a.t.s52(皇歴52年)/12/13/14:10 シーランド帝国帝都ロンドニウム
「お初にお目にかかります。シパールケ共和国外交省所属、東部方面外交局局長のミケーレと申します」
この日、シーランド帝国の帝都ロンドニウムにてシパールケ共和国の使節団がやってきていた。リーム王国の船舶を借り受けてやってきた彼らは皇帝ライオネスに恭しく挨拶を行った。使節団を束ねているのはミケーレと名乗る男でライオネスの目には“胡散臭い男”というイメージに映っていた。そんなミケーレはライオネスが感じた印象など知る由もなく笑みを浮かべて話し始める。
「本来ならいくつか話をして親交を深めたいのですが生憎時間がありませんので単刀直入ですが、我々と同盟を結んでいただきたい」
「ほう?貴国らと同盟を結ぶ事で我らは何を得られるのかな?」
「簡単な話です。戦線の拡大を防げます」
ライオネスの挑発的な質問にミケーレはきっぱりとそう告げる。ミケーレの頭には北進するシーランド帝国軍の情報からライオネスへの言葉を決めていた。
「貴国はパーパルディア皇国を降す力を持っているのはこれまでの戦況から分かっております。ですがそれと占領、統治は別です。膨れに膨れ上がったパーパルディア皇国の民たちがあなた方の統治に従うと思いますか?そしてこの広大なパーパルディア皇国領を占領しきる国力をあなた方は持っていますか?持っていないですよね?故に我らと同盟を結ぶことにより戦線の拡大は防ぐことが出来且つ我らが北部、貴国が南部を併合する事で占領と統治を行いやすくします」
「……」
「領土の分割はパールネウスやエストシラントをこちらでもらい受けたいですが既に貴国の手によって占領されています。故にここは我らが
「話にならないな」
自信満々のミケーレの言葉をライオネスは一蹴した。それどころか軽く殺意すら湧き上がっていた。それはこの場にいるシーランド帝国関係者も同じでありその殺意に気付いたシパールケ共和国の使節団が顔を青ざめていた。殺意に気付いていなかったのは素晴らしい提案だと本気で思って説明していたミケーレのみだった。
「なっ!よく考えていただきたい!我らはパーパルディア皇国に劣らぬ
「……もし、本気で言っているのならシパールケ共和国は人選を誤ったな。上層部の人間を連れてくれば良いわけではないというのに……」
「ひっ!」
そこでようやくミケーレは気づく。ライオネスの瞳に宿る殺意に、今にも殺さんとばかりにこちらをにらみつけてくるシーランド帝国の関係者たちに。ミケーレはその場で腰を抜かし後ずさる。
「貴国らの意志はよく、理解した。きちんと精査したうえで返答の使者を送ると伝えると言い。話は以上だ。去れ!」
瞬間、ライオネスの怒号と共にミケーレは使節団を置いてその場を逃げ出した。その眼には恐怖の感情が浮かぶと同時に怒りの感情も浮かび上がっていた。
a.t.s52(皇歴52年)/12/15/11:03
「共和国第一空中戦闘団準備完了しました!」
ヨアン・スマイラスの前には見事な整列を行い彼の指示を待つ共和国きってのエリート部隊がいた。彼ら第一空中戦闘団は共和国の高官や貴族の息子たちによって構成されており団長を務めている人物も侯爵の地位を授かっている貴族だった。彼らは内地においては模範的なエリートだが敵地に入れば別の顔を見せた。
「うむ、貴殿らの活躍を期待している。既にクーズは陥落したも同然である!ならば目標はクーズの南に展開するパーパルディア皇国軍だ!……とは言え貴殿らにとっては
「「「「「はっ!」」」」」
第一空中戦闘団はいつもの、戦地における虐殺や奇襲という慣れた任務であり皆一様に笑みを浮かべていた。模範的にいる事へのストレスは戦地でこうした攻撃を行わせる事でストレスのはけ口にしていた。第一空中戦闘団には自由な行動が許されており彼らの通った道には何も残らないとして有名だった。時には狩の様に対象をわざと逃がしながら遊んだりワイバーンロードから降りて強姦や略奪などを行うなどしていた。
「それでは!貴殿らの成功を祈る!出撃せよ!」
スマイラスの指示により第一空中戦闘団総勢500はワイバーンロードに乗り空へと向かっていく。彼らは空中で即座に編隊を組むと南下を開始する。目標は、クーズの南部に展開するパーパルディア皇国軍野営地。
しかし、彼らはまだ知らない。既にシーランド帝国が合流している事に。そのあり得ないくらいの行軍速度は彼らシパールケ共和国の想定を超えていた。
それにより起こる悲劇は、シパールケ共和国の運命を決定づけるには十分な物となったのだった。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了