2024年10月19日。俺は、キリトに呼ばれて74層の主街区、カームデットに来ている。もちろん、キリトも一緒だ。アスナはいない。それもそのはずだ。なぜなら……
「なんでこんな1時間も前に俺を呼び出したんだ?」
「まぁまぁ、いいから、剣を一旦貸せ」
「はぁ? なんで今……」
「良いから。この前も言ったろ? 面白いものが手に入ったって」
「そういや、そうだったな。どんなやつだ?」
「これは、元々
「捨てた? でもなんでそんな……。別に、普通に街に出回ってるようなやつなんだろ?」
「いや? 誰もそんなこと言ってないぞ?」
キリトが怪訝そうな顔をする。まぁ、こんなこと言ったところでわかるのはあんまり居ないだろう。似たようなのを持ってるのは、俺とキリト、あとはヒースクリフ位じゃないだろうか?
「お前、もしかしてだけど……」
「ご想像通りだ。ユニークウェポンだよ」
「お前、そんなのをまたいつの間に……」
「単なるフィールドボスのドロップだよ。この前、ドロップ無くてワーワー騒いでたろ? あの中、俺だけドロップしてたんだよ。まぁ、喋ったらオークションにかかるレベルの武器特性だからな」
「そんなものをコピーしてたのか……。一体どんな能力だ?」
まぁ、気になるのも仕方ない。でも、これはあくまでも切り札だ。使うことは最後までない。明かすのは、キリトだけにしないといけない。
「……スキルリンク」
「えっ?」
「だから、スキルリンクって言ったんだ。能力は……まぁ、言葉の通りって訳だ」
「んなっ!? おい、お前! こんなのを誰かが知ったら、何が起こるかわからないぞ!」
「分かってる。別に、これはいざって時のためだ。お前は何かとトラブルに巻き込まれやすいからな。つけておいて損は無い」
「でも!」「いいか、キリト」
一呼吸おいて、俺は言う。周りには誰もいないから、聞くヤツはいない。
「二刀流は、それは絶大な能力だ。俺が保証する。だが、いずれ限界が来る。その時に、使える手数は多い方がいい」
キリトが押し黙る。だが、気にせず続ける。
「その時が来ないのが1番だ。だから、これは2人での秘密だ。そして、これを使うのは、万が一が来た時のみだ。その時に使えるのは俺しかいない。だから、今話してる。いいか?」
「……あぁ、わかった。だけど、スキルリンクと言ってたが、実際どんな代物なんだ?」
「LとRに別れてる。Rを装備しているプレイヤーのスキルは、全部Lと共有される。その逆も然り。キリトみたいに二刀流だったら、パッシブとかで上昇するものも2倍になる。そんなものだ」
「LとRってことは、『心』も2つに別れてるのか?」
「ご名答。だから、お前のふたつの剣、どちらにも片方ずつ付ける。エリュシデータにR、ダークリパルサーにLを付けるから、出してくれ」
そう言うと、キリトは文句無しに剣を出してきた。なので、ちゃちゃっと能力付与して、待ち合わせ場所に戻った。アスナが来るまで……。
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「……」「……」「なぁ、レイジ」「キリト」
「「流石に遅くないか?」」
遅い。俺達が話し終わって転移門前に来ても、15分が経ってるのに、未だに来る気配がない。まぁ、どうせあのヤローに追いかけ回されてんだろうが……。
「そこ、どいて──!!!」
「へぇっ!? のわっ!!」
アスナの声がしたと思ったら、転移門からドーンとアスナが飛び出してきた。そして、反応が遅れたキリトに当たって、そのままキリトが下、アスナが上の状態で倒れる。
「……うわぁ。アスナがキリトを押し倒した」
「痛たた……。ん? 何これ」ムニュッ
キリトの手が、アスナのチェストプレートと服の間に入る。そして、そのままキリトが手を掴んだりして、計3回。
「……えっ!! イヤァァァ!」バシーン
「ボヘェェッ!!?」
揉まれてたことに気付いたアスナが思いっきり張り手をする。ものすごく乾いたいい音が鳴って、町の壁の方にキリトが吹っ飛ぶ。そして、破壊不能オブジェクトを示す表示の所まで飛んで、そのままその場にポテンと落ちた。
「痛いって……。俺が一体何を……」
「キリト、ちゃんとアスナを見ろ」
「なんでアスナを……。……あっ」
キリトが促されて見た先には、胸の方を両手で守るようにして抱き抱えているアスナの姿があった。そして、それを見たキリトが手でさっきの感触を確かめてると、ハッと気づいて
「ごごごごっ、ごめん!」
と謝った。そして、それと同時に、転移門が光り出す。それを見たアスナは、トタタタとキリトの背後に隠れるように動いた。一悶着ありそうなので、俺も一応キリトの横に立つ。そうして、門から出てきたのは
「アスナ様! 勝手なことをされては困ります!」
クラディールだった。ここまで追っかけてきたってことは
「本部に戻りますよ!」
「嫌よ! 第1、なんで貴方が家の前に居るのよ!」
「私の任務はアスナ様の護衛です! それにはご自宅の警備も……」
「ふっ、含まれないわよ! バカ!」
ストーカーでした。クラディールには困ったもんだ。まぁ、どーせアスナの名声と体目当てなんだろうってのは分かる。アスナに言い寄ったり、何かにつけて近付こうとするやつは、大体そんなやつだ。
「ハァ、人の恋路を邪魔するなんてな」ボソッ
「これは灰の冷剣様。すみませんが、そこを避けていただけないでしょうか? 任務の最中ですので」
「すまないけど、それは無理だ。なんせ、今からこの横のキリトさんに誘われて、今から迷宮区のマッピング行くからな」
そう言うと、クラディールは激しく顔をしかめた。やはり、キリトの事が気に入らないらしい。
「なら、私がそこのビーター風情とどちらが護衛に向いてるか示して見せようではないですか! あいつが誘ったなら、私以上に護衛が務まると言っているわけでしょう! そんなことはないと、ここで証明してやります!」
「えっ!? 俺!?」
「それでいいんじゃないか? アスナは別にいいだろ?」
「まぁ、1連のことは団長に後処理として報告するけど……」
「だそうだ。護衛さんもそれでいいよな?」
クラディールが了承したことにより、キリトとクラディールのデュエルが行われることとなった。わらわらとガヤが集まり、一種のイベントのようになっている。
そして、結果は……言うまでもないか。
クラディールの放った『アバランシュ』に対して『ソニックリープ』を見舞い、当たる部分を調節して見事に
「クッソ!」
「これで終わり、かな? なんなら、武器を変えてもう1戦するか?」
そう、キリトが言っている間に、クラディールはシステムメニューを操作している。そうしてオブジェクトされたのは……
「このぉぉぉ!」
短剣でした。ソードスキルも乗ってない、ただの突進攻撃。いくらデュエルの時間決着がついてないとはいえ、そんなんで普通攻撃するか? なんて思ってたら、アスナがパリィではじき飛ばした。
「あぁ、アスナ様。これは何かの間違いです! 私がこんな奴に負けるはずありません! さっきの武器破壊だって、何か細工があったに違いありません!」
「……クラディール。本日をもって、護衛役を解任。別命があるまで、ギルド本部にて待機。以上」
「なぁっ!? ……クソッ!」
実質クビ宣告されたクラディールは、キリトの方を睨み、55層の方に戻って行った。
それが終わってから、アスナはキリトに申し訳なさそうに謝った。
「ごめんね、キリト君。私が規律を重要視しすぎたせいで……」
「いや、そんな事ないよ。逆に、アスナがいなければ、攻略だってもっと遅れてただろうし……」
「キリト君……」
「だからさ、たまにはこんな感じで俺みたいなやつと気楽にやってもいいと思う。まぁ、俺が言えた義理じゃないけど」
「キリト君……!」パァァ
……いいムードが出来上がってしまった。全く。俺を空気扱いしないで欲しいのだが……。
「コホン」
「うわぁ!」「きゃっ!」
「あのさ、そろそろ行かね?」
「あぁ、そうだな」「えぇ、そうね」
「それじゃ、向かうぞ」
「分かったわ。それじゃ、レイジくんには少し迷惑かけたから、お休みしてもらって、さっきのキリト君のこともあるし……前衛お願いね!」
「そうだな。そうさせてもらおう」
「ちょっ! 前衛は交代ずつだろ!」
ひー、クラさん書くの難しー!
これで、やっと次がグリームアイズだ!調節できたぁ!
また、新しい武器効果出ましたね。いつか設定集でまとめないとなぁ。
主の受験が忙しくなってきたので、週一守れるかどうかも怪しい!もしそうなったらごめんなさい!許して!