シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第百十二話「侵攻計画」

a.t.s56(皇歴56年)/5/11/12:00 ムー キールセキ西方 パーシヴァル基地

 第一次輸送による5万人の兵の輸送は完了した。シーランド帝国軍の前線基地たるパーシヴァル基地は完全に動き始めており、何時でも戦争を行える用意が出来ていた。

 

「これが敵の前線基地だ」

 

 そんなパーシヴァル基地の中央司令部において最後の作戦会議が行われていた。内容は既に決まっている侵攻計画の再確認と懸念事項の確認、そのほか様々な事の再チェックを行っていた。そんな中で会議に参加する者達が見ている写真にはグラ・バルカス帝国が建設した国境沿いのバルクルス基地が映っていた。衛星から撮られたそれは、未だに詳細を掴まれていないと思っているグラ・バルカス帝国の予測を大きく覆していた。

 そして、この侵攻軍の司令であるハリーが説明を開始した。

 

「元はムー侵攻用に建設されたようだが現在は我々からの攻撃を最前線で抑える盾として機能しているようだ

見ての通り、基地は堅固と言える。東部には陸上要塞が建設され、その後方たる西部には滑走路やレーダーサイトが多数見て取れる。陸空そろった厄介な基地だ

無論、これを攻略するのはたやすい。敵は守りに入っており、こちらは好きなタイミングで攻撃を行える。ここからは侵攻計画の再確認だ

まず、我らは少数の守備隊のみをここにおいてほぼ全軍で侵攻する。最初に攻略するのがこのバルクルス基地と呼ばれているらしい敵基地だ。ここを攻略後は間髪入れずにヒノマワリ王国首都ハルナガ京を攻撃する。ムーからの要望でヒノマワリ王国人にはなるべく死傷者を出してはならない。グラ・バルカス帝国の協力者でもない限りな。ハルナガ京自体は要塞でもなんでもない。前線基地よりは脆いがそれ以上にやり辛い場所となる。

ハルナガ京制圧後はヒノマワリ王国の全土奪還はせずにレイフォル州に侵攻する。ヒノマワリ王国の国家機能はハルナガ京がある北部に集中しているらしい。である以上穀倉地帯である南部が何かを出来るとは思えないし態々制圧する利点も少ない。よってそれ以上に重要となるレイフォル州に侵攻する。レイフォル州は衛星写真とムーからの情報提供で詳細な地図が完成している。諸君らはこれらを既に脳内で記憶しているだろうが改めて確認する。レイフォル州を我らは3つの部隊に分けて制圧する。1つは主力となる戦車師団。これは数百両の戦車と2万の歩兵を付けて中央部を横断するように侵攻してもらう。最終到達地点はレイフォリアだ。知っての通りレイフォル州の中心地であり、グラ・バルカス帝国の行政・軍事の全てがここに集中していると言っても過言ではない。ここを落とせればグラ・バルカス帝国がレイフォル州で組織的な軍事行動を起こす事は出来なくなるだろう

次に北部。こちらは歩兵師団のみで侵攻してもらう。君たちの主目標はイルネティア島に向かうための進路の確保だ。敵を殲滅する事でも北部を占領していくことでもないと肝に銘じておいてくれ

最後に南部。こちらは残った師団を全て当てる。正直に言えばここの目標はない。強いて言えば主力部隊の支援程度だ。とは言え支援は支援だ。南を回りつつレイフォリアへの攻撃を行う姿勢を見せてくれ」

 

 ハリーはある程度説明すると一旦間を置いた。そして呼吸を整えてから説明を再開する。

 

「レイフォル州からグラ・バルカス帝国を駆逐した後は最終段階としてパガンダ島とイルネティア島の占領に移る。こちらは制海権を潜水艦隊と第二艦隊が取ってから強襲上陸を仕掛ける。グラ・バルカス帝国軍の主力はレイフォル州にいる。両島に展開する敵兵は四桁に届く程度らしい。航空基地も小規模な物以外は建設されていないらしく、制圧自体はレイフォル州よりも簡単に行えるはずだ。

……この一連の侵攻を我らは3か月程度で終わらせる。それ以上の継戦も可能だがグラ・バルカス帝国相手にそこまで時間はかからないのと武器弾薬の補給が難しいことが理由だ。直ぐに行動し、直ぐに完了させる。グラ・バルカス帝国を第二文明圏からたたき出すのだ。

それがなればグラ・バルカス帝国は一気に追い込まれる形となる。グラ・バルカス帝国がその後にどう動くかは分からないが我々は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を既に立案済みである。それが実行されるかは彼ら次第であるがな

さて、今回の侵攻はその計画の最初の一歩だ。難しい可能性はあるが不可能ではない。グラ・バルカス帝国に文明の力と言うものを教えてやるぞ!」

「「「「「了解!!!!!」」」」」

 

 ハリーの激励にも似た言葉に会議の出席者は全員が答える。ハリーの言う通り、これは本土侵攻前の重要な戦争である。今回の戦争の勝敗でシーランド帝国の動きは多く左右される事になる。絶対に失敗は許されない戦争であった。ハリーは勝てるとは思えども決して慢心・油断しないようにあらゆる事態を想定しつつ、会議を終えて侵攻の準備に入っていくことになる。

 





【挿絵表示】

大雑把ですがシーランド帝国軍の今後の侵攻図です
因みにストックがない事とお盆に入るために投稿が遅れる可能性があります。

グラ・バルカス帝国戦が終わった後の展開に関して(なお、あくまで参考にさせてもらうだけなのでアンケート通りにいくとは限りません)

  • そのまま年代飛ばして魔帝戦
  • ブログ更新を待ちながら原作準拠
  • 書籍版重視して発売まで待つ
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