a.t.s56(皇歴56年)/5/12/1:35 ヒノマワリ王国 バルクルス基地
バルクルス基地にシーランド帝国軍のジェット戦闘機隊が襲来して僅か5分。グラ・バルカス帝国は壊滅状態に陥っていた。先ず、襲来する前に全てのレーダーがつかいものにならなくなった。最初は故障かと思ったが全てのレーダーがいきなり壊れるとは思えない。
基地総司令のガオグゲルは直ぐに原因究明を命じたがそのすぐ後にシーランド帝国の攻撃が始まった。最初に行われた精密爆撃及び、空対地ミサイルの一斉攻撃により、レーダーサイトおよび周辺施設・滑走路で巨大な爆発が起こった。この時点でグラ・バルカス帝国は目視以外の周辺警戒能力及び航空戦力を完全に消失する結果となったがシーランド帝国はそれだけでは終わらないとばかりに次々と爆弾とミサイルを投下していく。僅か10分程でバルクルス基地はシーランド帝国が計画していた以上の損害を受ける結果となった。
「想定より脆いな……。まぁ、構わないだろう。全機に告ぐ。先制ジャブは敵にクリーンヒットした。帰投し、爆装をする。次の獲物は計画通り敵の航空戦力を完全に奪い去る! その時には陸軍も出発しているころだろう。陸に後れを取るなよ!」
『『『『『了解!』』』』』
ジェット戦闘機隊は決められた通りの攻撃を行うとそれ以上はここに用はないとばかりに引き返していく。僅か10分弱の間に行われた攻撃だがグラ・バルカス帝国のバルクルス基地は半壊状態に陥っていた。戦車や武器・弾薬庫は無事だが基地の頭脳と言えるレーダーサイトや司令部は完全に破壊されていた。
この攻撃で総司令のガオグゲルは戦死。その他将校も爆死しており、バルクルス基地は一時的に司令代理を決めるまで混乱状態に陥る事となる。
「畜生! こんな所に留まっていたら全滅するぞ!」
敵の攻撃で破壊された司令部の残骸を片付けながらハウンド戦車の戦車長を務めているモント・セラト軍曹は吐き捨てるように怒鳴った。彼の周りでは部下である戦車の乗員が手伝っているが不吉な事を言うモントに顔を青ざめながら周囲を確認している。
「車長! 滅多なことを言わないでください! 誰かに聞かれでもしたら……!」
「はぁ!? 司令部とレーダーサイトをやられたんたぞ!? つまり頭と目と耳を潰されたんだ! それも敵は損害すら出さずに僅か十分程度で、だ! 俺達は何も出来ずに攻撃された。恐らく最初からレーダーサイトを狙ったんだろうよ。次は戦闘機か、それとも戦車か……。どちらしろもう一度攻撃が来るだろうな。そうなれば今度こそ俺達は壊滅だ」
「そんな馬鹿な……」
「今のを見てなかったのか? とにかくこのままここに居ては死ぬぞ。逃げるか……、いや。降伏するか」
モントは即座にそう決断すると瓦礫の撤去作業を中断して基地の端に向かっていく。乗員たちも慌てて彼の後を追いかけていく。
「車長! どこに行くんですか!? もしかして勝手に基地を出るんじゃ……」
「それしか生き残る道はない。別にお前らも俺の後を追う必要はないぞ。俺は死にたくないからこうして行動しているんだ。本当はもっと上を目指したかったが今の状態じゃ亡国にならないのが精一杯だろうよ」
「グラ・バルカス帝国が、滅びる……」
乗員たちも想像していなかったわけではない。元々レイフォル州には本国からの補給が一切来ていない。それはシーランド帝国による通商破壊が行われているからであり、彼らも潜水艦を持っていたと知る事となったが同時にグラ・バルカス帝国の潜水艦よりも性能が良いために今までに見つけられたことはなかった。にも拘わらずにこちらの補給船は次々と沈められており、更には軍艦にも多大な被害を出していた。
「多分だがクーデターをしてでも領土拡大を狙ったのが間違いだったんだろうよ。グラ・バルカス帝国は終わりだ」
そう言うと混乱状態の内に抜け出そうと警戒が薄くなっている箇所を的確に見極めて外へと脱出した。その後を乗員たちが覚悟を決めた表情でついて行った。
その約1時間後、シーランド帝国のジェット戦闘機隊が再び襲来。無事だった航空機を全て破壊していき、グラ・バルカス帝国の航空戦力を完全に奪い去ると物足りないとばかりに逃げ惑う兵士たちに銃撃を行い再び離脱していった。
二回目の攻撃においてアンタレス戦闘機、シリウス型爆撃機、ベガ型双発爆撃機が全て破壊され、更に兵も数百名が死亡する結果となった。そして、この攻撃が行われた事により、モント達が脱走したと気づく者は誰もおらず、それどころか彼と同じように脱走する兵が多数現れ、最終的に三回目のジェット戦闘機隊による攻撃が行われるまでに脱走者は200人近くまで膨れ上がり、その内半数がシーランド帝国軍に投降する事となる。彼らは国境沿いの町アルーのムー軍に引き渡され、戦後処理までそこで捕虜として生活する事となる。
グラ・バルカス帝国戦が終わった後の展開に関して(なお、あくまで参考にさせてもらうだけなのでアンケート通りにいくとは限りません)
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そのまま年代飛ばして魔帝戦
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ブログ更新を待ちながら原作準拠
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書籍版重視して発売まで待つ