ターンの順序は、翔 → 迷宮兄 → 十代 → 迷宮弟です。
デュエルアリーナの観客席は満席には程遠い状態だった。大体50%といったところか。あまり注目されてないな。オシリスレッドの退学とか、みんな興味ないのかもしれない。
十代たちと反対側の入場口から姿を現したのは、中華風の衣装に身を包んだスキンヘッドの双子だった。
「あ、あのふたりは……タッグデュエル専門のプロデュエリスト、迷宮兄弟!」
隣に座っていた三沢が驚愕の声を上げる。てかタッグデュエル専門のプロデュエリストとか、かなりニッチな市場じゃない?
とりあえず三沢を空気にしないためにも反応しておくか。
「知っているのか三沢ッ!?」
「もちろんだ。彼らの扱う風雷水の三魔神、そしてゲートガーディアンはいずれも強力なモンスターだ。強敵だぞ」
「それデーワ、退学を賭けたデュエルーを始めまスーノ。フィールド、墓地はパートナーと共有、ライフも共有で8000からのスタートでスーノ。そして全てのプレイヤーは最初のターンは攻撃できまセーン。よろしいでスーカ?」
「委細承知」
「ああ、さっさと始めようぜ、クロノス先生」
「よろしい。では、デュエルスタートなノーネ」
『デュエルッ!』
「僕のターン、ドロー。僕はモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド」
十代&翔 LP8000 (十)手札5 (翔)手札4 モンスター1 伏せ1
――――――――――――
「私のターン、ドロー。《地雷蜘蛛》を召喚し、ターンエンド」
迷宮兄弟 LP8000 (兄)手札5 (弟)手札5 モンスター1 伏せ0
十代&翔 LP8000 (十)手札5 (翔)手札4 モンスター1 伏せ1
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。《カードガンナー》を守備表示で召喚し効果発動。デッキの上からカードを3枚墓地に送る。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
十代&翔 LP8000 (十)手札4 (翔)手札4 モンスター2 伏せ2
迷宮兄弟 LP8000 (兄)手札5 (弟)手札5 モンスター1 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー。魔法カード《クロス・ソウル》を発動。おまえたちの場の伏せモンスターと《地雷蜘蛛》をリリースし、現れよ《風魔神-ヒューガ》!」
《風魔神-ヒューガ》
星7/風属性/魔法使い族/攻2400/守2200
「クロス・ソウルを使用したターン、バトルを行うことはできないが、どの道このターンは攻撃できん。カードを2枚伏せてターンエンド」
迷宮兄弟 LP8000 (兄)手札5 (弟)手札2 モンスター1 伏せ2
十代&翔 LP8000 (十)手札4 (翔)手札4 モンスター1 伏せ2
――――――――――――
「僕のターン、ドロー。うう、1巡目でいきなりあんなモンスターを召喚するなんて……アニキ……」
「相手にとって不足なしだ。俺たちだって負けてないってとこを見せてやろうぜ!」
「う、うん。そうッスよね。ふぅー、《カードガンナー》の効果発動。デッキの上からカードを3枚墓地に送り、攻撃力を1500アップする。そして《強化支援メカ・ヘビーアーマー》を召喚し、効果発動。今墓地に落ちた《強化支援メカ・ヘビーウェポン》を特殊召喚」
上手いな、ヒューガの効果は対象をとる効果。ヘビーアーマーならそれを封じられる。
「カードガンナーを攻撃表示に変更し、ヘビーアーマーとヘビーウェポンを装備する」
《カードガンナー》 攻撃力400 → 1900 → 2400
「バトルだ! カードガンナーで風魔神ヒューガを攻撃!」
「ふん、甘いな。《サイクロン》を発動。《強化支援メカ・ヘビーアーマー》を破壊! そしてダメージ計算時にヒューガの効果発動。カードガンナーの攻撃力を0にする」
「な、なんだってッ!? うわぁぁー!」
十代&翔 LP8000 → 5600
「くっ、カードガンナーが破壊される代わりに、ヘビーウェポンを破壊する。僕はこれでターンエンド。ごめん、アニキ」
「気にすんなよ。勝負はこれからだ。臆せずにガンガンいこうぜ」
十代&翔 LP5600 (十)手札4 (翔)手札4 モンスター1 伏せ2
迷宮兄弟 LP8000 (兄)手札5 (弟)手札2 モンスター1 伏せ1
――――――――――――
「私のターン、ドロー。手札から《おろかな埋葬》を発動。デッキから《水魔神-スーガ》を墓地に送る。続けて《死者蘇生》を発動。甦れ! スーガよ!」
《水魔神-スーガ》
星7/水属性/水族/攻2500/守2400
「まだ終わりではないぞ。速攻魔法《フォトン・リード》を発動。《カイザー・シーホース》を特殊召喚。このモンスターは光属性モンスターをアドバンス召喚する場合、2体分のリリースにできる。《雷魔神-サンガ》をアドバンス召喚!」
《雷魔神-サンガ》
星7/光属性/雷族/攻2600/守2200
フィールドに三魔神が揃い踏みか。伏せカードは2枚あるが、防ぎきれるか。
「では見せてやろう。我ら迷宮兄弟の最強モンスターを。《雷魔神-サンガ》、《水魔神-スーガ》、《風魔神-ヒューガ》がフィールドに揃った時、この3体をリリースし《ゲート・ガーディアン》を特殊召喚する! 雷水風の三魔神よ! 今こそその力を合体させ、復活のおたけびをあげよ! 出でよ! 合体魔神! 《ゲート・ガーディアン》!!」
《ゲート・ガーディアン》
星11/闇属性/戦士族/攻3750/守3400
うすうす予感はしてたが、本当に呼び出すとは。やっぱあのふたりはエンターテイナーだよなぁ。絶対3体で攻撃した方が良かっただろ。ゲートガーディアンは耐性もないんだし。これで次元幽閉とか撃たれたら笑うな。いや、笑えないか。
「バトルだ! ゲートガーディアンでカードガンナーを攻撃、魔風衝撃波!」
「翔ッ! 俺の伏せカードを使えッ!」
「え? う、うん。永続罠《光の護封霊剣》を発動。ライフを1000払い、その攻撃を無効にする」
「ほう、躱したか。私はこれでターンエンド」
迷宮兄弟 LP8000 (兄)手札0 (弟)手札2 モンスター1 伏せ1
十代&翔 LP4600 (十)手札4 (翔)手札4 モンスター1 伏せ1
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。よしッ! 翔、おまえのカード、使わせてもらって構わないか?」
「あ、うん。もちろんだよアニキ」
「ありがとよ。まずは《融合》を発動。手札の《E・HERO フェザーマン》と《E・HERO バーストレディ》を融合。来いッ! 《E・HERO フレイム・ウィングマン》!」
「ふん、たかが攻撃力2100のモンスターでどうするつもりだ?」
「こうするのさ。フレイム・ウィングマンを対象に魔法カード《スカイスクレイパー・シュート》を発動。そのモンスターより攻撃力が高い相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する。その後、この効果で破壊され墓地へ送られたモンスターの内、元々の攻撃力が一番高いモンスターのその数値分のダメージを相手に与える。といっても破壊されるのはゲート・ガーディアン1体だけどな」
迷宮兄弟 LP8000 → 4250
「ぬぅぅ、小癪な」
「続けてカードガンナーの効果で3枚のカードを墓地に送り、攻撃力を1500アップ。そして《リミット・リバース》を発動。《強化支援メカ・ヘビーウェポン》を蘇生してカードガンナーに装備、これで攻撃力はさらに500アップ」
これで攻撃力は合わせて4500。決まるか?
「バトルだ! フレイム・ウィングマンでダイレクトアタック!」
「《攻撃の無敵化》を発動。このバトルフェイズに発生する戦闘ダメージを0にする」
「くそっ、カードを1枚伏せてターンエンドだ」
十代&翔 LP4600 (十)手札0 (翔)手札4 モンスター2 伏せ1
迷宮兄弟 LP4250 (兄)手札0 (弟)手札2 モンスター0 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー。ゲート・ガーディアンを破壊したことは褒めてやろう。だが切り札はまだあるぞ。自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、種族が異なるモンスター3体を除外した場合に、このカードは特殊召喚できる。雷族の《雷魔神-サンガ》、魔法使い族の《風魔神-ヒューガ》、水族の《水魔神-スーガ》を除外して、《アークネメシス・エスカトス》を特殊召喚!」
《アークネメシス・エスカトス》
星11/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
「な、なんスか。あの異様なモンスターは……」
「ふふふ、アークネメシス・エスカトスの効果発動。フィールドのモンスターの種族を1つ宣言して発動できる。宣言した種族のモンスターを全て破壊し、次のターンの終了時まで、お互いに宣言した種族のモンスターを特殊召喚できない。私は「戦士族」を宣言する。フレイム・ウィングマンを破壊!」
「へへっ、やるじゃねぇか」
「さらに《コズミック・サイクロン》を発動。ライフを1000払い《光の護封霊剣》を除外する。これで守りは消えた。《ゴブリンエリート部隊》を召喚して、バトルだ! アークネメシス・エスカトスでカードガンナーを攻撃!」
十代&翔 LP4600 → 2500
「強化支援メカ・ヘビーウェポンを破壊することで、カードガンナーの破壊の代わりとするぜ」
「ならば今度こそ破壊してやろう。ゴブリンエリート部隊でカードガンナーを攻撃!」
十代&翔 LP2500 → 700
2度の攻撃を受けて、さしものカードガンナーも破壊された。思えばカードガンナーは十代の1ターン目から場に残り続けてきた。今回のデュエルでは大活躍だったな。
「カードガンナーが破壊されたことで、カードを1枚ドローするぜ」
「ゴブリンエリート部隊はバトルフェイズ終了時に守備表示になる。私はこれでターンエンド」
迷宮兄弟 LP3250 (兄)手札0 (弟)手札0 モンスター2 伏せ0
十代&翔 LP 700 (十)手札1 (翔)手札4 モンスター0 伏せ1
――――――――――――
「ぼ、僕の、ターン」
翔のやつ、手が震えてるな。ライフはわずかに700。確かに劣勢だが、巻き返せるか?
「翔、落ち着け。おまえのデッキには、この状況を打開できるカードが眠っているはずだ。デッキを信じろ。それと、おまえ自身もな」
「ア、アニキ……うん。僕のターン、ドロー。来たッ! いくよッ! アニキ!」
「ああ、思い切りいけ!」
「うん。アニキのカード、使わせてもらうよ。《戦士の生還》を発動。墓地の《E・HERO エッジマン》を手札に加える。そして《パワー・ボンド》を発動。手札の《E・HERO エッジマン》と《ユーフォロイド》を融合! 《ユーフォロイド・ファイター》を融合召喚!」
《ユーフォロイド・ファイター》
星10/光属性/機械族/攻 ?/守 ?
「ユーフォロイド・ファイターの元々の攻撃力・守備力は、融合素材にしたモンスター2体の元々の攻撃力・守備力を合計した数値になる」
「つまり攻撃力3800、守備力3000か。大したものだが」
「とどめを刺すには届かんな」
「まだだッ! パワー・ボンドの効果でユーフォロイド・ファイターの攻撃力は元々の攻撃力分アップする!」
《ユーフォロイド・ファイター》 攻撃力3800 → 7600
「こ、攻撃力……」
「7600だとぉッ!?」
「バトルだ! ユーフォロイド・ファイターでアークネメシス・エスカトスを攻撃、フォーチュン・エッジ・アタック!」
「グッ、バカなぁぁー!?」
迷宮兄弟 LP3250 → 0
「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ、またやろうな。さぁ、勝ったぜ。これで文句はないだろ」
十代はいつものポーズを決めた後、背後の鮫島校長に振り返った。
「いいデュエルを見せてもらった。約束通り、君たちの退学は取り消そう。ただし、立入禁止地区に入ったペナルティは別だよ。デュエル戦略についてのレポート30枚を提出するように」
「は? ええぇーーーッ!? そんなのアリかよぉー、レポート30枚なんて拷問だぁー!」
デュエルアリーナを包む盛大な拍手の中、十代は肩を落として退場していった。