シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第十話「戦間期・1-2」

シーランド帝国の帝都ロンドニウムはかつて存在していたイギリスの首都ロンドンであった。第一次ブリテン戦争と呼ばれるシーランド帝国が勢力を拡大することとなった戦争においてロンドンはシーランド帝国の手に落ちた。しかしその後に起きたクーデター騒動で廃墟と化したがその後はライオネスがすべてを更地にして一から作り直された。その為ロンドン塔などの建造物は全て再建されたものとなっている。そして唯一バッキンガム宮殿は再建されずその周辺の土地ごと用いたキャメロット城が建設された。それは建設後皇族の住まう城として運用されている。

そんな城の皇帝の執務室でライオネスは驚愕の声を上げていた。

 

「それは事実か!?」

「はい、残念ながら事実と言わざるを得ないでしょう」

 

思わず立ち上がったライオネスに対し宰相は本当に残念とばかりに追随する。執務室のデスクの上にはカルアミーク王国よりもたらされた資料の報告書が置いてあった。

そこに書かれていたのは古の魔法帝国が用いていたコア魔法、原子爆弾らしきものを運用しており更に長距離弾道弾も存在していた可能性すらあったのだから。

 

「この世界の技術力は低いと思っていたがどうやらそうではなかったようだな」

「はい、ロデニウス大陸や環状島はそうでもなかったようですがフィルアデス大陸も同じかどうかは分かりません」

「全く、もう少し情報を得る必要があるな」

 

ライオネスは苦虫を噛み潰したような顔をして再び報告書を見る。楽に覇権を握れると思っていた世界はシーランド帝国を脅かす可能性のある世界だったのだから。もしその国が現在も存在している場合シーランド帝国はその国を放置できず対立なり有効なりをしなければいけないだろう。これならまだ前の方が良かったかもしれない。ライオネスは心の中でそう悪態をつく。とはいえそんな事を考えている事態ではなかった。ライオネスは宰相に指示を出す。

 

「核兵器の配備を急がせろ」

「核兵器ですか?確かに今後の事を考えれば必要でしょうが……」

 

宰相は難色を示す。そもそもシーランド帝国では核兵器に対する忌避感が強くあまりそう言った方面に力を注いではいなかった。その為核技術に関しては原子力発電などを除けば他国より一段劣っていた。それはライオネスも似たようなものだが嫌いだからといって力を入れないわけにはいかない。

 

「念のためだ。使わないならそれに越したことはない。使う必要がある場合のみ使用すればよいのだ」

「……分かりました。直ぐにその方向で手配を行います」

 

宰相は渋々と言った様子で頷く。

 

「それと、他の艦隊に関してですが……」

「ふむ、確かフェン王国とシオス王国だったか?環状島に関してのみ気が行っていたからな」

 

ライオネスは残りの外交に関する報告を催促する。宰相は手元に持った報告書を見ながらライオネスに伝える。

 

「まずフェン王国に関してですが国交樹立の件はつつがなく完了しました。ただ、半年後に行われる軍祭に出場して欲しいらしいです」

「軍祭?なんだそれは」

「その名の通り軍の力を大々的に発表するもののようです。観艦式に近いでしょうか?」

「成程。ならば我らの実力を見せるにはうってつけだな」

「はい。どうやら他の国も参加するようなので他国にも我らの実力を広めることができるでしょう」

 

ライオネスは思わぬ事態に喜んだ。ロウリア王国に関してはロデニウス大陸ではシーランド帝国の実力が広まりつつあるが一歩大陸を出るとその知名度は一気に下がっていた。その為シーランド帝国としては自国の実力を見せつけられる場を探していたのである。

そして半年後であるならどんな部隊や艦隊でも参加可能であり陸海空全ての実力を見せることも可能だった。

 

「ふむ、どうせならわが軍の主力を見せつけるとしよう。海軍は第一艦隊を出せ。陸軍に関しては本土防衛用の師団がいいだろうな」

「分かりました。その様に進めます」

「分かっているとは思うがシーランド帝国の実力を見せることを重要視するのだ。もし敵対的な者が居れば現場の判断で攻撃してもよい」

「それらがパーパルディア皇国のような大国とまではいかないまでも強い事を祈りましょう。そうなればより我が国の実力を示せますからな」

宰相とライオネスは同じような笑みを浮かべた。

 

「さて、シオス王国についてですが新興国と侮られ、追い返されたため艦砲射撃とミサイルによる王都攻撃を実施。国王以下王族の大半を失ったシオス王国は我が国に降りました」

「ふむ、意外と脆かったな。これならロウリア王国の方が強かったか?」

「ロウリア王国に関しては王都の消滅が原因で全土に情報が伝わっていませんでした。一概に強弱をつけることは不可能かと」

「ふん、どちらにしろその程度の国力しか持っていないという事であろう。シオス王国に関しては属国として残った王族がそのまま統治せよ。それと余の代理人である総督の地位を設けその者に従うように厳命せよ。総督に関しては追って誰にするかを決める」

「かしこまりました。直ちに手配いたします」

 

こうしてシーランド帝国は転移から三か月ほどでフィルアデス大陸東部に勢力を作り始めていた。その手は少しづつだがフィルアデス大陸にも及ぼうとしていた。

 





【挿絵表示】

※シーランド帝国に関しては細かいのでこの辺にあると考えてください。
青:シーランド帝国領(環状島に関してはミスで属国です)
緑:友好国?
藍色:属国

シーランド帝国
核兵器は野蛮という考え。ありとあらゆる物を根こそぎ使いたいシーランド帝国にとって放射能をまき散らす核兵器が害悪以外の何物でもない。その考えの為侵攻を諦めた国には容赦なく使用する(隣国など領土が近い国は除く)

古の魔法帝国
最近知った国。太古の昔にその技術力でブイブイ言わせていた国というのがシーランド帝国の印象。自分たちもそうしたい←!?

シオス王国
原作とは違いシーランド帝国の力を見誤り王都の壊滅と大半の王族の死亡という手酷い状況となってシーランド帝国に降伏。属国とされた為辛うじて滅亡は避けられた。なお、生き残った王族はシーランド帝国に対する恐怖心から絶対の忠誠を誓っているらしい?

フェン王国
純粋にシーランド帝国の実力が見たいという剣王の要望をシーランド帝国が快諾した。原作のような礼を欠いた行いは無かったため滅亡や属国は避けられた。シーランド帝国の実力を見せられるため印象はそれなりに良い。

パーパルディア皇国
フィルアデス大陸の大国らしい……
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