a.t.s52(皇歴52年)/12/24/9:00
シーランド帝国はイギリスを滅ぼし誕生した国家であるがイギリスから引き継いだものは多い。クリスマスもその一つでこの日、シーランド帝国本土では明日のクリスマスに向けて様々な準備が進められていた。隣のフィルアデス大陸では今も戦争が行われているが二代目皇帝ライオネス・ロバーツ・ペンドラゴンがずっと拡大政策を続けてきた為彼らにとっては戦争は日常の一部となりつつあった。
そんな本土ではお祝いムードとなっている中ティルローでは熾烈な攻撃が行われていた。シパールケ共和国が攻めてくるとは思っていなかったパーパルディア皇国だがそれでも国境都市らしく城壁に囲まれた立派な都市だがそんなものは現代兵器の前には無意味である。戦車砲や野砲が容赦なく火を噴き城壁を飛び越えて都市にあたったり城壁にぶち当たりまるで脆いかのように呆気なく破壊していく。
比較的距離があるため歩兵による銃撃は行われていないがそれが必要ないくらいの攻撃が行われている。決戦で主力を失ったシパールケ共和国軍はこの都市に逃げ込み英気を養っていたが結局シーランド帝国の攻撃の餌食となっていた。
「スマイラス閣下!こちらです!」
攻撃は司令部にも届き軍の総司令官であるスマイラスは部下の手引きで地下通路を通って逃げ出そうとしていた。スマイラスの表情は硬く汗を流しながら必至に進んでいる。ブラーナ峠でどんどん減っていく自軍を見て以来シーランド帝国への評価を改めた彼だが時すでに遅しであった。
ブラーナ峠に展開した軍はほぼ全滅し生き残った兵も今まさに行われている攻勢でその数をさらに減らしている。もしかしたら生き残っているシパールケ共和国軍はここにいる者のみなのかもしれない。そんな思いがスマイラスの心を支配していく。
地上で爆発が起きるたびに石のかけらや砂がパラパラと落ちてくる。そこまで頑丈な作りではないこの地下通路の真上に敵の攻撃が着弾すれば崩落する可能性もあった。しかし、ティルロー全体を更地にする勢いで攻撃されている地上よりはマシであった。
「ぐっ!」
と、懸念が現実となりスマイラスの後方が崩れ落ちる。スマイラスより後ろにいた兵は皆下敷きになるか道を分断された。一気に護衛の兵は半分となったが15万もの兵を失っている為今更であった。スマイラスは焦りを抱えつつ地下通路を進む。
結果的にスマイラス達は地下通路を無事渡りきりティルローから逃げる事に成功した。しかし、この時にはついてきた兵は数名程にまで減ってしまった上にそれ以外の兵の大多数は全滅するのだった。ティルローを消滅させたシーランド帝国は更地と化したティルローを進みシパールケ共和国へ雪崩こんだ。更にヴェヌ上陸後にデュロに向かった別働隊も数日遅れでシパールケ共和国に入った。両軍は首都ルーパへと向けて前進するのだった。
a.t.s52(皇歴52年)/12/22/??:?? ムー
ムーに取ってパーパルディア皇国の滅亡とフィルアデス連邦の建国は驚愕に値する出来事であった。というよりもパーパルディア皇国にいる駐在大使ムーゲと連絡が取れていなかった理由が漸く判明した。ムーはシーランド帝国に関しては名前のみ知っていたがグラ・バルカス帝国の方に注視していた為第三文明圏で起きている事に関しては全く知らなかったのである。
そして、パーパルディア皇国人ではないと分かったらしくムーゲから連絡が入りシーランド帝国の事を詳しく知る事が出来、軽く絶望した。何せシーランド帝国のやっている事はパーパルディア皇国と、引いてはグラ・バルカス帝国と変わりないのだから。精々の違いが友好国が存在する事だがパーパルディア皇国をひと月もかからずに降伏させている事から強力な軍事力を持っているのは確定的であった。
「敵対したら、ムーは東西から殺される」
ムー上層部の人間の思いは一つにまとまった。彼らは急遽ムーゲを仲介としてシーランド帝国とコンタクトを取る事に成功した。ムー上層部は使節団の派遣を決定しシーランド帝国に向けて出発させるのだった。
a.t.s52(皇歴52年)/12/25/12:00 シーランド帝国帝都ロンドニウム
「ムーか。まさかおとぎの国が存在しているとはな」
「私も驚きました」
ライオネスは少し痩せた体を玉座に深々と預け宰相と話し合っていた。内容はムーについてであり今まさに使節団が向かってきているという。
使節団はアルタラス王国に駐留している艦隊が迎えに行きそこからアルタラス王国まで引き返しジャンボジェット機で帝都に来る予定である。アルタラス王国の空港はムーが設置したルバイル空港があったが上陸前の爆撃で完全に破壊されていたがその後に突貫工事で滑走路が完成していた。今はシパールケ共和国に爆撃を行うための爆撃機隊が集まっており数時間もしないうちにフィルアデス大陸に向けて旅立つ予定である。運が良ければ使節団は爆撃機隊を見る事が出来るかもしれなかった。
「ムーの技術はどの程度のなのだ?」
「詳しくは分かりませんが少なくとも機械化には成功している様ですしパーパルディア皇国で作られたオーバーロードはムーの最新鋭機に触発されて作ったようなのでオーバーロードと同等の能力を持つ飛行機械を運用できていると考えるべきでしょう」
「……危険だな」
「はい。私もそう思います」
ムーがいずれシーランド帝国の様な技術力を持つ可能性があった。そうなればシーランド帝国はこれまで以上に警戒して動く必要が出てくる。かつての世界のように……。
ライオネス含めシーランド帝国の上層部の大半はそうなる事を望んでおらずシーランド帝国を世界の覇者にしたかったのだ。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了