a.t.s52(皇歴52年)/12/1/14:00 クワトイネ公国マイハーク
ここマイハークでは大東洋諸国会議が開催されていた。これは何か大きな出来事が起きた場合に開催されるもので今回は話題がたくさんあった。因みに参加国の殆どが文明圏外国の為会議の存在意義を見出せず文明圏の国は軒並み不参加となっている。それによって本音を打ち明けられるという国際会議としては珍しい場でもあった。
「これより大東洋諸国会議を開催します」
そう言ったのはクワトイネ公国の進行役である。今回の会議はクワトイネ公国が主催しているため彼は議長役も行っている。
そして各国の代表には予め今回の議題である国、シーランド帝国の大まかな事が記載されていた。
要約すると以下の通りになる。
〇シーランド帝国は大東洋に突如として現れた新興国家である。本人たちはこの世界に突如として転移したと申し立てている。しかし、国家単位の転移は神話に記述があるのみで、歴史上の実例は無い。
〇シーランド帝国との最初の接触はクワトイネ公国にシーランド帝国の鉄竜が侵入したことによる。
〇シーランド帝国は皇太子ウィリアムの提案によりクワトイネ公国との国交樹立を求めこれに成功している。
〇クワトイネ公国とロウリア王国の関係を知ったシーランド帝国は接触から僅か1カ月後にロウリア王国に侵攻。僅か3日で全土を占領する。
〇シーランド帝国の侵攻の理由は自国の腕試しと思われる。
〇シーランド帝国の本質はパーパルディア皇国に似ているがパーパルディア皇国の様に無理難題を押し付けられた国は存在しないがシオス王国の様に属国にされた国もある。
〇一方でアルタラス王国の様に友好関係を結んでいる例もある。
〇フェン王国の軍祭に参加したシーランド帝国の艦隊がパーパルディア皇国のワイバーンロード部隊を短時間で全滅させる。その後同艦隊はフェン王国に接近中だった監査軍を一隻を残し全て撃沈した。
「これがシーランド帝国に関してです」
「この会議に参加している国の大半は未だ国交を結べていないだろうが認識で共通しているのは『シーランド帝国はとてつもない力を持った国だ』ということじゃ」
クワトイネ公国のハンキ将軍が進行役の言葉に付け加えた。
「各国の認識をお願いしたい」
進行役がそう促すとマオ王国の代表が挙手した。
「我が国はシーランド帝国と国交はないが、彼の国を危険な存在とみなしている。何故ならばシオス王国の様に気に食わない国は滅ぼしているからだ。いつ、何がきっかけでこの力が自分たちに降りかかってくるかが全く持って不明である。非常に危険だ」
マオ王国の意見はシーランド帝国をよく知らない国としては一般的な意見である。シオス王国の事を知らない国からすれば『気に食わないシオス王国を滅ぼした』と言われても仕方がない行動だった。最も、国交を結ぶために艦隊を連れて空砲で脅すような真似をする行為を見て怒らない方が珍しいとは思うが。
マオ王国の意見に続くようにトーパ王国の代表が挙手する。
「トーパ王国です。我が国としてはシーランド帝国に関しては脅威とみなしているがうまく付き合えば利がある国と思っています。我が国は彼の国と国交を結んでいます。その結果彼らはトーパ王国を訪れる自国民の為に格安で港や空港の整備を提案してきました。結果、我が国はこれまで以上に発展しています。パーパルディア皇国の様に奴隷を献上せよとも言ってこない、領土を寄越せとも言ってきていません」
「アワン王国です。我が国もシーランド帝国と国交を結んでいますがあまり関わらないという選択肢はまずいと思っています。我が国の外交使節団がシーランド帝国の本土であるブリテン島に行きました。……パーパルディア皇国のエストシラントですらシーランド帝国の地方都市の方が上だったそうです。それに最近ではフェン王国とアルタラス王国を開放したそうですよ。どちらも攻撃を仕掛けて3日以内に。パーパルディア皇国との戦争ですらその程度の時間しかかからずに殲滅できるのです。関わらない選択肢を取ってはシーランド帝国からどのような要求をされるのか分かりません」
トーパ王国は積極的擁護派、アワン王国は諦めの入った擁護派といった感じであった。ほかの国々も大体似たような感じであったがトーパ王国のような積極的な擁護派はほとんどいなかった。あのクワトイネ公国でさえアワン王国のような状態であった。
「……どちらにしろ、結局はシーランド帝国の機嫌次第という事になりますな」
「ですが聞いたところ皇太子は現皇帝と違い他国との協調、友好を大切にする方と聞いていますが」
「分からないぞ。なんでもパーパルディア皇国に妃を殺されたらしい。民にも慕われる妃だったらしくその怒りは相当なものだと聞いているぞ。……パーパルディア皇国との戦争でも自ら指揮を執るほどらしいからな」
「パーパルディア皇国、か。つくづくあの国は余計な事しかしないな!」
結局、会議はその後も続いたが以下の内容のみ決定する事となった。
〇シーランド帝国とは
〇シーランド帝国との関りを持ちつつシーランド=パーパルディア戦争の様子をうかがう
参加国の国力を合わせてもロウリア王国以下の力しかない参加国はこれ以上の事を出来なかった。それでもシーランド帝国の方がパーパルディア皇国より脅威であるという認識は各国に広まり、戦後自分たちの行いは正しかったと安堵する事となる。
クワトイネ公国
シーランド帝国と最初に接触した国だが食料は自国(植民地含めて)で補えるシーランド帝国にとって国交を最初に結んだ国という印象以外は存在しない。とはいえシーランド帝国の実力は中枢近くまで見ることとなったルミエスの次に認識しているため今回の諸国会議はむやみにシーランド帝国と敵対させないようにするという意味合いもあった(シーランド帝国の方から敵対した場合は考えていない)。現状維持かもっと交流するか、離れるかで毎日の様に議論がされているらしい。
アワン王国
メタいが影が薄い国(今回の話をつくるまで存在そのものを忘れていた)。一方でシーランド帝国とは早い段階で国交を結んでおりトーパ王国より距離が近いという事で詳細な情報を入手しているためシーランド帝国の力を完全に把握しているわけではないがパーパルディア皇国より上であるという認識は持っている。
トーパ王国
この世界で数少ないシーランド帝国との友好関係を築けた国。国内はシーランド帝国による大規模なインフラ整備で発展しておりパーパルディア皇国よりシーランド帝国に付くと現時点で考えている国でもある。シーランド帝国の認識ではアルタラス王国の次に良好な感性を築けている国で最近では北部にある世界の扉を目的とした観光客が増えている。
12月1日時点でトーパ王国に滞在中の観光客は1000を超えている(パーパルディア皇国の侵攻の可能性はほとんどない為旅行先として人気が出ている)。
この後とある出来事に巻き込まれることになるらしい。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了