シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第二十八話「古の魔王2~戦線崩壊~」

a.t.s52(皇歴52年)/12/5/13:01 トーパ王国城塞都市トルメス

ガイとモアは魔物の襲来を受けて二人は城壁を離れ城塞都市トルメスに来ていた。トルメスでは既に非常招集をかけており魔王軍に対抗するべく準備中であった。

2人は直ぐに守備隊長のいる緊急本部に通された。

 

「現状を報告せよ!」

「はっ!今日の午前にてグラメウス大陸方向より魔物が地を埋め尽くす勢いで侵攻!ゴブリン及びロード、オークを多数引き連れて王立古文書に記載された伝説の魔獣、レッドオーガとブルーオーガを各1体を確認しました!」

「レッドオーガとブルーオーガか。となるとそれらを従えている魔王もいるはずだがどうだ?」

「それが……、魔王の姿はなくレッドオーガとブルーオーガが指揮を執っているように見えました」

「ふむ……、魔王がいないのは不自然だがだからと言って何の気休めにもならないな。通信兵!王に緊急魔信!『伝説のレッドオーガとブルーオーガが魔物を引き連れて襲撃をかけてきた!魔王復活の可能性大!国軍を全力投入する必要あり!』と送れ!」

「はい!」

 

1人の通信兵が返事をするが直ぐに別の通信兵がこえを上げる。

 

「しゅ、守備隊長!」

「何事だ!」

「世界の扉が突破されました……。城壁常備兵は全滅です」

 

その報告はまさに凶報だった。

 

 

 

a.t.s52(皇歴52年)/12/5/14:01 トーパ王国王都ベルンゲン

「何という事だ……」

 

王都ベルンゲンの北部に位置する王城ニーベル城にて国王ラドスは頭を抱えていた。その周りにはトーパ王国の重臣がおり彼らも深刻な顔で頭を抱えている。

彼らには魔王軍(レッドオーガとブルーオーガの存在によりそう呼称された)の襲来と世界の扉を突破されたことは既に伝えられている。城塞都市トルメスは魔王軍に包囲され猛烈な攻勢を受けているという。それを受けて1万5千の軍勢が王都を出発していたが魔王軍は2万を超えておりとてもではないが倒せるとは言えない数だった。

 

「本当に魔王が復活したのか?魔王の姿は見えなかったというが……」

「ほぼ事実でしょう。でなければこんな大攻勢を魔物が行えるはずがありません」

「それに魔王の配下であったレッドオーガとブルーオーガがいる事から魔王が関わっている事は事実でしょう」

 

ラドスのそうであって欲しいという願いは理論的に否定された。トーパ王国単体では絶対と言っていい程勝てない相手の登場にここにいる全員が頭を抱えるが彼らは二つ忘れていることがあった。

 

一つは城塞都市トルメスと世界の扉には()()()()の観光客が大勢いるという事。

もう一つはその国は現在軍事行動中であり何時でも軍を動かせる状態にあり加えてトーパ王国に駐留中であること。

 

『お、お待ちください!現在陛下以下重臣の方々が会議中で……!』

 

頭を抱える国王の耳に廊下より慌てた声が聞こえてきた。その声は段々と大きくなり遂に扉が勢いよく開かれた。

突然の事に誰もが驚き扉の方を見る。そこには軍服に身を包み真剣な表情をしている()()()()()()()の将校の姿があった。

 

 

 

a.t.s52(皇歴52年)/12/4/21:23 トーパ王国王都ベルンゲン

シーランド帝国はトーパ王国に駐留軍を送っていた。これはトーパ王国へのインフラや港の整備の代わりに駐留させてほしいとライオネスが言った事でありラドスはこれを了承した。国内にはこれに否定的な意見も多かったが結局押し切られることとなりインフラや港が整備され様々な物がシーランド帝国よりもたらされるようになると反対意見は段々と鎮静化していった。

 

「……分かった。帰る前に一度立ち寄るなら出迎えるよ」

 

シーランド帝国トーパ王国駐留軍の総指揮を執るヘイグ・K・グレゴリー陸軍中将は世界の扉を観光中の娘との電話を行っていた。嫁いで行った娘を溺愛している彼は駐留軍の指揮官としてこの地に赴任する事で離れるのが辛かったが娘と久しぶりに会えるという事もあり上機嫌であった。普段彼は厳しく笑顔を部下に見せた事がなく今の彼の姿を見たら部下の誰もが驚き天変地異が起きるのでは!?と疑うだろう。とはいえ厳しいが部下を大事にする彼を慕う者も多くここにいる駐留軍の大半はそれに部類される。……その事もあって彼はこの地に赴任しているのだがそれは完全な余談だった。

 

「……ああ、明日会えることを楽しみにしているよ。それじゃお休み」

 

ヘイグは名残惜しい気持ちを我慢して電話を切る。彼の娘は夫と二人の子供と共にトーパ王国への2泊3日の観光に来ている。明日で最終日を迎えトーパ王国の王都に建設された大型空港で住んでいるビルマ自治領へと帰る予定だ。その前に彼と久しぶりに会う約束をしていた。

彼は明日を想像する。久しぶりの愛娘との再会。それと同じくらいに愛する孫たち。娘を信頼して嫁がせた義理の息子。話せる時間は少ないだろうが彼はその少ない時間を楽しみに残っている仕事を片付ける。普段より何倍も速く捌けていると感じつつ30分後にはすべてを終わらせて眠りについた。明日、何が起こるのか考えもしないで。

 




魔王ノスグーラって結構気に入っているんですよね。何か別の作品かいてみたいな(こっち疎かになるフラグ)

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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