第三盧生が幻想入り   作:ヘル・レーベンシュタイン

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お待たせしました、今回から新章の始まりです!


第十一話 新たな物語

「ふーん、なるほどねぇ。アンタは盧生という夢を現実に持ち出す能力者と。そして幻想郷とはほぼ関係ない世界から来たってね....そう言う認識でいいわよね、クリームヒルト?」

「話をまとめればそう言うことだな。あと、私のことはヘルと呼んで構わん。」

「はいはい、わかったわよ。」

 

私がアカネのいる幻想郷へと到着し、そしてレイムのいる神社へと招き入れられた。そして茶を差し出されたと同時に、私の知ってること全てを語れと言われた。

ひとまず私の能力についての概要と、そしてアカネと顔見知りであることを可能な限り掻い摘んで説明した。さて、彼女はどう受け取ってくれるのやら。するとレイムは髪を掻き上げながら答えた。

 

「とりあえず結論からいうと、一応は信用してあげるわ。」

「ほう、少しはか。つまり不信感は一掃されたと解釈して良いのだな?」

「まあそうね....まだ不安要素はあるけど。けど、私の知らないところで朱音と一緒に行動してたんでしょ?」

「端的にまとめると、そう言うことになるな。」

「それなら、あの子に免じてある程度信用できる相手だって事にするわ。ま、あとは行動と結果で示して欲しいところね。」

「了解した。元より私も最初からそのつもりだったからな。」

 

ひとまず一定の信頼を得られたのならば何よりだ。後は信用を失うような行動をしないように心がけるだけだ。

何よりも気になるのは、元の世界で見つけたあの紅色の封結晶。あの正体を知ることこそが最大の目的だ。そのためにもほぼ間違いなくレイムとアカネの協力を得なければ困難な問題になるだろう。よって、そのためにもより彼女たちに寄り添わねばならない。

 

「....む?」

「ヘルさん、どうかしたの?」

 

そう考えていた時、誰かがここに向かってくる足音が聞こえた。そして視線の先にある襖から、1人少女が現れた。

 

「なるほど、そちらの方が噂の外来人の方ですか。」

「あ、咲夜さんこんにちは。」

 

突如襖の向こうから、青と白のメイドを服を着た少女が現れた。アカネ曰く、サクヤという名のようだ。レイムと比較してやや大人しい雰囲気を感じさせる。

 

「初めまして、外来人の方。私の名は十六夜咲夜と申します。」

「サクヤか、了解した。私の名はクリームヒルト・レーベンシュタインという。ひとまず、よろしく頼む。」

「はい、クリームヒルト様。こちらこそよろしくお願いします。」

「それで咲夜、あんた何しにしたのよ?」

 

サクヤと私が一通り挨拶を終えると、霊夢がそう問いかけてきた。すると、私とサクヤの視線がぶつかり合う。

 

「ええ、実はお嬢様がヘル様のことに興味を持ち、是非紅魔館に来て欲しいとのことです。要は、招待しに来たということですね。」

「....噂が早いこと。それにレミリアは珍しいもの好きだし。」

「そうですね、実のところ人里で買い物してた的に堂々と軍服を着て歩いていたので目立ってましたよ。」

「も、もう少し人目のつかないところで歩こうよヘルさん....」

「可能な限り最短ルートを歩いたのだが、不味かったか。」

 

なるほど、要は目立つところで歩いてたからサクヤの目に止まったというわけか。そしてサクヤの主に何やら興味を持たれたのか。ならば今度からは慎重に出るとするか。

 

「まあ、過ぎたことは仕方ないわ。それよりもレミリアがあんたの事に興味を持ったみたいね。会いに行く?」

「....そうだな、これを機会にこの世界の住民と語り合ってみるとしよう。」

「うんうん、その方がいいよ。」

 

レイムの問いかけに対し、私はそう答える。アカネも嬉しそうな顔を浮かべて頷いた。まずは顔見知りを可能な限り増やしていこう。そうすることで情報の幅も広がり、問題の解決へと少しずつ進むかもしれない。

 

「承知しました、ではついて来てください。」

「飛んで行った方が早そうね、朱音は私が運ぶわ。」

「うん、お願い霊夢。」

「構わないわよ。あ、そうだ。ヘル、アンタは飛べるわよね?」

「ああ、問題ない。」

 

サクヤとレイムが宙へと浮かび上がり、遠方へと飛び立とうとする。私も解法で重力を無効化し、彼女たちの方へと移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

飛びながらあたりの景色を見渡してみる。比較的に自然が多く、ところどこに妖精が飛び回っている。そして人里にには人間も住んでいる。その雰囲気も悪くなく、どことなく穏やかさがある。なるほど、こうやって共存しているわけか。幻想郷という名の通り、ある種の理想的な環境といえるかもしれない。

 

「そろそろ着くわ。」

 

そう霊夢の言葉が聞こえ、改めて正面を向く。大きな山を抜けると、霧がかかった湖の上を飛んでいく。

霧のせいで視界が悪くなるものの、決して先に進めないほどではない。レイムやサクヤ達も同様のようだ。そして湖を抜けると、全体的に深紅色の大きな館に到着した。どうやらここが目的の場所みたいだ。

 

「さて、着いたわね。」

「ほう、ここが紅魔館とやらか。」

「ええ、その通りです。」

 

そう言いながら私たちは門の前へと到着した。門の前にはチャイナドレスを着た少女が立っていた。どうやら門番のようだ。門番の少女は笑顔を浮かべながら咲夜へと話しかける。

 

「咲夜さん、お疲れ様です。そちらの方が外来人の方ですか?」

「ええ、お疲れ様ね美鈴。あの方がクリームヒルト・レーベンシュタイン様よ。それにしても、今日はちゃんと起きてたのね。」

「当然、お客様が来るって聞いてましたからね。お出迎えするまで寝ていられませんよ。」

「ふふ、それだとまるでお出迎えが終わったら寝るような言い草よ?」

「え?い、いえいえそんな滅相もない!言葉の綾ですよ、いやだなぁ咲夜さん。あはははは....」

「全く....ほら、お客さんに挨拶しなさい。」

 

呆れた表情を浮かべながら、サクヤはそう言い放つ。そして門番の少女は申し訳なさそうに苦笑を浮かべながら私達の前へと出る。

 

「どうも、初めましてクリームヒルトさん。私は紅魔館の番人、紅美鈴といいます。どうぞよろしくお願いします。」

「ああ、よろしく頼む。」

「はい、了承しました!しかし、クリームヒルトさんはみた感じ軍人さんでしょうか?」

「うむ、そうだが。」

 

メイリンの好奇の目線が刺さる。

やはりこの軍服では目立つようだな。であればこの環境に見合った服を選ぶべきか。

 

「いやぁ、もし機会があればお手合わせできればと思いまして。へるさんが、どれほどの力をお持ちか気になったので。」

「なるほど、手合わせ自体は構わんよ。」

「えへへ、その時はよろしくお願いします。」

「さて、話も済んだならさっさと入りましょう。」

「それでは門を開けますね。」

 

メイリンがそう言いながら、館の大きな門を開けて私達を中へと入れた。そしてサクヤに館の中へと案内されていく。

 

 

 

 

 

 

 

そして....

 

「お待たせしました、お嬢様。霊夢と朱音、そして外来人のクリームヒルト様をお連れしました。

「ご苦労ね、咲夜。そして.....ようこそ、紅魔館へ。貴女が外来人の人間ね。私が紅魔館の当主、高貴なる吸血鬼、レミリア・スカーレットよ。これからよろしくね。」

「クリームヒルト・レーベンシュタインだ、こちらこそよろしく頼む。」

 

館の中へと入ると、ピンク色と服を纏い背中にコウモリの羽を生やした小さな少女が出迎えてくれた。どうやらこの紅魔館の主の様だ。私は一礼して挨拶を返す。

 

「しかし....随分と長い名前ね。」

「ヘルと呼んで構わん、知人は皆そう呼んでいる。」

「その方がシンプルで良いわね、そう呼ばせてもらうわ。」

「了解した。それで、これから一体何をするのだ?話をするだけならば、別段構わないが.....」

「そうね、話をするといえば確かにそうなのだけど....」

「そこから先は、私が説明するわ。」

 

すると、レミリアの背後からまた新たな少女が現れた。全体的にピンク色の服を着ており、少し顔色が薄い少女だ。

 

「どうも、私はパチュリー・ノーレッジよ。よろしくね、クリームヒルトを」

「ああ、よろしく。それで話とは?」

「そうね、まず結論から話すと貴女と封結晶の関係について色々聞いておきたいの。」

「....ほう、アレとの関係か。」

「ええ、特に紅い封結晶は幻想郷のそこらじゅうに出現してるって大騒ぎになる程ですもの。そしてそんな時に貴女も外来人として現れた。とても無関係と思えないじゃない。」

 

なるほど、確かに側から見ればそう思われても不思議じゃない。であれば、私を尋問することを目的にここに呼んだのだろうか.....などと考えていたが、どうやら違う様だ。

 

「.....だけど、どうやら朱音と顔見知りで悪くない関係みたいね。その点を踏まえると貴女がこの異変の黒幕であるとは考えられないわ。」

「ほう、何故そう考える?」

「今に至るまで黒幕と結びつく様な行動をしてないからよ。朱音達はこの異変を解決しようと積極的に動いてくれているからよ。貴女が黒幕だとして、彼女達を妨害しに来たのなら、使い魔を派遣して邪魔してきたり、貴女が直接物理的に潰しに来た方が手っ取り早いでしょ。だけどそうしないどころか、態々人里のど真ん中を歩いてくる始末。そうなると本当にただ迷い込んできた外来人と考える方が、まだ自然じゃない。」

「....なるほど。」

 

と、パチュリーはつらつらと自身の考察を展開してくれた。実際私は巻き込まれた側の人間だ。そこまで考えてくれるのならば助かる。他のもの達もどうやら納得した様子だ。

 

「取り敢えず、これが私の考えなのだけど本人的にはどうなのかしら?」

「その通りだ。私は封結晶を使って何か目的を果たそうなどと考えてない。寧ろ、それに巻き込まれた方だ。」

「....その辺り、詳しく聞かせて頂戴。」

 

そして私は、実家に帰った時に紅い封結晶を見つけたこと。そしてそれに吸い込まれて異世界に飛ばされる異変のことについて可能な限り説明した。そして.....

 

「....なるほど、よく分かったわ。ありがとう。」

「お嬢様、これは....」

「ええ、どうやら外の世界にまで封結晶が出現してるようね。これは、もしかしたら私達が想像してるよりも遥かに大きな異変かもしれないわね。」

「はい、そのためにも早くあの封結晶の謎を解かないと....」

「お姉さまー!」

「フラン?どうしたのよ急に....」

 

レミリアとサクヤが話し合っていると、館の奥からカラフルな羽がある金髪の少女が猛スピードでこちらへと向かってきた。どうやらレミリアの妹の様だ。

 

「お姉さま、赤いキラキラした四角い宝石みなかった?触ろうとしたら急に消えちゃったの!」

「え?赤い封結晶が!?」

 

フランという少女の発言で、館内の空気に緊張が走る。館内のどこかに赤い封結晶が現れたのは確実だ。そして更に、今度は入り口から駆け込んできたメイリンから報告が上がる。

 

「お嬢様、報告します!門の前に赤い封結晶が現れたと思ったら消えました!」

「ちょ、ちょっと立て続けに出現しちゃってるじゃない!」

 

どうやら次はメイリンが見つけたようだ。既存の物が空間転移したのか、それとも別の個体が現れたのか定かではない。だがどちらにせよ、これから異変が起こる前兆なのは間違いないだろう。

 

「....あっ」

 

すると、アカネが小さな声でそう呟いた。そして彼女の視線の先には、赤い封結晶がテーブルの上にあったのだ。そして異変はそれだけで終わらない。

 

「な、これは....」

「うごけ、な.....」

「あ、あかね....絶対、触っては、いけな....」

「わかってる.....けど....」

 

赤い封結晶が現れたと同時に、私を含めたほぼ全員の身動きが取れなくなった。唯一の例外はアカネだけだが、もうやら彼女の意思に反して手が赤い封結晶を触れようとしているようだ。文字通り、最早誰にも止められない。

 

「あっ.....」

 

そして赤い封結晶とアカネの手が触れ合った。すると封結晶が輝き始め、細かく分解する。そして異次元のゲートが開き、この場の全員を異空間へと吸い込んでいった。

 

 

 




実はロストワードがいつ配信終了になってしまうか不安になってます。せっかくのストーリーが中途半端に終わるとモチベにも影響が出そうなので....
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