーローデッキを使うのかという難題にぶち当たったようだ。

カードが白紙に見えるというのは、かなり重症だな。

そして十代はいなくなった。

そして万丈目サンダーは万丈目ホワイトサンダーになっていた。

早いなぁ。こんな早かったっけ?

被害拡大を防ぐためにも()っておくか?

負けたら俺も洗脳されるのかな。あんまりイメージできないけど。

「というわけで万丈目。デュエルしろよ」

「なんだいきなり」

「おまえが斎王の走狗になっているのが悲しくてな。その白い服よりも、この黒い服の方がおまえには似合ってると思うぞ」

「なんだとッ!? 貴様、斎王様を侮辱する気か! いいだろう、貴様にも白の素晴らしさを教えてやろう。この白きデッキでな!」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「俺のターン、ドロー。いくぞ、万丈目。俺は《おジャマ・ブルー》を守備表示で召喚」

 

「お……ジャマだと……ぐっ、頭が……」

 

効いてるみたいだな。よし、狙い通りだ。

 

「思い出したか? 万丈目、おまえが捨てたカードの1枚だぜ」

 

「ぐぅ、そんなカードは俺のデッキに必要ない! だから捨てたんだ! 青も赤も緑も黒も黄色も、すべてだ!」

 

「……そうか。カードを3枚伏せてターンエンド」

 

音羽遊蓮 LP4000 手札2 モンスター1 伏せ3

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。ふっ、すかさず手札から速攻魔法《武装竜の霹靂(アームド・ドラゴン・フラッシュ)》を発動!」

 

「うぉッ!? まぶしッ!?」

 

「デッキから《アームド・ドラゴン LV3》を守備表示で特殊召喚する。そしてスタンバイフェイズに《アームド・ドラゴン LV3》は進化する! このカードを墓地に送り、デッキから《アームド・ドラゴン LV5》を特殊召喚!」

 

アームド・ドラゴンを見るのも久しぶりだ。最近は万丈目とデュエルすることもなくなったからな。

 

「魔法カード《ドラゴン・目覚めの旋律》を発動。手札を1枚捨て、デッキから攻撃力3000以上で守備力2500以下のドラゴン族モンスターを2体までデッキから手札に加える。俺が加えるのはこの2体。《アームド・ドラゴン LVレベル10》と《アームド・ドラゴン LVレベル10-ホワイト》だ」

 

「ホワイトだと?」

 

「ふはははっ! これが斎王様から頂いた力だ! そんなザコに効果を使うのは業腹だが、見せつけてやろう! ホワイトサンダーの力を! 《アームド・ドラゴン LV5》の効果発動。手札の《アームド・ドラゴン LVレベル10》を墓地に送り、その青いザコを破壊する。消え去れ! デストロイド・パイル!」

 

飛来する無数の刃に切り裂かれ、おジャマ・ブルーは消え去った。

 

「さらに! 今墓地に送った《アームド・ドラゴン LVレベル10》を除外し、手札から《アームド・ドラゴン LVレベル10-ホワイト》を特殊召喚。その効果により、デッキから《白のヴェール》を手札に加える。そして《アームド・ドラゴン LVレベル10-ホワイト》に《白のヴェール》を装備!」

 

白いアームド・ドラゴンがさらに白くなり、眩い白光が生まれた。

 

「これが真なる白。まさしく純白。世界を白で染め上げるのだ。白き清浄なる世界のためにッ! ふふっ、ふはははっ! 覚悟はいいな、遊蓮! バトルだ!」

 

「くっ、バトルフェイズ開始時《戦線復帰》を発動。墓地の《おジャマ・ブルー》を守備表示で特殊召喚する」

 

「小賢しい! ホワイトの効果を使うまでもない。そのまま攻撃だ! アームド・ビッグ・ホワイト・バニッシャー!」

 

「おジャマ・ブルーが戦闘で破壊され墓地に送られた時、デッキから「おジャマ」カードを2枚手札に加えることができる。俺は《おジャマ・レッド》と《おジャマ・デルタハリケーン!!》を手札に加える」

 

「おジャマ・デルタハリケーン……だと? 俺はそのカードを……ぐっ、頭が……ええぃっ、関係あるか! 白のヴェールを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する! 続けて《アームド・ドラゴン LV5》でダイレクトアタックだ!」

 

音羽遊蓮 LP4000 → 1600

 

「俺はカードを1枚伏せて……ターンエンドだ」

 

万丈目準 LP4000 手札2 モンスター2 伏せ1

音羽遊蓮 LP1600 手札4 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《強欲で金満な壺》を発動。EXデッキのカードを裏側表示でランダムに6枚除外し、カードを2枚ドロー。続けて《テラ・フォーミング》を発動。デッキから《おジャマ・カントリー》を手札に加え、そのまま発動する」

 

白い景色の中に、のどかなおジャマの故郷が再び周囲を包み込む。

 

「おジャマ・カントリーの効果発動。手札の《おジャマジック》を墓地に送り、墓地の《おジャマ・ブルー》を特殊召喚。そしておジャマジックの効果でデッキから《おジャマ・イエロー》、《おジャマ・グリーン》、《おジャマ・ブラック》を手札に加える」

 

「またおジャマ……くっ、なんだ、この頭痛は……」

 

「《おジャマ・レッド》を召喚し、効果発動。手札の《おジャマ・イエロー》、《おジャマ・グリーン》、《おジャマ・ブラック》を特殊召喚」

 

青に続いて赤、それに続いて黄、緑、黒のおジャマが出現しフィールドを埋め尽くす。

 

「ぐっ、うるさいッ! (さえず)るなザコども! 貴様らに馴れ馴れしくアニキなどと呼ばれる筋合いなどないわッ!」

 

やはり精霊の声は聞こえているようだな。俺にはまったく聞こえないが。

 

「《おジャマ・デルタハリケーン!!》を発動。おまえのフィールドのカードを全て破壊する」

 

「甘いんだよッ! カウンター罠《大革命返し》を発動。そいつの発動と効果を無効にして除外する」

 

「マジかよ。となりゃ、すまんおまえたち。《ブラック・ホール》を発動。フィールド上のモンスターを全て破壊する」

 

「ふっ、ザコどももまとめてか。それでいい。役にも立たんザコカードなど邪魔なだけだ」

 

万丈目のエース、白いアームド・ドラゴンが破壊されたことで、装備されていた《白のヴェール》も破壊される。白のヴェールは強力な効果をいくつも持っているが、それに相応しい強烈なデメリットも抱えている。

 

「白のヴェールがフィールドを離れたことで、おまえは3000のダメージを受ける」

 

万丈目準 LP4000 → 1000

 

「その程度、覚悟の上だ。貴様の手札は1枚。召喚権も消費した。もはやどうすることもできまい!」

 

「それはどうかな? これが逆転の切り札だ! 魔法カード《トライワイトゾーン》を発動。墓地より甦れ! おジャマたち」

 

墓地より3体のおジャマが復活する。なんか文句を言っているような気もするが、気のせいだろう。

 

「万丈目、思い出せ! こいつらはおまえの仲間だろ!」

 

「仲間……だと?」

 

「そうだ。どん底のおまえと一緒に這い上がった仲間だ。一緒におまえの兄貴と戦った仲間だ!」

 

「……なにを……ぐっ、そうだ……俺は一度どん底まで落ちて、ぐぁっ、這い上がってきた。そうだ! そいつらが俺に教えてくれた。――――下には下がいることをッ! 俺は……なんだこのダサい服は? むっ、遊蓮! なんで貴様の場に俺のモンスターが!?」

 

明らかに目の色が変わったな。やっと正気に戻ったか。

 

「まさか貴様ッ! 俺のデッキを盗んだなッ!?」

 

「……もういいや。バトルだ。おジャマ・イエローで攻撃。えーっと、城之内ファイヤー!」

 

 

 

万丈目準 LP1000 → 0

 

 

 

やれやれ、人騒がせなやつだ。

これで三沢や明日香さんが白化する事態は防げただろう。

 

 

 

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