a.t.s53(皇歴53年)/1/1/10:00 シーランド帝国帝都ロンドニウム
ロンドニウムで公務員をしている男は新年を迎えると同時に嬉しい報告を聞いていた。
『先ほどライオネス陛下がシパールケ共和国の完全征服を宣言なされました。これによりシパールケ共和国全土の掌握が完了しフィルアデス連邦への併合が完了しました。パーパルディア皇国による卑劣なる行いから始まったこの戦争は約ひと月に渡り行われ皇太子妃グィネヴィア様以下尊い犠牲を出しました。しかし、その様な行いをした者は全て捕縛され半月後に開かれる戦争裁判にて厳しい判決が下されます。皇太子ウィリアム様は6日にロンドニウムに帰還予定で滞在するムーの使節団と挨拶を行う事となっており……』
戦争が日常化したシーランド帝国では戦勝の報告は祝い事であった。年明けという事もあり町は大盛り上がりとなるだろう。
男も愛する妻と娘と共に長い休暇を旅行で過ごす予定であり祖国の戦勝を祝いつつ旅行という事ではしゃぐ娘の下に向かうのだった。
a.t.s53(皇歴53年)/1/1/10:09 シーランド帝国帝都ロンドニウム
「まさかパーパルディア皇国どころかシパールケ共和国にすら短期間で勝ってしまうとは……」
ムーの技術士官マイラスはあてがわれたホテルの一室でテレビから流れる放送を聞いて乾いた笑い声をあげた。昨日到着した彼らはロンドニウムを見て驚くと同時に大暴れをするシーランド帝国の帝都にふさわしいと感じていた。彼らはロンドニウムの歴史を聞き長い歴史を持つ都市であると同時に内乱で一度は壊滅したと聞き驚いていた。
「ウィリアム・ロバーツ・ペンドラゴン……。彼は一体どんな人物なのだろうか……」
マイラスはフィルアデス大陸で軍勢を率いるシーランド帝国の皇太子について考える。シーランド帝国という巨大で凶悪な国家を率いていくことになる人物。彼次第でシーランド帝国がどう動いていくのか変わって来る。ムーとの敵対はしてほしくないと考えつつ帰国する際にコネクションを作っておかなければと覚悟を決めた。
その時、部屋の扉がノックされ戦術士官のラッサンが入ってきた。シーランド帝国を『文明圏外の田舎国家』と蔑んでいた彼だが迎えに来た艦隊を見て以降はそんな態度と思いは鳴りを潜めていた。それどころかムーでは絶対に勝てないと思っておりそれは使節団全員の共通した認識だった。
ムーの最新鋭戦艦ラ・カサミですらシーランド帝国の旧式戦艦にあらゆる面で劣っているだろう。何より海軍国家であるシーランド帝国は数も多く例えスペックで上回っていたとしても物量の前に負けるだろう。
「マイラス、ちょっといいか?」
「勿論だ。一体どうしたんだ?」
「いや、この国の皇太子について意見が欲しくてな」
「それなら丁度良かった。今その事について考えていたんだ」
マイラスは今まで考えた事をラッサンに話し二人は様々な考察をしながらそれぞれ今日回る地点に向かうために着替えて外に出るのだった。
a.t.s53(皇歴53年)/1/1/11:22 フィルアデス連邦首都
「では本日の議題を終了します」
司会を務めるエルトの言葉と共に会議に参加していた者達が立ち上がり部屋を出ていく。
フィルアデス連邦はまだまだ機能しているとは言い難い状況にあった。それでも漸くクーズなどの一部の都市との連絡網が形成されつつあり数か月もしないうちに国家として機能すると予測されていた。更に、フィルアデス大陸に建国された二つの副王国も必要な人員が配置されつつあった。
「本国では今頃年明けを祝っているのだろうな……」
連邦統括官フレディ・K・マイソンは窓の景色を見ながらそう呟く。彼の呟きに答える者はおらず動き回る人の音でかき消された。フィルアデス連邦のトップである彼の下には本国から様々な情報が送られてくるがそのほとんどが仕事に関係する者ばかりで街の様子などの情報は来ていなかった。
「望んでここに来たがやはり住みづらいな」
未だシーランド帝国の人間はこの街では“よそ者”と言う風潮が強くパーパルディア皇国人が幅を利かせている場所もあった。流石に今は無理だがいずれ取り除くとフレディは決心していた。
「……さて、パンドーラ大魔法公国とマール王国に使者を派遣しなければいけないからな」
フレディは少しの間故郷の風景を思い出すと再び仕事に戻っていった。
未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して
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原作での登場まで待つ
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作者が想像して書いて
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別のオリジナル国家とかに変更する
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魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了