ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第29話 白の女王

ジェネックス開始から三日が経過した。初日からそれなりの数の船舶が入港している。鮫島校長がスカウトしたプロやらセミプロが続々と入島しているのだろう。

それでも全体の数から見れば少数らしく、デュエルする機会はなかった。まあ俺は学園周りをうろついて、デュエルを申し込まれれば受けるというスタンスを続けているので、島を徘徊しているらしいプロとは出会う機会は少ないということだろう。

十代たちと出会ったのも学園の正面階段だった。

「よう、調子はどうだ?」

「おう、遊蓮か。まあボチボチだな」

十代の返事は素っ気ないものだった。見れば翔や剣山の表情も沈んでいる。

「なんかあったのか?」

「アニキが明日香さんからデュエルを申し込まれたッスよ」

「へぇ、ああ、そうか。今の明日香さんはちょっとおかしくなってるんだっけか」

元に戻そうにも、白の結社に行くと門前払いされるし、そいつらを蹴散らしていくのもさすがに面倒だ。

機会をうかがっているうちに、こんな事態になってしまった。

オージーン王子はすでに斎王に敗北し、レーザー衛星ソーラは斎王の手に渡った。だが斎王の中に残る良心が、ソーラを起動する2つの鍵を、十代とエドに託したようだ。

斎王の身体を支配している"破滅の光"は、それを取り戻そうとふたりを狙っている。

「目が据わってたドン。いつも以上の迫力を感じたザウルス」

「明日香とは今夜ケリをつける。遊蓮、おまえも時間あるなら応援に来てくれよ」

「ん、分かった。いつものデュエルアリーナだな」

 

 

 

 

 

デュエルアリーナの中央に立つ明日香さんは、剣山の言っていたように凄まじい形相をしていた。

その後ろでは吹雪さんが腕を組んで十代を睨みつけている。

「ソーラの鍵は持ってきているわね、十代」

「ああ、いくぜ明日香。必ず目を覚まさせてやるぜ」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「私のターン、ドロー。《氷結界の封魔団》を守備表示で召喚。そして手札の《氷結界の虎将 ライホウ》を墓地に送り、効果発動。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、次の私のターンのエンドフェイズ時までお互いに魔法カードを発動できない」

 

「なにッ!? 魔法カードが使えないだって!?」

 

魔法カードが使えないってのは、十代のデッキにはかなり刺さるな。

しかし氷結界か……氷結界……ワンターンスリートリシュー……うっ、頭が……。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

天上院明日香 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《E・HERO エアーマン》を召喚。効果でデッキから《E・HERO シャドー・ミスト》を手札に加える。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

やはり魔法なしで守備力2000を突破するのは難しいか。

 

遊城十代   LP4000 手札5 モンスター1 伏せ1

天上院明日香 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー。《氷結界の舞姫》を召喚し、効果発動。手札の《氷結界の武士》を公開し、あなたの伏せカードを手札に戻す」

 

舞姫の指から発せられた寒風に巻き上げられ、十代の伏せカードが手札に戻される。

 

「《リビングデッドの呼び声》を発動。墓地の《氷結界の虎将 ライホウ》を特殊召喚。氷結界の封魔団を攻撃表示に変更してバトルよ。ライホウでエアーマンを攻撃、フリーズ・ランス!」

 

遊城十代 LP4000 → 3700

 

風の英雄が一瞬にして凍結して破壊される。明日香さんの攻勢は続く。

 

「続けて封魔団と舞姫でダイレクトアタック!」

 

遊城十代 LP3700 → 2500 → 800

 

「バトルフェイズを終了し、封魔団の効果を再び発動よ。手札の《氷結界の武士》を墓地に送り、次の私のターンのエンドフェイズ時までお互いに魔法カードを発動できない。白き光の前に屈服しなさい。カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

天上院明日香 LP4000 手札1 モンスター3 伏せ1

遊城十代   LP 800 手札6 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「まだだ、俺は最後まで諦めないぜ。俺のターン、ドロー。《ネオスペース・コネクター》を召喚して効果発動。デッキから《N・グラン・モール》を守備表示で特殊召喚する」

 

「《氷結界の虎将 ライホウ》の効果を忘れてないでしょうね。モンスターの効果処理時にあなたは手札を1枚捨てなければ、その効果モンスターの効果は無効化される」

 

「もちろん分かってるぜ。俺は手札を1枚捨てる。そしてネオスペース・コネクターのもうひとつの効果も発動だ。このカードをリリースし、墓地の《E・HERO ネオス》を守備表示で特殊召喚するぜ」

 

「ネオスですって!? そんなカードをいつ!?」

 

「ついさっきさ。そして効果を成立させるために、さらに手札を1枚捨てる。捨てたのはシャドー・ミストだ。効果でデッキから《E・HERO リキッドマン》を手札に加える。これは墓地で発動する効果だから、ライホウの効果は受けない。フィールドのネオスとグラン・モールでコンタクト融合。この融合は《融合》カードを必要としない。現れろッ! 《E・HERO グラン・ネオス》!」

 

《E・HERO グラン・ネオス》

星7/地属性/戦士族/攻2500/守2000

 

「融合カードを使わない融合……。これが斎王様のおっしゃっていた十代の可能性……」

 

「グラン・ネオスの効果発動。効果処理時に手札を1枚捨て、《氷結界の封魔団》を手札に戻す。ネビュラス・ホール!」

 

氷結界の封魔団がフィールドから姿を消した。これで魔法カードが解禁される。だが手札消費が凄まじいことになってるな。

 

「魔法カード《融合》を発動。手札の《E・HERO リキッドマン》と《E・HERO スパークマン》を融合。来いッ! 《E・HERO The シャイニング》!」

 

十代のフィールドに光輝なる英雄が現れ、凍てついたフィールドに暖かな光をもたらす。

 

「バトルだ。シャイニングでライホウを攻撃、オプティカル・ストーム!」

 

「かかったわね! 《魔法の筒(マジック・シリンダー)》を発動。シャイニングの攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。これで終わりよ、十代!」

 

「やっぱりな。おまえならそのくらいやってくると思ってたぜ! 手札から速攻魔法《フォーム・チェンジ》を発動。シャイニングをEXデッキに戻し、同じレベルの《M・HERO 光牙》を特殊召喚!」

 

《M・HERO 光牙》

星8/光属性/戦士族/攻2500/守1800

 

「いくぜ、まずはグラン・ネオスでライホウを攻撃だ。ギガ・ドリル・ブレイク!」

 

天上院明日香 LP4000 → 3600

 

「続けて光牙で氷結界の舞姫を攻撃、墓地のエアーマンを除外し、その攻撃力の数値分、舞姫の攻撃力を下げる。レイザー・ファング!」

 

天上院明日香 LP3600 → 600

 

光輝く拳に打ちぬかれ、氷結界の舞姫が膝を折る.

 

「俺はこれでターンエンドだ。エンドフェイズにグラン・ネオスはEXデッキに戻る」

 

遊城十代   LP 800 手札0 モンスター1 伏せ0

天上院明日香 LP 600 手札2 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「くっ、私のターン、ドロー。《強欲で金満な壺》を発動。EXデッキのカードをランダムに6枚、裏側表示で除外し、カードを2枚ドロー。《アビス・ソルジャー》を召喚し、効果発動。手札の水属性モンスター《氷結界の封魔団》を捨て、光牙を手札(EXデッキ)に戻す」

 

「ならその効果にチェーンして光牙の効果を発動だ。墓地のスパークマンを除外して、ターン終了時までその攻撃力の数値分、アビス・ソルジャーの攻撃力を下げる」

 

《アビス・ソルジャー》 攻撃力1800 → 200

 

「少しだけでも削っておくわ。アビス・ソルジャーでダイレクトアタック!」

 

遊城十代 LP 800 → 600

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

天上院明日香 LP 600 手札1 モンスター1 伏せ1

遊城十代   LP 600 手札0 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。魔法カード《E-エマージェンシーコール》を発動。デッキから《E・HERO バブルマン》を手札に加える。そしてバブルマンは手札がこのカード1枚のみの場合、手札から特殊召喚できる。さらに自分の手札・フィールドに他のカードが無い時、カードを2枚ドローできる」

 

「相変わらずの引きの強さね」

 

「まだまだこれからだぜ。《R-ライトジャスティス》を発動。おまえの伏せカードを破壊する」

 

「くっ、仕方ないわね。《バージェストマ・ディノミスクス》を発動。手札を1枚捨てて、バブルマンを除外するわ」

 

コードのような無数の触手に捕まれ、バブルマンは次元の穴へと消えていった。

 

「これで最後だ。墓地の《E-エマージェンシーコール》を除外して《マジック・ストライカー》を特殊召喚。このカードは相手に直接攻撃ができる。バトルだ。ダイレクト・ストライク!」

 

「そ、そんな。きゃああぁぁッ!!」

 

 

 

天上院明日香 LP 600 → 0

 

 

 

「……愚かな妹よ。所詮はこの程度か」

敗北した明日香さんを気遣う様子もなく、吹雪さんは侮蔑の視線を送って席を立った。

 

 

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