ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第27話 水のデッキ

「ここが童実野町か」

入学試験の時に訪れたが、あの時はこっちに来たばかりで結構余裕がなかったからな。

さてどうするかと考えていたら、いつの間にか十代たちが消えていた。声くらいかけてくれても良かったのにな。

「相変わらず落ち着いてるな」

「三沢か。あいつらと一緒に行かなかったのか?」

「船酔いが酷くてな。少し休んでから行くよ」

「そうか、ならしばらく付き合ってやるよ」

ブルーには仲のいいやつらがいないんだよな。やっぱりエリート意識が強いのか、成り上がりの俺は低く見られている、気がする。

「そういえば、一時期万丈目がおかしくなっていたが、おまえが元に戻したのか?」

「まあな。どうも斎王が絡んでいるらしい」

「斎王か。運命の導きだの光の結社だのと(うた)っているらしいが……」

「優秀なデュエリストを勧誘しているらしいな」

「その割には俺のところには来てないが」

俺のところにも来てないな。そういえば、三沢の白化ってどんな流れだったっけ? あんまり覚えてないや。

「おまえたち、音羽遊蓮と三沢大地だな」

「……どちら様で?」

「俺は美寿知……、斎王様の使者、四帝のひとり、岩丸」

「炎丸だ」

ひとりはオレンジ色の髪に、同じくオレンジ色のサングラスをかけた青年。もうひとりは、まさしく岩って感じの頑強な男だった。

「良かったな、三沢。勧誘が来たみたいだぞ」

「あまり穏やかではないようだがな」

「おまえらもデュエリストなら分かるだろう」

そう言って炎丸はデュエルディスクを構える。俺の相手はこっちか。

「先攻はくれてやる。始めるぞ」

「そりゃどうも。んじゃま」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

ふっ、完璧な手札だ。

 

「カードを5枚伏せてターンエンド」

 

音羽遊蓮 LP4000 手札1 モンスター0 伏せ5

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。いきなりガン伏せとはな。だが無駄だ。《局所的ハリケーン》を発動。セットされている魔法・罠カードを全て手札に戻す。チェーンがあるなら発動しな」

 

「では遠慮なく。チェーン2で《仕込みマシンガン》、チェーン3で《おジャマトリオ》、チェーン4で《威嚇する咆哮》、チェーン5で《積み上げる幸福》、チェーン6で《連鎖爆撃》だ」

 

「なっ!? チェーン6……全て発動だとぉ!?」

 

「逆順処理を始めるぜ。連鎖爆撃(チェーン・ストライク)はチェーンの数×400のダメージを相手に与える」

 

炎丸 LP4000 → 1600

 

「積み上げる幸福の効果で2枚ドロー。威嚇する咆哮の効果で、このターンおまえは攻撃できない。おジャマトリオの効果でおまえのフィールドにおジャマトークン3体を特殊召喚。仕込みマシンガンの効果で、おまえは手札・フィールドのカードの数×200のダメージを受ける」

 

「俺の手札は5枚、フィールドには局所的ハリケーンと変なトークンが3枚……」

 

「合わせて9枚だな。1800のダメージを受けてもらう」

 

 

 

炎丸 LP1600 → 0

 

 

 

「バ、バカな……。この俺が何もできずに……」

 

「炎丸ゥーー! くそッ、ならば俺だけでも勝つッ! 俺はモンスターをセット、カードを3枚伏せてターンエンドだ!」

 

向こうは相手が先攻だったか。

 

岩丸 LP4000 手札2 モンスター1 伏せ3

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《海皇子 ネプトアビス》を守備表示で召喚。そして効果発動だ。手札の《海皇の狙撃兵》を墓地に送り、デッキから《海皇龍 ポセイドラ》を手札に加える。そして海皇の狙撃兵の効果発動。このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた時、相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して破壊する。俺は真ん中の伏せカードを選択する」

 

チェーン発動はなし。岩丸の伏せカードの1枚が破壊された。

 

「破壊されたのは《D2シールド》か。……読めたぞ。貴様のデッキはカウンターデッキ。伏せモンスターは……《アステカの石像》だ!」

 

なるほどな。名前も岩丸だし、地属性のデッキと読んだか。

 

「だとすればどうする? 攻撃せずに勝つつもりか? あいつのように」

 

「それが出来れば最上だろうが、あいにくと俺のデッキはそういうデッキじゃない。カードを3枚伏せてターンエンドだ」

 

三沢大地 LP4000 手札2 モンスター1 伏せ3

岩丸   LP4000 手札2 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。モンスターをセットしてターンエンド」

 

岩丸   LP4000 手札2 モンスター2 伏せ2

三沢大地 LP4000 手札2 モンスター1 伏せ3

 

――――――――――――

 

「あくまで待ちの姿勢か。俺のターン、ドロー。《素早いマンタ》を召喚。そしてこの瞬間《激流葬》を発動。フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「な、なんだと!? 自分のモンスターまで巻き込むのか!?」

 

フィールドに大津波が発生し、全てのモンスターを飲み込んでいった。

 

「ふっ、やはり貴様のモンスターは《アステカの石像》、そして《機動砦のギア・ゴーレム》か」

 

「くっ、だがおまえのモンスターも……」

 

「甘いな。俺が考えなしで自分のモンスターまで破壊したと思うか。《素早いマンタ》の効果発動。デッキから同名カードを2体特殊召喚する。さらに《激流蘇生》を発動。このカードは自分フィールド上の水属性モンスターが戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時に発動できる。その時に破壊され、フィールド上から自分の墓地へ送られたモンスターを全て特殊召喚し、特殊召喚したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。《海皇子 ネプトアビス》と《素早いマンタ》を特殊召喚し、1000のダメージを受けてもらう」

 

岩丸 LP4000 → 3000

 

「続けていくぞ! フィールドにいる《素早いマンタ》3体をリリースし、手札から《海皇龍 ポセイドラ》を特殊召喚! そしてこの効果で特殊召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す」

 

ポセイドラの引き起こした大津波によって、今度は伏せカードまでもがフィールドから姿を消した。

 

「チェーン発動はなしか。やはりカウンタータイプのトラップだったようだな。バトルだ。ネプトアビスで攻撃!」

 

岩丸 LP3000 → 2200

 

「ラストアタックだ! ポセイドラで攻撃、ウォーター・パニッシャー!」

 

 

 

岩丸 LP2200 → 0

 

 

 

「くっ、俺のデッキが完璧に読み切られるとは……。お許しください! 美寿知様ぁぁッ!!」

空中に鏡のようなものが現れた瞬間、そこから発せられた閃光によってふたりの姿はかき消えた。

「な、何が起きた? やつらはどこに……それに、みずち……とは一体……?」

困惑する三沢の呟きだけが空気に溶けた。

 

 

 

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