文章の癖があるので読みにくく、経緯がわかりにくいところがあるかもしれません。
気になる方はリプレイ版を参照してください。
PC1:メデラ(白2黒2)
白5:陰惨
派手に満天下で侮辱され、かつての名声はいかなるものも砕け地に落ち恥辱に塗れた。
これらの日々を思い出すときには自ら進んで墓穴を掘りにいったという恐怖にいつも身震いしてしまう。
母乳実感により完ミ派へと堕とされたメデラ。
「あいつはアイクレオ……完ミ派に魂を売った異教徒だ」
完母派のリーダーとしての姿は見る影もなく、完母教徒たちから陰口を叩かれる。
名声を失い恥辱に塗れたメデラはドラゴン一族からも、唯一の味方であった母からも見放され、渡された手切れ金でアイクレオを買い漁りアイクレオに溺れる日々を送っていた。
アイクレオさえあれば、やっていける。
メデラの中にはそれしかなかった。
ひたすらアイクレオに溺れたメデラの姿は今年30歳になるとは到底見えない、しわしわの老人のそれであった。
暖かな縁側に腰掛けて、メデラはぼんやりと木漏れ日を見つめ、今日もまたアイクレオに溺れるのだった。
PC2:アクマンジュウ(白2黒1)
白4:慙愧
完膚なきまでに打ちのめされ、無造作に侮辱され、言葉を飲み込み黙って立ちすくみ、敵の前で無力でしかない。
そんなことは自分でもわかっている。敵は満足し笑っていて、そして君は無力だ。
新たな力を手に入れ、ワクワクしながら爆乳亭へと帰還したアクマンジュウはその場に立ち尽くすしかなかった。
殺害対象である母乳実感はすでに殺され、力を認めさせたかった相手メデラは完ミ派の毒牙にかかり心酔。
立ち尽くすアクマンジュウの頬からつう、と一筋の涙が流れ落ちる。
その涙は己の無力さを悔いるだけのものではないと、アクマンジュウは感じていた。
悔しさの中に混ざる暖かくも切ない気持ち。
幾重もの悲しみに包まれたアクマンジュウは爆乳亭を後にした。
胸元を見れば、アクダイフクから分離し自分のものとなった乳首。
「乳首がたくさんあっても、母乳がたくさん出ても、何も得られるものなんてなかった―――」
そう呟き、アクマンジュウは乳首を引きちぎった。
引きちぎられた乳首はキラキラと輝きながら風に乗ってどこかへと消え、アクマンジュウはふらふらと再び歩き出した。
その行く先は誰も知らない。
なぜなら、その後アクマンジュウの姿を見たものは誰もいなかったからである。
PC3:アクダイフク(白2黒2)
白1:無残
君は確実に死ぬ。それもおそらく自ら招いた傷で死ぬ。気にかけていた人も多分死ぬ。
もしかしたら君の愚かで無様な失敗のせいで死ぬ。君がしでかしたことは無茶苦茶にするという言葉では到底足らない。
言葉を再定義しなくては。
母性と記憶と共に乳首を失ったアクダイフクは、その傷が致命傷となり消滅の危機を迎えていた。
息も絶え絶えになり、もう余命は幾ばくもない――その時、失われたはずの乳首から出ないはずの母乳がぽたりと落ちた。
その時、キラキラと光る何かがアクダイフクへと降りてきた。
光はアクダイフクの乳首と失われたはずの記憶を取り戻す。
すべてを思い出したアクダイフクはこの悲劇の元凶が自分であったことを思い出し、激しい後悔に苛まれる。
どこで間違ってしまったのだろうか。
自分さえいなければよかったのではないだろうか。
孤独と後悔の中、アクダイフクは静かに息を引き取った。
見送るものは、誰もいない。
PC4:母乳相談室(白2黒3)
黒6:酷薄
君は苦しむことになる。いやはや苦しむ運命なのである。
そして、君のしでかした悪事・愚行をそして常識や品位が欠如していることを誰もが知ることになる。
おそらくは逮捕されることにもなるだろう。
水(母乳)浸しになり、客足が遠のいた爆乳亭を盛り返すため、母乳相談室は考える。
アクダイフクの呪いで黒く大きくされた乳首、垂れてしまったおっぱいを使って新しいショーを行えないかと。
そして「しわしわおっぱいショー」を開催した爆乳亭に二人の男がやってきた。
ジジイAとジジイB、彼らはかつて共に暮らしたババアの乳首を懐かしみこのおっぱいショーを観に来たのである。
おっぱいショーを観ていたジジイAはショーが面白くないと、おもむろにボンドを取り出し母乳相談室の左右の乳首を貼り合わせてしまった。
それを見ていたジジイBは「何をする!」と怒りのままに貼り合わされた乳首を力任せに引き剥がした。
乳首に走ったあまりの激痛に、ジジイBを殴る母乳相談室。
その衝撃でジジイBは転倒し、頭を強く打つとそのままぴくりとも動かなくなってしまった。
「し、死んでる……」
騒ぎを聞きつけた憲兵が爆乳亭へと突入すると、そこには床に転がるジジイBと(乳首から)血を流し呆然と立ち尽くす母乳相談室の姿があった。
憲兵は母乳相談室に近づくと「殺人の罪で逮捕する」と手錠をかけ、そのまま連行してしまう。
そして、爆乳亭には誰もいなくなった―――――。
PC5:母乳実感(白2黒2)
白4:慙愧
完膚なきまでに打ちのめされ、無造作に侮辱され、言葉を飲み込み黙って立ちすくみ、敵の前で無力でしかない。
そんなことは自分でもわかっている。敵は満足し笑っていて、そして君は無力だ。
アイクレオの販売員として転生した母乳実感だったが、完母派どころか粉ミルク派からも迫害されてしまう。
社会からは異端の存在として爪弾きにされ、会社からは大量の在庫を押し付けられ解雇。
途方に暮れた母乳実感だったが、アイクレオなしではいられないメデラに在庫を売りつけ何とか日々の生活を送っていた。
一時はドラゴンキラーとして名を馳せ、仲間と毎晩楽しくやっていた自分はどこへ行ってしまったのか。
虚しさを抱え、母乳実感は思い出の爆乳亭へと足を運ぶ。
そこでは母乳相談室が「しわしわおっぱいショー」を開催していた。
あいつはあんなに輝いているのに今の自分はどうだ。あいつと俺の違いはなんだ。どこで間違ってしまったんだ。とさらにむなしい気持ちを募らせる母乳実感。
しかし、ジジイたちに苦しめられている母乳相談室の姿を見た母乳実感は一瞬心が晴れるのを感じた。
「あいつもただ輝いてるだけじゃない。自分と同じ苦しみの中にある」
その直後、実感は絶望した。
自分は今何を考えた? 一緒にドラゴンを倒した仲間を憎み、その不幸を喜ぶなんて。
ジジイを手にかけ、連行されていく母乳相談室を見送った母乳実感は永遠に爆乳亭を去る決意をする。
その足でメデラの元を訪れた母乳実感は、最後の在庫であるアイクレオをそっと置くとそのままどこへともなく姿を消した。
そして、その後実感の姿を見たものはいなかった――――。
※ジジイA・Bとは
母乳相談室の中の人宅の管理人。トイレのカギのつまみが緩くてはずれるのをボンドで固め、鍵そのものが回らなくなるという事件をセッションの直前に起こした。更に後日、洗面台のドアを修理中に「ちょっと曲がっちゃった~まあいいか」などと宣った模様。