シーランド帝国召喚   作:鈴木颯手

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第五十四話「恐怖する西の帝国と備える東の帝国」

a.t.s53(皇歴53年)/3/??/??:?? グラ・バルカス帝国

グラ・バルカス帝国にとって不幸だったのはシーランド帝国の動きを理解できてしまった事である。

彼らはパーパルディア皇国戦で投入された戦車や野砲の洗練された武器に戦艦や空母を見て自国より強大な国家という事が分かった。数では勝っているかもしれないが質では圧倒的に負けている事が判明した。

 

「シーランド帝国とは敵対しないように動こう」

 

グラ・バルカス帝国はこの意見で一致したがその後にある事に気付いた。シーランド帝国はパーパルディア皇国を滅ぼすきっかけとグラ・バルカス帝国がレイフォルを滅ぼした経緯が似ている事である。同時に彼の国が侵略的行為を行っている事から拡大主義という事もうかがえた。

グラ・バルカス帝国とシーランド帝国。お互いは似た国家である。グラ・バルカス帝国はこの世界では上位に、場合によっては第二位に慣れる力を持っていると予想できた。そんな力を持つ国を彼の国が放っておくだろうか?グラ・バルカス帝国ならこれ以上の増長を許さないために早めに叩き潰すだろう。もし、それがシーランド帝国でも起きていたら?グラ・バルカス帝国は滅ぼされる可能性が高かった。

この意見が出るとあっという間に上層部に広がりグラ・バルカス帝国の力を信じる者はシーランド帝国を侮り、きちんと把握できている者は絶望的な未来に頭を抱えた。

加えて、隣国のムーがシーランド帝国と友好関係を築いたことが判明した。さらにムーを仲介に第二文明圏の国々もシーランド帝国と国交を持つようになっていった。

 

「侵略先がなくなったか……。宣戦布告すればシーランド帝国が出てくる可能性が高い……」

 

グラ・バルカス帝国が第二文明圏の国と戦争を行えばシーランド帝国は喜び勇んで戦争に参加するだろう。距離的問題もあるため直ぐにどうのこうの出来るとは思えないがそれでもレイフォルにいる軍勢は無事ではすまないだろう。唯一良かった点は未だ本国の位置を悟らせていない事であり本国への直接攻撃は避けられると予想していた。

しかしそれもシーランド帝国が血眼になって調べればすぐにばれるだろう。その場合、グラ・バルカス帝国は二度と今のような武器を持つ事は出来ず、この世界の文明圏外国のようにお粗末な文明レベルにまで落とされるだろう。

グラ・バルカス帝国は明るい未来が見えない将来に絶望しつつ新兵器の開発を行いシーランド帝国と戦争になった際に少しでも対抗できるように準備を進めるのだった。

 

 

 

 

 

a.t.s53(皇歴53年)/2/??/??:?? シーランド帝国帝都ロンドニウム

一方のシーランド帝国はムーの事を知るに連れ彼らが地球でムー大陸と呼ばれる空想上の物と同一の存在であることが判明していた。

ライオネスはこれをすぐに臣民に教え数千万年の時を得てかつての同胞との再会と大々的に発表した。これによりムーへの関心は高まる事となり一月後にはムー大陸への観光業が盛んに行われる結果となった。

しかし、そんなムー大陸の発見によりシーランド帝国の上層部ではある仮説が浮かんできていた。

 

“かつて存在したというラヴァーナル帝国。実際に存在していていずれ本当に戻って来るのではないか?”

 

この世界を好き勝手にしていた古の魔法帝国と呼ばれるラヴァーナル帝国。環状島連合で発見された核弾頭と思わしき物などから精査した結果シーランド帝国にとって国家存亡レベルの敵と認識出来る実力を持っている事が判明していた。しかし、あくまで神話の国家であるためかつてそんな国がいたという程度だったがムー大陸を見て神話でも実在する可能性があると認識が変わった。シーランド帝国はそれを受けて軍事物資の補充と拡充を行い始める。何時戻って来るのかは分からないが明日にでも転移してきてもいいような準備を始めつつあった。

それ故、エモール王国からの特使が来た時は歓迎した。何しろ『古の魔法帝国の情報』を持ってきたのだから。前の世界では大した力を持っていなかった占いだがエモール王国の空間の占いは予知に近い性能を持っておりその占いでラヴァーナル帝国の復活とそれを打倒できるシーランド帝国の存在が出てきたのである。その為、エモール王国はすぐさまシーランド帝国に特使を送ったという訳である。

 

「ラヴァーナル帝国が復活する時期は正確には分かりませんでした。しかし、近いうちに復活する可能性が高くそれに抗える貴国と友好関係を築いておきたいのです」

 

特使の言葉にライオネスは承諾しエモール王国との国交が樹立された。これによりシーランド帝国はラヴァーナル帝国の知識を大量に知る事が出来るようになった。第二文明圏でグラ・バルカス帝国の脅威が増す中、シーランド帝国は一足早く対ラヴァーナル帝国を見据えた軍拡と戦略的行動を開始するのだった。

 





【挿絵表示】

現在の世界地図
青:シーランド帝国直轄領(自治領含む)
灰色と薄灰色:シーランド帝国の副王国
黄:フィルアデス連邦
藍色:シーランド帝国の属国
緑:シーランド帝国の友好国
黄緑:友好国ではないが国交を持つ国(大まかに)
紫:グラ・バルカス帝国の勢力範囲
薄紫:潜在的敵国(グラメウス大陸では魔王のみ)

未だ本編に出て来ない魔法帝国に関して

  • 原作での登場まで待つ
  • 作者が想像して書いて
  • 別のオリジナル国家とかに変更する
  • 魔法帝国ではなくグラ・バルカス編で終了
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