誤字報告など、よろしくお願いします!
それでは!どうぞ!
俺は今、キバオウの前に立っている。そう。キバオウの前に。
「なっ、なんやお前!」
「いや、俺は別にベータテスターじゃないけど、ベータテスターについて行った1人だからな、全部とまでは行かなくても、ある程度は出てた方がいいだろ」
向こうから、キリトの驚愕と見受けられる顔が見える。キリトと言わず、そこらにいたプレイヤー全部が驚く。
「ほぉ! いい姿勢やないか。なら、出せるとこまで出してもらおうか!」
「いいよ。俺がだすのは、これら武器の強化素材と、いまもってるコルの半分。そして……」
そう言いながら、俺は背中に背負った『アニールブレード』の装備状態を解除して
「これだな」
全員が驚く。現時点手に入る片手直剣の中で、1番強いと言われるアニールブレードを、今渡そうとしているのだ。
「おまっ! それホンマに言っとんのかいな!」
「ん? 別に俺は冗談を言ってるつもりは無いんだけど」
「そうやない! お前のメインウェポンを渡すことは無いやろ!」
「いやいや、俺のこれ、メインウェポンじゃないから。使う時は多いけどな」
「なんやと!?」
またしてもここにいる全員が驚く。それもそうだろう。アニールブレードを超える片手直剣など、攻略本のどれにも書かれてないからな。
「まぁ、見てもらう方が早いか。ほら、これ」
そう言って、取り出した武器をキバオウに渡す。情報のウィンドウを可視化して。
「なっ、なんやこれ! こんなん、1層で手に入ったらあかんやろ!」
こう言っていて、驚いていないのは、キリトだけである。なぜなら、キリトにはこの剣のことを、先に言っておいたからだ。
話は、1週間前ほどに遡る。ホルンカでのペネント狩りも一段落着いて、迷宮区に潜っていた時だった。
「ん? なんだあの窪み」
そうして見つけた隠し部屋にあったのは……中央の柱に括り付けられた1人の青年と、部屋の一番奥にある宝箱であった。
「あの! すいません! 助けてくれませんか!」
「どうした?」
そう答えると、彼の頭上にクエストマークが付いたのだ。
ユニーククエスト『囚われの鍛冶屋』
「後ろにある宝箱は開けないでくださいよ!」
彼は何度もそう言うが、クエスト進行のためには、どうしても開けないといけなかった。
「すまない。そうは言ってられないんだ」
そう言って、宝箱を開けたときだった。警報とともに、四方の壁が開き、そこから三体づつほどコボルトが現れた。
ピコン! 「クエスト進行。モンスターを殲滅せよ」
マジかよ……と思いつつ、全部倒した。そしたら、クエストクリアの表示が出て、鍛冶屋の青年が開放された。
「ありがとうございます! 旅のお方! なにかお礼をさせて下さい! 鍛冶屋として、腕を振るうこともできます!」
こう言った場合、別にいいと言ってしまえば、何もされずに終わる。だから、俺はこう言った。
「俺が今持ってる武器より、強い武器をお願いできるか?」
そう言って俺は、アニールブレードを差し出した。
そうすると、彼はこう言った。
「あそこの宝箱、何やらコボルト達が、「親方の刀を作るために取っておいた希少な金属」と言っていた気がします。中を確認してきて貰えますか?」
そう言われていた宝箱の中身は、確かに金属だった。その名前は、『ヘイズミスタ・インゴット』。
「これだったけど、どうだ?」
「いい金属です! 僕の持ってる素材と併せて、いいのが作れそうだ! 少々お待ちください!」
そうして、彼が8回ほど金属をハンマーで叩いた時だった。これまでインゴットの形をしていた金属が剣に変わった。
「はい出来ました。どれどれ、『ヘイズウェイファイ』か……。良い武器ですね。よし、これで僕も満足です。受け取ってください」
「ありがとう。役に立たせて貰うよ」
「あと、旅のお方。これは僕の意志の結晶です。受け取ってください」
そう言って渡されたクリスタルを手に取ると、そのクリスタルは光となって消えて、俺の体を包んだ。
「これで、僕の鍛冶の力の1部を、あなたに渡しました。次の剣に変える時が来れば、その剣をもう一度インゴットに戻して、次の剣にその魂を繋げてください。いつかきっと、あなたを守ってくれます。それでは、この辺で」
そう言って、彼は消えた。ポリゴンでもなければ、転移のように消えた訳でもない。そうすると、目の前にシステム画面が現れた。それをみたら、誰にも話せないなと決めた。
鍛冶専用スキルのための、スキルスロットが与えられたのである。
っと、そんなことがあった。ユニーククエストで手に入れたこの武器は、恐らくユニークウェポンだろう。それは、性能も段違いで驚くはずだ。
「お前、どうしてこんな武器使ってなかったんや! 使わないなら、ほかのプレイヤーに渡せばええやないか!」
キバオウはそう言った。
「そこですよ。あなたは、そう言って先に進んで行ったプレイヤーから、アイテムを搾取しようとしている。これは、攻略に参加しようとしているプレイヤーの戦力を奪うことに他ならない。まぁ、先程選択したアイテムなりコルなりは、ディアベルに渡しておくので後で分配してくれ」
「なっ!? おっ、お前ぇ!」
「あぁ、そして、これ、分かるか?」
そう言って俺は攻略本をキバオウに向かって、出した。
「もろたで? それがなんや!」
「これ、作ったの俺含めたニュービーのフロントランナーとベータテスターなんだよ。知ってた?」
キバオウは、驚いた表情で。他のプレイヤーたちも知らなかったようだ。ここで話しておこう。
「この攻略本、ベータとの違いが明記されてたりするんだよ。それはもちろん、ベータテスターがいないとできない事だし、正しい情報を集めるため動いたフロントランナーたちが集めた情報によって、正しいと分かりきっていることしか記載してないんです。感謝してくれてもいいんじゃないか?」
「でも、だからって、死んで言った2000人はどうしろって言うんや! 見捨てたようなもんやろ!」
「情報を手に入れられた世の中で、それに目もくれずフィールドに駆け出して勝手に死んでしまったプレイヤーに謝罪? 言い方が悪かったかもしれませんが、そういったヤツらに謝るなんて毛頭無理だね」
さすがに言い過ぎただろうか。まぁ、いいだろう。
「んじゃ、ディアベル。あとは頼んだ」
「あぁ、任せてくれ。レイジ君。それじゃあ、会議を再開する! よく聞いてくれよ!」
「あと、その前に」
「どうしたんだい? レイジ君」
「ボスの武器に変更がある。ボスが使うのは曲刀じゃなくて、普通の刀だ。警戒しといた方がいい」
そう言って、キリトたちの元に戻った。あとは、アニメ通りの展開で進んで行った。
「お前、怖かったんだぞ。少しはこっちの身になってくれよ」
「ごめんよ、キリト。こうした方がいいと思ってさ」
「まぁ、いいけどさ。あぁ、ずっとこの人ソロっぽかったから、明日からパーティー戦の練習しといたいんだが、来てくれるか?」
「いいぞ。てか、連携とか久々だからできるかどうか」
「それは俺もだからな。まぁ、どうにかなるだろ」
そう言って俺達は、明後日のボス攻略まで、連携の練習をしたのだった。
12月4日午後1時、俺達は、ボス部屋の前まで来ていた。
ディアベルが、剣を地面に指して、みんなの顔を確認する。一通り回ったところで、話し出した。
「よし、皆! 俺から言えることはただ一つ! 勝とうぜ!」
「「「「おう!!」」」」
「よし! 行くぞ!」
ギィィィィ
扉が開いて、全員がボス部屋に入る。すると、前方で、なにかが落ちてくる音がした。そして、姿を現したのは、第1層のフロアボス。[イルファング・ザ・コボルトロード]
そして、そのまわりに取り巻きとして、三体のモンスターが現れる。[ルイン・コボルトセンチネル]だ。
そして、今ここでプレイヤーとボスの最初の戦いが始まる。
「全員、突撃ぃぃぃ!」
「「「「うぉぉぉぉぉぁぁぁああ!」」」」
さぁて、ここで最初のユニークウェポンが出てきましたね。本作のオリジナル装備です。
『ヘイズウェイファイ』ですね。それぞれ、英単語の
haze,wipe,fighterから来ています。
霞を払う剣士って感じでしょうかね?
色は白っぽい灰色。柄の所に黒のラインがヒースクリフの剣みたいに付いてます。形のイメージも、そちらを考えてもらうといいでしょう。
遂に始まってしまった第1層ボス戦。一体どうなるのやら。
次回もよろしゃす!ありがとうございました!