この手を離さない   作:八銀はジャスティス

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ほら、今回は早い(当作比
今回は原作キャラのあの人が初登場!
原作で、八一と対局する日はやってくるんですかね?
そもそも、今後原作に絡んでくるので(ry
合い言葉は、八銀はジャスティス


第43局 未来のタイトル保持者

銀子ちゃんの奨励会入会試験から数日後、三段リーグの開催日がやってきた。

三段リーグも大詰め、残り二日間計4局となっている。この終盤だというのに、昇段レースは混迷を極めていた。現在、1敗勢が一人、2敗勢が俺と歩夢を含めて4人という大混戦だ。そして俺の残り4局では、その上位勢4人全員と対局することになる。まるで狙っていたかのような対局日程。夢を叶えたければ、自力でなんとかしてみせろと言われているかのようだ。手始めに今日の2局は、午前の対局が2敗勢と、そして午後から唯一の1敗勢と対局することになる。上位勢5人。この内昇段ができるのは2人、最高でも3人。ここからは、1敗が昇段を左右することになる。誰が相手でも、負ける訳にはいかない。

 

「やぁ、今日はよろしく」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

そして俺の目の前には、本日1局目の対局者がいる。知っている相手だ。と言っても、今生での面識は無い。イケメンだ。思わずリア充爆発しろと言いたくなるようなイケメンだ。名前は篠窪大志。現在17歳。前生では、22歳という若さでタイトル保持者にまで上り詰めた実力者だ。そのイケメン具合から王太子の愛称で親しまれ、更には慶應大学を主席で卒業するという、天はこいつに何物与えてるんだ?と言いたくなるようなチートキャラだ。創作物で主人公ができそうだ。ズバリ、タイトルは『きていのおしごと!』とかどうだろう?これは流行りそうだ。誰か作ってもいいですよ?

 

とまぁ、そんなことはさておき、対局だ。篠窪さんは、前生では居飛車党だった。おそらく、今生でもその点は変わらないだろう。ただ俺は、この人がプロになってからの将棋しか知らない。奨励会時代の将棋は知らないのだ。果たして、プロ入り後に比べて、変わっているのか?この人が好む戦法は、奨励会員なら忌避しそうな戦法だった。今日は俺が先手だ。後手番なら、この人が指す戦法はいつも決まっていた。はたして指してくるのだろうか?俺は、少し警戒しつつも、初手で2六歩と、飛車先の歩を突いた。対して篠窪さんは、3四歩と角道を開けてくる。それに合わせて、俺も7六歩と角道を開ける。すると今度は、8四歩と、篠窪さんは飛車先の歩を進めてきた。なるほど。どうやら篠窪さんが使う戦法は、奨励会時代も変わらないらしい。

 

相居飛車には、5大戦法と呼ばれる戦法がある。相掛かり、矢倉、角換わり、一手損角換わり、そしてもう一つだ。人によっては、角換わりと一手損角換わりを一纏めにして4大戦法と呼んだり、その上で矢倉を相矢倉と急戦矢倉に分割して5大戦法と定義したりもするが、今はそれは割愛する。そして、この5大戦法の内、相掛かり、角換わり、矢倉に関しては、先手が戦法を決め、後手が応じることにより成立する。だが、一手損角換わりは当然ながら、残りもう一つの戦法も、後手から戦法を決定することができる。その残りもう一つこそが、篠窪さんの得意戦法だ。

 

お互いに飛車先の歩をもう一つ進め、角横に金を上げる。そして、俺は2四歩と歩をぶつけた。当然篠窪さんは同歩と指してくる。そしてこれまた当然、俺は同飛とする。そして篠窪さんも、同じように8六歩、同歩、同飛と指す。そして、俺の今から差す手、これがこの戦法への入り口だ。その手は、3四歩。角道を開けるために相手が上げた、飛車の横にある歩を取る手だ。横歩取り。相居飛車5大戦法最後の一つだ。篠窪さんは前生で、先手なら角換わりか横歩取り、後手なら必ず横歩取りを指す人だった。どうやらそれは今生でも、奨励会時代でも変わらないらしい。さぁ、横歩取りの入り口には入った。ここからが、横歩取りの本番だ。次に篠窪さんが指す一手、これがいきなり大きな変化となる。最もポピュラーなのは3三角とし、飛車と角をピッタリ引っ付ける3三角型空中戦法だ。他にも、桂馬を跳ねさせる、3三桂馬型なんてものもある。これは、力戦になりやすい変化だ。研究家としても有名な篠窪さんは、避けるだろうか?何で来るか俺が身構えてると、篠窪さんが少考の末に手を進める。

 

「な!?」

 

その手に、俺は思わず驚愕してしまった。篠窪さんが指した手は、4二玉。最も駒がぶつかりやすい相手飛車に態々玉を近づけるという一手だった。俺はその手を見た瞬間、数秒思考が停止してしまった。いや、その変化事態は知っている。知っているのだ。だが、ありえない。今篠窪さんが指すなんて、ありえない。そんな戸惑いを持ちながら、俺はとりあえず、これからの激戦に備えて、自陣玉を動かした。居玉のまま本格的に開戦するのは、避けたかった。そして、次に相手が指した手は、7六飛。俺と同じように、横歩を取る手だった。あぁ、やっぱりか。やっぱりそう指すのか。俺は思わず、目の前の異質な戦法に、冷や汗を流してしまいそうになる。

 

篠窪さんが用いた戦法、その名は4二玉型相横歩取りだ。前生では、使用率はそこまで高くないものの、確かに用いている棋士はいた。前生では。今生においては、未だに使用者はいない。それも当然だ。何故なら、この戦法が棋界で初めて指されるのは、今から()()()()()のことなのだから。つまり、まだ先の未来において、ソフト研究が進んだ先にようやく生まれた戦法なのだ。それを、今の時代に指す棋士がいる。正に、棋界におけるオーパーツだ。俺には、未来の知識がある。だから知っているが、篠窪さんがこの戦法を知っているのはおかしい。まさか……

 

「しの……」

 

思わず、篠窪さん、あなたも二度目の人生を歩んでるんですか?と聞きそうになって、踏みとどまる。篠窪さんが、なんだい?とでも言いたそうに見てくるが、なんでもないと言う意味を込めて、首を振って応える。そんなことを聞いて、もし違ったら、俺は頭がおかしい奴認定を受けてしまうだろう。気になるのは間違いない。だが今は、対局の方が大事だ。聞きたいことは、終わってから聞けばいい。とにかく、目の前の将棋に集中しなければ。俺は意識を切り替え、相手の角を手に取る。別に取り間違えたわけではない。今から取る駒だから、駒台に移すために手に取っただけだ。そしてその角が置かれていた位置に、自身の角をひっくり返して置く。2二角成。角交換だ。篠窪さんは、ノータイムで同銀と返してくる。ここでの選択肢は実質一択なのだから当然だ。これで、篠窪さんの陣形は、飛車と向かい合って銀、金、玉が横一列に並ぶ形となった。それに対して、俺は7七桂馬と跳ねて、相手飛車に対する壁を作る。これで俺の陣には、相手飛車、桂馬、金、銀が縦一列に無間隔で並ぶ陣容となった。更にはお互いに角も握りあい、序盤から激しすぎる展開となっていた。

 

これが横歩取りだ。横歩取りは、5大戦法の中でも最も激しい将棋になることが多い戦法だ。中盤をすっ飛ばしていきなり終盤に突入するなんてことも、珍しくない。だからこそ、負けない将棋を好んで指す奨励会員からは、避けられて当然の戦法だ。だがそれでも、篠窪さんはこの戦法を好んで使っている。よっぽど自信があるのだろうか?現に、篠窪さんの戦績はここまで2敗。かなりの好成績を残している。昇段争いに食い込むほどの好成績を、この横歩取りを主戦法にして残しているのだ。とは言っても、横歩取りは相手が同意しない限りは成立しない。この三段リーグでも、きっと避けられて、めったに指せていないのではないだろうか?それでも、この戦績を維持しているということは、横歩取りに頼り切りというわけではなく、持っている棋力そのものが高いことの証明となるだろう。そんな彼が、自身の得意戦法である横歩取りを指して襲いかかってくる。横歩取りに同意したのは俺とはいえ、恐ろしすぎる状況に冷や汗が出る。

 

篠窪さんが次の手を指した。銀を上げて、飛車とぶつけてくる。俺は、飛車を逃がすしかないわけだけど、ここで二通りの変化が生まれる。五筋に下げるか、六筋に下げるか。五筋は平和なルートだ。何の心配もなく、次の組み立てを考慮することができる。だけど、次の手をただ相手に回すだけの、受け身な一手だ。篠窪さん相手にその手はまずい。そう俺の勘が告げていた。だからこそ俺は、ハイリスクハイリターンな、六筋に飛車を逃がした。

 

「ッ!?」

 

篠窪さんが驚き、目を見開く。そして、手が止まる。六筋には、同じ平行線上に、向きの異なる飛車が二枚並んでいた。俺の指した手は単純明快な一手だ。相手への飛車交換の催促。俺の陣容は、決して飛車の打ち込みに強くはない。弱いわけでもないが、強くもない。そしてそれは、篠窪さんの陣容も同様だった。だからこそ、篠窪さんは迷う。篠窪さんにだって、飛車交換を拒否する選択肢はもちろんある。だがそれは、俺にただ手番を回すだけの、受け身の一手。受け身だが、リスクは少ない。篠窪さんは今、大きな二択に迫られていた。ローリスクローリターンか、ハイリスクハイリターンか。長考の末に、篠窪さんが出した答えは……………………後者だった。

 

俺は直ぐさま同歩と返す。これで、お互い駒台に、角と飛車を置くこととなった。恐ろしい状況だ。お互いに二丁の拳銃を腰にぶら下げて、射程距離で睨み合ってるような状況。先に銃を抜くのはどちらか?ここからは、隙を与えることが即、死に繋がる。それからは互いに慎重に駒を進めていく時間が続いた。一手指すごとに、冷や汗が吹き出る。夏真っ盛りな8月だと言うのに、寒気を憶える。駒を持つ手が、思わず震えてしまう。しかしそれは、篠窪さんも同じだった。篠窪さんの差す手が震え、その手に、冷たい汗が滴り落ちる。きっと、篠窪さんの顔は、汗まみれになっていることだろう。きっと、俺の顔も。俺は、そんな汗に塗れたイケメンの顔を一目見てやろうと、ずっと盤面に向けていた顔を上げた。少し顔を上げると、篠窪さんの口元が視界に入る。その口元は……弧を描いていた。更に顔を上げれば、篠窪さんの顔を拝むことができた。確かにその顔は、イケメンが台無しになるほどに、汗にまみれていた。だが確かに、それでも確かにその顔は……笑みを浮かべていた。楽しそうに、笑みを浮かべていた。そして、俺と目が合うと、俺の顔が視界に入ると、篠窪さんは更に笑みを深めた。なんで深めたかは、言われなくてもわかる。自分の同類を見つけたから。自身と同じように笑みを浮かべる、対戦相手の顔を見たからだろう。そうだよな。あぁ、そうだよ。この将棋は、楽しくて仕方がない。こんなギリギリの熱い綱渡りが、楽しくて仕方がない。俺はまた一手進める。その手は、未だに震えている。だが決して、恐怖による震えではなかった。所謂武者震いというやつだ。強敵を前にして、俺の心が震えている。棋士としての魂が、悦んでいる。この緊張感が堪らない。できることなら、いつまでも浸っていたいと思えるほどに。だが、終わりの時は刻一刻と迫っていた。お互いに、持ち時間が無くなり、一分将棋へと移行する。ここまで互いに隙を見せず、決定機が訪れない。強い。流石は未来のタイトル保持者。このまま正攻法で隙を探っても、いつまで経っても平行線のままかもしれない。

 

別にこのままでも、勝てる可能性はある。だけどあまり時間をかけ過ぎるのは得策ではない。小学生の俺は、篠窪さんに比べて体力が低い。それでも、この対局には勝てるかもしれない。だけど、今日の対局は決してこの対局だけではないのだ。まだ、午後からの対局が残っている。ここであまり体力を使いすぎると、午後からの対局でマトモな将棋が指せなくなる可能性だってある。実際に、奨励会に入ってからも同じ様な負け方を何度もしている。だからこそ、こちらから手を打つ必要があった。なるべく速やかに、この対局を勝利で終わらせるために。そのために俺は、再びリスクを冒す選択を取った。

 

「な……!?」

 

篠窪さんが思わず声を上げる。俺が指した一手が、その声の原因だ。この一手、何も大層な手ではない。只、隙を作っただけの一手だ。篠窪さんのではない。俺自身の隙をだ。その手を見て、いつの間にか周りに出来ていた見物人達もざわつく。どうやら、俺たち以外の対局は全て終わったらしい。今この部屋で対局を行っているのは、俺と篠窪さんだけだ。その篠窪さんは、俺の手を見て戸惑っていた。さっきまで全く隙を見せない対局を繰り広げていたのだ。そんな俺が、急にあからさまな隙を見せてきた。罠を疑い、戸惑うのも仕方ないだろう。しかし、今は互いに一分将棋。考えていられる時間はほんの僅かだ。残り10秒。迫り来る時間の中で、篠窪さんは戸惑いつつも、決意のこもった手つきで駒を打った。篠窪さんが決断した手は、角打。俺の隙に踏み込み、王手とする手だった。これで、篠窪さんは一つ目の銃を抜き放った。俺はその手を受け、玉を逃がす。そこにすかさず、篠窪さんの追撃が飛んでくる。飛車打。篠窪さんが、二つ目の銃も腰から抜いた。一気に決めるつもりのようだ。俺はその追撃を、金の移動合で受ける。その後も、篠窪さんは、角と飛車を、それぞれ馬と龍に進化させ、俺の玉に襲いかかってくる。しかし俺は、そのことごとくを移動合と玉の移動を中心にした受けで、防いでいく。

 

「こ、これは……!?」

 

そして、防いで防いで防いでる間に、俺の玉の周りには強靱な壁ができあがっていた。その壁は厚く、馬と龍二枚がかりでも、そう簡単に突破できるものではない。

 

「くっ!」

 

しかし、今更引くに引けない篠窪さんは、その壁を削るために小駒をぶつけてくる。だが、そう簡単に破れそうにはない。さぁ、こちらのターンだ。俺はまず手始めに、相手の歩に向けて、歩をぶつけるように打ち付ける。篠窪さんはまたも、俺の突然の手に戸惑っている。この歩は取った方がいいのか?取らない方がいいのか?少ない一分という時間で、篠窪さんが指した一手は、同歩だった。結論を言うと、この歩は取っても取らなくてもダメだった。つまり、俺が歩を打った時点で、既に結論は出ていたのだ。そして俺は、同歩ルートの手を進める。小駒を使い、篠窪さんの囲いに襲いかかる。篠窪さんは、俺の攻めを一つ一つ丁寧に受けていく。だが、その受けは全て、俺の計算通りのものだった。

 

「これはまさか……!?」

 

どうやら、篠窪さんも気づいたらしい。俺の仕掛けた罠の正体に。だけど、もう遅い。その後数手が進む。そのタイミングで、俺は遂に一つ目の銃を抜いた。角打だ。その角が、対角線上に佇む玉を射程に捉える。王手だ。篠窪さんが、苦い顔をして、盤面に顔を落とす。その視線は、狙われている自玉ではなく、俺の玉を睨み付ける龍に向けられていた。その龍から離れた対角線上には、俺が打ち付けた角がいた。遮蔽物は無い。逃げ場所はどこにも、ない。つまり、王手飛車だ。これこそが、俺が仕掛けた罠の正体。しかも、篠窪さんの駒で、龍の位置に利いている駒は無い。つまり、ノーリスクで飛車が取れるのだ。篠窪さんは、泣く泣く受け駒を使い、王手を防ぐ。それを見て、俺は直ぐさま飛車を取った。これで、三つ目の銃を手に入れた。こうなれば、後はもう時間の問題だった。俺は直ぐさま二枚の飛車を使い、篠窪さんの囲いを剥がしにかかる。元々、王手飛車に至る過程で、小駒を使い剥がしていたこともあり、そう時間もかからずに、篠窪さんの玉は剥き出しとなった。こうなってしまえば、玉に逃げ場所は無い。

 

「負けました……」

 

程なくして、篠窪さんが投了をする。俺の勝ちだ。なんとか二敗を維持することができた。だけど本当に厳しい対局だった。一歩間違えれば、負けていたのは俺だった。本当にギリギリの綱渡りだった。辛くて、楽しい綱渡りだった。

 

「篠窪さん、今の横歩取りは、なんだったんですか?」

 

そして俺は、対局中からずっと気になっていた質問を篠窪さんに投げかけた。このオーパーツの正体、まさか、篠窪さんも本当に未来を……

 

「この4二玉型かい?最近研究を始めた型なんだ。他に指してる人を知らないから、たぶん今のところ研究してるのは俺だけじゃないかな。だからこそ、君との対局に採用した。研究外しのためにね」

 

どうやら、本当に自身の研究で発見したらしい。その方が凄いけど。

 

「よくこんな型思いつきますね。それに、俺が横歩取りを拒否してたらどうしてたんです?」

 

「横歩取りに関しては、俺は誰よりも研究している自信がある。それこそ、プロの先生方よりも。だからだろうね。色々と、横歩取りの型から模索したくなったのは。序盤戦術から研究し直して、新たな型を模索し続けて、そして一番可能性を感じたのがこの型だった。だけど、まだ全然研究不足だし、本当に難しい型で、俺一人の力じゃ、研究するのに限界がありそうなんだよね。……そうだ!九頭竜君、今度一緒に研究会しないかい?君と一緒なら、良い研究ができそうだ」

 

「横歩取りの研究ですか?面白そうですね!是非よろしくお願いします!」

 

こうして俺は、篠窪さんと研究会を開くこととなったのだ。これは嬉しい。篠窪さんは横歩取りのスペシャリストだ。横歩取りをあまり指さない俺としても、学べることが多そうだ。是非、勉強させてもらおう。

 

「それと、君が横歩取りを拒否することは想像できなかったな。なんでだろう。君なら必ず横歩取りを指してくれる。そんな予感がしてたんだ」

 

つまり、確証は無かったと。実際に俺が逃げることは無いけど、他の人はそうでもないだろう。

 

「篠窪さんって、他の人にも横歩取りを持ちかけてるんですか?」

 

「そうだよ」

 

「なんでですか?横歩取りは確かにハマれば強いけど、リスクも大きいですよね?負けない将棋を心がける奨励会員には、指しにくい戦法だと思うんですけど」

 

「未来のためさ」

 

「未来の?」

 

「そう。プロになる前から、自分の好きな戦法も指せないような棋士が、プロになってから大成できるとは、俺は思えない。もしこれでプロになれなかったなら、俺はそこまでの人間だったってことだよ。どうせプロになるなら、好きな戦法と共にプロになりたい。好きな戦法と共に大成したい。だから俺は、横歩取りに拘る。この戦法と共に、頂点へ駆け上がるために」

 

やだ、カッコいい。この人、ルックスや将棋だけじゃなくて内面までイケメンじゃないですか。やっぱり主人公なんじゃない?実は俺が脇役だったのかもしれない。なら、俺は脇役らしく、脇役が皆モテモテイケメン主人公に向かって心の中で唱えている言葉を贈らせて頂こう。俺は、にこやかに笑みを浮かべながら、席から立ち上がると、最後にこう言ってこの対局を締めくくったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リア充爆発しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ほら、今回は早い(二回目
今回から三段リーグクライマックス編ってところですね
三段リーグ編残り少し、お付き合いください
次も早く投稿したい(願望
八銀はジャスティス
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