シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第二十一話「前哨戦4~反乱~」

a.t.s52(皇歴52年)/11/16/12:14 フェン王国ニシノミヤコ

シーランド帝国皇太子妃グィネヴィア・ロバーツ・ペンドラゴンはこの地にて歓待を受けていた。ニシノミヤコには西部に多大な影響力を持つテオリが事前に歓迎の準備を行っておりグィネヴィアが到着したころにはニシノミヤコ総出での大歓迎となったのだ。

グィネヴィアは馬車の窓から手を振り歓迎してくれている民衆に返した。元々ウィリアムと同じ大学に通っていた事から知り合っただけの平民だった彼女にとって皇太子妃としての公務は精神的な疲労を感じさせるものだったが決して表には出すことはなかった。その為きっちりとした所から嫁を取ろうと考えていたライオネスすら認めさせ慣れない公務をきっちりとこなす彼女への好感度は高かった。

そんな彼女は入城するまで終始手を振り続けシーランド帝国の皇太子妃の存在をニシノミヤコの人々に刻み込むことに成功するのだった。

 

「グィネヴィア様。今回接待をさせていただきますテオリと申します。滞在予定の3日間を楽しく過ごせるように誠心誠意務めさせていただきます」

「テオリさん、そこまで下出に出る必要はありませんよ」

 

グィネヴィアは態度が低いテオリに対してそう言った。元平民だった彼女にとってこういう低姿勢でいられるのは少し辛いものがあった。その為余ほど公的な場でもない限りそう言う事は遠慮してもらっていた。

 

「……分かりました。それと食事の準備は既に完了しています。こちらになります」

 

テオリはグィネヴィアの言葉を受けて異常とも言える低姿勢を止めた。そして彼女を案内すべく自らが先頭に立って歩き始める。

向かう途中、テオリはふと思い出したようにグィネヴィアに話しかけた。

 

「それはそうとグィネヴィア様」

「どうかしましたか?」

「貴方様は戦争というものをどのように感じていますか?」

「戦争、ですか?」

「はい。ご存じかもしれませんが現在フェン王国はパーパルディア皇国との戦争になる可能性があります。ここニシノミヤコでも城主ゴタン殿の指揮の下戦争の準備を行っています。パーパルディア皇国はアルタラス王国に侵攻するようなのでこちらはそのあとになるでしょうが国力差を考えれば滅亡までの時期が延びたに過ぎません」

「……パーパルディア皇国に関してはこちらも把握しています。夫であるウィリアムも今回の招待状には難色を示すほどですので」

「ウィリアム様はとても慈悲深いと聞きます。民を大事にし相手の国にも配慮するとか」

「はい、あの人は……。とても素晴らしい人です」

 

そう言ったグィネヴィアの頬は少し赤くなっていた。ウィリアムが語っていた世界の平和を目指す心にグィネヴィアは惚れいばらの道であろう妃という道を選びウィリアムと共に歩んでいくと決めたのだから。

そんなグィネヴィアにテオリは納得したような顔をしとある扉の前で止まった。

 

「成程、ウィリアム様は素晴らしいお方の様ですね。……もう少し話を聞きたかったのですがそれはまたの機会に。こちらが目的の場所にございます」

 

そう言ってテオリは扉を開けグィネヴィアに入るように促した。グィネヴィアはその部屋に入り、漠然とした。

部屋は中央にテーブルが置かれ十人分ほどの椅子が並べてあったが肝心の食事どころか食器さえ用意されていなかった。料理がないのは納得できるが食器さえないのは不自然だった。

 

「テオリ殿?部屋を間違えたのではないですか?」

「……いえ、あっていますよ。グィネヴィア様」

 

テオリはそう言うと扉の裏手に隠されていた剣を手に取りグィネヴィアの首に突き付けた。突然の事にシーランド帝国から共に来た護衛の兵士が驚きテオリを取り押さえようと動こうとしたがそれをフェン王国の兵士が抑え込み地面に組み伏せた。更に奥の扉から武装した兵が入ってきてグィネヴィアとその護衛に槍を突き付けた。グィネヴィアは漸く事実を悟り険しい顔になる。

 

「……貴方の新しい主君はパーパルディア皇国ですか?」

「流石はウィリアム様のお妃といった所ですか?その通りです。あなたにはシーランド帝国を降すための贄となっていただきます」

「……私をどうしようとパーパルディア皇国が勝てるとは思えません」

「分かりませんよ?貴国は素晴らしい技術を持っている様ですがパーパルディア皇国に勝てるとは思えません。それに慈悲深いウィリアム様ならグィネヴィア様の事を考え国を明け渡してくれるかもしれませんよ?」

「ありませんよ。ウィリアムが例え国を売ろうともその周りの者たちが許しません」

 

現状ウィリアムは代理で皇帝の政務を行っている皇太子に過ぎない。皇帝も健在なこの状況で国を売ることなど出来るはずがなかったがテオリにはうまく伝わっていなかったようだ。

そうしていると城のあちこちからざわめきが聞こえてくる。その喧騒を聞いたテオリは口角を上げた。

 

「始まったようですね」

「……成程。全て計算の内、という事ですか」

「ええ、その通りですよ。まもなく上陸してくるパーパルディア皇国の監査軍と合流します。そしてその後は監査軍に貴方を引き渡すことで私の任務は完了します。ですのでそれまでは無駄な抵抗はなされないように」

「……」

 

数分後、突如西岸部に現れた監査軍は砲撃と上陸を同時に行い混乱するニシノミヤコを陥落させた。更にグィネヴィア・ロバーツ・ペンドラゴン以下100人以上のシーランド帝国人(ブリテン人)を捕虜とする事にパーパルディア皇国は成功した、成功してしまった(・・・・・・・・)のであった。

 




原作では1000人以上の日本人が滞在していたニシノミヤコですがこの世界ではパーパルディア皇国に近いという事もあり観光客はそこまで多くありません(原作の観光客の多さは戦争に巻き込まれないと思っていた、日本と雰囲気が似ている、治安が良かったなどが重なった結果だった)。むしろシーランド帝国人の引き上げを開始しようとしていました。ニシノミヤコにいたシーランド帝国人は戦争になる前に思い出を作ろうとしていた者達です(時期的にパーパルディア皇国がフェン王国に侵攻する可能性が低かったため)。

テオリという名前はとある神様を裏切った人物からもじりました。名前の響きが丁度良かったので

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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