開幕戦の十代とヨハンのデュエルを奪ったことを懸念していたが、それは杞憂だった。十代とヨハンは運命に導かれるように引かれ合い、意気投合していた。
三日後、全生徒にデスベルトが配布され、正式にデスクロージャーデュエルが開始された。
そんなコブラに、アモン・ガラムは終始訝し気な視線を向けていた。
その翌日、十代が昨夜保健室に運ばれたことを知った。聞けばオブライエンとデュエルしたらしい。だが一晩ぐっすりと眠り、レイと明日香の手作り弁当を食べて、元気を取り戻したようだ。
今は皆と一緒に正面玄関に集まっている。
「で、おまえらは何してんだ?」
「ああ、電磁波? ってやつを探しに行くところさ」
と、十代はジムの方へ視線を向けた。
「サウス校のジム・クロコダイル・クック、だったよな。俺は音羽遊蓮。よろしく」
「ヒュ~。あんたの噂はこっちにも届いている。よろしく頼むぜ、ユーレン」
にこやかに右手を差し出してきたジムと握手を交わす。どうやら電磁波の調査に向かうらしい。なんとなく流れで俺も同行することになった。
探検隊のメンバーはジムを先頭に、俺、十代、ヨハン、翔、剣山の六人。
異変は森の中央に差し掛かったところで起こった。
「うぉっ!? 剣山、いきなりどうした!?」
剣山がいきなりガゥガゥ言い出し、ジムに襲い掛かった。焦った十代が取り押さえようとするが、構わず剣山はジムに、いやジムの背負っている
「電磁波の影響だな。ふっ、爬虫類同士、闘争心を燃やしたってわけか。いいぜ、ダイノボーイ。カレンに代わって、その挑戦を受けるぜ!」
『デュエルッ!』
「ガウゥガ、ガウー、ガゥガウルウ、ガルルル、ガル」
《ダイナレスラー・カポエラプトル》を守備表示で召喚して、カードを2枚伏せてターンエンド、か。
剣山 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2
――――――――――――
「デュエリストの本能は残っているようだな。ドロー」
「ガウァガウガガウ」
スタンバイフェイズに《ダイナレスラー・カポエラプトル》の効果が発動され、剣山のデッキから新たな《ダイナレスラー・カポエラプトル》が特殊召喚された。
「最初からトップギアでいくぜ! 見ろ、化石の輝きを! 永続魔法《ブリリアント・フュージョン》を発動。デッキから《ジェムナイト・ラズリー》、《ジェムナイト・ガネット》、《ジェムナイト・アンバー》を墓地に送り、融合召喚! 現れろ、輝きの淑女! 《ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ》!」
現れたのは金剛石の輝きを放ち、細剣を振るう淑女。だがその攻撃力・守備力はともに0。
「効果で墓地に送られたラズリーの効果で、墓地のガネットを手札に加える。そして《ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ》の効果発動。このカード自身を墓地に送り、EXデッキから《ジェムナイトマスター・ダイヤ》を召喚条件を無視して特殊召喚する。ジェムナイトマスター・ダイヤの攻撃力は、墓地にいる「ジェム」モンスターの数×100アップする」
《ジェムナイトマスター・ダイヤ》 攻撃力2900 → 3200
「おお、すげぇぜジム。でもさ、あれ化石ってより、宝石じゃないか?」
十代が素朴な疑問を口にするが、まあ発掘するという点では似たようなものじゃないかな。
「続けて《ジェムナイト・ガネット》を通常召喚。いくぞ、ダイノボーイ! バトルだ! ジェムナイトマスター・ダイヤで攻撃表示のカポエラプトルに攻撃、ブリリアント・スラッシュ!」
剣山 LP4000 → 2600
「ウガァァーー!? う、が、なんだ今の火花は……」
「アニキ、剣山くんが正気に戻ったよ」
「ああ、やったぜ」
「ふっ、まだ完全ではないだろうがな」
「ふんっ、この程度の火花、なんでもないドン! 攻撃表示のカポエラプトルは戦闘では破壊されないドン!」
「だがダメージステップ終了時に守備表示になる。ガネットでカポエラプトルを撃破し、1枚カードを伏せてターンエンドだ」
ジム LP4000 手札4 モンスター2 伏せ1
剣山 LP2600 手札3 モンスター1 伏せ2
――――――――――――
「俺のターン、ドロー! スタンバイフェイズにカポエラプトルの効果はつドン。デッキから同名カードを特殊召喚するザウルス。そしてこの2体をリリースして《超伝導恐獣》をアドバンス召喚」
《
星8/地属性/恐竜族/攻3300/守1400
「さらにリバースカード《生存競争》をはつドン。このカードは攻撃力1000アップの装備カードとなるザウルス」
《超伝導恐獣》 攻撃力3300 → 4300
「バトルドン! 超伝導恐獣でジェムナイトマスター・ダイヤを攻撃、いけぇー、ジャイアント・ファングッ!」
ジム LP4000 → 2900
「さらに《生存競争》を装備したモンスターが攻撃で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、続けて攻撃ができるドン。ガネットを攻撃!」
ジム LP2900 → 500
「ぐぅぅ、効いたぜ、ダイノボーイ!」
「俺はこれでターンエンドン」
剣山 LP2600 手札3 モンスター1 伏せ1
ジム LP 500 手札4 モンスター0 伏せ1
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。リバースカード《
《ジェムナイト・プリズムオーラ》
星7/地属性/雷族/攻2450/守1400
「プリズムオーラの効果発動。手札の《ジェムナイト・オブシディア》を墓地に送り、《超伝導恐獣》を破壊する」
プリズムオーラの全身から発せられた光に包まれ、巨大な恐獣は消失した。
「そして手札から墓地に送られたオブシディアの効果で、墓地の《ジェムナイト・ガネット》を特殊召喚」
これで総攻撃力が剣山のライフを超えた。
「さすがにこれ以上は待てないドン。リバースカード《激流葬》を発動。フィールドのモンスターを全て破壊するドン」
オブシディアが特殊召喚されると同時に発生した大波によって、2体のジェムナイトが姿を消し、フィールドには誰もいなくなった。
「ふっ、やるな、ダイノボーイ。だが、お楽しみはこれからだ! 手札から魔法カード《化石融合-フォッシル・フュージョン》を発動! 俺の墓地の《ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ》と、おまえの墓地の《超伝導恐獣》を除外して融合する!」
「んなっ!? 俺の墓地の恐竜さんを融合素材に!?」
「カモンッ! 《古生代化石竜 スカルギオス》!」
《古生代化石竜 スカルギオス》
星8/地属性/岩石族/攻3500/守 0
「バトルだ! スカルギオスでダイレクトアタック!」
「ぐっ、うおぉぉー!」
剣山 LP2600 → 0
ふたりのデュエルが決着した瞬間、それぞれのデスベルトが輝きを放った。そのエナジーは上空に打ち上げられ、どこかへと飛び去って行く。
「な、なんか、全身から力が、抜けたドン」
「ぐっ、そういうことか。俺たちのエナジーはデュエルが終わった瞬間、デスベルトを通じて、この島のどこかに送られる仕組みになっているらしい。それにしても剣山、素晴らしいデュエル、だったよ」
「ジム、クロコダイル……」
ふたりは互いの健闘を称え合い、笑いながら倒れた。