とりあえず、アインクラッド編が完了するまでは続けようと思います。
1話:世界のスタートライン
「……さて、これで3期の前まで全部見たな」
俺……常磐零夜はソファを立って、プレーヤーからブルーレイディスクを取り出してケースにしまい、そう言った。
『ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール- 』
そう書かれたディスクには、主人公、桐々谷和人ことキリトを中心に登場キャラが映っている。
かれこれ俺が『ソードアート・オンライン 』という作品に触れたのは、一ヶ月前のことである。オタク気質な幼馴染に勧められて、試しにと1巻を借りて読んだのだが、これまで読んできたラノベの中で、1番引き込まれたかもしれない。
「B○○t S○○er」といった、VRゲームこそあるが、今の技術では到底考えられない「フルダイブVRゲーム」というのにそそられないわけが無く、ついつい読み進めてしまって、今は8巻までなら読み終えてしまった。
アニオタであった幼馴染が紹介してきたのだ、当然アニメもあるのだろうと考え検索した俺の考えは間違ってなかった。3期の3クール目に突入しているそうで、そこから見ようとも思ったのだが、やはり時系列順の方がいいだろうと思い、しっかり1期の1話から見ることにした。
そして、アニメの方も圧巻の一言であった。原作で描かれていたフェアリィ・ダンス編のヨツンヘイムに入った話が、キャリバー編まで描かれなかったことはちょっと残念だったが、それ以外は申し分なかった。ソードスキルの演出なんてすごいの一言に尽きる。
今日は11月5日。俺は14歳だが中学三年生。本来なら、受験勉強に勤しまなければならない。だが、俺にとっては、そのような時間は無駄と言ってもいい。
俺には、見聞きしたことは1発で覚えることが出来る記憶力を持つ。瞬間記憶能力に優れているのだ。おかげさまで、この中学校生活は、成績に苦労することなく過ごせている。
しかし、物足りなかった。自分は運動もある程度できるくらいだ。顔も人並にできているので、モテないこともn……これ以上言ったらどこかの野武士面に血走った目で追いかけられそうだ。
とまぁ、苦労することは無いが、刺激もない。
……もし、もしもの話だ。俺がSAOの世界に入ったのなら、この満たされない心の器は満たされるのだろうか?
って、そんなこと、今、誰が答えるだろうか。馬鹿だなぁ、俺は。
っと、そろそろ12時を回って日付が変わりそうだ。そろそろベッドに向かわなければ。
「……そうか、今日はあの日だったか」
あることを思い出した俺は、寝る前に和室の方に向かった。
「……父さん、母さん、芽依、そっちは元気か?」
言ったところで、返事は来ないことはわかっている。しかし、今日くらいは返事が来ると思ってしまった俺がいた。返事が返ってこないことを確認したので、静かに手を合わせる。
11月5日。この日は、常磐家にとっては、最高の日……になるはずであった。
両親の結婚記念日であったからである。今日くらいは美味いもんを食べようと、頑なに外食をすることを嫌っていた父さんが言い出したので、家族皆よろこんで、都内のレストランに向かった。もちろん、それなりのオシャレをして。
しかし、俺はその時のことを覚えていない。はっきりと覚えているのは、食事に行ったことと、次の日からは、家族が俺だけになってしまったということの2つである。
いつまでもこうしてはいられないな。そう思って、俺は3人の写真にもう一度手を合わせ、寝室に向かった。
寝室と廊下を繋ぐドアのドアノブに手を伸ばした途端、耳にノイズが走った。結構頭が痛くなる。この正体は、俺にもわからなかった。また、風邪でも引いたのだろう。耳鳴りの一種だろうと気にせずドアを開け、ベッドに進む。
ベッドに腰かけたその時だった。また、耳をノイズが走る。今度はそれだけじゃなかった。まるで、夢にはいる時のように、視界が青色に染まる。これはまずい、早く横になろう。
ベッドに横たわっても、変わらなかった。数十秒くらいたっただろうか、ようやく痛みも収まり、楽になった。
「……なんだったんだろ、今の……」
さすがに、こんな体験は初めてだった。何か、嫌な予感がする。
ふと時計を見ると、12時を過ぎ、あと少しで
12時15分になる所だった。
「早く寝よう。明日も朝は早い」
そう言って眠りについた。
.自分は、寝た。確かに寝た。なのに、どうしてこんな真っ白な空間にいるのだろう。
そう、俺は寝たはずだ。なのに、気がつくと自室ではない、白いだけの空間にいた。試しに頬をつねって……痛い。
……痛い。痛かった。てことは、ここは夢ではないということだ。
なら、現実? いや、俺は、「現実では」この光景に見覚えはない。それに、目が覚めるなら、おそらくここではなく、自身のベッドの上だろう。
明らかにおかしい。そう思っていたら、目の前から何かが飛んでくる。赤、黄色、赤紫、黄緑、色々だ。意外と太い。これはなんだ? 危険物だろうか? だとしたら、避けないといけない。しかし、スペースが足りなさすぎる。
しょうがない、何も考えず受けてみよう。そうしよう。その結論に至った俺は、その光線を体で受けた。光線が俺の体にあたる。当たって通り過ぎた。……一体なんだったのだろう。
そう思って、俺が光線らの行方を目で追ってみようとした。その時、正面でピコンッ、ピコンッ、と2度、同じ音が鳴った。
「touch」「OK」「sight」「OK」の表示が現れる
見たことあるものが視界に映る。あくまでもタブレット上でだ。今後の展開を予想する。正しかったら、あとは3つ来るはずだ。
「hearing」「OK」「taste」「OK」「smell」「OK」
やはり、これだったか。俺がそう思っている間に、
[ Language ]
▶Japanese
言語は、日本語であってたようだ。なら、この次は、キーボードが出てくるはず。
シュウィンとホロキーボードが現れる。目の前には、
put on your player name
……はぁ。やっぱりだ。昨日、あんなこと考えたからだろうか。
ここはやはり、「SAOのログイン部屋」だ。それ以外に思いつかない。なら、入力するのは、ゲームをする時の名前でいいだろう。
L e i j i
そう、レイジ、これが俺のプレイヤーネームだ。
入力し、Enterキーを押す。
すると、視界が白で覆われた。なら、アニメ通りに考えて、あの英文が出てくるはずだ。俺は、思わず口にしていたらしい。
「『Welcome to Sword Art Online 』」
俺の視界は白に包まれ、次いでパッケージ通りの画像が映る。馬に乗る名もない騎士と、彼が見上げる
……始まる。
オリ主は、こうなることを望んでいたのでしようか?
それは、作者にも分かりません。