シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第三十一話「古の魔王5~赤と青の鬼の最後~」

a.t.s52(皇歴52年)/12/8/11:37 トーパ王国ベルンゲン=トルメス間の街道

「グレゴリー中将、進行方向より大量のトーパ王国軍が来るのですが……」

「何だと?」

 

ヘイグ率いる駐留軍が北上してから二日が経過した。駐留軍は自動車に乗せられるだけ人員を乗せて乗り切れなかったものは徒歩で向かわせている。その為自動車部隊と歩兵部隊は大きく引き離されることとなったが代わりに先に出発したトーパ王国軍に近づきつつあった。

しかし、トーパ王国軍の兵が南に向かってやって来るようになりそれはまるで”逃走”のようであった。そしてついにそれまでの数人から大きく逸脱した百を超えるトーパ王国軍と鉢合わせした。

ヘイグはトルメスに早く行きたい気持ちを抑えてその百人を保護する。その百人の中には貴族も交じっておりシーランド帝国軍を見た彼らは一様に安堵の息を付いていた。

 

「一体何があったんだ?」

「レッドオーガとブルーオーガが、この先で待ち構えている」

 

一人の貴族が話し始めた事で漸く詳細な情報を手に入れることが出来た。

トーパ王国軍は先日の午前中にこの先で布陣する魔王軍を発見、撃退しようとそのまま交戦するがレッドオーガとブルーオーガが全線で猛威を振るい更にオークやロードの連携の取れた攻撃によりまともな抵抗も出来ずに敗走、一部の軍はトルメスを救援するべく街道を外れてそのまま向かったそうだが大半が魔物に見つかり食料となったとの事だった。

大物がこの先で待ち構えているという事とトーパ王国軍を正面から打ち破れる軍の力に貴族たちは恐れていたがヘイグ達駐留軍は冷静に受け止めていた。

 

「状況から察するに王都を魔王が陥落させていたらトーパ王国軍は南北から挟まれる形となっていたのか」

「可能性は高いですね。王都を直接攻撃する以外の目的があったのならそうなのでしょう」

「北にはレッドオーガとブルーオーガがいてそいつらに負けた軍が王都に逃げ帰るとそこにはそいつらを従える魔王が待ち構えている……。敗北した軍の士気を折るには最良とも言える行為だな」

 

駐留軍の間で魔王ノスグーラへの評価は上がっていくが同時に侮れない相手であり気を引き締めていないといけないと感じていた。

現代兵器にはかなわないという事は強襲上陸戦で把握しているがだからと言って無双できるわけではない。むしろ現代兵器を活用しきれない乱戦や接近戦を仕掛けてくる可能性もある。加えて駐留軍1000しかいない上に自動車部隊は約300人程だ。

対して魔王軍は布陣しているとは言え1万を超える軍勢で街道に陣取っている。そこを通らなくてもいけなくはないが整備されていないところを自動車が通れるかは分からないし森にでも出くわせば乗り捨てなければいけない。それにこのまま放置して近くの村や都市を襲わないとも限らない。そうなれば被害は増えトーパ王国の国力は大きく落ちるだろう。

シーランド帝国としてみれば魔王軍は遠距離武器を持たないため総合的に見ればパーパルディア皇国以下という判断を執るだろう。駐留軍は知らないが魔王の能力の一つである魔獣を操れる能力もシーランド帝国に魔獣はいないため使う事は出来ないし爆撃に耐えられるほど強靭でもない。それでもトーパ王国を簡単に滅ぼせる力は有している。

ヘイグは決断する。

 

「……このまま進むぞ。だが、こちらの力を最大限に使えるようにする。先ずは……」

 

三時間後、魔王軍と駐留軍は遂に対陣した。レッドオーガとブルーオーガ率いる魔王軍約1万と駐留軍300、トーパ王国軍残党約150は向かい合う事となった。

レッドオーガとブルーオーガはシーランド帝国の自動車部隊を見て太陽神の遣いか?と思うが似てはいるが全く違うモノの為気のせいと思い突撃を開始した。両オーガが先頭に立ち鼓膜を破らんばかりの声量で咆哮しながら向かってくる姿は駐留軍ですら恐怖を感じる程だ。しかし、だからといって手元を来ることがないところに練度の高さを感じさせる。そして、結果は呆気なく訪れる。

駐留軍はしっかりとひきつけてから一斉攻撃を開始する。300人による銃とランチャーによる蹂躙、更にトーパ王国軍による手榴弾(駐留軍から借り受けた)の投擲が行われた。レッドオーガはロケット弾が命中し上半身を吹き飛ばしブルーオーガは体中に銃弾を受け蜂の巣となった。周りの魔物はもっと悲惨で原型をとどめない者、爆発四散する者、死にきれずその場に倒れ込みうめき声を上げる者など死んでいったオーガたちの後を追うように死に導かれていく。

弾切れによる射撃の停止で収まったが目の前には地獄が広がっていた。後方にいた魔物を除きすべての魔物が息絶えるかうめき声を上げていた。その数凡そ4000。その中にはレッドオーガとブルーオーガも含まれており魔王軍は一瞬にして万の軍勢に匹敵する戦力を失う事となった。

 

「この機を逃すな!敵の後方部隊にも攻撃開始!」

 

指揮官を失い立ち往生する魔王軍にヘイグの指示のもと容赦ない攻撃が開始される。銃弾とロケット弾の第二一斉攻撃が後方にいた魔王軍に襲いかかる。距離があるためトーパ王国軍の手榴弾投擲は行われていないがそれがなくとも問題ないと言える程魔王軍は被害を増やしていく。指揮官を失った事で指示を出す者が消えた事も原因で結局逃げ出す者が現れるまで魔王軍、特にゴブリンはその場で蹲り攻撃が当たらないことを祈るしか出来なかった。

こうしてトーパ王国軍主力を壊滅させた魔王軍一万を撃退したヘイグ達駐留軍は包囲されるトルメス城及び魔王軍の捕虜となっているであろうトーパ王国の民とシーランド帝国の観光客を救うべく進み始めた。

 

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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