第十三話「新たなる戦争の予感」
a.t.s52(皇歴52年)/9/25/11:35 フェン王国首都アマノキ
今日、フェン王国では5年に1度開催される軍祭が主催している軍事的な祭りが行われる。軍祭は文明圏外の国々は自国の武技や武器を披露しその実力を見せ他国を牽制する役割を持っている。フェン王国としては文明圏の国も招待したいが見せつけるまでもない、蛮族の祭りに参加する意味がない、と一度として参加したことはなかった。
だが、今年の祭りは一際注目度が高まっていた。文明圏外の国々の間では既にパーパルディア皇国を超えると予想されるシーランド帝国が参加するのだから。半年前には参加する事が決定しており今年は今まで参加したことがないような国からも参加国があった。アルタラス王国やシオス王国(シーランド帝国属国)、クワトイネ公国やクイラ王国といった親シーランド帝国の国々が続々と参加する事となった。更に一番の驚きは文明圏の国からも参加する国が出た事である。マール王国とパンドーラ大魔法公国である。しかし、両国ともにパーパルディア皇国の属国であるため非公式の参加となった。
「ふむ、ワイバーンを何度も見ても慣れんな」
軍祭に参加する事となり準備万端でこの日を迎えた第一艦隊の司令長官は上空を飛んでいるワイバーンを見て目を細めている。彼は齢60を超えるがその眼光には鋭く全身からは覇気を噴き出す猛将であった。そんな彼もワイバーンという約10か月前までは空想上の生物だったものに慣れていなかった。ロデニウス沖大殲滅戦では遠距離からの対空ミサイルで封殺したためこうしてみるのは初めてだった。兵の中にはクワトイネ公国で見かける者もいたが本格的に触れ合った人物は誰一人としていない。シーランド帝国領ロウリアは都市の壊滅も相まってすべてのワイバーンが死滅しており一匹も生息していない。あとはシオス王国だが彼の国は属国であるため簡単に訪れることは出来ない。
「し、司令長官!大変です!」
外の景色を眺めていた司令長官は慌てた様子の部下の言葉で現実に引き戻される。
「どうした!」
「右舷上空にいるワイバーンですが、どうやらロウリアやクワトイネ公国で見たワイバーンとは違うようでレーダーを用いています」
「ほう?」
電波を扱う生物に司令長官は驚いた様子であった。詳しく聞けばそれを用いて仲間との通信をしている様であるとの事でそのワイバーン、ガハラ神国の風竜に対し警戒心が生まれ始めていた。
「……帰還後にステルス艦の開発を進言してみるか?いや、まずはステルス戦闘機が先だろうな」
司令長官が帰還後の報告書の内容をまとめていると漸くシーランド帝国の番となった。
シーランド帝国が行うのはまず艦隊による廃船への攻撃。そのあとに陸での模擬戦であった。とはいえシーランド帝国は艦隊で参加する事となったため本来予定されていた廃船4隻に加えて海に浮かばせたそれなりに大きい漂流物を10個用意することとなった。
第一艦隊の戦艦の主砲が廃船とその付近の漂流物へと狙いを定めた。瞬間、40㎝オーバーの主砲より弾がはじき出され寸分たがわずに廃船へと命中した。命中した弾は材木を破壊しながら船の奥深くへと進みそのあとを送れてやってきた衝撃波が広げていく。やがて一番下まで来た弾はそこで止まったが瞬間巨大な爆発が起こり弾が当たっただけで沈みかけている廃船を吹き飛ばした。それが4つ同時に起こりあっという間に廃船は無くなった。
その事実に驚く各国の武官をよそに次の攻撃が開始される。吐き出されたばかりの主砲より第二の砲撃が行われたのである。しかし今度のは先ほどとは違い対地用に作られた特殊弾で一定の地点に達すると表面がはがれ中に内蔵された爆弾が周囲に落下。広範囲を吹き飛ばすというものだった。それを海面で行えばどうなるか?
漂流物が浮かぶ周辺ごと爆発が起こり水柱すら立つことなく周囲を吹き飛ばした。勿論漂流物は一瞬で吹き飛び後に残ったのは荒れる水面だけだった。
先程の通常弾と今回の特殊弾の威力に各国の武官はシーランド帝国の力を思い知る。それは軍祭を主催したフェン王国も同じであり特に剣王シハンの衝撃はすさまじかった。シーランド帝国が初めて訪れた際、シハンは少し横暴とも言える態度で力を見せてほしいといった。もし、あの場であれ以上の態度を取っていたらあの砲撃を受けていたのは廃船や漂流物ではなくアマノキだったかもしれない。シハンは自分の軽率さに体中から熱が消える感覚に陥った。一歩間違えればフェン王国の滅亡に繋がっていたかもしれない事はシハンにシーランド帝国への恐怖を植え付けた。今後、彼はシーランド帝国の要望を断ることは出来ないだろう。例え無理な要望もそれを承知で快諾してしまう。そんな未来が思い浮かんだがそれも仕方のない事だった。この場においてシーランド帝国に恐怖を持つ者はいても敵対しようと思う者は誰一人としていない。神星ミリシアル帝国とシーランド帝国、どちらかと戦争をせよと言われれば迷わずに神星ミリシアル帝国に戦争を吹っ掛けるだろう。
こうしてシーランド帝国は海軍のみで参加国に対して自国の力を見せつける事に成功した。しかし、シーランド帝国の力を見る機会はまだ終わっていない。
『西方よりワイバーン多数接近中』
フェン王国
軍祭でシーランド帝国の力を見て恐怖と畏怖を刻み込まれる。以後自ら尻尾を振りシーランド帝国の力を恐れ媚びを売るようになる。……哀れ。
ガハラ神国
なんとシーランド帝国とは今回初めての交流。ガハラ神国の風竜は現代国家にとっては警戒させるに十分だった。きっとシーランド帝国から物凄い圧力とかかけられると思うけど強く生きて!
マール王国、パンドーラ大魔法公国
パーパルディア皇国の属国。原作だとあまり出てこない影の薄い国達(おい
シオス王国の一件を聞きシーランド帝国の力を見たくて非公式に参加。結果パーパルディア皇国よりもヤバい(技術が)国として認知されるようになる。パーパルディア皇国を倒してほしいと密かに願う(その場合属国という事で併合か属国化のどちらかになるかも……)。
アルタラス王国
シーランド帝国が参加するという事で初参加(オリジナル設定)
結果シーランド帝国の実力を目の当たりにする。シーランド帝国と敵対したくない理由が追加されることとなった。
……因みに、今回非公式にとある王女様が参加し某帝国の皇族兼外交官と軍祭そっちのけで逢引きをしていたという目撃情報が多数寄せられたとか寄せられてないとか。
アルタラス王国の未来は安泰?
ルミエスの今後は?
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アーロンに嫁入り(アルタラス王国併合√)
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アーロンが婿入り(アルタラス国王戴冠√)
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アーロンの戦死(復讐のルミエス√)
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作者の思い描くままに