ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第28話 ジェネックス開幕

亀のゲーム屋。童実野町にある武藤遊戯の実家であるカードショップだ。今では観光スポットのひとつと化している。だがその扉には「臨時休業」の札がかけられていた。

「ツイてないな。休みか」

たぶん十代たちを案内してるんだろうな。

「俺たちの方にふたり来たということは、十代たちの方にもふたり向かったと考えるのが妥当だな」

「炎丸に岩丸、だとすれば後のふたりは風と水か」

確かミジュマルだか氷輪丸だったか。

「おい三沢、あれを見ろ。あのビルの屋上だ」

「ん? あれはソリッドビジョンか。剣山の暗黒恐獣(ブラック・ティラノ)だな。それにあの2体は……氷帝メビウスと雷帝サボルグか」

遠目なのによく判別できるな。究極恐獣(アルティメットティラノ)かと思った。

「よし、行ってみよう」

三沢に促されビルに向かう。その途中で、ソリッドビジョンが消えた。

念のためにビルへと向かうが、到着したときには誰もいなかった。どうやら間に合わなかったようだ。

「仕方ない。俺はオシリスレッドの宿泊地に行く。おまえはどうする?」

「俺はホテルに帰るよ。何かあれば連絡してくれ」

アカデミアのランク格差は根強く残り、オシリスレッドは河川敷でテントを張り、ラーイエローは温泉旅館、オベリスクブルーはホテルに宿泊している。

光の結社は高級ホテルを貸し切っているらしい。

さすがに河川敷でキャンプは遠慮したい。久しぶりにブルーで良かったと思ったよ。

 

 

 

 

「十代とエドがタッグデュエル?」

翌日、三沢から連絡をもらい海馬ランドに足を運ぶと、三沢が「ヴァーチャルワールド」というアトラクションの前で寂しく佇んでいた。どうやら参加資格を与えられなかったらしい。

「お主もデュエルアカデミアの生徒かの」

「はい、そこにいる三沢や十代とは同級になります。音羽遊蓮です」

「ほっほっ、礼儀正しいの。さすがはオベリスクブルーじゃ。儂は遊戯の祖父、武藤双六じゃ」

この人が双六爺ちゃんか。なんていうか、そのまんまだな。

それから双六爺ちゃんの孫自慢を聞きながら数時間待ち、ようやく十代たちが戻ってきた。無事に剣山と翔を救出できたようだ。

四帝の四人もふらふらとついてきていた。だが、首魁の美寿知は自らの意思で仮想世界に残ったらしい。

どうにか美寿知を助け出したい十代は、双六爺ちゃんに頭を下げて、海馬瀬人に掛け合ってもらうように頼んだ。

そんな一抹の不安を残して、修学旅行は終わりを告げた。

そして俺たちがアカデミアに戻ってきた時期とほぼ同じくして、長期間留守にしていた鮫島校長がようやく帰還し、全生徒が大講堂に集められた。

「久しぶりだね、諸君。私が居ない間に、見慣れぬ制服の生徒が増えたようだが、それはまあいいだろう。それより今日は、皆に素晴らしいプレゼントを持ってきた」

鮫島校長の発言に大講堂がにわかに騒然としだした。

「私のプレゼントはこれだよ!」

正面の大型プロジェクターに映し出されたのは、地球をバックに大きく記された「Gx」の文字。いよいよジェネックスの開幕か。

「世界中の、ジェネレーションネクストNo.1を決めるためのデュエル。名付けて「ジェネックス第一回大会」の開催を、ここに宣言する」

この島全体を舞台にした、プロ・アマオープンの大会。

デュエルアカデミア高等部の生徒は全て参加資格があり、資格メダルが1枚与えられる。

参加者は1日1回デュエルする義務があり、最初に挑戦されたデュエルを拒むことはできない。

勝者は敗者のメダルを全て入手できる。

「私が世界を回り、選りすぐった強豪デュエリストたちが続々と上陸してくる。ぜひこの学園から、第一回優勝者が出るように頑張ってほしい。以上だ、健闘を祈る」

鮫島校長の激励の言葉で、朝礼は終了となった。

その後、全生徒に1枚ずつメダルが配布され、ジェネックス第一回大会の幕が上がった。

 

 

 

 

 

「一敗もできないってのは、やっぱり厳しいドン」

「獲得したメダルの数が成績に影響するって噂だけど……」

「僕には関係ないな。しばらくは様子見だ」

「エドのやつ、省エネモードかよ。あー、早く世界の強豪とデュエルしてえなぁ。ワクワクするぜ」

相変わらず十代は燃えているようだが、実際コンティニューなしってのは厳しいな。序盤は勝っても獲得メダルは少ないだろうし、エドじゃないが様子見が最善だろう。

と思っていたら、いきなりデュエルを申し込まれた。

「ようやく貴様に借りを返す時が来たぜ」

……誰だっけ、こいつ? 見覚えはあるんだよな。確か万丈目の……。

「取り巻き……」

「よく覚えていたな。この取巻太陽(とりまきたいよう)、貴様にデュエルを申し込む!」

取巻って名前だったのか。つかかっこいいな、太陽って。

「先攻はくれてやるぜ」

最近は先攻を譲られることが多いな。

「……じゃあ遠慮なく」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

さて、こいつの性格からして善意で先攻を譲ったとは考え難いな。後攻1キルを狙っている可能性もある。

ちょっと強引に行くか。

 

「《フォーチュンレディ・ライティー》を召喚。装備魔法《ワンダー・ワンド》を装備して、効果発動。このカードと装備モンスターを墓地に送って、カードを2枚ドローする」

 

残念ながらライティーの効果はタイミングを逃すので発動できない。

 

「続けて《ルドラの魔導書》を発動。手札の《トーラの魔導書》を墓地に送り、カードを2枚ドロー。《グリモの魔導書》を発動。フィールド魔法《魔導書院ラメイソン》を手札に加え、そのまま発動。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

音羽遊蓮 LP4000 手札3 モンスター0 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《局所的ハリケーン》を発動。セットされた魔法・罠カードを手札に戻す」

 

「チェーンはしない。2枚のセットカードを手札に戻す」

 

「くくくっ、これで俺の勝ちだな。俺は《重装武者-ベン・ケイ》を召喚」

 

「……ベンケイ1キルか」

 

「今さら気付いてももう遅い。《デーモンの斧》、《狂暴化の仮面》、《魔導師の力》を装備」

 

《重装武者-ベン・ケイ》 攻撃力500 → 4000

 

「バトルだ。ベン・ケイでダイレクトアタック! 沈めぇッ!」

 

「この瞬間、手札の《バトルフェーダー》の効果発動。このカードを特殊召喚し、バトルフェイズを終了する」

 

「……は? バトルフェイズを、終了だと?」

 

取巻が呆けたようにこちらを見る。ベンケイ1キルではかかしと並んで最も警戒するカードだと思うがな。

 

「おまえのメインフェイズ2だ。早くしてくれ」

 

「くっ、ターンエンドだ」

 

取巻太陽 LP4000 手札1 モンスター1 伏せ0

音羽遊蓮 LP4000 手札4 モンスター1 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。スタンバイフェイズにラメイソンの効果発動。墓地の《グリモの魔導書》をデッキの一番下に戻し、カードを1枚ドロー。《金華猫》を召喚し、効果発動。墓地の《フォーチュンレディ・ライティー》を特殊召喚。ターンエンドだ」

 

「タ、ターンエンド? 今ターンエンドと言ったか!?」

 

「言った。そしてエンドフェイズに金華猫は手札に戻る。そして金華猫がフィールドを離れたことで、ライティーは除外される。そしてカード効果でライティーがフィールドを離れたので、効果発動だ。デッキから《フォーチュンレディ・ファイリー》を攻撃表示で特殊召喚。最後にファイリーの効果を発動だ。《重装武者-ベン・ケイ》を破壊し、攻撃力分のダメージを相手に与える。つまり4000だ」

 

「よ、4000のダメージだとぉッ!?」

 

 

 

取巻太陽 LP4000 → 0

 

 

 

「惜しかったな。ま、メダルは貰っていくぜ」

当然だが、取巻の持っていたメダルは1枚だった。

 

 

 

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