ナニカ違う転生GX   作:乾燥海藻類

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第33話 恋する淑女と黄金卿

ジェネックスが終了し、綺麗な目をした斎王と、それに付き添うエドがヘリで島を出て行った。

斎王は海馬コーポレーションの附属病院に運ばれ、そこで療養するらしい。

俺は優勝した際の希望を訊かれたが、今のところはこれといって無いので保留ということにしてもらった。

「レアカードでも貰えばよかったんじゃないの?」

「そういう金銭や物品なのはダメみたいだ。購買部のパックくらいなら貰えるみたいだけどな」

サイバー・ダークデッキ下さいって言ってたらくれたのかな?

さすがに無理か。サイバー流門下生でもないし。

「つうか俺ももうすぐ3年生。来年には卒業だ。そしたらおまえはどうするんだ?」

「さぁて、どうしようかしら?」

吸血鬼カミューラは真っ赤な舌をぺろりと出して、俺の質問をはぐらかした。

「割と真面目な話なんだけどな」

「ならデュエルで決めましょう」

なんでや。

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「私のターン、ドロー。魔法カード《名推理》を発動。さあレベルを宣言しなさいな」

 

ふむ。さてどうするか。ヴァンパイアモンスターはレベル1の《ヴァンパイアの使い魔》からレベル8の《ヴァンパイアジェネシス》まで幅広く存在する。

いや、違う。ヴァンパイアジェネシスには召喚制限があったはずだ。名推理の効果では特殊召喚できない。

 

「一応チェーンしておくか。手札の《ディメンション・アトラクター》の効果発動。このカードは自分の墓地にカードが存在しない場合に、手札から墓地へ送って発動できる。次のターンの終了時まで、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。ああ、俺はレベル6を宣言するぜ」

 

「ぶふぉぁ!? あ、あなた何てカードを!?」

 

「おいおい、淑女が出していい声じゃないぞ」

 

以前のような除外デッキではないが、一応対策カードは入れている。カミューラの驚愕は一見の価値はあったが、それを横目に効果処理は続く。

 

《呪われしエルドランド》

《永久に輝けし黄金郷》

《白き宿命のエルドリクシル》

《神の宣告》

《ブレイクスルー・スキル》

《黒き覚醒のエルドリクシル》

《神の通告》

《呪われしエルドランド》

《黄金郷のコンキスタドール》

《黄金郷のガーディアン》

 

《無限泡影》

《黄金の征服王》

《紅き血染めのエルドリクシル》

《名推理》

《強欲で金満な壺》

《無限泡影》

《黒き覚醒のエルドリクシル》

《紅き血染めのエルドリクシル》

《永久に輝けし黄金郷》

《白き宿命のエルドリクシル》

 

《強欲で金満な壺》

《おろかな埋葬》

《黄金郷のコンキスタドール》

《ブレイクスルー・スキル》

《黄金の征服王》

《黄金郷のワッケーロ》

《死者蘇生》

《呪われしエルドランド》

《名推理》

《おろかな副葬》

 

《黄金の征服王》

《黄金卿エルドリッチ》

 

「レベル10か。外れだな。てか何枚落ちた?」

 

「さ、31枚ね。私は《黄金卿エルドリッチ》を守備表示で特殊召喚するわ」

 

デッキの残り枚数は2枚か。こいつモンスターをエルドリッチしか入れてないな。これデッキ不足で勝てるんじゃないか?

 

「カードを4枚伏せてターンエンドよ」

 

カミューラ LP4000 手札1 モンスター1 伏せ4

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。じゃあ《ハーピィの羽根帚》で」

 

「させるかぁッ! 《神の宣告》を発動。それは無効よ!」

 

カミューラ LP4000 → 2000

 

「ふむ。では《フォーチュンレディ・ライティー》を召喚。そして《ルドラの魔導書》を発動」

 

「チェーンして《黄金郷のコンキスタドール》を発動。このカードは発動後、通常モンスター(アンデット族・光・星5・攻500/守1800)となり、モンスターゾーンに特殊召喚されるわ。そして自分フィールドに「黄金卿エルドリッチ」が存在する場合、さらにフィールドの表側表示のカード1枚を選んで破壊できる」

 

「手札から速攻魔法《トーラの魔導書》を発動。ライティーはこのターン、罠カードの効果を受けない」

 

それ以上のチェーンはなく逆順処理が始まる。カミューラはライティーを破壊対象に選んだが、トーラの効果を受けているので破壊はされない。ルドラの魔導書の効果でライティーを墓地へ送り(除外し)、ライティーの効果でデッキから《フォーチュンレディ・ファイリー》が特殊召喚される。

ルドラのドロー効果は発動しない。ライティーを墓地に送れなかったからだ。やはりディメンション・アトラクターは一長一短だな。抜いた方がいいかもしれん。

 

「ファイリーの効果でエルドリッチを破壊する」

 

「カウンター罠《永久に輝けし黄金郷》を発動。通常モンスターとなっている《黄金郷のコンキスタドール》をリリースして、ファイリーの効果を無効にし破壊するわ」

 

さすがエルドリッチ、妨害が多いな。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

カミューラ LP2000 手札1 モンスター1 伏せ1

音羽遊蓮  LP4000 手札0 モンスター0 伏せ1

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー。良しッ、まだいける! スタンバイフェイズに《黄金の征服王(エル・ドラド・アデランタード)》を発動。除外されている《呪われしエルドランド》、《白き宿命のエルドリクシル》、《黄金郷のコンキスタドール》をデッキに戻し、相手のライフを半分にする。その後、相手のライフの数値分、私のライフを回復する」

 

音羽遊蓮  LP4000 → 2000

カミューラ LP2000 → 4000

 

「《強欲で金満な壺》を発動。EXデッキのカードを6枚、ランダムに裏側表示で除外してカードを2枚ドロー。手札の《黄金卿エルドリッチ》の効果発動。このカードと《白き宿命のエルドリクシル》を墓地に送り、その伏せカードを墓地に送る」

 

逆転の一手だった《波紋のバリア-ウェーブ・フォース-》が静かに墓地へと送られる。これはちょっとマズいかもしれん。

 

「墓地の《白き宿命のエルドリクシル》の効果発動。このカードを除外して、デッキから《黄金郷のコンキスタドール》をセットする。さらに墓地の《黄金卿エルドリッチ》の効果発動。今セットした《黄金郷のコンキスタドール》を墓地に送り、このカードを手札に戻す。その後、手札からアンデット族モンスター(黄金卿エルドリッチ)を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない」

 

《黄金卿エルドリッチ》 攻撃力2500 → 3500

 

「バトルよ! エルドリッチでダイレクトアタック! 征服王撃掌(アデランタード・ウェイガー)!」

 

金色(こんじき)に輝くエルドリッチの全身から放たれた黄金色(こがねいろ)の閃光波がフィールドを支配し、巨大な爆発を引き起こした。

 

 

 

音羽遊蓮 LP2000 → 0

 

 

 

「か、勝った? まさか「このカードを発動していたのさ」とか言い出さないわよねッ!?」

「ないない。俺の負けだ」

手札にもフィールドにもカードはないってのに、どうしろというんだ。

「くぅ~。これまで耐えてきた甲斐があったわ。耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えた甲斐があったぁ! イヤッッホォォォオオォオウ!」

キャラブレッブレじゃねぇか。色々混ざりすぎだろ。

「これでアナタは一生、私の奴隷よ」

「一生はキツいな。その前に奴隷もキツいが」

「とりあえず、そうね。黄金の卵パンが食べたいわ」

「……無茶言うな」

俺だって約2年間で3度しか食べたことのない、ドローパンの大当たりである。その味は素直に「極上」と言って差し支えないのだが、ハズレが地味にキツイんだよ。くさやパンとかドリアンパンはまだなんとかなったが、チーズ餡シメサバパンとか誰が考えたんだよ。あまりのマズさにほぼ逝きかけたからな。初めて精霊が見えた、気がする。

それが嫌でだんだん買わなくなったんだよな。

得るものの無いデュエルを終えて、ふと感慨にふける。

デュエルアカデミアでの生活、その2年目の幕が閉じようとしていた。

 

 

 




というわけで光の結社編終了です。
三期(異次元世界編)は書けたら書きます。
おつき合いありがとうございました。
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