a.t.s56(皇歴56年)/2/24/13:00 シーランド帝国帝都ロンドニウム
シーランド帝国では漸く帰還した統合軍を各ドックに収容しつつ今回の海戦の結果及び途中経過などの詳細を確認しつつ、今後につなげていくための会議が開催されようとしていた。この会議は皇帝ウィリアムが主導して行われる事となっている為に参加者は膨大且つ重要人物ばかりである。参加者としては以下の通りとなっている。
○皇帝 ウィリアム・ロバーツ・ペンドラゴン
○宰相 ドナルド・A・オズボーン
○統合軍総司令 ローブス・L・ヒチョン
○統合軍副司令 トム・リー・フォックス
○フィルアデス連邦統括官 フレディ・K・マイソン
○各省庁より代表者1名
○陸海空軍より総司令1名
○各自治領指導者若しくはその代理
そのほかにも幾人かが参加するシーランド帝国始まって以来の大人数による会議が開催された。
「諸君、今回は良く集まってくれた。早速バルチスタ沖海戦と命名された先の海戦の結果を報告してもらう」
「はっ! では先ずは手元の資料をご覧ください」
皇帝ウィリアムの言葉で会議が始まり、早速フォーブスが今回の海戦における戦況と被害、敵の想定撃破数などを記した資料と共に説明していく。
「……このように我らはコンピューター系の使用不可により多大なる損害を受けましたが神聖ミリシアル帝国の空中戦艦パル・キマイラの登場により辛勝へと持ち込む事に成功しました。ですがこの損害は無視できるものではなく、転移前より数えても最大の損害となっています」
自ら率いた艦隊の損害を淡々と報告するフォーブスがどれほどの悔しさと屈辱を味わっているかは推して知るべしだろう。とは言えコンピューター系の異常という予想外の展開に見舞われつつ敵と戦いぬいたフォーブスは称賛に値するだろう。
「……これだけの損害を受けたとは言え原子力空母が全艦無事だったのは不幸中の幸いでしたな」
「確かに。一隻でも沈められれば我らの損害は空母を一隻失う以上のものですからな」
「放射能による汚染の心配もある。友好国とはいいがたいとは言え国交を持つニグラート連合沿岸の土地を放射能で汚す結果にならずに良かった」
陸海空軍の総司令は軍人と言う立ち位置から今回の海戦を判断する。同時に彼らがよく戦っている事は分かっているからこそその言動は責めるものではなく擁護に傾いている。
「しかしこれだけの損害を受けたのも事実。この分の補填を早急にしないといけませんよ」
「フレディさんの言う通りですわ。広大な領土を持つ我が国にとって艦は重要です。それらを大きく失うという事はただ事ではありませんわ」
そんな中で否定的な意見を出すのは偶然にも同じ姓を持つ連邦統括官としてフィルアデス連邦を統治するフレディとマレーシア自治領の指導者となっているジェラルディン・ヴォーン・マイソンである。正確にはこの損害分をどうやって補填するつもりなのかを聞いているのだがそんな事は自らの管轄外であるフォーブスにいうのはお門違いだろう。つまり損害を出したことを責めているのも同然だった。
「私が統治を行っているフィルアデス連邦はパンドーラ大魔法公国やマール王国を取り込み拡大しています。今以上に海軍の能力が必要なのです。にも拘わらずにこれだけの被害を出されては困るのですよ」
フィルアデス大陸の統一という言葉の下にフレディは連邦が一定の安定を得てから各国に連邦への参加を要請していた。これに反応したのがパンドーラ大魔法公国であり、属国と言う今の立場と何ら変わりがないが魔法の研究に没頭しやすいと参加を表明した。これに技術の更新が上手く出来ていなかったマール王国も追随した。更に国家機能が破綻していたり、参加することがメリットが大きいと判断した他の国々も参加を表明したことでフィルアデス連邦は南部をほぼ支配下に置く事となっていた。その国土はパーパルディア皇国の時を上回っており、技術もその時より洗練されたものが多く存在していた。
「フレディ。今はそんな事よりもこれだけの損害を出す原因となったジャミング装置について話すべきだ」
「私も同感だ。あの装置の対策を取らない限り同じ悲劇が何度も繰り返されるぞ」
一方でフォーブスへの追求よりも大事な事があると言ったのはマット・H・ウェバーと呼ばれる自治領指導者であり、様々な自治領を統治してきた優秀な人物である。そんな彼に軍部も追随する。実際、ジャミング装置をどうにかしない限り同じ事が起こるのは目に見えている。それが分かるだけにフレディは不承不承ながらそれ以上の責任追及を行う事はしなかった。
「このジャミング装置に関してだが神聖ミリシアル帝国が情報を開示したものの中に存在していた。本来は魔法を対象とするものらしく電子に関してはおまけ程度の性能しかないそうだ。だが、結果としてこちらのミサイルを使用不能にする程強力なものとなっていた。つまりこれを古の魔法帝国が用いるという事は我々はアナログでの戦いを余儀なくされるという事です。ですが、古の魔法帝国相手にそんなものが通じるとは考えられません」
「と言う事はこのジャミング装置を防ぐ事が出来るようにするのが必須と言う事ですか。ECCMはどうですか?」
「無理だ。分野が違い過ぎて意味がない。これは魔導技術を用いないと対抗兵器の開発は難しいぞ」
「神聖ミリシアル帝国の資料を見る限りこの空中戦艦パル・キマイラに搭載されている物を応用できれば問題ないのでは?」
「だがパル・キマイラを借りる事は難しいぞ。彼らの切り札だ。流石にこれすらこちらに譲渡するとは思えない」
「解析中のものが2つあるのだろう? それらを譲渡してもらえばいけるのではないか?」
「どちらにしろ神聖ミリシアル帝国と交渉する必要があるだろう」
様々な意見が飛び交い、会議は白熱していく。この会議は途中何度も休憩を挟み、夜遅くまで続く事となったがその代わりに今後シーランド帝国が進めていく事が決定した。日が昇るとシーランド帝国の政治は今まで以上の忙しさを見せ、本格的な準備に取り掛かっていくこととなる。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了