a.t.s52(皇歴52年)/12/16/11:02 パーパルディア皇国臨時皇都ルパースィ
皇帝ルディアス以下エストシラントを脱出した高官はパーパルディア皇国の西部にある大都市ルパースィにいた。彼らは各地から逃げてくる関係者を集めながらパーパルディア皇国の再編を行っていた。軍隊に関してもシーランド帝国に追い出されたノーマ将軍率いる軍勢を中心に回復が始まっている。しかし、工業都市デュロと商業都市ヴェヌを失い国土の半分以上を喪失したパーパルディア皇国は平時の4割以下の国力しかもっていなかった。それどころかガシロイ以外の地域では混乱が続いており中には反乱が発生している地域もあった。その為事実上今のパーパルディア皇国が使用できる力は微々たるものでしかなかった。
「……」
ルパースィの行政府の一角は皇帝の私室として使われているがとうの皇帝ルディアスは生気のない表情で窓から見える景色を眺めていた。
エストシラントに残ったルパーサが戻ってきてシーランド帝国の意志を伝えて以来ルディアスはこの様になっていた。そして、解放される際に渡された通信機によってやり取りを行った結果、今日パーパルディア皇国の終焉が決まった。ルディアスは既に手続きを行っているシーランド帝国の行政官の指示に従い正式な降伏宣言を行い戦争裁判で裁かれる事が決定していた。そして、その内容も既に把握済みだった。
パーパルディア皇国は解体されエストシラントを含む南部とデュロ周辺をシーランド帝国領フィルアデスとして、ヴェヌを含む領土をアーロン・フェニックス・ペンドラゴンを国家元首とするアーロン副王国として、ヴェヌとデュロの間とリーム王国国境部などにウィリアムの兄であるリチャード・ロバーツ・ペンドラゴンを国家元首とするリチャード副王国の建国が決定されている。そして残った土地がフィルアデス連邦となりシーランド帝国の衛星国となる事が決定された。これら一連の出来事にパーパルディア皇国の意見は全く含まれていない。
というのもルディアス以外でも大半の政府関係者の裁判が決定している。フィルアデス連邦で外交担当として採用されているエルトはパーパルディア皇国人ではないという理由から対象外となったノーマなど以外ではリウスやカイオスなどの外務局局長、アルデやバルスなどの軍関係者などが裁判で裁かれる事が決定している。因みに裁判官はライオネスとウィリアムの息がかかった者しかいない為ほぼ処刑が確実となっている。中には強制労働なども考えられているが反乱を起こす可能性があり、大量に労働力があるナイジェリア直轄領などから取り寄せればいい為極力処刑にするように言われている。
特にグィネヴィアの処刑を命令したレミールはむごたらしい死が約束されていた。彼女は現在シーランド帝国の強制収容所におり、移送中はシーランド帝国の臣民による
「陛下。お時間です」
「……分かった」
ルパーサの呼びかけにルディアスは力なく答える。パーパルディア皇国の皇帝としての最後の務めを果たせば彼はシーランド帝国の本国に送られ裁判を受ける。そして確実に処刑が行われる未来にルパーサは静かに涙を流すことしか出来なかった。
「初めましてルディアス殿。私はフレディ・K・マイソンと申します。パーパルディア皇国解体後はフィルアデス連邦の連邦統括官に就任する予定です」
降伏宣言を行う謁見の間にて出迎えたのは三十代の男だった。彼はフィルアデス連邦のトップに就く事が決まっておりルディアスに敬語を使っているが見下している様子がにじみ出ていた。
「ルディアス殿は降伏宣言を行った後速やかに本国に送ります。降伏宣言後はただの犯罪者です。そこからは何の権力もないのでご注意ください」
「分かっています」
「よろしい。ではここに立ちこのカメラ……、ああ失礼。貴殿らでは分からないですな。これは遠く離れた場所に映像を送れる機械です。……おっと、貴殿らも持っていましたな。我が国の皇太子妃を殺すのに使っていたからな」
「……」
フレディの怒りの籠った言葉にルディアスは何も答えない。負けた以上何を言われても仕方ないと諦めていたのだ。そんな様子のルディアスを見てパーパルディア皇国の者は涙を流しシーランド帝国の者は冷めた目で睨みつけるのみだった。
そして、指定された場所に立ったルディアスはシーランド帝国の用意した原稿を手に持ちパーパルディア皇国の無条件降伏を宣言するのだった。
『……フィルアデス大陸においてこれまではパーパルディア皇国が猛威を振るっていた。しかし、今のパーパルディア皇国は負けフィルアデス大陸をまとめる力はもはやない。故に私はシーランド帝国皇帝ライオネス・ロバーツ・ペンドラゴンの名のもとにフィルアデス連邦の建国を宣言する。そしてフィルアデス大陸を引っ張っていくことになるこの国はこれ以上の大陸の不和を望まない。
故に、現在大陸にて狂犬の如き暴れるシパールケ共和国に対し宣戦布告する事をここに宣言する!
これはフィルアデス連邦の国家元首たる連邦統括官であるフレディ・K・マイソン以下連邦の総意である!連邦の臣民諸君!大陸の安寧の為に力を尽くせ!』
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世界地図
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フィルアデス大陸南部の地図
青:シーランド帝国領フィルアデス
灰色:アーロン副王国
薄灰色:リチャード副王国
薄紫:旧パーパルディア皇国の属国たち
次回からシパールケ共和国にパパっと攻めて滅ぼします
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了