シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第2章の名前を変更しました。まぁ、前編と付けただけですが


第二十五話「殲滅2~アルタラス王国~」

a.t.s52(皇歴52年)/11/29/12:45 シオス王国臨時王都ケサ

ルミエスは視認できない遠くに存在する故郷の方角を見て思いをはせていた。ルミエスはこれから自らを総司令とするアルタラス解放軍とともにアルタラス王国へと向けて出兵する。ルミエス自身に指揮能力は存在しないためお飾りではあるがそれでも占領されている国の王女が軍勢を率いて故郷を取り戻しに行くというのは内外的に多大なアピールが出来る。実際、アルタラス島でレジスタンス活動をしている元王国第一騎士団長ライアルとの接触に成功しその士気を上げていた。アルタラス島では大小様々な抵抗活動が起き始めておりパーパルディア皇国の動きをある程度制限し始めているとの事だった。

 

「お父様、必ず国を取り戻します……っ!」

 

ルミエスが誓いを立てていると上空を轟音とともに爆撃機が通過する。解放軍に先駆けて出陣する彼ら爆撃機隊はパーパルディア皇国の重要施設への爆撃を行った後挑発と視線を逸らすことを目的として低空飛行を行う事になっている。それで墜落しては元も子もないので安全マージンは確保したうえでの行動である。その後にシーランド帝国の艦隊が海上戦力を一掃しアルタラス島に上陸、陸上戦力の殲滅を行う事となっている。ルミエスは一番最後、陸上戦力の大半を殲滅もしくは完全開放後に上陸する予定だ。流石に王族の中で唯一の生存者であるルミエスを戦地に送ることは避けたかった。その為ルミエスのやることは開放したことの宣言などのプロパガンダ的行動がほとんどで作戦実行中はやることはなかった。

 

「姫様、そろそろ時間です」

 

と、ルミエスに付いてきた上級騎士リルセイドが呼びに来た。リルセイドはシーランド帝国の軍服を着用しておりリルセイドの凛とした容姿を際立たせていた。実際、シーランド帝国の軍人だけではなくシオス王国の国民などから熱い視線を向けられることが多かった。因みに、熱い視線を送っていたのはほとんどが女性であるが完全なる余談である。

ルミエスはアルタラス王国の民族衣装を身にまとっているためこの場ではかなり浮いていたが今のルミエスは気にしていなかった。

 

「分かりました。向かいましょう」

「……姫様、無用な心配かもしれませんがアルタラス王国は今後どうなるのでしょうか……。最悪「リルセイド」っ!申し訳ありません」

「貴方が心配する気持ちは分かります。……シーランド帝国の一部になる可能性についても考えなかったわけではありません。ですがパーパルディア皇国に比べてシーランド帝国との関係は良好です。ロウリア王国やシオス王国、そしてこれからそうなるであろうパーパルディア皇国に比べれば随分とマシです」

 

ルミエスがシーランド帝国に亡命してからずっと頭の中を離れない属国化や併合するというシーランド帝国の行動。その可能性は十分ある。とはいえそれでシーランド帝国が酷使するという事はないというのはこれまでの事から分かっている。ルミエスは以前参加したブリテン島での宴の際に皇族の一人が言っていた血筋の事を思いだす。シーランド帝国の皇帝は今で二代目。初代は元々平民(イギリス時代の大貴族と友人関係はあったが)の為血筋という面で見ると論外であった。シーランド帝国はその血筋の薄さを他国の王族との婚姻関係を結ぶことで解消しようとする傾向にありルミエスが知らない事だが新生ブラジル帝国や神聖アメリゴ連合帝国、ブランデンブルグ帝国といった国々との婚姻を結んでいた。

それはこの世界でも行っておりルミエス自身とアーロン・フェニックス・ペンドラゴンの婚約はまさにそれだった。ターラ14世という名前から分かる血筋の長さはシーランド帝国から見れば婚約してその血を取り込む対象としてふさわしかった。シーランド帝国は知らないことだがアルタラス王国はかつて魔王と呼ばれる存在に滅ぼされた国の末裔でありその血統は(いろいろとあるが)十分魅力的なものであった。

そんな訳でアルタラス王国に対してひどい仕打ちをする事はないだろうし後はアルタラス王国の民の反応だが今回の一件やルミエスとアーロンの結婚が無事に済めば主だって反対する者は現れないだろうと予測していた。

以上の理由からルミエスにとってみればアルタラス王国が併合しようが独立国家として再建できようが心配はしていなかった。むしろ独立国家として歩む方が大変かもしれないとすら思うほどだ。リルセイドやアーロンに言ったことはないがブリテン島の洗練された技術や文化に少しだが触れたルミエスはもっと見てみたいという好奇心が生まれていた。その感情はアルタラス王国を取り戻すという思いで封じ込めているがいずれ爆発するであろうことは予測ができた。だが、この場においてそれらは完全なる余談であり現在起きている戦争には全く関係のない話であった。

 

 

 

翌日、制空制海権を失ったパーパルディア皇国に対し止めを刺すべくアルタラス解放軍が上陸を開始した。それに呼応するようにレジスタンス組織が一斉に蜂起。パーパルディア皇国軍の混乱を作りシーランド帝国の助力をこなし見事アルタラス王国の開放に一役買う事に成功した。更にその翌日、ルミエスはアルタラス島に上陸しアルタラス王国の独立を宣言した。ルミエスを出迎えた民たちはこれに雄たけびを持って返した。パーパルディア皇国軍が完全にアルタラス島より消えたのは更に3日後の12月4日の事だった。アルタラス統治機構は僅か二週間ほどで消滅しその間にいろいろな事を行ったせいで職員の大半が無残な死に方をしていくのだった。

 

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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