a.t.s52(皇歴52年)/11/29/21:56 フェン王国ニシノミヤコ
シーランド帝国を怒らせる要因を作ったテオリはシーランド帝国が取り戻したニシノミヤコにて息を潜めていた。
自ら積極的にパーパルディア皇国に付くことであわよくばフェン王国を統治させてもらえないかと考えていた彼はパーパルディア皇国の侵攻はまだまだ先という噂を流し手土産にするためにシーランド帝国の皇族、特に継承権が高い者を呼び寄せようとした。結果的に皇太子妃であったグィネヴィアしか来なかったがそれでもテオリは十分だった。皇太子のウィリアムはグィネヴィアを溺愛しており側室すら持っていないという。テオリはその情報を聞きこう考えた。
-溺愛しているという事は彼女を人質に取れば簡単に国を明け渡してくれるのではないか?そうでなくてもパーパルディア皇国に歯向かおうという意志は削ぐことが出来皇帝との間に溝が出来るだろう。そうなれば皇太子と皇帝との間で国が割れパーパルディア皇国が攻めやすくなる-
そう考えたテオリはグィネヴィアをニシノミヤコに呼び寄せた。タイミングよくパーパルディア皇国の監査軍も侵攻してきた為反乱は上手く行きグィネヴィアを捕らえることに成功した。更にパーパルディア皇国の奇襲とテオリの反乱で混乱するフェン王国に積極的に攻撃する事でパーパルディア皇国への忠誠も示すことが出来た。テオリの頭にはフェン王国を統治する自分の姿が思い浮かんでいたが彼は3つ思い違いをしていた。
1つ目はそもそもパーパルディア皇国はテオリに領土を与えるつもりはなく適当に金で済ませようと考えていた。勿論彼のフェン王国西部に置ける影響力は消え落ちぶれることは必須だった。
2つ目はシーランド帝国の中身である。皇太子ウィリアムと皇帝ライオネスとの間にはどうしても埋められない溝がありそれを理解しているライオネスは皇太子ウィリアムに最低限の権力しか与えていなかった。例えウィリアムがライオネスに反発したところで現状のウィリアムに付いてくる者は全体で見れば少なく簡単に制圧できるだろう。
3つ目はパーパルディア皇国のグィネヴィアの使い方である。グィネヴィアはパーパルディア皇国にとってみれば「大量に存在する文明圏外国の姫」程度しかなくテオリ程その存在を重要視していなかった。その為レミール主導の下凌辱と無残な処刑が行われシーランド帝国に対し警告するに至ったのだ。それを知ったウィリアムが大激怒する事も、シーランド帝国の国民がパーパルディア皇国憎しの感情に染まることも把握していなかった。
結果、穏健派だったウィリアム自ら総司令官としてフィルアデス大陸に侵攻しフェン王国、アルタラス王国のパーパルディア皇国軍は全滅した。テオリは運よくシーランド帝国軍の攻撃を逃れることに成功しニシノミヤコに潜伏したが手勢は全滅。シーランド帝国が高い懸賞金とかけてテオリを捜索しているため外に出ることも出来なくなった。
「(何故だ!?何故こうなったのだ!?)」
テオリは薄汚いローブを羽織って顔を隠しながら部屋の隅で震える。空き家の一室に閉じこもっているが食料は既になく空腹感がテオリを襲いつつあった。
「(シーランド帝国が!シーランド帝国がさっさと降伏してくれればこうならずに済んだのだ!全てあいつらのせいだ!あいつらが降伏すれば俺はフェンの統治者になれたのに……!)」
この期に及んでテオリが考えていたのはシーランド帝国への罵倒だった。自らの行いを正当化しシーランド帝国を罵るその様はまさに愚か者と呼ぶにふさわしかった。
その時だった。シーランド帝国への憎しみを募らせていたテオリは外が騒がしい事に気付く。見つかったのか?と思ったがどうやら違うらしかった。テオリは細心の注意を払いながら窓を覗く。そこには大通りをシーランド帝国軍に守られながら進むシーランド帝国の皇族とそれを歓喜を持って歓迎する民衆の姿があった。
「おのれ……!愚かな民衆どもめ……!本来敵であるシーランド帝国に媚びを売るとは……!待てよ?」
テオリは愚かな民衆を見て苛立ちを募らせるが頭に良案を思いつく。
「(確かここにいる軍の総大将はシーランド帝国の皇族と聞く。そいつを人質に取ってシーランド帝国の軍を動かせればまだ逆転できるのではないか?そうなればパーパルディア皇国に頼らなくてもこの国の王になれる……!そしてそのままシーランド帝国にも攻め入り国を落とせば……!)」
テオリはそこまで考えると剣を持ち外へと出る。丁度皇族が目の前を通ったところであった。遠目では分からなかったが中々の美形でありテオリはニヤニヤと下種な笑みを浮かべる。グィネヴィアの時はパーパルディア皇国に引き渡すために
「フハハハハハ!これでフェン王国は俺のも、の……!」
瞬間、テオリの体を無数の弾丸が貫く。一瞬の出来事故にテオリは何が起きたのかさえ分からずに大量の血を吐き出しながら崩れ落ちた。
「……本当に出てきたね」
コーディは騒然とする民衆に目を向けることもなくテオリを冷ややかな目で見ていた。今回のパレードに現れてくれれば良いかなとコーディは思っていたが本当に現れ無謀にも襲おうとして来るとは思っていなかった。
「コーディ様。この死体はどうしましょうか?」
「うーん、晒しても良いけど血の後始末が大変そうだし処分しちゃっていいよ」
「はっ!」
部下に命令を下したコーディはグィネヴィアの仇の一人であるテオリの死を目の前で見ることが出来満足しつつ民衆にテオリの事を伝えるのだった。
戦力分析、状況判断が出来なかったテオリ。更に自らの行いを反省する事もせず正当化するだけの無能。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了