a.t.s52(皇歴52年)/12/5/11:43 パーパルディア皇国南部メロ平野
この日、シーランド帝国皇太子ウィリアム率いる西部方面遠征軍約10万とパーパルディア皇国軍約10万が接敵した。両者ともに迂闊な攻撃を控え陣を形成していく。周囲は何処までも続く平野であるが両者ともに脇からの奇襲をする気配はない。パーパルディア皇国はそんな真似をするのはプライドが許さないためであり正面から堂々と叩き潰そうとしていた。
一方のシーランド帝国は両翼を伸ばしパーパルディア皇国軍を包み込むような形で布陣していた。
両軍の布陣図を見る者が見ればまさに武田信玄と徳川家康が激突した三方ヶ原の戦いにも見えるだろう。
シーランド帝国の布陣を見たパーパルディア皇国の将軍ラーマックは鼻を鳴らして見下すように呟いた。
「ふん、我が軍相手にあの様な陣形を取るとは……。敵は戦争というものを理解していないようだな」
「全くですな。先鋒の地竜だけで敵を食い破れるのではありませんか?」
「敵は愚かにもパーパルディア皇国の領土に土足で踏み入っております。これ以上増長させないためにも徹底的に殺す必要があるでしょう」
ラーマックの言葉に配下の将兵たちも同意する。パーパルディア皇国の先鋒には地竜部隊がいた。パーパルディア皇国をここまで強大化させた最大の要因であり第三文明圏およびその周辺国でこの地竜を運用できている国は存在しなかった。
「よし!では地竜部隊よ!前進せよ!一気に敵の中央を食い破ってやれ!」
「将軍!オーバーロードが到着しました!これで陸と空から敵は一方的な虐殺を受ける事になるでしょう!」
将兵の報告にラーマックは下種な笑みを浮かべて満足そうに頷く。ラーマックは文明圏外国の蛮族にオーバーロードを使用するなど過剰すぎると思っていたがオーバーロードの力を見せつけるいい機会と思っていた。
地竜部隊が前進を始めると同時にラーマック達の上空をオーバーロードが飛翔する。比較的低高度を飛んでいたためラーマック達に突風が襲い掛かるが頼もしさを感じる風だった。
「見ろ!敵が浮足立ち始めたぞ!」
「漸く誰を相手にしているのか分かったようだな!」
将兵たちが一斉に騒ぎ出す。ラーマックも相手の方を見れば何やら蠢いている敵の姿があった。敵には飛竜の姿は見えない。ラーマックは一騎のワイバーンもいないとは、と呆れていたが同時に少しだけ相手に同情する。空の覇者たるワイバーンの最新の品種改良型であるワイバーンオーバーロードを相手する事になったのだから。しかし、その感情もパーパルディア皇国に攻め入ってきたお前らが悪いと一刀し敵が死んでいく蹂躙劇に胸を躍らせた。
そして、
空の覇者たるワイバーンオーバーロードが
すさまじい速度で落ちてきた何かにぶつかり
大爆発する姿を目撃した。
「……え?」
丁度両軍の中間に落下するワイバーンオーバーロード
ラーマックは震える右手でオーバーロードの死骸を指さす。
「な、なんだ……、あれは」
思考を停止するラーマックだが無情にも戦場において時は待ってはくれない。地竜部隊は撃ち落とされたオーバーロードに構うことなく進み続けるが
地竜、リンドヴルムはパーパルディア皇国にのみ生息していると言われている竜であり拡散する火炎を吐き弓矢程度なら弾くほどの強力な鱗に守られている。パーパルディア皇国の国旗にも使われている程パーパルディア皇国を
しかし、それは決して受け入れられない運命であり絶対にあり得ないものだとラーマックは震える自分の心を押し殺して命令を下す。
「歩兵を突撃させろ!敵に肉薄し殲滅するのだ!」
「し、しかし!敵は魔導砲を所持しています!しかも我々が持つ魔導砲よりも射程、威力が高い……」
「うるさい!そんな事は見ればわかる!だからこそ肉薄して砲を打てない状況にするのだ!さっさと突撃させろ!」
「は、はっ!」
将兵を怒鳴り無理やり命令を伝えさせる。ラーマックのその剣幕にその場の誰もが動くことが出来ずに固まりラーマックの命令が伝えられていく。そして歩兵の突撃が開始されたがその動きは明らかに遅い。目の前でパーパルディア皇国が誇る地竜が瞬殺されたのだから仕方がなかった。今飛び込めばあの砲撃が自分に飛んでくるのはいくら歩兵といえど分かる事であり、その結果全体で動きは異常に鈍かった。
そして、そんなパーパルディア皇国の動きを待つほどシーランド帝国は甘くも、優しくもない。
陣の中央、本陣の前に布陣したシーランド帝国の戦車部隊が前進を開始したのだ。そして両翼も前進を開始し包囲するように動き出した。
斯くして、後にメロ平野の戦いと言われる
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了