シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第十四話「偶発的な対空戦闘」

「司令長官!西よりワイバーン多数接近中!」

「西?確かパーパルディア皇国があったな。彼の国も招待されている……わけではあるまい」

 

司令長官はパーパルディア皇国の情報を思い出し即座に自分の言葉を否定する。

パーパルディア皇国。それは第三文明圏の盟主であると同時に列強第四位に君臨する大国。5つの文明国と67の文明圏外国を属領としているまごう事なき侵略国家。人口は7000万を超えワイバーンを超えるワイバーンロードを多数配備しているという。その為文明圏外国はその力を恐れているという。

やがてワイバーンの姿が司令長官が乗艦している原子力空母からも視認できる距離まで来た。その姿を見た司令長官は部下に対し何時でも攻撃できる準備をさせる。

そしてワイバーンは二つの隊に分かれ一つはフェン王国の王城の最上階に炎を放った。直撃した王城は勢いよく燃え始める。明らかな敵対行動を前に司令長官の決断は早かった。

 

「対空戦闘用意。目標、所属不明ワイバーン22騎」

「はっ!対空戦闘用意!」

「敵の半数がこちらに向かってきます!」

 

司令長官の淡々とした言葉に部下たちは慌てることなく標準を合わせる。最初に対象となるのはこちらに向かってきている11騎のワイバーンであった。

司令長官の乗艦する原子力空母を守るように輪形陣を描いていた各艦艇より艦対空ミサイルが発射された。各目標に2発という生存を決して許さないその徹底ぶりにワイバーンたちは次々と撃ち落とされる。必死に旋回し逃げようとするがピッタリと後ろに張り付き自分たちの何倍もの速度で迫って来るミサイルに恐怖を覚え一瞬の激痛とともにその命を刈り取っていく。既に王都上空は肉塊となり空に絵を描いたワイバーン達で彩られていた。その姿はロデニウス沖大殲滅戦で湾岸都市の人々が見た光景にそっくりであった。ただ、今回は前回と違い見上げる人々は絶望せずただ茫然とその姿を見ている事だ。

司令長官たちは気づいていなかったがこの時フェン王国にやってきたのはワイバーンではなくその上位種であるワイバーンロードであった。攻撃力や防御力こそ通常のワイバーンと変わらないがその速度は大幅に上昇しており第三文明圏及びその付近の文明圏外国では最強の存在と恐れられていた。

そのワイバーンロードが呆気なく撃ち落とされていく。軍祭に参加していた各国の武官たちはワイバーンロードを簡単に落とすシーランド帝国に恐怖と同時に希望を持つこととなった。

一方、生き残ったワイバーンロード11騎は絶望していた。何せ今同輩たちが呆気なく撃墜されたのだから。彼らには撤退するという道もあった。司令長官はまだ第二派の攻撃を許可していないためこのまま逃げれば確実に生き残ることができた。更に目的であるフェン王国への懲罰行動は完了していたのだから逃げても問題なかった。しかし、その場合撃墜された11騎の事でいろいろと言われるのは確実で最悪の場合敵前逃亡と取られる可能性もあった。

その為、彼らが取ったのは攻撃の道だった。目の前の大型艦を沈めてこそ11騎が撃墜されたことによる失態をカバー出来る。そう考えた彼らは無謀な突撃を開始した。

 

「敵ワイバーン、接近してきます」

「撃ち落とせ」

 

決死の覚悟で挑むワイバーンロード部隊に非常にも先ほどと同じ艦対空ミサイルが襲い掛かる。1騎、3騎、6騎と撃ち落とされていく。彼らも先ほどの11騎と同じく空中に血花火をつくるだけだった。

そんな中竜騎士レクマイアは雄たけびを上げながら原子力空母に突撃を開始する。レクマイアはこの空母を見たとき敵にもワイバーンを海上運用できる力があるのかと驚いていた。最も、敵のワイバーンが出てくるまでもなく仲間たちは撃墜され王都やその近くの海上に消えていった。絶望的なこの状況にレクマイアは諦めなかった。彼はただひたすらに、一直線に原子力空母へと迫る。途中ミサイルとすれ違うがそんな事はお構いなしに原子力空母のみを視線にいれる。相棒のワイバーンロードもそれに答えるように導力火炎弾の発射準備を行う。

そしてついに導力火炎弾の射程圏内まで近づくことに成功した。レクマイアは発射の指示を出そうとしたが瞬間原子力空母より放たれた光の球を体中に受け意識を失う事となった。相棒のワイバーンロードも光の球、シーランド帝国が開発したファランクスによって体中に風穴を開け原子力空母の近くに落ちていった。

艦橋からもはっきりと敵の姿が見えるほど接近したワイバーンロードを見た司令長官は、

 

「目標撃墜しました」

「うむ、状況終了。戦闘態勢を解除せよ」

 

何時もと変わらず淡々としていた。レクマイアの必死な突撃は司令長官以下シーランド帝国の主力艦隊を脅かす力は全くと言ってなかったのである。レクマイアの攻撃は「敵の残党がこちらの攻撃圏にゆっくりと入ってきた」程度の認識であり音速の(戦闘機)との戦いを想定する彼らにとって時速300程度のワイバーンはアリ一匹が視認している人間に挑むようなものであった。

パーパルディア皇国のワイバーンロードを危なげもなく降したシーランド帝国の実力に軍祭の参加者たちは直ぐに繋ぎを取ることとなるのだった。

 




シーランド帝国
軍祭に参加したら空飛ぶトカゲ(ワイバーンロード)に絡まれた。落としたら各国の見る目は変わった。いまだに保有する知識に偏りがある(ワイバーンとロードの区別どころかロードの存在すら知らない)。一体何時になったらこの状況を打破出来るのか(出来ないだろうなぁ……)

フェン王国
シーランド帝国に恐怖した上にパ皇に城燃やされて踏んだり蹴ったりな状況。場所が自国の為墜落したワイバーンロードと騎乗主の死体の片づけをする羽目に。誰か手伝ってくれよ……

パーパルディア皇国
生意気なフェン王国に懲罰してやる!と息巻いてワイバーンロードを送ったら全滅した()。キレたから艦隊連れてフェン王国焼きに行くめう

軍祭に参加したその他大勢の人々()
空の王者の呆気ない撃墜にワイバーンの限界とシーランド帝国の力を見せつけられることに。でもワイバーン以外の航空戦力なんてないのでもうしばらくはワイバーンを配備する予定
そして某王女と某外交官はその間も逢引きをしていたらしい()。リア充爆発しろ

ルミエスの今後は?

  • アーロンに嫁入り(アルタラス王国併合√)
  • アーロンが婿入り(アルタラス国王戴冠√)
  • アーロンの戦死(復讐のルミエス√)
  • 作者の思い描くままに
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