シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第二十四話「殲滅1~フェン王国~」

a.t.s52(皇歴52年)/11/29/15:30 ムー 某所

第二文明圏の盟主であり列強第2位に君臨するムーは元々この世界の住人ではない。一万年以上前にこの地に転移した国家であり大陸全土を統治していたが相次ぐ異民族の侵入で北東部を支配するのみだった。しかし、機械文明を発展させ列強第2位というのは紛れもない事実であり今では遥か彼方の第三文明圏にすらその権威が伝わっている程だった。

そんなムーではパーパルディア皇国とシーランド帝国の戦争でどちらに観戦武官を派遣するかを議論していたがこれはあっさりと決まった。

 

「パーパルディア皇国に観戦武官を送るなどあり得ないな」

 

一人の男の言葉に周囲の人間は頷く。彼らはシーランド帝国の実力を把握していた。何せ初めて接触した時にその技術力を見せつけられたのだから。もしシーランド帝国がグラ・バルカス帝国の様に見境なく侵略する国家だったのならムーに勝ち目はなかったが同郷と分かってからシーランド帝国でムーの人気が上がっていた。その為ムーにはシーランド帝国の製品が数多く流れて来る事になりそのどれもが技術力の高い物ばかりであった。結果ムーでは国民に至るまで「自分たちより進んだ技術を持つ同郷」という事実が広まっていた。

そんな訳で自分たちにすら勝てないパーパルディア皇国がシーランド帝国に勝てるとは思えない上に皇太子妃の殺害の件もありパーパルディア皇国が何処まで残るのかを賭けるものまで現れる程だ。

 

「最悪、パーパルディア皇国は影も形も残されない可能性がある。何せ総司令には皇太子殿下が就くそうだ」

「となるとパーパルディア皇国は良くて滅亡、悪ければ民族浄化か?」

「属領や属国も被害を受けそうだな。パーパルディア皇国の大使館は撤収させるか?」

「その方が良い。パーパルディア皇国に滞在しているすべての者に避難するように通告しなければな」

 

その後も議論は続いたがシーランド帝国の勝利という予想は一度も覆ることはなかった。

その翌日、技術士官マイラスと戦術士官ラッサンはシーランド帝国に向けて旅立った。そして彼らの目にした光景は後のムーにとって重要な役目を果たしていくこととなる。

 

 

 

 

a.t.s52(皇歴52年)/11/29/10:24 フェン王国アマノキ

フェン王国はパーパルディア皇国の突然の侵攻により混乱していた。元々攻めてくると予想はされていたがあまりにも早い襲来でありニシノミヤコはテオリの反乱もあり僅か数時間で陥落し橋頭堡の確保を許してしまった。その後も満足に戦う事は出来ずに少しづつ、だが確実にアマノキに近づきつつあった。そんな中遂にシーランド帝国から救援部隊が到着したのである。

 

「初めましてシハン殿。フェン王国救援軍総司令コーディ・アレン・ペンドラゴンです」

 

そう言って少年、いや少年に見える青年は挨拶をする。何処か瞳に闇を見せる彼はニコニコと人当たりのよさそうな笑みを浮かべていた。

 

「うむ、此度の救援感謝する」

「礼には及びませんよ。僕としても怒りの矛先を向ける相手が欲しかったので」

 

そう言って笑うコーディの瞳に怒りが灯っていた。コーディにとってグィネヴィアは少し年上の姉的存在であった。中学時代の一件で女性不信となっていた彼は新生ブラジル帝国より嫁いできたアリシア・ランペルツ・ブラサンガとの接し方が分からず途方に暮れていたところを助けてもらったことがあった。その時はグィネヴィアにも女性不信をいかんなく発揮したが彼女は全く態度を変えずに接し続けコーディの信頼を勝ち取ったのだった。

そんな訳でコーディはグィネヴィアを殺したパーパルディア皇国に怒りを持っておりその怒りはウィリアムに匹敵する程だ。しかし、彼はまだ19歳であり戦場に出向く事など出来なかった。しかし、ウィリアムの進言でフェン王国救援軍の総司令に就任し怒りを向ける先が用意されたのだ。

 

「これからわが軍はフェン王国西部を占領するパーパルディア皇国軍を殲滅します。シハン殿、宜しいですね?」

「無論だ。好きにやってくれて構わない」

「分かりました。それと反乱を起こしたテオリという奴はこちらでもらい受けます。よろしいですね?」

「我が国の裏切り者故にこちらで処刑したいが……、仕方ないだろう」

 

シハンとしてはこんな事でシーランド帝国との関係を悪化させたくはないため受け入れた。シハンもグィネヴィア捕縛の原因を作ったテオリの身柄を要求することは分かっていたし理解も納得も出来たため特に反感する意味がなかったことも要因だが。

 

「安心してください。フェン王国にいるパーパルディア皇国人は誰一人として生きて返しませんよ。フェン王国に来たこと、シーランド帝国を怒らせたことを後悔させますよ」

 

コーディの言葉通りシーランド帝国軍はフェン王国にいるパーパルディア皇国監査軍を殲滅した。生存者は一人もおらずシーランド帝国の怒りを如実に表していた。途中、降伏したいものが続出したが一切受け入れずにみなごろしにされアマノキからニシノミヤコにかけて血の通り道が出来た。フェン王国の人々はシーランド帝国の力を改めて思い知ると同時にその怒りに触れたパーパルディア皇国を自業自得と考えるようになった。

 

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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