シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第四話「ロデニウス沖大殲滅戦」

a.t.s52(皇歴52年)/2/16/15:47/ロデニウス沖

「目的地に到着しました」

「よし、これより攻撃を開始する」

 

ロウリア王国の湾港都市に到着したシーランド帝国第一艦隊は出向の準備を行っているロウリア王国の木造船へと砲を向けた。

 

「砲撃開始!」

 

艦隊司令官の指示に従いシーランド帝国のD6級イージス艦が速射砲を放つ。更に戦艦も自慢の40センチオーバーの砲塔から砲撃する。速射砲によって丁寧に沈められる船に艦砲射撃で重大な被害を受け始める湾港都市。僅か数分で湾港都市は火の海となり海兵や住民の叫び声が聞こえてくる。

 

「港に停留していた敵艦隊の2割を殲滅!」

「よし、そのまま砲撃を続けるぞ」

「はっ!」

 

シーランド帝国は容赦なく攻撃を続ける。港から出ようとした船は優先的に沈められ船から下りれば艦砲射撃の爆風で爆発四散した。彼らロウリア王国の海兵たちは物陰に縮こまり悪夢の如き攻撃が止む事を祈っている事しか出来なかった。

それは海将シャークンとて同じことだった。自らが乗艦する船から周りの船が一瞬で沈んでいくのを茫然と眺めていた。

 

「何故だ……。なぜこんな事、に……」

 

シャークンはシーランド帝国の隔絶した力に恐れと絶望を抱きながら目の前に迫ってきた砲弾にぶつかり上半身をバラバラになる事でこの世から消えた。

 

 

 

攻撃は約三時間に渡って行われた。途中ワイバーンの襲来があったが対空ミサイルによりワイバーンは一騎残らず撃墜され空に血と火薬のグラデーションを作り上げた。ワイバーン達は第一艦隊すら視認出来ず自分たちがどうやって攻撃されているのかさえ把握することなくこの世から消えていった。

このように第一艦隊の戦果は十分すぎるものとなった。しかし、彼らの攻撃はまだ終わらない。キング・オブ・ライオネス級原子力空母以下全ての空母より艦載機が発艦、テイトジンハークを目指して超高速で侵攻し始めた。

 

「司令、全機発艦完了しました」

「うむ、我らは予定通りロウリア王国のほかの港を攻撃するぞ」

「はっ!」

 

発艦し終えた第一艦隊は更に進みロウリア王国の港を攻撃しに進む。ロウリア王国の生き残った将兵や平民は自分たちを一方的に攻撃してきた悪魔ともいうべき第一艦隊を恐怖の目で見送るのだった。すでに彼らに、抵抗する気力は残っていなかった。

 

 

 

a.t.s52(皇歴52年)/2/16/18:03/ギム

「殿下、第一艦隊がロウリア王国艦隊を撃滅。皆とも攻撃し大打撃を与えたようです」

「……そうか」

「更にワイバーンの編隊も飛来したようですが対空ミサイルで全て撃沈したとのことです」

「……」

 

ウィリアムは部下の報告に湾港都市にいた民間人のことを思う。彼らは全く関係のない民間人だった。無論敵国の民ではあるがそれでも避難する時間は与えるべきだったと考えていた。

 

「(第一艦隊の話は生き残りから瞬く間にロウリア全土に伝わるだろう。そうなれば戦後ロウリアと良好な関係を続けることは不可能。最悪の場合クワトイネ公国やクイラ王国との国交も危うくなるかもしれない)」

 

ウィリアムはそこまで考えて軽くため息をつく。自分のやりたい事と父がやっていることがあまりにも違い過ぎる。それは国政にかかわる前から分かっていたことであったが実際に経験すると悲観せずにはいられなくなっていた。せめてロウリア王国との戦争後に出来る限りの事をしよう。

そう心に誓うウィリアムは知らなかった。ロウリア王国がこのまま独立を維持するわけではない。そして列強諸国がいないシーランド帝国の暴走とも言える拡大思想を。ウィリアムがそれを知るのはもう少し先のことである。

 

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