シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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どうしよう。ウェブ版だと詳細な年表ないせいで書けないと思ったけど書籍になっていない先の話で絡みそうなのがクルセイリース大聖王国くらいしかなかった。なのでレイフォル州戦が終わればオリジナル展開が進みます。時期は大分適当になりますが。


第百十話「絶望の到着」

a.t.s56(皇歴56年)/4/28/17:00 ムー 商業都市マイカル

 第二艦隊に護衛された輸送艦隊は途中でグラ・バルカス帝国の潜水艦と接敵しつつも無事にムーの商業都市マイカルに入港することが出来た。この日を迎えるために大規模な改修が行われた港は大型艦も余裕で入れるくらいには規模を大きくしていた。実際、バルチスタ沖海戦時に参加したムーの機動艦隊はこの都市から出港している。しかし、ムーの機動艦隊を凌駕する第二艦隊はマイカルの人々の視線を集めていた。

 そして、揚陸艦から次々と降りてくるシーランド帝国の歩兵や戦車を見て更なる驚愕に包まれる事になるがそんな彼らの視線に気づきつつもシーランド帝国軍はパーシヴァル基地に向けて移動する準備を整えていく。

 

「司令! パーシヴァル基地の後方に位置するキールセキまで戦車などを含む荷物と兵員を列車で輸送後徒歩及び輸送車で基地に向かう事になります!」

「ご苦労。戦車師団を優先的に運ばせろ。侵攻において戦車の力は必要不可欠だからな」

 

 ムーに上陸した5万人の帝国軍を率いる司令ハリー・K・パワーがムーの地図を確認していると部下の一人が今後の予定を伝えてきた。既に戦車師団が列車の貨物部分に乗り始めており、準備が着々と進んでいる様子を見せていた。

 

「パーパルディア皇国やアクハ帝国とは違い、敵は第二次世界大戦時の力を持つグラ・バルカス帝国だ。こちらが勝つとは思うが慢心しないように気を付けないとな」

 

 いくらシーランド帝国が技術で優れて居ようとも奇襲を受けて接近されるなどすればこちらにも被害が出る可能性がある。それを理解しているハリーは決して油断ない様に事を勧めようと覚悟を決めた。

 

「確かグラ・バルカス帝国も戦車を保有しているのだな?」

「はい。衛星写真で確認済みです。ですがこちらも第二次世界大戦時の物です。……航空機の時から感じていましたがどうやらグラ・バルカス帝国の兵器は旧日本軍に酷似している様です。戦車に関しては詳しい詳細が分かりませんでしたが確か歩兵支援の為の戦車だったと思います」

「と言う事は軽戦車乃至中戦車と見ていいか。重戦車はあるのか?」

「少なくとも確認した限りではありません。本土にはあるのかもしれませんがレイフォル州との通商破壊は現在も続けられています。輸送は不可能でしょう」

 

 現在も原子力空母による潜水艦隊の通商破壊は継続されている。それらはグラ・バルカス帝国に少なくない損害を与えているがそれ以上にレイフォル州との補給が不可能となっている事が大きく、レイフォル州では武器弾薬の備蓄が少しずつ減り始めていた。

 

「いずれレイフォル州にいるグラ・バルカス帝国軍は行動不能に陥るだろう。その前に敵が状況打開の為に動く可能性がある。その前に叩くぞ」

「迎撃の方が容易では?」

「レイフォル州を完全に奪い取る。その領土はイルネティア王国領と合わせてこちらで好きにして構わないと通達が来ている。まぁ、その前にあるヒノマワリ王国で略奪などを行わずに戦後はムーに引き渡す条件で、だがな」

 

 シーランド帝国にとって関係ないうえに興味がない事だがヒノマワリ王国はかつての友好国であるヤムートの生き残りが建国した国である。ムーにとっては転移前からの友好国であるために色々と気を使っていたのだ。

 

「しかし、今更ですがイルネティアの人間たちはこちらに恭順するでしょうか……? せっかく奪還出来ても現地民が反抗的では意味がないと思うのですが……」

「そんな事は心配する必要はない。我らにとってそんな事は()()()()()()()()でしかない。むしろ支配されていた環境から解放してやるのだ。感謝こそされど恨まれるいわれなど無い」

 

 実際にはより強大な国家の支配下に入るだけでイルネティア王国の国民にとっては変わりがない。むしろより強大な国家の支配下になる分彼らの気持ちは更に沈むかもしれない。絶望で命を絶つかもしれない。しかし、今でこそ落ち着いているがシーランド帝国が元の世界で毎年のように侵略を行ってきた国家である。恐らく二つの世界を合わせてもその対応に慣れている国はこの国家以外に殆ど存在しないだろう。

 

「大体、イルネティア王国の人間が全員反乱を起こしたとしても問題はないのだ。イルネティア王国の民は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだからな」

「民族大移動ですか。かなりの予算と人手がいりますね」

「だからこそこちらとしても従順でいることが好ましい。そうでなかったとしても問題はない。それだけの話だからな」

 

 そんな他愛ない話をしている間に戦車の積み込みは完了し、列車が出発の合図である汽笛を鳴らす。ハリーを含む5万人の兵士はその後に出発する列車に分けて乗り込み、少しずつ輸送する手はずとなっている。彼らが移動を終える時、それはグラ・バルカス帝国がレイフォル州での覇権を消滅するカウントダウンがスタートした事を意味するだろう。帝国の終焉の第一歩であるレイフォル州侵攻はすぐそこまで迫ってきていた。

 

グラ・バルカス帝国戦が終わった後の展開に関して(なお、あくまで参考にさせてもらうだけなのでアンケート通りにいくとは限りません)

  • そのまま年代飛ばして魔帝戦
  • ブログ更新を待ちながら原作準拠
  • 書籍版重視して発売まで待つ
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