ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第31話 真紅眼の白竜

ジェネックス開始から六日目。この日は懐かしい顔に出会った。

「卒業デュエルぶりですね。カイザー」

「キミか。久しぶりだな」

そこにはいつも通りの優しい目をしたカイザー丸藤亮がいた。

エドとの一戦が行われていないので、ヘルカイザーはこの世界にはいない。ヘルカイザーのキャラは嫌いではないが、あの破滅に向かっていくような生き方はちょっと共感できない。

「折角ですし、決闘()りますか?」

「ふっ、残念だが、今の俺にその資格はない」

カイザーが自嘲するように笑う。まさか――。

「負けたんですか?」

「先ほど十代とデュエルしてな。新進気鋭の新人だの、無敗の帝王だのと持て囃され、少々天狗になっていたようだ。ぽっきりと伸びた鼻を折られたよ」

「そ、そうですか」

なんというか、返答に困るな。

「だが、同時に気付かせてくれた。俺は完璧でも完全でもない。俺はまだ成長できる。強くなれる。それを確認できただけでも、来た甲斐はあった」

カイザーは殻を破ったのか。てかまだ強くなるのか、いよいよ手が付けられなくなるな。

「俺は鮫島校長に挨拶して帰ることにするよ。じゃあな、頑張れよ、遊蓮」

「はい、ありがとうございます」

カイザーはスッキリとした表情で去って行った。さて――。

「いいんですか、挨拶しなくても。親友なんでしょう?」

「……気付いていたのか」

木陰から白い制服を着た吹雪さんが姿を見せる。

()が仕留めてやろうと思ったが、あっさりと十代に負けやがった。所詮はその程度の男よ」

久しぶりに会ったからデュエルしたかったのにってところかな。

「ま、そろそろ終盤ですし、いいかげん決着つけときますか。白い制服も目ざわりになってきましたし、ね」

「ふん、斎王様の偉大さを理解できぬ愚か者め。光の素晴らしさをその身体に叩き込んでやろう」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「先攻はもらうぞ、ドロー。俺は《伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)》を召喚。そしてこいつをリリースし、デッキから《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》を特殊召喚。生まれ変わったレッドアイズよ。その美しき姿を見せるがいい!」

 

飛翔したのは純白の竜鱗を持つレッドアイズ。慌ててデュエルディスクを確認するも、カード名やステータスは間違いなく《真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)》だ。

ああ、あれか。イラスト違いみたいなものか。

 

「手札から魔法カード《黒炎弾》を発動。《真紅眼の黒竜》の元々の攻撃力分のダメージを相手に与える」

 

音羽遊蓮 LP4000 → 1600

 

「さらに《真紅眼の黒竜》をリリースし、手札の《真紅眼の亜(レッドアイズ・オルタナティブ・)黒竜(ブラックドラゴン)》を特殊召喚。カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

天上院吹雪 LP4000 手札1 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー」

 

レッドアイズデッキはバーン効果を持つカードが多い。時間をかけるほどジリ貧になる。

 

「《闇の誘惑》を発動。カードを2枚ドローし、《フォーチュンレディ・ダルキー》を除外します。《召喚師アレイスター》を召喚して効果発動。デッキから《召喚魔術》を手札に加え、そのまま発動。チェーンはありますか?」

 

「……ちょっとまて。俺の墓地を利用するカードだと? チッ、《レッドアイズ・スピリッツ》を発動。墓地より甦れ、レッドアイズ!」

 

再び白きレッドアイズが飛翔する。悪くはないが、やっぱり違和感が凄いな。

 

「ならば俺はフィールドの《召喚師アレイスター》と手札の《フォーチュンレディ・ライティー》を融合します。融合素材となったアレイスターは除外され、ライティーは墓地に送られる。《召喚獣メルカバー》を融合召喚!」

 

《召喚獣メルカバー》

星9/光属性/機械族/攻2500/守2100

 

「さらに墓地の《召喚魔術》の効果も発動します。墓地のこのカードをデッキに戻し、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加える。バトルフェイズに入ります。メルカバーで真紅眼の亜黒竜を攻撃、スターライト・デストーション!」

 

天上院吹雪 LP4000 → 3900

 

「墓地に「レッドアイズ」がいないため真紅眼の亜黒竜の効果は発動できない。だがこちらは発動できるぞ。《レッドアイズ・バーン》! お互いに破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。これで終わりだぁッ!」

 

「させませんよ。メルカバーの効果発動。相手が発動したカードと同じ種類のカードを手札から捨てることで、その発動を無効にし除外する。俺は手札の《ダメージ・ダイエット》を捨てて、《レッドアイズ・バーン》の発動を無効にして除外します」

 

「チッ、罠カードを握っていたか」

 

ここで追撃してもライフは削り切るのは無理か。この手札なら、メルカバーの効果で全ての効果発動を無効にできる。攻めるのは次のターンだな。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

音羽遊蓮  LP1600 手札3 モンスター1 伏せ1

天上院吹雪 LP3900 手札1 モンスター1 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。ふふっ、まさか亮に対抗する為に入れたカードがここで役に立つとはな。俺はおまえの《召喚獣メルカバー》をリリースして、《海亀壊獣ガメシエル》を特殊召喚」

 

「カ、カメェェェーッ!」

 

まさかここで亀が出てくるとは!

確かにカイザーのサイバーデッキに比べれば、レッドアイズではパワー不足感は否めない。攻撃力2200ならレッドアイズで殴り倒せる数値だ。

 

「墓地の《伝説の黒石》の効果発動。《真紅眼の亜黒竜》をデッキに戻し、このカードを手札に加える。魔法カード《闇の誘惑》を発動」

 

「それは止めます。ライフを半分払い《神の宣告》を発動」

 

音羽遊蓮 LP1600 → 800

 

吹雪さんの手札は1枚。伝説の黒石の効果は1ターンに1度、どちらか1つしか発動できない。これ以上の展開はできないはず。

 

「ならばバトルだ。レッドアイズでガメシエルに攻撃、ダーク・メガ・フレア!」

 

音羽遊蓮 LP 800 → 600

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

天上院吹雪 LP3900 手札1 モンスター1 伏せ0

音羽遊蓮  LP 600 手札3 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《召喚師アレイスター》を召喚して効果発動。デッキから《召喚魔術》を手札に加えます。《フォーチュンフューチャー》を発動。除外されているダルキーを墓地に戻し、カードを2枚ドロー。《召喚魔術》を発動」

 

「またその魔法か。そういえばアレイスターを回収していたな」

 

「今度は別の召喚獣をお見せしますよ。俺はフィールドの《召喚師アレイスター》と手札の《フォーチュンレディ・ファイリー》を融合。召喚条件はアレイスターと炎属性モンスター。現れろ、《召喚獣プルガトリオ》!」

 

《召喚獣プルガトリオ》

星7/炎属性/悪魔族/攻2300/守2000

 

「攻撃力2300……。レッドアイズには届かんな」

 

「それはどうでしょうね? プルガトリオは相手フィールドのカードの数×200ポイント攻撃力がアップします。さらに墓地の《召喚魔術》をデッキに戻し、除外されている《召喚師アレイスター》を手札に加え、効果発動。このカードを手札から墓地に送ることで、プルガトリオの攻守を1000アップさせる」

 

《召喚獣プルガトリオ》 攻撃力2300 → 2500 → 3500

 

「バトルです。プルガトリオで真紅眼の黒竜に攻撃、バーニング・エクスプロージョン!」

 

天上院吹雪 LP3900 → 2800

 

「さらに手札から速攻魔法《法の聖典》を発動。プルガトリオをリリースし、EXデッキから《召喚獣メガラニカ》を特殊召喚。メガラニカでダイレクトアタック!」

 

「バ、バカな……。グワーッ!」

 

 

 

天上院吹雪 LP2800 → 0

 

 

 

「吹雪さん、大丈夫ですか? 俺のこと分かります?」

「んん……、遊蓮くんか。ここは……? なぜ僕はこんなところに……確か斎王くんとデュエルをして……どうなったっけ?」

ああ、これは何も覚えていないパターンだな。

 

 

 

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