シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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若干タイトル詐欺になってしまった


第百六話「暗躍する者達2」

 シーランド帝国はイギリスを倒した国家であるが臣民・国民の大半はイギリス人で構成されている。その為、イギリスの風習や文化が根強く残っている。例えばイギリス軍でその勇猛さを称えて造られたブリティッシュ・グレナディアーズ(英国擲弾兵行進曲)は最初こそ敵生物禁止法によって禁止されていたがブリテン島で起きた最後の戦争である第三次ブリテン戦争においてシーランド帝国軍が士気高揚の為に歌ったのを皮切りに誰もが口ずさむようになり、政府でも「ブリテン島やその住民と言う意味で解釈すれば問題ないのでは?」とこじつけにも近い形で法令から除外されている。

 それ以外にも様々なイギリスの名残が残っている。そんなものの中で最も名残が残って欲しくなかったものが食文化である。イギリスはメシマズで有名となっていたがこれは味よりも見た目を重視する上流気取りの文化や伝統料理の断絶などがもたらした事であった。しかし、現在は誰だって見た目はある程度きちんとしていれば求めるのは味である。美味しいものを食したいという若者の増加と合わさり食文化の改善が早急に求められる事となっていた。

 シーランド帝国はこれを国家規模で改善するべき問題として国営企業F&Tを創設。シーランド帝国独自の料理やブリテン島の料理の向上や改善を目指していくこととなった。現在ではある程度改善されてきているが求めている水準には程遠かった。

 そこで、彼らが目を付けたのはより優れた食材を用いる事である。野菜が育ちにくい土地であるブリテン島で試行錯誤するよりも他のものの優れた素材を使おうと考えたのである。そして、この異世界に転移した事により隣国にクワトイネ公国と言う農業チート国家が現れた。彼らがこのチャンスを逃す事はなかった。

 

 

 

a.t.s56(皇歴56年)/3/15/19:00 シーランド帝国帝都ロンドニウム 国営企業F&T本社ビル

「では、改めて乾杯!」

「「「「「乾杯!」」」」」

 

 この日、国営企業F&Tの本社ビルにある大会議室では300人近い人たちが参加する大規模なパーティーが開催された。ここに居るのはこの会社の社長を始めとする重役たちに加えて、彼らと連携して来たクワトイネ公国の農家や政府の高官などである。企業とクワトイネ公国が連携して早2年。パーパルディア皇国が滅亡してから関係を持つようになった両者は短期間の間でお互いになくてはならない存在になっていた。企業はその品質のいい素材を安く仕入れる事が出来、クワトイネ公国側もその対価としてインフラなどの物流の強化をしている為に生活はよくなり始めていた。

 

「これからもお互いに良い関係が築けることを願って」

 

 社長が上機嫌で農家たちとグラスを合わせている。場違いとも言えるパーティーに参加したことで緊張する彼らだが多少の無礼は問題ないと予め通達している事とシーランド帝国産の強力なワインに後押しされた事もあって次第に打ち解け始めていた。

 

「団長! これとっても美味しいですね!」

「ミーちゃん、もう少し落ち着いて食べて……」

 

 実家がこの連携に噛んでいた事で公爵令嬢として出席したイーネは付き添いとして一緒に来たミーリの相手をしていた。団長と受付嬢と言う二人の立場だがそんなものは気にしないとばかりに良好な関係を築けていた。軍属で数少ない同性と言う事も影響しているのかもしれない。

 

「それにしてもシーランド帝国は本当に凄いわね。ロウリア王国を滅ぼしてパーパルディア皇国、ベスタル大陸、そしてグラ・バルカス帝国……。この国ならラヴァーナル帝国にも勝てるんじゃない?」

「んー、どうでしょうね。私はそう言った知識を持ってないのでわかりませんが正直に言えばシーランド帝国に勝ってほしいですね。でないと私達じゃ勝てないですし」

「それもそうね」

 

 ラヴァーナル帝国に勝てる国などいない。それがこれまでの世界の共通認識だった。何しろ世界最強の称号を持っていた神聖ミリシアル帝国ですらラヴァーナル帝国の劣化コピーを揃えるので精一杯だったのだから。それすら揃えられない各国では逆立ちしても勝つ事など不可能だ。

 そんな中で突如として現れたシーランド帝国。まさに神がいずれ来るラヴァーナル帝国との戦争の為に呼び出したとも言えるこの国家は瞬く間に世界に多大な影響を与えている。最近ではグラ・バルカス帝国と戦争しているが優勢に進めているという。イーネは気づけば遠い存在となりつつあるシーランド帝国の力を近くから再認識していた。

 

「そ・れ・よ・り・も! 団長は良い人は見つかりましたぁ?」

「ミーちゃん。ここはそう言う場じゃないのよ?」

「でも私同い年くらいの男の人に結構声かけられましたよ?」

「……」

 

 この猫耳娘は一体何をしているんだ? と言わんばかりに頭を抱えるイーネは付き添いとして連れて来た事を少し後悔しつつ企業側の人間と公爵家の代表として挨拶を周りを行いパーティーを楽しむ事になる。

 後日、ミーリは騎士団本部の受付嬢を止めてシーランド帝国のクワトイネ公国大使館で働く事になる。更にその数日後にはブリテン人の彼氏ができ、ラブラブな様子の写真をイーネに送り、苛立ちを覚えさせることになる。

 




残念ながらこの世界でイーネちゃんに出会いはありませんでした

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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