では、今回は5話です。
それでは!どうぞ!
ディアベルを助けて森を走ってはピンチのプレイヤーを助ける。これを何回繰り返しただろうか。恐らく、12人くらいは助けたんじゃないだろうか? モンスター処理も手伝ったおかげで、レベルは5まで上がった。
結局、ひと段落着いたところでホルンカに戻る事にした。
先にキリトとアルゴもいたようで、宿場に着くと、2人が何やら談笑しているように見えた。
「だから、別に俺はコミュ障じゃないって。ただ、人に関わるのが苦手なだけだ」
「それをコミュ障って言うんじゃないのカ?」
「うっ……。って、レイジ。そこにいるなら声かけてくれよ」
キリトがこちらに気づいたようだ。助けを求めるような目をしている。しかし……
「何言ってんだキリト。そーゆーのをコミュ障って言うんだバカ。いい加減気づいたらどうだ?」
「レイジ、お前までそんなこというのかよ……」
キリトが机に突っ伏した。そこまでショックだったのかよ。
でも、そんなことを気にしている時間ではない。
「アルゴ、どれくらい助けられた?」
「ざっと20人ってとこだナ。やっぱキー坊は強いナ。サクッと次に進められたゾ」
「俺ん所でも12人くらいだからな。大多数は助けられたんじゃないか?」
「それでも、無理なヤツは無理だったけどナ。死ぬ前までも情報を残そうとしてくれたんダ。頭が上がらないヨ」
「そうだな……。なぁ、キリト。いつまでも凹んでないでいい加減顔を上げろって。話すことはまだあるんだぞ」
キリトは、俺が声をかけるまでずっと凹んでた。顔を上げても、ショックは拭いきれてないようだ。
「分かったよ。それでアルゴ、初版はいくらかかりそうだ?」
「1000コルで1冊出来そうなとこだナ。大量生産しようにも、素材が足りなさ過ぎル。もう少し進めば、どうにかなるダロ」
「そうか。なら、俺達から資金の1部は出させてもらうよ。それでいいだろ? レイジ」
「俺も別に構わないさ」
「助かル」
これで、とりあえず攻略本のことは固まった。これで、犠牲者が少しでも減ってくれると嬉しいのだが……。しかし、マイナスのことを考えても、何にもならない。俺は、森でディアベルに会ったことを話した。
「そういや、森でディアベルってプレイヤーに会ったんだが、どうやら、攻略に参加できるプレイヤーを募集しているらしい。一応、長い目で見るように話しては置いたんだが……」
「早いナ。もうそうやって動き出してるプレイヤーがいるのは、悪いことではないナ。でも、迷宮区タワーの高さ的に、2週間はかかるだろうヨ」
「だな。ベータの時も、全力でやっても1週間で1層攻略ってのは出来なかったからな。デスゲーム化したこの世界で、慎重になることは何も悪いことじゃない」
キリトとアルゴも同じように考えていたようだ。
「キリト、この先どうする?」
「俺は、とりあえず未踏破エリアの方に行く。そっちのクエストとかも攻略本に乗っけておくべきだろう。レイジも来るか?」
「あぁ、1週間で出来れば迷宮区までには行きたい。そう時間はかからないだろう?」
「まぁな。アルゴ、第1層って面積どのくらいだったか?」
「直径がだいたい10キロだから、面積自体は75平方キロくらいになるナ。キー坊。計算出来ないのカ?」
「いや、思い出せなかったんだよ。確か、あと2つ町があるはずだ。順に踏破していって、最後の町の近くに迷宮区がある。ここからなら、5日もあれば十分だろ」
5日で迷宮区まで行ける。なら、全然いいペースではないか。
「にしても、どうして迷宮区まで行きたいんだ? 別に、レベリングならいい所なんていっぱいあるだろ?」
「そうなんだけど、とりあえず、迷宮区で何日か潜ってみようと思ってな。あそこは、おそらく強さが段違いになるだろ? なら、俺達が先に行って情報収集してた方がいいと思ってな」
「何もレー坊がそこまで苦労することないんじゃないカ? 迷宮区に行く頃ハ、だいたいレベルが高いパーティーが攻略出来るようになってると思うんだガ……」
「それもそうなんだけど、俺が心配なのは、パーティープレイ推奨のはずのこのゲームで、ソロで活動しようとしてるやつだ」
「ソロ?」
まさか、そんな回答が来ると思わなかったのだろう。疑問のある顔でキリトが問いかける。
「あぁ、キリトみたいなコミュ障だったり、俺みたいに活動的じゃないやつは、ソロで活動するだろうからな。そういったやつ向けだ。分かったか?」
「あぁ。なら、早めがいいな。明日にでもここを出て、次の街に向かおう」
「もう行くのカ?」
「あぁ、先に進んでいかないとな。この世界を終わらせるためにも。アルゴとフレンド登録しておきたいんだが、いいか?」
「もちろんいいゾ。キー坊みたいにナンパ気質じゃないから、レー坊は安心だナ」
「キリト、そんなこと……」
「してない! してないからその目はやめてくれ!」
「ニャハハハハ!」
そうして、俺達は部屋に戻ることにした。
〜2週間後〜
あれから、俺とキリトはフィールドを7日で全踏破し、それからは別々に行動している。時々迷宮区の中で会っては、2人でマッピングを進めたりしていた。今はもう迷宮区タワーの4割は完全に踏破されており、残る6割は、今様々なパーティーが進んで攻略している。
そんな中俺は、ホルンカの森でペネントを乱獲していた。実付きを見つけては、実を割り、集まってきたペネントを片っ端から斬り倒す。1つの実を割るたびに10体近くのペネントが現れるのは、狩るには効率が良すぎる。まぁ、レベルが2桁になったからできたことだけどな。
「……ふぅ、これで、レベル13も近いな。町に戻るか……」
町に戻ろうとしたとき、1人こちらに向かってくる人影が見えた。そちらをよく見ると、よく見た顔が見えた。
「キリトか?」
「おっ、レイジか。久しぶりだな」
「お前、こんな所で何をしてるんだ?」
「アルゴのボディーガードでな。そういうお前は?」
「ペネントの乱獲」
「……お前まじかよ……今どきそんなことするやつ居ないぞ……」
「こっちの方が多対一の時のシュミレーションにもなるからいいんだよ。それより、ここら辺は狩り尽くしたから、モンスターはいないぞ?」
「そうだろうな。索敵に全く引っかからない。なら、戻っても大丈夫だな」
「俺も行くよ。丁度暇になったところだしな」
思わぬ所でキリトと再開した俺は、キリト達に着いていくことにした。飯も結構ストックしてるし、しばらくは大丈夫だろう。
スタスタスタ
「アルゴ、この周りはMOBがいないから大丈夫だ」
「俺が殆ど狩り尽くしたからな」
「おっ、レー坊じゃなイカ。久しぶりだナ」
「あぁ、久しいな。ところで、二人は何を?」
「さっきここで戦闘をしてた
「そういうとこダ。あそこで熱心に攻略本を読んでるゾ」
アルゴが指を指した先には、攻略本とにらめっこしている女の子がいた。フードをつけた中に、栗色の髪が見える。恐らく、あの女の子こそ『アスナ』なんだろう。にしても、こんな所で会うなんて。やっぱり俺がこの世界に介入したことで、あるべきことの一部が変わってしまったのだろう。
〜sideアスナ〜
さっき情報屋と名乗った少女から貰った攻略本を読み終わったあと、人が一人増えてるのに気づいた。
「アルゴさん、あの人は?」
「あぁ、レー坊のことか。キー坊と同じくらいに強いプレイヤーだヨ。気になるのカイ?」
「いや、雰囲気がキー坊さん? に似てるので」
「そうかナ? まぁ、そんなとこなんだろうナ」
「アルゴー。俺達は先に行くぞー」
「分かったヨ。キー坊、ありがとナ。レー坊も、元気でナ」
「言われなくても分かってるよ。そんじゃ。
助けてくれたのに、お礼を言わずに行かれるのは、ちょっと自分なりにイヤだと思ってたら、声が出ていた。
「あっ、あの!」
「ん? どうした?」
「……助けてくれて、ありがとう……」
「……あぁ」
「全ク。キー坊も素っ気ないネ」
「あの、アルゴさん」
「ン? アーちゃん、どうかしたのカ?」
「あの二人の名前、教えて貰えませんか?」
「200コルだゾ?」
お金取られるんだ……そう思っていた時。
「アーちゃんが強くなれば、いずれ会うことになるサ。その時に聞けばいいんじゃないカ?」
「……それもそうですね。私、強くなります」
「いい心意気だナ。なら、オレっちとフレンドになっておかないカ? 情報を贔屓してやるからサ」
「いいんですか?」
「モチロン。フロントランナーとの交流は欠かせないからナ」
こうして、私は強くなるって決意をした。いつか助けてくれたあの人と、その隣に立つ人と肩を並べるために。
今日は、アスナ視点で終わりました。
文字数的にも、これ以上は書いたら長くなってしまうので、この先は6話の方で。
今回もありがとうございました!